シーズン初期は中小型主体 小さなアタリをとらえて バラさないように取り込もう
9月に入って 上向き傾向

相模湾のヤリイカは、8月中にまとまって釣れ出すのが例年のパターンであったが、今シーズンはちょっと遅れているようだ。
相模湾東部では9月中旬ぐらいからまとまって釣れるようになった。
長井漆山港「春盛丸」では9月12日に7〜67杯。
17日には2〜48杯を記録している。
9月後半ぐらいからはトップ15〜20杯の日が続いている。
釣り場は城ケ島沖の水深100〜150m。
終日水深100m前後で釣れることもあり、比較的水深が浅めなので釣りやすい。
また10月に入ると江の島沖でも型を見ている。
シーズン初期に釣れるヤリイカは中小型主体。
そのためアタリが小さいこともしばしば。
また乗ってからの重量感が感じられないこともある。
小さなアタリをとって、バラさないように巻き上げることが、この時期に数を伸ばすコツだ!
竿はイカ竿でも 軟らかめがオススメ
竿は高感度な穂先を搭載したイカ竿。
ヤリイカ専用ロッドなどがオススメ。
長さは1.5〜2m。
「春盛丸」の沼田孝章船長によると、「バラシが多いので竿は軟らかめがいいですよ」と話す。
準備できるなら軟らかめのイカ竿がいいだろう。
ちなみに今回の取材に同行していただいた鈴木新太郎さんは、シマノ「ライトゲームTYPE82 HH180 RIGHT」を使用していた。
使用オモリが120号なので、120号オモリに対応した先調子のゲームロッドなどもオススメだ。
リールは小型電動。
これに道糸としてPEラインの3〜4号を300m以上は巻いておこう。
プラヅノ11㎝で組んだ ブランコ仕掛けが基本

仕掛けはプラヅノ11cmで組んだブランコ式が基本。
枝スと幹糸のバランスは上の仕掛図のとおり。
枝スは3号5〜7㎝前後。
幹糸は5〜6号、幹間は1.2〜1.3m。
プラヅノは11㎝のシングルカンナ。
カラーはケイムラ、ブルー、グリーン、クリア、ピンク、オレンジなど。とくにケイムラやブルー系のカラーは必ず使うようにしたい。
また赤白カラーのウキスッテを1本まぜるのも有効。
「この時期は布巻きのウキスッテを入れておくといいですよ」と沼田船長もオススメしている。
ツノ数は5〜7本。
ツノ数を10本以上にする人もいるが、反応が幅広く出ているときは一度にタナを探れるので効果的だが、反応が底付近しかない場合は逆効果になることもあるので注意しよう。
サバが邪魔して仕掛けが落下しないような状況では、直結式がオススメ。
ただし、直結仕掛けは仕掛けが弛むとバレやすいので注意しよう。

仕掛けはプラヅノ11cmで組んだブランコ式が基本
釣り座を整えて 即投入できるように!

ブランコ式仕掛けは、ハリ数が多い胴付き仕掛けと同じ構造だ。
この仕掛けを絡ませることなく投入するために役立つのが「イカヅノ投入器」。
「春盛丸」では投入器を無料で貸し出してくれるので、持っていない人は利用するといいだろう。
釣り座でのタックルのセッティング例を示したのが上のイラストだ。
ロッドの船尾側に投入器を置くと、仕掛けの投入時も回収時も絡まりにくくなる。
投入器に仕掛けをセットするときは、ブランコ式の場合カンナを下向きにして、直結式の場合はカンナを上向きにして入れる。
これを逆向きにすると投入の際、プラヅノがスムーズに出にくくなるので注意しよう。
船長から投入合図があったら即投入することが大事。
より速く海底に落ちてきた仕掛けにイカが集まって乗るからだ。
投入するときは下のイラストのように右舷の場合は、竿先を左方向に向けて、オモリを海中に投げ入れよう。
そうすることで仕掛けが絡みにくくなる。
またオモリは船下に投入するのではなく、前方に投入すること。
オモリの着水地点を船から離すことで、周囲の釣り人の仕掛けとオマツリしにくくなるのだ。
釣り座のセッティングと投入時のちょっとした注意が、トラブルのないスムーズな投入につながる。

反応が底の場合は 着乗りと巻き落としで!

前述しているが投入合図があったら即投入すること。
より速く海底に落ちてきた仕掛けにイカが乗りやすいからだ。
反応が底付近の場合は、仕掛けの着底直後に乗りやすい。
そのためオモリが着底したら、すぐに誘うことはせず、まずは乗りを確認すること。
オモリが着底したら、すぐに糸フケを取って竿先を見よう。
イカが乗っていれば、ここで竿先がフワフワと動ので、軽くアワせるように竿を起こしてから巻き上げる。
巻き上げは電動でおこなうが、中低速で巻き上げること。
ヤリイカの身は柔らかいので、高速で巻き上げると身切れしやすいので注意しよう。
着乗り(オモリの着底直後にイカが乗ること)しなかった場合は、ゆっくり誘い上げてから止めてアタリを見る。
アタらなければ、誘い下げて止めてアタリを見る。
アタったときは、軽くアワせるようにして竿をおこしてから巻き上げよう。
またアタリがないときは、仕掛けを一度20〜30m巻き上げてから再度着底させると、オモリが着底した直後に乗りやすい。
この動作は「巻き落とし」と呼ばれ、マルイカ釣りでもよく使われるテクニックだ。
とくに底付近でしか乗らないときには、この巻き落としを多用する人も多い。
反応が幅広く出ている場合は、着乗りでアタらなければ、海底から5m、または10mぐらい上まで誘い上げて探っていくといいだろう。
またそんなときは1杯乗ったら、ゆっくり巻き上げると追い乗りもしやすい。
釣れたヤリイカをエサにハモノ狙いも!

取材当日、イカが乗ると、巻き上げ中に魚に奪われることがしばしばあった。
それを見た沼田船長は、釣れたヤリイカを泳がせて良型のマダイを食わせた。
このように、「春盛丸」では釣れたヤリイカをエサにしてハモノ狙いも可能。
ただしハモノ狙いは釣り座が限られ、また状況によってはできないこともある。
ハモノ狙いをする場合は、必ず船長に了解を得てからおこなうこと。
ハモノ狙いの仕掛け、エサ付け、タナは上のイラストで示したとおり。
水深が変化する場所もあるので、マメにタナを取り直すこと。
アタったら即アワセは厳禁。
食い込んでからしっかりアワせて巻き上げるようにする。
シーズン到来!とても美味!!城ケ島沖ヤリイカ釣行レポート

小さいといえども、身は厚く、旨味が強く、とても美味。

竿先をしっかり見て、アタリを逃さないように

2杯いた〜!

シーズン初期のヤリイカは中小型主体。微妙なアタリをとらえ、バラさないように巻き上げてくるのが数を伸ばすコツ

朝イチにゲット!

小型ながらも肉厚で、とても美味!

鈴木新太郎さんもダブル。

こちらは良型

スルメイカもまじった

相模湾東部では、9月中旬ぐらいからヤリイカのまとまった釣果が記録されるようになった

釣れたヤリイカを泳がせると大型のマダイが掛かった!ハモノ狙いをするときは、必ず船長の了解を得てからおこうなうこと

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・長井漆山「春盛丸」
相模湾東部のヤリイカは、9月半ばぐらいから城ケ島沖でまとまって釣れ始めた。
「この時期は小型が多いです。バラシが目立っているので、イカ竿でも軟らかめがいいですよ」と話すのは今回取材した長井漆山港「春盛丸」の沼田孝章船長。
9月後半の取材時に狙ったのは、城ケ島沖の水深100~150m。取材後には、そこから北西に向かった江の島沖でも型が出ているようだ。
この時期釣れるヤリイカは中小型主体。
小さいといえども、身は厚く、旨味が強く、とても美味。
小さなアタリを逃さず、巻き上げ中にバラさないことが、この時期に数を伸ばすコツだ。
また「春盛丸」では、釣れたヤリイカをエサにしたハモノ狙いもできる(必ず船長に了解を得ること)。
プラヅノに乗ったイカが何者かに奪われたらハモノ狙いのチャンス!
取材当日も上の写真で紹介しているように良型マダイが取り込まれた!!
以上の記事は「つり丸」2019年11月1日号の掲載記事です。
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目下のポイントは城ケ島沖。水深は100〜150m。10月に入って江の島沖でも型を見ている