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釣る前に、食べる前に、ナメモンガラという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、ナメモンガラという魚を知ろう!

ナメモンガラとは、フグ目モンガラカワハギ科ナメモンガラ属。雄と雌で色合いが違う。実にきれいな魚で、ダイビングなどで人気が高い。主に伊豆諸島、小笠原諸島、ミクロネシア、ハワイ諸島に生息。

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ナメモンガラ(フグ目モンガラカワハギ科ナメモンガラ属)の生態

駿河湾や相模湾でも発見されているが、
主に伊豆諸島、小笠原諸島、ミクロネシア、ハワイ諸島に生息している。

雄と雌で色合いが違う。
雄は尾鰭が赤く、体側部分が黄色みがかっている。
雌は尾鰭が黄色く、全体に暗色をしている。

8月の個体は生殖巣が膨らんでいて、産卵間近であることがわかる。

実にきれいな魚で、ダイビングなどで人気が高いが、
食用魚としては非常にマイナーである。

食べている地域があるんだろうか?
伊豆諸島の方や漁業関係者に問い合わせると、
八丈島などでは巻き網や定置網などで混ざる程度だという。

ただし口を揃えて言うことは「あまりとれないけどおいしい」だ。
八丈島などでは「とみ」とか「ほんとみ」という。

「とみ」の意味は不明だが、「ほん」をつけるのは近縁種で、
ひとまわり小さい、スジナメモンガラもとれるかららしい。

実際、御蔵島沖でもこの2種が釣れる。



ナメモンガラの値段は?

残念ながら流通はしないと思う。
小笠原の魚を、長年見てきたという魚屋ですら知らなかった。

ということで1尾あたりの値段は不明。
おいしい魚なので、釣れたら捨てないでお持ち帰りを。

「ナメモンガラ」の寿司…上品な白身!カワハギとは親戚筋。ナメちゃんうまい!

ある蒸し暑い昼下がり、
市場のアルバイトの娘が、島倉千代子を歌っていた。
不思議で可愛い。

『市場寿司』ののれんをくぐると、
娘に歌を教えただろう、たかさんもまた島倉千代子だった。
こっちはヤケに暗い。

「人生いろいろだね」
「こんなやっかいな魚持って来やがって、どうしてくれるんだよ」
「最近、野球やめて運動不足って言ってたじゃない。ガンバレー!」
「ちょっと尻尾持って」
「一、 二の三」

やたらに鱗が硬く、
皮と一体化してサンドペーパーのようになっている魚の、
最後の一尾の皮むきが終わった。
これで御蔵島の魚がまな板にきれいに並んだことになる。
 
考えてみると孫八人のたかさんに、
御蔵島の色とりどりの魚を下ろさせるのは酷だったかも知れない。

「クマさんにこんなやっかいな魚持ってくるな、って言ってくれ」
「ボクが本命はいらないって言ったからね。もうシマアジ来ないよ」
 
八月になって、市場の釣り師達は相模湾のカツオ、
東京湾のタコ、茅ヶ崎沖のアジ、そして御蔵島と、
それぞれの、好みの釣り場に散らばった感がある。

いただく方としてもカツオにタコにアジはグルメコースだし、
御蔵島はチャレンジコースだし、と楽しい日々なのである。

問題はその総てを下ろす役割の、たかさんの体力だけだ。
人生もいろいろだけど、
還暦を遙かに超えたオヤジの体力もいろいろなのだ。

市場の釣り名人・クマゴロウのように週二で御蔵島に行って、
帰って休む間もなく、早朝から車で仕入れに行き余裕の人もいる。

さて、今回の主役達は釣り名人で超人のクマゴロウが
御蔵島沖で釣り上げた魚。

先月の利島沖から御蔵島沖に場所がかわって、
より多彩さを増した。
しかも本命のシマアジ以上においしい魚がいっぱいである。

アカハタ、クロメジナ、ナンヨウカイワリに
ゴマテングハギモドキは、どれを食べても超がつくほどうまい。
そこに混ざっていたのが今回初見参のナメモンガラである。

下ろしたゴミを片づけながら、
「尾っぽが赤いのと黄色いのとがあるね。黄色いのの腹に卵だから」
「雌だね。泳いでいるところは、きっときれいだろうね」
「今日は味見だけよ〜♪」

店仕舞い間近なので、すし飯がなかったのだ。
ていねいに右から並べて、アカハタ、クロメジナを比べると、
圧倒的にクロメジナの勝ち。

「明日は逆かもね」
ナンヨウカイワリまで進んだら、
「本日の一位だね、ナンちゃん」
ゴマテングハギモドキは、味が個性的で、脂がたっぷりのっていた。

「たかさん、こっちもいいね」
期待されてないナメモンガラに、
「カワハギにちょっと近いね」
「たかさんわかったみたいだね。カワハギとは親戚筋なんだ」

翌日、意外にもたかさんが「ナメちゃんがいい」と言ったのだ。
「そうかな? 今日はアカハタがいちばんうまいと思うけど」
「ナメちゃん最高!」
「なぜよ?」
「すし飯と一緒になったときの、味の浮かび上がりかたがいいと思う」
「浮かぶ?普通に上品な白身で、そんなに個性的な味じゃないよね」
「じっくり食べてないだろ」

確かに最初は平凡な白身という感じだが、
すし飯と一緒になって感じられる味というのか、
存在感がいい気がする。これが白身のよさかも。

「これで鱗と皮が硬くなければね」
「クマゴロウにナメちゃん愛を言っとくよ。きっと喜ぶと思うよ」
「やめてくれ!ナメちゃん恐い」

翌週から、クマゴロウのナメちゃん攻めが続くのであった。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。
店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。
ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。
本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。
どんな魚も寿司ネタにして食べてみて
「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。
目標は1000種類の寿司を食べること。
HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2019年9月15日号の掲載記事です。

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