12月から出船開始!4月上旬くらいまで楽しめる

千葉県長浦港「こなや」では、人気のタチウオが終盤戦に向かうにつれ、シーバスジギングが活況を呈してくる、というのが、冬場の典型的な出船パターンだ。
「うちでは昨年の12月から出船を始め、だんだん定期的に出るようになっています。これから3月いっぱい、4月上旬くらいまでを目安に楽しんでいけると思いますよ」とは小沢一滋船長。
1月上旬までの状況としては、まずまず、といったところ。数、型ともに絶好調とまでは言えないが、例年並みといえる状況ではある。
2月以降、とりわけ水温が上がり始めればグッと釣果も上向くのが例年のパターン。
そこで、ここではビギナーの方を対象に、基本的なタックルセレクトとベーシック釣法を紹介していくことにする。

タンカー周りは近年のストロングパターンのひとつ
まずジギングタックル を万全にする

東京湾のシーバスゲームでは、ジギング&キャスティングタックルを準備していくのが基本。
しかし、2月、3月初旬くらいまでは、ほとんどジギングゲームで完結することが多い。
そこで、お出掛けの際は、まずジギングタックルを万全にしておくことが第一だ。
ロッドはシーバスジギング用、もしくはライトジギング用を準備する。
長さは6ft台が一般的。
ジグウエイトの最大表示が60〜80g程度のものが使いやすい。
リールは小型のベイトリールを使用する。
ブラックバス用よりサイズに余裕を持たせた、ひと回り大きいもの、なおかつソルト用であればパーフェクトだ。
メインラインはPE0.8〜1号を使用する。
単色のものより、少なくとも10m刻みに色分けされたものを使用するとよい。
1mごとにマーカーが入ったものであれば、よりタナ取りがやりやすい。
リーダーは20〜30 Lbを使用する。
長さは約1.5mほど結節しておく。
リーダー先端には、クロスロックタイプのスイベルを結んでおくとジグの交換を素早く行える。
メタルジグは、60〜80gをメインウエイトとして揃えておく。
これより軽いもの、より重いものも状況次第で活躍するので、いくつか用意しておくと安心だ。
とくに100gは必携。
タイプも異なるものを揃えておく。
後方重心で沈みが速いタイプ、フォール中にもよりアピールし、沈みは遅くともヒラヒラと低速でもよく動くタイプ、などを意識的に使い分けるとよい。
ジグのカラーも幾種類か用意しておく。
濁り潮のときには赤金やチャート、ピンク、澄み潮用は、ブルー系などのナチュラルカラーも用意しておくと万全。
キャスティング用としては30g前後までの鉄板系、スピンテールジグ(ブレイド系)やバイブレーションプラグなどを主体に用意。
これに対応するスピニングタックルを用意できれば万全だ。

ジグはタイプだけでなくカラーも多彩に用意しておきたい
慣れないうちは あまり細かいことを考えないほうがいい
ビギナーにおすすめのアクションパターンは?と小沢船長に尋ねたところ、以下の回答が返ってきた。
「真下にジグを落とし、底まで着いたら10回から15回巻いて、また海底まで落とし直す。これを繰り返すだけでいいと思いますよ」
慣れないうちはあまり細かいことを考えないほうがいい。
ラインのマーキングを見るよりは、リールのハンドルを何回転したかを数えたほうがシンプルだ。
ちなみにリールのハンドル一回転は60〜70㎝に設定されているものが多い。ざっと底から6〜10mくらいを上げ下げするというイメージだ。
船長のアドバイス通りに何となく釣っていても、数尾のシーバスはキャッチできるだろう。
ここがシーバスジギングの魅力でもある。
しかし、より以上の釣果を求めるのであれば、少々アレンジを施していくとよい。
まずはリーリングのスピードを変えてみること。
なんとなくのスピードから速くしたり、遅くしたり、ということを試してみる。
10回、15回のリーリングの間でも、ヒットするレンジが偏る場合も多い。
底付近でヒットが多ければ5回で落とし直してもよい。
中層まで浮いていればしっかり上まで探ると確率がアップするはずだ。
フォール中にアタックが多いのもシーバスの特徴。
とくに巻き上げてアピール、落とし直す瞬間にアタックしてくることが多い。
ここを意識するだけでも釣果はグンッとアップするはずだ。
以上を試してもヒットが得られなければジグをチェンジするとよい。
タイプやカラーを変えることでヒット数を増やすことができるはずだ。
どのジグがよいかは、ときどきの状況によって異なるので、いくつかのタイプを揃えておき、いろいろ手を変えて試すとよい。
これからの時期、シーバスジギングは絶好機を迎える。
とりわけ水温が上昇気配に転じれば、活発な食いが期待できるだろう。
ガンガン出かけて、ガンガン釣っていただきたい。

フォール中のバイトが多いので要注意!
東京湾・長浦沖ベイエリア シーバスジギング釣行レポート

巻いては落とすだけでヒットが望めるところがシーバスジギングの魅力

アクアラインの橋脚周りもポイント
居着いているシーバスの群れを バーチカルに攻める!

70cmには届かなかったが、60cmクラスの立派なファイターを数多くキャッチできた

良型は無理して抜き上げず、船長のアシストを仰ごう

当日、ヒット連発を演じたジグ。細身&ブルーピンクカラーがキーワードだった

テクニカルなバース狙い。キャスティングも有効だ

フッコサイズでも元気でトルクフルなファイトを楽しめる

ヒレがピンッと張った、ナイスサイズ!

ストラクチャー周りを転戦した

一時はフッコクラスが次々と取り込まれる入れ食い状態に突入

フックは安全のためプライヤーで外すのが基本だ

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・長浦港「こなや」
「昨年から少しは出船していましたが、定期的に出るようになったのは今年になってからです。爆釣とまではいきませんが、例年通り、楽しんでもらえると思いますよ」シーバス乗合の状況について教えてくれたのは、長浦港の老舗、「こなや」の小沢一滋船長だ。
新年に入ってからは、ジギングがメインパターン、という。
どれどれ、とばかりに船上に赴いた。
「小型が釣れるところはほかにもあるんですけど、少しでもいい型を見たいですよね」
案内されたのは、沖合で入港待ちしている大型タンカー周り。
水深は約25m。
居着いているシーバスの群れをバーチカルに攻めるのだ。
近年、メインになることが多いパターンのひとつだ。
攻め始めこそ反応がいまひとつだったが、次第に活性が上がったのか、ヒットが連発。
一時はフッコクラスが次々と取り込まれる入れ食い状態に突入!
存分に堪能したところで姉ヶ崎、長浦周辺に移動。
バース周りを転戦した。
ここでは限られたアングラーだけが拾い釣りするというテクニカルな展開。
コルトスナイパー55gという細みのジグをナチュラルに動かしていた方が、ひとりで連続ヒットを演じていた。
取材時は、残念ながら70㎝オーバーのキャッチはならなかった。
しかし、2月以降、水温が上昇に転じれば一気に盛り上がる、というのが例年のパターン。
寒さに負けることなく、ぜひお出かけを!
以上の記事は「つり丸」2017年2月15日号の掲載記事です。
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出船時はまだ暗い。デッキには霜が下りていることもある。気をつけよう