「小柴丸」はお盆過ぎから本格的にイシモチ狙いで出船。トップ40匹台や50匹台を記録する日が多く、今回はトップ62匹を記録


30㎝級の良型。当日は、このサイズが多数まじった。

女性アングラーもダブルでゲット!

当日のトップは62匹。クーラーが満杯になったので、終了時間前に納竿。

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・金沢八景「小柴丸」。
東京湾のイシモチが秋の数釣りシーズンに突入している。金沢八景「小柴丸」では、お盆過ぎから本格的にイシモチ狙いで出船している。トップ40匹台や50匹台を記録する日が多く、今回の取材ではトップ62匹を記録した。
数釣りが楽しめるが、釣れているサイズもいい。取材当日は25〜30㎝の良型主体。これに30㎝を超すサイズがポツポツまじるといった状況だ。
取材時の釣り場は中の瀬の水深20〜30m。シロギスやLTアジの好ポイントもある場所なので、ゲストには良型シロギスのほか、美味なアジもまじった。シロギスに関しては、ツ抜けする人もいた。
釣り方は基本を押さえれば、そう難しくはない。アタリは明確で、引きも強く、ビギナーでも挑戦しやすい。また「小柴丸」の鈴木船長が推奨する血抜きをしっかりとおこなえば、とても美味しく食べられるのも魅力だ。
これからロングランで続く東京湾のイシモチ。バリバリ釣りまくろう!!
竿は6対4調子がベスト、リールは小型両軸でOK、仕掛けは胴付き式、エサはアオイソメ

「小柴丸」の船宿仕掛け。

付けエサはアオイソメ。1匹をチョン掛けにする。

イシモチ釣りは仕掛けを底付近にキープして、アタったら少し待って食い込ませてから、竿を立てて聞きアワせる。そのため竿は先調子よりも、どちらかといえば胴調子がよく、6対4調子がベスト。硬くても7対3調子ぐらいまでがいいだろう。軟らかい竿が好みの人は、5対5調子もいいだろう。「小柴丸」ではオモリ30号を使用する。そのためオモリ30号に対応した、5対5〜7対3調子竿の2.1〜2.7mを選ぶといいだろう。前述した調子のライト用ロッドを使っている人が多いようだ。
リールは手巻きの小型両軸でOK。9月前半の「小柴丸」の取材では、水深20〜30mを狙ったが、冬場などは水深50〜60mを狙うこともある。水深がある場所では電動リールの使用もアリだ。
道糸は「小柴丸」が推奨するのはフロロカーボンの4号。フロロカーボンラインの特徴はPEラインより伸びがあり、ナイロンラインより伸びがない。PEライン使用時よりもアタリを弾きにくく、巻き上げ中のバラシも少ない。
基本の仕掛けは胴付きの2本バリ。枝スや幹糸の太さや長さは、左の仕掛図のとおり。
取材当日、常連さんのなかには3本バリ仕掛けを使う人もいた。仕掛けをさばけるなら問題ないが、慣れないビギナーは2本バリにとどめよう。
イシモチのポイントは、どちらかといえば根掛かりが少ない。根掛かりで仕掛けをロストするのは少ないが、オマツリなどでロストすることはしばしば。最低でも5〜6組は用意しておこう。
付けエサはアオイソメが用意される。頭部にチョン掛けして、1匹を丸々付ける。齧られたら、さらに1匹を付け足してもOK。ただし、どんどん付け足してダンゴ状になってしまうと、ハリ掛かりが悪くなるので注意しよう。
オモリを底付近にキープ、アタったら即アワセは禁物

食いが立つと慣れた人は、ダブル、トリプルで取り込んでいった!

まずは基本の釣り方。仕掛けを船下に投入し、オモリが着底したら、即座に糸フケを取る。オモリを底スレスレにキープしてアタリを待つ。「底スレスレ」がわからなければ、船の揺れでオモリが海底を叩く位置をキープしてアタリを待とう。
水深が変化する場所もあるので、ときどきタナを取り直すことも忘れずに。仕掛けが海底からかなり浮いてしまうとアタリが遠くなるので注意しよう。またタナを取り直すことで仕掛けが動き、それが誘いにもなるのだ。
アタリを待つのは置き竿でも手持ちでもどちらでもOK。アタリは竿先が明確に揺れるのでわかるだろう。アタリがあったら即アワセはダメ。そのまま待ち、しっかり食い込ませてから、竿を立てて聞きアワせるようにしてハリ掛かりを確実にする。とくに手持ちでアタリを待っていると、ビックリアワセしやすいので注意しよう。
巻き上げ時は、ラインを弛めないようにすることが大事。また、電動リールを使っている場合は、速いスピードで巻くのはNG。強引でハイスピードの巻き上げはバラシの原因にもなり、また仕掛けがヨレてしまうからだ。
ここまでが基本の釣り方。基本を応用して、仕掛けを軽くキャストして広範囲を探る釣り方もある。状況によっては、こちらの釣り方のほうがよくアタる場合もある。
頻繁にアタるような状況では、アタリがきたらしばらく待って追い食いを狙ってみよう。ただし待ちすぎると、1匹目が外れてしまうので注意しよう。
美味しく食べるには血抜きは忘れずに

釣れたそばから血抜きをしよう! しっかり血抜きをしたイシモチは臭みがなく、とても美味。

釣れたイシモチを、より美味しく食べることにこだわる「小柴丸」の鈴木仁船長。美味しく食べるために重要なのが血抜きだ。
血抜きの方法は下のイラストのとおり。エラの付け根付近をハサミで切り、めくると赤い玉のようなものがある。これが心臓で、それをハサミで切り、海水を入れたバケツに入れて血を抜く。血が抜けたら頃合いを見計らって、海水氷を入れたクーラーボックスに入れて持ち帰る。
血抜きをしっかりした魚は、臭みがまったくなくとても美味しく食べられるという。血抜きをしっかりしているイシモチの身は白く、血抜きをしていなかったり、血抜きが不十分なイシモチの身は赤っぽい色をして、外見からも違うという。
以上の記事は「つり丸」2017年10月1日号の掲載情報です。
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