東京湾2大人気ターゲットのリレー釣り。釣りだけでなく帰宅後も2魚種を楽しめる
夏の勢力に少しずつ陰りが見え始め、朝夕は大分過ごしやすくなってきた。
秋といえば食欲の秋。魚も秋になると食欲が増すのか、多くの魚が数釣りシーズンとなる。
東京湾が誇る2大人気ターゲットのタチウオとアジも秋が数釣りには最適なシーズン。
しかも両方ともに群れで暮らしているので、アタるとクーラーに入りきらないくらい釣れてしまうこともある。
贅沢な悩みではあるものの…。
「タチウオばかり、アジばかり、いくら美味しい魚でも食べきれないほどあっても…」という考えもしかり。
この贅沢すぎる悩みに対しての最適な解としての提案が「タチアジ船」。
一日船の半分をタチウオ、そしてもう半分をアジと分けて狙うことでクーラーの中もタチウオとアジが半々。
帰宅後も両方の味を楽しむことができる。
前半のタチウオは アタリはあるが苦戦

タチアジ船を出している鴨居大室港。
港からすぐそばの観音崎沖は、東京湾内屈指のタチウオとアジの一級ポイントなので、移動時間を無駄にすることなく一日で両方が楽しめる。
今回お邪魔した鴨居大室港「福よし丸」は、梅雨時期から翌年2月頃までロングランでタチアジ船を出すほどにこの2魚種には精通した宿。
午前7時15分出船で集合は6時30分。
横浜横須賀道路の浦賀ICからほんの数分の高い利便性もあって、自宅の川崎を5時過ぎに出発しても十分な余裕を持って港に到着した。
当日は合計8人の釣り客が集まった。
リレー船が五目船と異なるのは、タックルを2種類別に持ち込むこと。
もちろん同じタックルで対応することも可能ではあるのだが、せっかくのリレーならばタックルも変えて全く違う釣りとして1日で楽しむことをオススメしたい。
今回私がタチウオに使用した道糸はPE1.5号。
組合わせるオモリは60号と軽め。
使う道糸に応じてオモリの号数が変わるので船長に要相談。
仕掛けはハリス6号2mの1本バリを選んだ。
市販では1本バリと2本バリがあるが、この時期の浅場(100m以浅)は、エサのサバの切り身の踊り方が釣果を左右するので1本バリが船長のオススメ。
冬の深場は2本バリでもいいそうだ。
本日最初のタチウオのポイントは、観音崎沖の水深65~75mのポイント。
鴨居大室港を出て帆を北へ向け、途中左に観音崎灯台を臨む。
東京方面から港に向かうと観音崎よりも先で高速を降りて鴨居大室港に着くのに、船で港から東京に向かう途中に観音崎があるというのに若干の違和感。
ほどなく、福本善行船長がタチウオの反応を発見。
海底から10m幅が指示ダナ。
一回海底までオモリを落として、各自が思い思いの誘い方でタチウオの様子をうかがう。
しかし、反応とは裏腹になかなか顔を見ない。
聞くと、アタリはあるそう。
うまい具合にエサだけ食われている。

エサはサバの切り身。縫い刺しが一般的
掛けるのが難しかったが これがおもしろい!

アタリは多かったが、掛けるのが難しかった。
次第に周りには多くの船が集まり、東京湾名物のタチウオ大船団が形成された。
やっとポツリ、ポツリと本命が顔を出し始めた。
ここで私も竿を出す。
まずはリール半周ぐらいのペースでの誘いを試してみる。
すると海底から7mの位置で「カツカツ」というタチウオのアタリ。
しかしハリ掛かりしない。
次は6mの位置でペースを落としてリール1/4のペースで集中的に誘う。
案の定7mの位置でカツカツ。
そこで一回動きを止めて待つこと2秒。
再び小さな誘いを入れると竿先がズシーン。
タチウオ特有の最初に重みのある強い引き込み。
シーズン序盤より少し大きくなった指三本の太さのタチウオだ。
どうも今日のタチウオはかなり奥手なよう。
普段ならこの段階で反応が浮いてくるそうだが、この日は底にべったり。
試行錯誤で誘いをかなりゆっくり目にして様子をうかがうと小さなアタリが出るのでうまく掛かる。
アタリはコンスタントに出るので、上手に掛ける人は数を伸ばせる。
腕が釣果を分ける、このテクニカルさが、タチウオにはまる人を増やすのだ。
今日はそんな釣りだった。
サイズはシーズン当初より明らかに上がってきていた。
横で竿を出していた木上さんには幅広の100cmちょうどの良型サイズが上がった。
いつもより少し厳しかったが、アタリが毎回訪れるのでかなり楽しく、そして悔しくもあるタチウオ釣りが11時半で終了。
後半のアジは終了間際に入れ食いモード!

付けエサはアカタンが配られる/後半のアジ狙いではイワシミンチをコマセに使う
後半は場所を数分移してアジ狙い。
アジは観音崎の速い潮への対応でビシは130号。
竿もリールも変えて、気分を一新してアジの数釣りを目論んだがこれが計算違い。
あるはずのアジの反応がなかなか見つからない。
小さな反応が見つかっても口をなかなか使わない。
アジ開始後1時間半。
普段ならば桶がアジで埋まっていてもおかしくないのに、この日はまだトップが3匹。
これはかなり厳しい。
お土産は堅いと思われていたアジが、このまままさかの終了か?残り時間もあと30分。
帆を南に向けて最後に選んだポイントは、観音崎沖でもかなり南の方。
ここで何が変わったのか?いきなり30cmサイズの観音崎名物の良型アジが入れ食いモード突入。
着底してコマセを2、3回に分けてまいて海底から3mの位置で待つと、直後にアタリが来る。
怒涛のラストスパートではあったが、開始が遅かったのでトップの河合さんが10匹で終了。
終わり良ければすべて良し。
サイズが大きいので、満足感も高くこの日は納竿となった。
今年のタチウオは継続して好調安定。
「幽霊魚」とも言われて、ふっと反応が消えることもある魚だが、今年は反応の出るエリアが幅広いので安定して顔を見ることができている。
今後はサイズも大きくなっていくので、引きも格段に力強さを増すだろう。
一方のアジはまだ善し悪しのムラもあるようだが、9月の声を聞くと数が安定していくことだろう。
魚もこれから脂をたっぷりと蓄え初めて、ベストシーズンを迎える。
人気のリレー釣り!観音崎沖タチウオ&アジ 釣行レポート

目下のポイントは観音崎沖〜横須賀沖/アベレージは指3本幅くらい

前半はタチウオ狙い。

良型や大型もまじる

良型タチウオの顔アップ!鋭い歯に注意!

好調が続いている東京湾のタチウオ

このくらいのサイズがアベレージ
入れ食いモード!アジ

リレー釣りの後半はアジを狙う

これから脂をたっぷりと蓄え、ベストシーズンを迎えるアジ。

美味アジゲット

幅が広く、見るからに美味しそう!

終了間際には入れ食いモードに突入した

今回、取材にご協力いただいたのは、鴨居大室「福よし丸」
「タチウオ」と「アジ」、言わずと知れた東京湾が誇る二大エース。
この二つの人気ターゲットを一日で釣ってしまおうというのがタチウオ・アジリレー船。
通称「タチアジ船」。
両魚ともに観音崎沖の近いエリアで釣れることから、時間を無駄にすることなく狙える。
このタチアジリレー船に積極的に取り組む港が鴨居大室港「福よし丸」の福本善行船長だ。
この釣りの人気の理由をうかがうと、「タチウオもアジも両方数を狙える魚。一日ずっとやってしまうと食べきれないほど釣れちゃうこともあるけど、半々ならば両方がちょうどいい感じになる。しかも帰宅後に両方の味が楽しめるから人気なんです」となんとも贅沢な話である。
最近の状況は「今年は広い範囲にタチウオの反応があるから、かなりの数が東京湾内にいると思いますよ。連日安定して釣れています。アジはこれからの季節が数釣り本番。早くも数釣れる日も出始めたから今後期待できますね」とのこと。
釣行日は夏の勢いも収まり、少しずつ秋の空になりつつある8月24日。
潮のいたずらか? タチウオの反応は色濃いものの、やる気が今一つでテクニカルな釣りとなった。
それでも全員お土産には十分。
一方のアジは最後の30分で食事タイム。
一気に食いが上がって観音崎沖名物の大型アジを存分に楽しんだ。
以上の記事は「つり丸」2019年10月1日号の掲載記事です。
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