中深場ってこんな釣りだったんだ!予想以上の高級魚にびっくり!
編集部から、「波崎の中深場の様子を探って来い」と指令があった。
「はて、今までこのエリアでこの釣りやったことあったかな?」と記憶をたどるが一度もないことに気づいた。
メヌケ釣りなどの深場ではなく、中深場。
「オキメバル釣りかな」と思って波崎「三栄丸」に出かけたら、想像を上回る釣りとなったのでした。
誰でも気軽に楽しめる 道具立てもライト

「三栄丸」にうかがったのは3連休初日の18日。
お客さん2人、仲乗りさん、筆者の4人を乗せて5時に利根川を下る。
数日前までは強風の日が多かったが、この日はわずかにうねりを残すのみで風もない。
キャビンの中で1時間あまり休んでいると船はスローダウン。
準備に取り掛かる。
今回、最初に準備したのはPE8号が500m巻ける電動リール。
ライトキンメなどに使えるものだ。
しかし、事前に電話で船長にあれこれ聞いていると、「PE4号が300m巻いてあれば十分」という。
さすがにオーバースペックだろうと、リールはダイワの500番に変更。
狙う水深は200m前後とのこと。
オモリは200号だが、ほぼヤリイカやスルメイカを狙うタックルがあればこの釣りができるということだ。
ダイワの300番、シマノの1000番クラスでも十分対応できる。
仕掛けはムツバリ17号、ハリス8号を5本バリ仕掛けに。
シンプルな胴付きバリだ。
ちなみにオマツリも頻発したが、替えバリさえ使わず、最初の1組のみで一日通すことができた。
ほかのお客さんの仕掛けを見ると、ハリにフラッシャーが付いている人も。
エサは、サバやイカなどでこれは持参する。
朝方はサバも釣れるので、これを切り身にするのもいいだろう。

水深は170〜200mほど。ダイワなら300〜500番、シマノなら1000〜3000番で余裕で対応できる

仕掛けは胴付き5本バリ。エサはイカやサバなど。エサは各自持参する
地味なスタート 釣果は予想通り
開始の合図があってみな仕掛けを投下する。
オモリが海底に着いたら、オモリトントンか少し浮かして待つ。
掛け下がりのポイントが多いので、底ダチを取り直し、たまに誘いをかける、というのが基本の流れのようだ。
最初のポイントは水深170mあまり。
それほど深く感じない。
開始早々からウスメバル、同地でパンダと呼ばれるウケグチメバルなどがポツリポツリと上がる。
まあ、予想通りだけど地味といえば地味な感じだ。
さらに、メバルと同サイズの小型メヌケ、ドンコなどが顔を出す。
筆者も2投目から参戦する。
エサは冷凍してあったスルメイカの切り身。現在、スルメが高騰していて深場ファンは悲鳴を上げている。
イカ釣りに行ったらスルメは干さずに丸のままを余分に持ち帰ったほうがよさそうだ。
海底に仕掛けが着いて底ダチを確認して竿を持ち上げるとクンクンとアタリがある。
しばらく待ってあげてみると40㎝近い良型ウスメバルだった。
このときはこれが本命だと思っていた。
そもそもここの中深場はウスメバル釣りのことだと思っていたから。
「オキメバルはそんなに数釣れませんよ。みんながここの釣りで喜ぶのはメヌケやヤナギノマイだよ」と、仲乗りの鈴木実さんが言う。
聞けば、この水深でもメヌケは2㎏オーバー、ヤナギノマイも2㎏クラスが釣れるのだという。
マダラも2〜3㎏級が数釣れるという。
9時半ごろ好時合に 派手な魚が続々登場
9時過ぎまで、パンダ、小メヌケ、マダラなどがポツポツの食いで順調に釣果は増えていくが何か決め手にかける感じだ。
ところが、9時半過ぎにトモの山崎祐通さんが「ちょっといい魚がきた」と手持ちでやり取り。
仕掛けを手繰ると、真っ赤な魚体がポコンと浮き上がった。
「あら、こんなメヌケが」それは2㎏超えの立派なメヌケだ。山崎さんもニッコリだ。
続いてミヨシの湯浅正敬さんにも同級がやってくる。
隣の鈴木さんは小メヌケと良型ヤナギノマイのトリプルだ。
筆者にもいいアタリがあったが、海面近くになっても竿先をたたいている。
「そりゃマダラっぽいね」と言われてみてみれば、予想通りのマダラだった。
周りのみんなは「本命」なのに自分だけトホホ。
この良型メヌケを皮切りに船中が活気付く。
山崎さん、湯浅さんは良型メヌケを追加。
最初は強く引き、途中から引かなくなる動きを見て、「本命だ」と笑顔がこぼれる。
ちょっとしたお祭り状態だったが、これは30分ほどで終了。
それから1時間半ほどまったく食わない時間が続く。
アカムツまで出て 高級魚五目に
気温も上がり汗ばむほどの陽気に。
海もナギで海鳥たちがおこぼれに預かろうと船の周りで羽を休める。
何とものんびりとした雰囲気が心地いい。
魚のアタリは1時間以上止まってしまったが、11時ごろに再度食いだした。
筆者も2㎏まではいかないがまずまずのメヌケ。
ミヨシの湯浅さんは35㎝級のアカムツに2㎏級の特大サイズのヤナギノマイをゲット。
みんな赤い魚たちを追加してクーラーの中はにぎやかになっていく。
「ここはいろんな魚が釣れますよ。昔はこの水深でも大きなメヌケがもっといっぱい釣れたんだけどね」と木村卓三船長。
筆者は最初、オキメバルがメインの釣りなので、春先で終わりかと思っていたが、「メヌケがメインなのでまだまだ楽しめますよ」とのことだ。
この日の釣果は、メヌケほか赤い魚が15匹前後、マダラもひとり2〜3本、ドンコ多数といいお土産になった。
「これが波崎の中深場五目だったのか!」と謎も解けたし、思った以上の手軽さで、この時期の定番メニューに加えることにしよう。
釣ったメヌケは皮付きのまま湯引きしてお刺身に。小型のものは煮付けに。
ウスメバルは刺身に。マダラは韓国のテグタン鍋風にしていただいたが、どれも絶品。あらためて波崎沖の底力を見た。
波崎って遠いイメージがありますが、潮来ICを降りてからはかなり広くていい道が続くので、距離ほど遠さを感じないはず。
現在、ヤリイカも絶好調ですが、ぜひ中深場もあなたのメニューに加えてみてはいかがでしょうか。
手軽に誰でも深場の高級魚! 波崎沖の中深場五目 釣行レポート

船の周りにはカモメやウミネコが集結。ウミネコがいるとメヌケが釣れるという説も

いい場所に入るとみんなにヒット!リールはPEが300m巻けるものなら対応できる

水深200mに満たない場所で2㎏クラスのメヌケほか、高級根魚がざっくざく!「今日はいろんな魚が良かったね」と銚子市の山崎さん

ポイントは航程1時間20分ほどの波崎沖
神栖市の湯浅さんも良型メヌケゲット

ウスメバルやパンダメバル(ウケグチメバル)も

タナはオモリトントンくらい。誘いをかけられるのもライトな釣りだからこそ

メバル、ヤナギノマイでトリプル。「ヤナギノマイはうまいよ」

こちらは2㎏オーバーのヤナギノマイ。うらやましい!

良型のマダラもよくまじった

「今日は本当にいいサイズのがよく釣れたね」。良型メヌケ、メバル各種、マダラなどで大満足釣果に

アカムツはうれしい。たまにまじるという

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・波崎港「三栄丸」
どういった釣りなのか、今ひとつピンと来なかった茨城・波崎沖の「中深場五目」。
オキメバル系主体の五目釣りだろうなあ、と漠然と思っていたのだが、経験してみて、「わお!これは面白い!」といまさらながらに驚くばかりだった。
「メバル系も釣れるけど、みんなが一番喜ぶのはメヌケとヤマギノマイかな。アカムツなんかも釣れるよ」と、波崎「三栄丸」の仲乗りの鈴木実さん。
水深は200m未満。リールはPE4号300mが巻ければ十分。つまりライトな深場釣りと言える。
この日は、メバル各種、小型メヌケやマダラなどでスタートも、中盤から急きょ食いが活発になり2㎏クラスのメヌケが連発。
予想をはるかに上回る釣果となった。
「いろんな魚が気軽に狙えますよ。難しいこともないので誰でも楽しめます」と木村卓三船長。
以上の記事は「つり丸」2017年4月15日号の掲載記事です。
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