激うまオキメバルを釣るならいま! 佐渡島沖の中深場五目釣りの魅力とは!?
冬の間、大荒れだった日本海。
春になってようやく落ち着きを取り戻した。
新潟・寺泊や間瀬の遊漁船はこの時期、積極的に佐渡島沖にオキメバル釣りへ行っている。
季節的なもので釣り物が少ないのことが理由のひとつだが、釣り人の間では大人気だ。
それは、オキメバルのおいしさに秘密があったようだ。
プチ遠征!ポイントは 佐渡島の前の小木の瀬


釣り座は出船前にくじ引きできめる
佐渡島を目前にする寺泊港や間瀬港周辺の遊漁船は、現在、オキメバルを釣るために佐渡島そばの小木の瀬まで行っている。
距離は片道27マイルほど。
約1時間30分〜1時間50分の航程だ。
まさに、プチ遠征釣行である。とはいえ、どの船宿も遠征料金は設定していない。
週末の凪ぎの日となれば、どの船も多くの釣り人でにぎわうほど人気だ。
釣果をみると、トップ20〜30匹前後が多い。
メバルの釣果としては、少なめのイメージだった。
しかし、なぜ人気なのか。
その真相に迫るべく、新潟・間瀬港「光海丸」に乗船した。
オキメバルのポイントの水深は80〜100m

佐渡島はすぐ目の前。オキメバル釣りといえども、水深100m以浅と意外に浅場を攻めている
ポイントの小木の瀬につくと、寺泊港や出雲崎の船が何隻も見える。
どうやら、メバルのポイントはあまり広くはないようだ。
水深は80〜100m。
オキメバルとしては浅いイメージ。
どのような場所かと、小林聡船長に聞くと、「オキメバルは回遊魚ですから、春になるとここいらに深場から集まってくるんですよ。一年じゅういるわけではありません。たぶん、いいエサ場なのでしょう」と言う。
小林船長は、ソナーで反応を探し、ピンポイントで群れを狙い撃つスタイル。
「そこいらじゅうにプランクトンのアミが沸いてしまっていて、アミかメバルか見分けるのが大変難しいんです」
魚探には、バッチリ反応が出ているのになかなかヒットしないこともしばしば。
しかし、1度アタると、追い食いして多点掛けができるという。

プランクトンのアミの反応とメバルの反応を区別するのが難しいと小林船長は話す
エサはホタルイカゲソ。仕掛けは専用サビキ、10 本バリ

メバルの仕掛けは「光海丸」の特別発注のサビキがベスト。船上で購入できる
仕掛けはハリス4〜5号のピンクフラッシャー10本バリ、オキメバル専用。
ハリス長20㎝は浅場、ハリス長30 ㎝は深場とポイントによって使い分けている。
エサは、ホタルイカゲソが基本で好みでサバタンやオキアミを使用。
一番安定しているのは、ホタルイカだ。
小林船長が仕掛けに一番こだわっているのは、枝スと幹糸の接続具。
極小親子サルカンなどではなく、回転ビーズのものがベストという。
絡みも少なく、オマツリしてもほどきやすいという。
一般的には、オキメバルのハリスは2.5〜3号だが、ここのハリスは4〜5号と太い。
これも、絡み防止になり、一日使い続けることも可能になる。
経済的だし、食いは変わらないという。

エサはホタルイカのゲソ。新鮮なものを付けよう
オキメバルは警戒心が強い。オモリを底トントンはタブー
さて、釣り方だが、一般的には、オモリを底トントンぐらいにして、ボトム周辺を釣るが、小林船長によると今の時期のオキメバルは、警戒心が強いため、オモリで底を叩くだけで、群れが逃げてしまうことがあるという。
そのため、最低でも、底上1mはオモリを上げてアタリを待つことになる。
メバルの反応が浮いているときは、コマセマダイと同じように、海面からの水深を指示ダナとして出すこともしばしば。
この指示ダナを出して釣るところが肝なのだという。
「春のオキメバルは誘いはいりません。とにかく静かに待ってください。誘いは魚を散らす原因になります」と、釣り人にアナウンスするが、メバルがヒットしてからは、真逆だ。
「メバルがヒットしてからは、追い食いをさせてください。逆に細かくシャクって魚を動かしてください。ヒットしたメバルに刺激されて、周りからメバルがどんどん集まってきます。ハリは10本あるわけですから、どれだけ追い食いさせられるかが、数を伸ばすカギです」と船長は話す。
脂のりのり激うまメバルを試食!
小木の瀬で釣れるオキメバルは30㎝前後がアベレージ。
なかには40㎝近い大型もまじる。このように良型メインであることも人気の理由だが、それ以上に食べておいしいことで釣り人が来るという。
早速、釣りたての頭が小さくて体高があり、太った個体を料理してみた。
身は刺し身。
エラ以外、内臓を含んだアラで出汁をとり、味噌汁にした。
身は甘く脂もある。よくをいえば、もう1日寝かしたほうがもっとおいしくなっていただろう。
味噌汁はいうまでもない。激うまだった。
こうして食べてみたことで、春の佐渡島沖のメバル釣りの人気の理由がここにあったのだ、と理解することができた。
沖五目のメインはマゾイとアラ
「光海丸」は沖五目という小木の瀬の深場を探索する五目釣りを看板にあげている。
この釣りの主役はマゾイとアラ。
5月以降はアラ狙いが本格化するが、現在はマゾイが本命。深場で釣れるマゾイはタヌキメバルで1㎏を超える個体はかなりレアものだという。
「ハリスは10号以上50㎝、胴付き3本〜5本の仕掛けで狙ってください」とのこと。
大型マゾイにターゲットを絞るならマイワシエサが実績が高いが、潮があまり流れないときは、サバやサンマの切り身でよいという。ちなみに当日はサケ皮をチョン掛けにして、2㎏級をキャッチした。
マゾイのほか、ハツメ、ムシガレイ、オキメバル、マダラ、ソウハチガレイ、ワラサなどさまざまな魚が釣れる。
アラはもちろん本命魚。
近年はスロー系ジギングによるキャッチ実績が高い。
マゾイはかなりおいしい。
食べられるのは釣り人の特権なので、ぜひ、沖五目にもチャレンジしてみてはいかが。
激うまオキメバル&沖五目大型マゾイ!佐渡島沖 釣行レポート

タックルはPE4号300〜400m収納できる中型電動。ハイパワータイプのリールには大容量のリチウムバッテリーを持参したい

オキメバルはいかに多点掛けができるかがカギ。1匹ヒットしたら追い食いさせよう

こんな良型のオキメバルばかりが釣れる。10匹釣れば十分だ

ズラズラズラ〜

大型ほど高ダナにいることが多い

新潟市の野澤さんは良型ばかり25匹キャッチ

なにせこの大型ばかりだから1度でも多点掛けを味わうことができれば、御の字だ

口から飛び出しているのは内臓の脂だ。これも食べておいしい

体高のあるメバルがそろう

沖五目はマゾイが超ウレシイぃー!!

ゲストでまじるマダラ。これから身がおいしくなる

港前の浅場では、クロメバルも狙える
スロー系ジギング

激うまメバルもスローピッチジャークジギングのターゲットだ

スロー系ジギングでメバルキャッチ

ジグには良型のメバルがヒットする

ジギングでヒットしたマゾイ

沖五目の釣果。これはほんの一部。食いがよいと高級魚で50ℓクーラーが満タンになる

今回、取材にご協力いただいたのは、新潟・間瀬港「光海丸」
新潟の中越エリア、寺泊港や間瀬港の遊漁船はこの時期、佐渡島沖のオキメバルを狙いに積極的に出船している。
ポイントは小木の瀬。
各港からは航程1時間30分〜1時間50分を要する遠征場所だ。
雪代が海に流入すると、底付近にプランクトンのアミが沸く。
それを飽食しているためにオキメバルの味がすこぶるよい。
身には脂がたっぷり。
刺し身はもちろん、煮付け、焼きなどどんな料理にしても激うまだ。
「なんで、この時期に佐渡まで遠征してまでオキメバル釣りへ行くかというとメバルがおいしいからなんです。しかも、良型ぞろい。10匹も釣れば御の字なんですよ」とは、間瀬港「光海丸」の小林聡船長。
聞くとこの魚は釣り人に大人気で、海が凪ぎなら必ずお客さんが殺到するというのだ。
新潟港の魚市場では、なんと1匹2千円もする高級魚。
知る人ぞ知るブランド魚だったのだ。
「こんなに身に脂がのるのは今だけです。うまい理由はエサのアミなんですが、そのアミが海じゅうに沸いてしまうと、飽食しすぎでなかなか口を使ってくれません。ジレンマです。だからエサを食う群れを見つけ出して釣ってます」と船長は話すように、船長泣かせの一面もある。
「光海丸」では、看板メニューの沖五目にも出船中だ。
ターゲットは、アラ、マゾイ、ホッケ、カレイ、メバルなどさまざま。
小木の瀬のポイントをラン&ガンしながら釣り歩くのが特徴。
とくにマゾイが魅力だ。
タヌキメバルとも言われ、良型は幻級の高級魚。味もすこぶるよい。
本格的に凪ぎの日が多くなるこれからの季節、激うまレア魚を求めて、佐渡沖へ行きましょう!
以上の記事は「つり丸」2017年5月1日号の掲載記事です。
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