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釣る前に、食べる前に、オオモンハタという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、オオモンハタという魚を知ろう!

相模湾から九州南部の太平洋沿岸、長崎県、琉球列島。フィリピン、南アフリカ、西太平洋、インド洋に広く生息する。そっくりな魚にホウセキハタというのがいる。

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オオモンハタ(スズキ目ハタ科マハタ属)の生態

市場ではハタ類はすべて高い。どんなハタも釣れたらウレシイ!

相模湾から九州南部の太平洋沿岸、長崎県、琉球列島。

フィリピン、南アフリカ、西太平洋、インド洋に広く生息する。

本種は分類学の父とされるリンネの弟子、ペール・フォルスコールが18世紀に採取して記載したもの。

表現は変だが、非常に歴史を持つ魚だ。
そっくりな魚にホウセキハタというのがいる。

こちらは19世紀になって記載されたものなのだが、両種は非常に似ている。

しかもどちらとも言えない、中間的な模様の別種のハタもいるようだ。

幾人かの魚類学者がこれを整理、研究しているのだけど、なかなか決着がつかない。

この3種の魚は生息域も重なり、地方での呼び名も同じ。

高知県で「いぎす」、鹿児島県で「ごまあら」と呼ばれている魚も、本種であったりホウセキハタであったり。

同定不能のハタであったりする。

オオモンハタの値段は?

市場ではハタ類はすべて高い。

今回の主役である手のひらサイズは、まず流通することはないが、平均的なサイズで1㎏あたり卸値が4000円くらいはする。

大きくなっても全長45㎝前後、重さ2㎏くらいまでにしかならない。

釣りなどにくるのは全長30㎝前後700gくらいが多い。

この700g1尾で卸値2800円もする。

ちなみにていねいに活け締めしたものは、もっと高い。

オオモンハタの釣行レポート

竿はひとつテンヤ用、またはロックフィッシュ用。長さは2.4〜2.7m。リールは小型スピニング。できればドラグ性能がいいもの。道糸はPEラインの1号以下。リーダーはフロロカーボンの5号前後。つまり、ひとつテンヤマダイ用のタックルがあればOKなのだ。

オオモンハタの寿司…ハタちゃん最高!ハズレ!?のはずが超うまい!

枯れ葉舞い散る肌寒い昼下がり、『市場寿司』ののれんをくぐって、「可愛いハタちゃんいる?」

たかさんにネタケースを指さして聞いたら、真後ろで食器を洗っていた最近太り過ぎの妻が、「はーい」

一瞬「あれっ?」と思いながらも、たかさんに二、三かんつけてもらう。

手のひらサイズなので、片身二かんで、見た目もそんなによくはない。

「今日の方がうめーだろ」

「こんなに小さいのにね」

「ハタに大小は関係ないのかもな」

話は夏にさかのぼる。全国の知人に、ある魚をウオンテッドした。

見つけたら写真を撮影し送って欲しいと頼んだだけ。

なのに、いきなり実物を送ってくる人が多かった。

ただしすべて似ているけど違う。
探している魚はこなかった。

秋になっても本命ではなく、ハズレばかりが来る。でも食べるとうまい。

ときに『市場寿司』に持ち込むと、「うれしいね!」

当時、台風が連続して東日本を襲い、市場に魚がなくて困っていたので「被災した人には申し訳ねー」と言いながら、たかさんは下ろしていたのだ。

ついでにつけてもらうと、飽きの来ない味でやたらにうまい。

「ハタって本当にうまいよね」

「値段通りの味ってことだ」

「すぐにお金の話になる」

探しているのは褐色で、小さな斑紋がある小型のハタ。

オオモンハタそっくりだが、新種の可能性が高い。

でも送られてくる写真も実物も、全部ハズレのオオモンハタばかり。

「ハズレ大好き。幸せだなー」

お客さんにも大受けだった。

ハタ類の握りは、都心の一流店で一かん千円はする。

それが『市場寿司』だと三百円なのだから、お客さんはついつい二、三かんはつまんでいく。

ボクだって負けてはいない。

和歌山の漁師さんが送って来てくれたハズレのオオモンハタは、たかさんの手計で七百グラムだった。

その半身を一気食いしてやったのだ。

「たかさんボクも幸せだなー」

成長しても四十センチどまりの、小型のハタはすし屋が使いやすい上に、すしネタとしても優秀だ。

「お仙泣かすなデブ肥やせか……」
 
たかさんの同級生で悠々自適のTさんは、いつも一言多い。

「いつもこの時間にいますよね。他に行くところないんですか?」
 
さて、「ハタちゃん」で妻が「はーい」と返事をしたときの話に戻る。

妻も、たかさんまでもが照れくさそう。Tさんも変な笑いを浮かべてる。
 
閑話休題。

今回の主役は手のひらサイズのオオモンハタだ。

このサイズを最初に送ってくれたのは、宮崎でボート釣りをやっている方だった。

ハズレではあるが、つけてもらってびっくり。実にうまい。
 
のどに大きなハリが刺さっていたので、放流できなかったのだろう。

同じサイズが三重からも、故郷徳島からもやってきた。

「定置網で揚がりました」といってどっさりと来た。

すべてハズレのオオモンハタだったが、握ってもらうと超うまい。
 
たかさんの妻がいる日だったので、日本酒を持参して握りをつまんでいたら、止まらなくなって、「うま味が豊かであきないね」

「後味がいいから、しめに頼む人も多いね。小さい魚もあなどれない」

「たかさん、次はすだち塩ね」
 
最後の、ハタちゃんことハタの若魚は、ボクがすべて平らげた。

「ハタちゃん、昔は痩せてて可愛かったよな。アイドルみたいだった」
 
Tさんの言葉に、妻が怒って帰ってしまった。

旧姓「はた」、それで美人女子校時代「ハタちゃん」だったのだ。

夫婦にとっては甘いスクール愛だけど、そんなのどうでもいい。

「おーい、送って行ってよー」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。

店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。

ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。

本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。

どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。

目標は1000種類の寿司を食べること。

HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2019年12月1日号の掲載記事です。

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