秋ダイ絶好シーズン突入中!各ポイントに群れ集結 早い手返しと誘いを駆使して釣る

昨年は9月20日から 大ダイフィーバー
沼津沖、いわゆる湾内は駿河湾の最奥部にあたり、周年をとおして内海であり波静かだ。
駿河湾特有の急深の地形を有し、陸の目前でマダイが釣れるところも多い。
マダイは放流事業の成果もあり、この海域周辺では増加傾向。周年を通して釣ることが可能だ。
釣り方のメインは、オキアミコマセ釣り。
その昔はまきコボシ釣りという石やレンガなどにコマセやエサをハリスと道糸で巻きつけて、仕掛けを底に沈める、まきコボシ釣りが盛んに行われていたが、現在はほとんがオキアミコマセ釣りだ。
また、一部ではタイラバなども行われているが、内水面的なこのフィールドでは実績のあるコマセマダイ釣りがまだまだメインの釣法だ。
そのコマセマダイにこだわり、周年コンスタントに出船し続けているのが沼津久料「魚磯丸」。
なんと湾内の超一級ポイントが船宿の目の前という恵まれた環境の船宿だ。
ちょうど1年前、こんなことは初めて!ということがあった。
それは、昨年の9月20日から約1ヵ月間、乗っ込み期でもないのに大ダイフィーバーがあったのだ。
「センリュウジという宿の真沖の少し深場のポイントで大ダイが連日大フィーバーしてたんだよ。魚がみな大きいからワラサの仕掛けで釣ってたよ」とは、「魚磯丸」の大船長、久保田清さんの話。
連日、2隻満タンのお客さんを乗せて大賑わいだったという。
これには私たちもビックリ。
過去に例のない出来事だったので、ノーマークだった、いや正直なところ、釣果がすごすぎるので、短期間でフィーバーは終了するだろうと思っていたのである。
そんなこともあり、さて、今年はどうか?ということで様子を探ると、どちらかといえば例年どおりの展開が続いているとのこと。
いわゆる、秋ダイパターンである。
1kg前後の食べごろサイズのマダイの数釣りができるという。
さらに、ゲストが多彩でお土産に困らないという。
エサ取り魚多く、早い手返しと的確な 誘いがヒットをうむ
さて、状況は例年どおりということで、傾向は水温が高めのため、エサ取り魚対策がこのフィールドのカギとなる。
まずは、仕掛け。
エサ取り魚の格好の的となるハリのチモトのアピールグッズは不要。
ハリのサイズは湾内定番の小バリが正解だ。
具体的にはマダイ8〜9号くらいでよい。
ハリスは4号以上2段テーパー全長10mを使う。
ポテンシャルの高い海域であるので、細ハリスの使用は避けたい。
大ダイヒットはむろん、これからの季節はワラサやカンパチ、メジなどの青物も湾内に回遊するからだ。
エサ取り魚の一番の対策は、早いインターバルの手返し。
ハリにエサがなければ、マダイは釣れない。
少なくとも3分に一度は回収し付けエサをチェックする。
食いが渋いときこそ、置き竿にしっぱなしでにしないように!!
秋のコマセマダイ基本講座
秋のマダイの特徴は中型の数釣り。傾向をおさえておけば誰にでも簡単に本命を釣ることができるぞ!
海のなかは高水温 高活性はマダイもエサ取り魚たちも
私たちが過ごしやすくなる秋は、実は海のなかはまだ夏であることが多い。
つまり、水温は夏のままだ。
だから、さまざまな魚たちが元気いっぱいだ。
だから、秋ダイ釣りは、まず“エサ取り魚対策”をすることが基本となる。
そして、傾向として狙いは大ダイよりも小中ダイの数釣りとなる。
もちろん、大ダイもヒットするのでそれも視野に入れて釣ることとなる。
タックルは手持ち竿が 多くなるので軽量なものを

タックルはコマセマダイ専用がベストだが、秋は手持ち竿で手返しの早さが求められる釣りとなるので、竿は短めでかつ軽量なものが望ましい。
LT用でもよい。
しかし、その際、使用する道糸は船宿指定のものを使おう。
現在はPE4号が基本だ。
リールは手巻きではなく電動リールがオススメ。
その理由は、沼津沖・南伊豆沖ともに今期は意外とタナが深いからだ。
水深50mより深い指示ダナが出ることも珍しくなく、手返しの早さが求められることを考慮すれば、小中型電動リールがベターだ。
このように普段使い慣れたスタンダートなマダイタックルとワンランクライトなものの2タックルを用意するとよいだろう。
ビシは沼津沖、南伊豆周辺ともにサイズは80号。
プラビシでもステンカンでもどちらでもよいが、湾内と南伊豆周辺では、オキアミコマセのドバまきはせず、少量のコマセまきでいいので、ステンカンなどはプラビシでいうFLサイズがベター。
ジャンボタイプのプラビシはけして必要ない。
手前マツリが少ないテンビンを介してクッションゴムを接続。
それは2㎜径×長さ1mでオーケーだ。

湾内ではとくに、このようなショートロッドが扱いやすい
ハリスの全長は10〜12m 秋は長くする必要はなし!
沼津沖のハリスの長さの基本は10m、南伊豆沖は10〜12mだ。どちらもある程度、釣り人がハリスの長さは自由に換えることが可能だが、秋は長くしなくてもよい傾向が強い。
冬や春など水温が低いときは食いが悪いとハリスを長くする傾向があるが、秋はその逆だ。
つまり、基準の長さより短くしてもマダイは食う、ということを覚えておこう。
ハリスの基本スタイルは、10mであればハリス6号6m+ハリス4号4mの2段テーパー仕掛け。
12mの場合、上ハリスを2m付け足す。
テーパーのバランスは、6対4ではなく、5対5でもよい。
つまり、10mであれば上ハリス5m、下ハリス5m。12mであれば上ハリス6m、下ハリス6mとなる。
使い分けはハリ、つまりエサをタナに早く到達させるかゆっくりと到達させるか、の違い。
これを使い分ける。

秋ダイ攻略のカギのひとつは、この小バリ。9号をメインにしてその前後のサイズを活用する
1本バリか2本バリか? 小バリとアピールアイテムは?
さて、下ハリス部のハリ数は1本、もしくは2本、どちらがよいか、誰もが迷うところだが、どちらもメリットがある。
1本バリのメリットは、トラブル少なく、結果として手返しが早くなる。
ロングハリスの扱いになれていない人は、こちらがベター。
しかし、エサ取り魚がいる場合、すぐにエサをとられてしまう。
2本バリのメリットは、タナを探れることと、エサ取り魚に対して、エサが残る確率があがること。
1つ食われてももうひとつのエサで勝負可能。
だが、手前マツリなどのトラブルがおこりやすく、結果として手返しが遅くなることもある。
だから、どちらを使うかは、釣り手のスキルに応じて使い分けるようにしよう。
ハリのサイズは、秋ダイは小バリがセオリーだ。
なぜなら、マダイのサイズが小さめであることと、ビーズなどのアピールアイテムをあまり使用しないため。
食い渋りのときはマダイバリ8〜9号などの小バリが有効であることが多い。
とくに潮があまり流れない湾内ではこの小バリは有効だ。
ビーズなどのアピールアイテムは、エサ取り魚に強くアピールするため基本的に使わない。
エサ取り対策で近年注目されているのは、メーカーから発売されているオキアミワーム。
エサ持ちのよさは抜群なので、エサ取り魚が多くてどうしようもないときに試してみよう。
ワームは浮く傾向があるのでハリスにガン玉を打つか、ワーム本体にガン玉を入れて浮力調整を行おう。

エサ取り魚が多すぎて困ったときの救世主、味付きのオキアミ型ワーム。ガン玉で浮力調整をしよう
コマセワークの基本動作とは?

長年マダイ釣りをやっている人でも釣り場が変われば、指示ダナの何メートル下からコマセを振り出せばよいか、どうしても迷ってしまうコマセワーク。
沼津沖や南伊豆沖ではどうすればよいか。
どちらもハリスの長さの半分を基準にしその長さ分指示ダナの下からコマセを振り出せばよい。
場所移動後、最初のコマセの振り出しは、船長からの特別な指示がなければ、指示ダナからハリスの長さ分下からの振り出しオーケー。
再投入した2回目以降は、ハリスの半分の長さ程度下からコマセを振り出せばよい。
だいたい、10〜12mのハリス長だと、常に6〜7m下から振り出せばよい。
秋のマダイは、ビシに対してあまり敏感になっていないことも多い。
高活性の個体を狙うならコマセはしっかりと出すほうがいい。
マダイがこのビシに対して敏感になっていない、ということは、“短いハリスでも食う”ということになる。
これがロングハリスにこだわらくてもよいという理由のひとつだ。
投入後、指示ダナ下にビシを沈めたら、最低でも8秒ほど待ってからコマセの振り出し動作に入る。
ハリスを潮なじみさせるためだ。
ビシを落としてすぐにコマセの振り出し動作に入るとハリスが道糸に絡むことが多いからだ。
コマセは約2mおきにしっかりと振り出す。
プラビシの場合、上下の穴調整をきちんとしておこう。
ステンカンのコマセの出方が理想だからだ。
オキアミコマセはカゴに詰めすぎない
さて、カゴに入れるオキアミコマセだが、どれくらい入れればよいのか。
少量でよいといってもよく分からないだろう。
量は入れても7分目程度、Lサイズのステンカンなら半分も入れれば十分。
エサ取り魚が非常に多いときは、コマセを入れないときもある。
コマセをカゴのなかにパンパンに詰め込んでしまうと、コマセは出なくなってしまうので注意。
コマセを振り出したあと、タナにビシがある状態で数粒でもオキアミがカゴのなかに残っている状態がベストだ。
誘いのタイミングで 勝負は決まる

コマセを振り出した後、指示ダナ付近でアタリを待つ。
ハリスがしっかりと潮になじんだころ、ストーンっと竿先が海中に引き込まれる!
これがマダイ釣りの醍醐味だが、この理想のアタリがなかったときは、誘いを行うタイミングが釣果を左右する。
水中のイメージはできるだけ最大限に明確にしたい。
そのためには、シマノの探見丸を活用しよう。
探見丸を持っていない、という人も多いだろう。
だが、なくても大丈夫。
「魚磯丸」と「兵助屋」ではスマホで見れるからだ。
シマノの探見丸のアプリを起動させ、ワイファイ接続すると、さまざまな機能が使えるうえに海のなかが丸見えになる。
マダイらしき魚群が探見丸の画面に映し出したときに誘い動作を入れるのだ。
誘い動作の基本は、落とし込み。
置き竿にしている場合は、リールのドラグを緩めて竿はそのままに手で道糸を引き出して、ビシを落とし込む。
1mも落とせばよい。ほんの少しでもエサに動きを加えるだけでマダイは反応することが多い。
このタイミングで手持ち竿にして、ゆっくりと竿を聞き上げて、そしてゆっくり竿を下げて落とし込む。
途中にストップを入れてもよい。
とにかく、ゆっくりと静かに誘い動作を行う。
早すぎる動きは、エサ取り魚たちにアピールすることとなり、エサのオキアミが格好の的になってしまうので注意しよう。
落とし込み後、竿を下げきったところでアタリがなければ、指示ダナに戻すまではゆっくりと聞きあげる。
いわゆる誘い上げだ。
これでもマダイはよくヒットする。
エサを上下させるときはどちらの方向にも“マダイにエサをアピールさせている”ことを意識しておこう。
この誘い動作でアタリがなければ、回収してエサのチェック。再投入を試みる。
とにかく、秋はエサ取り魚が多い。
マメなエサのチェック、いわゆる手返しの早さが結果的には、誘い動作につながり釣果となることを覚えておこう。

ビギナーからベテランまで誰でも楽しめる秋ダイ。この機会を逃すな!!
沼津久料沖 秋のコマセマダイ釣行レポート

朝焼けで紅く染まる富士山。なんとも美しい

超一級ポイントは港前だ

深場のマダイの魚探反応

残暑もなくなりすっかり秋になった。マダイの好シーズンだ。なんといってもこの時期のマダイ釣りの魅力はゲストの多彩さとアタリの多さ。誰もが数釣り可能で楽しめる。さあ、秋ダイ釣りを満喫しよう!!

湾内にはかなりの数のマダイポイントがある。マダイの魚影もすこぶる濃い/でっぷりとした湾内特有のメタボマダイがヒット

このマダイロッドの曲がりが最高のシーンだ

このサイズがアベレージ。ちょうど食べごろだ

タモ入れは全員協力体制で行おう

昨年の大ダイラッシュポイント、センリュウジで釣れたマダイ。ここは小型は少ない

夕マヅメの浅場にはこんな感じに反応が出る

夕マヅメはエサ取りが少なくなり本命マダイが活性化するゴールデンタイムだ。この間は集中しよう

今期の沼津沖は1〜2㎏サイズのマダイが多いが、釣果はまずまず

高級魚オオモンハタがオキアミで釣れる!!

今年は湾内にサワラが回遊中

多彩なゲストでお土産十分

秋の使者、メジも回遊

クーラーのなかはマダイのほかイサキなどでお土産十分

このおおきなカジキの看板が目印の「魚磯丸」の船宿

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・沼津久料「魚磯丸」
沼津沖、波静かな湾内のコマセ釣りのマダイが高活性だ。
湾内のなかでも超一級ポイントで知られる平根を船宿の目前にする久料「魚磯丸」では、9月半ばから1〜2kg前後のマダイをメインに数釣り中だ。
「なんといっても昨年9月20日ごろから約1ヵ月もの間、大ダイフィーバーがあったからね。今年も期待したいけど、ちょっと昨年とは様子が違うかな。でも例年どおりマダイは高活性だね。湾内どこでも反応があるしね」とは、久保田清船長。
そのフィーバーポイントは、平根と長根の間にあたる“センリュウジ”、ポイントの近くに泉竜寺が見えることからこの名前がつけられたという。もちろんここも攻める。
この場所の特徴は、エサ取り魚が少なく、大ダイが多いこと。
乗船日も良型はこのポイントでヒットした。
「とにかく湾内にはさまざまな魚が回遊してきます。これからはカンパチやワラサなどの青物が入ってきます。とにかくよりどりみどりの魚が釣れてお土産には困らないよ」と、船長が話すように港からすぐのところで五目釣りが楽しめるという。
午前と午後の2便体制で使いやすいのもありがたいが、それぞれ朝いちと夕マヅメのゴールデンタイムを釣りをすることができるのも魅力だ。
以上の記事は「つり丸」2019年11月1日号の掲載記事です。
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