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釣る前に、食べる前に、コクハンアラという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、コクハンアラという魚を知ろう!

和歌山県などでも発見されているが、国内では主に小笠原諸島、屋久島、琉球列島に生息。1mを超える大型のハタだ。

コクハンアラ(スズキ目ハタ科スジアラ属)の生態

沖縄県、奄美大島などでは超高級魚。4㎏で2万円!

和歌山県などでも発見されているが、国内では主に小笠原諸島、屋久島、琉球列島に生息。

特にインド・太平洋の熱帯サンゴ礁域に多い。

1mを超える大型のハタだ。

1950年代くらいまでは、国内の魚類学ではスジアラとの違いを正確にはわかっていなかった。

1955年には「スジアラの色変化ではないか」などとある。
 
大型になると黒くなるが、若い5㎏くらいの固体は赤、黄、黒と種内の色変化が激しい。

赤は「あかばにー」、黒は「くるばにー」、黄は「あやーあかじん」と呼び名も違っている。

ちなみに「あやーあかじん」の「あやー」はネコのことだが、どこにもネコらしさがない。

「あかじん」は赤いという意味合いで、これもスジアラの「あかじんみーばい」とまぎらわしい。

コクハンアラの値段は?

沖縄県、奄美大島などではスジアラと同じように超高級魚である。

あえていえばオーストラリアやニューギニア、パラオなどでは値がいいのでとり過ぎて保護の対象にさえなっている。

関東の市場では色に関わらず、非常に高値で売られていて、1kgあたり卸値5000円前後はする。

今回の4㎏で卸値1尾2万円はとても庶民には手が届かない。

むしろ釣りに行った方が安いかも。

コクハンアラの釣行レポート

4月初旬に、釣り仲間の大物釣師・ケイさんのお誘いでコクハンアラ(くるばにーあかじん)などの底物・高級魚を泳がせ釣りにて狙ってまいりました。 企画して頂いたキャステング品川シーサイド店の大物釣師・安達さん、大物釣師・ケイさん、そして俊兄の三人が揃って大物・珍魚の乱舞。釣果としては最高なのですが、また宿題が出来ました(笑)

コクハンアラの寿司…二十日近く熟成したら、コクハンアラに愛を感じた!

市場人は暮れが近づくと鬱になる。

今年もやや鬱かなと思いながら、『市場寿司』ののれんをくぐったら、愛妻と愛のチュッチュをしていた。

ボクを見て、「目にゴミがね」。

「古くさいいいわけすんじゃねー」

お邪魔虫なので、魚を置いて、市場を回った。

昼過ぎなのに、クマゴロウが仕事に追われている。

「あと二回は茅ヶ崎に行きてーな」

「やっぱりマダイ?」

「当たり前よ」
 
さて、『市場寿司』にもどると、しゃりがないという。

仕方がないので魚の説明をする。

今回の主役は十月初めにも来ている。

たかさんも覚えているはずだと思ったら、完全に忘れているではないか。アホや!

「半身じゃーわかんねーよ」

「模様が特徴的でしょうが」
 
まあ、そんなことはどうでもいい。
たかさんに皮を引き、冊取りして、ぬれたさらしに巻いて、ていねいに冷蔵庫にしまうように命令する。
 
翌日、早朝の『市場寿司』で味見した。釣り人が釣り上げて五日目になるが、まったく味がない。

「なぜかな? 見た目はいいのに」

「たかさん、何日か寝かそう」
 
さて、今回の魚はコクハンアラだ。
 
熱帯域に多い1メートル以上になる大型のハタで、成長すると黒一色になるが、五㎏くらいまでは、背中に褐色の斑紋がある黄色いタイプと、同じく褐色の斑紋がある赤いタイプ、それに褐色の斑紋のない黒一色の三タイプに分かれる。
 
沖縄県では若魚の値段は赤、黒、そして黄と安くなる。
 
前回十月のも赤だったが、沖縄の漁師さんが釣り上げて、普通にしめたものだった。

今回のものは、奄美大島で釣り人が釣り上げてしめ、特種な器具で血液を抜いている。
 
週をまたいで、釣り上げて十日目にたかさんから連絡が入った。

「おーい、化けたぞ!」
 
押っ取り刀で駆けつけると、まずは刺身で味見。

前回はシコシコと食感はよかったが、味も素っ気もなかった。恐るべきことに、今回のものはまだほどよい食感が残っていて、うま味が非常に強くなっている。

「とてもうまいね」

「うまいだろ。一切れ食べてビックリ。つけたらもっとビックリさ」
 
つけてもらったら、確かにビックリ仰天した。

白身なのに実にうま味豊かなのだ。適度に柔らかくなっているので、すし飯との馴染みもとてもいい。

ネタとすし飯が一緒に喉の奥に消えて、「おいしい」がなかなか口中から消えない。

この余韻だけにお金を払ってもいい。

「ムムムム、人生観変わりそう」

「おれら職人の白身感も変わるよ」

「何が違うんだろうね」

「これが今どき流行りの熟成魚ってヤツじゃないかな」

「たぶんそうだね」

「オレもやっと流行の最先端に追いついたってわけね」

自分でやったわけでもないだろうに、でもハタなどは熟成させた方が圧倒的にうまいのかも。

さて、この話には落ちがある。
それからまた一週間以上して、『市場寿司』をのぞいたら、たかさんがもぞもぞしながら、さらしに巻いた物体を出してきた。

「これ出し忘れてたみたい」
 
なんとコクハンアラの切れっ端だ。
すっかり飴色に変色している。

かれこれ釣り上げて二十日近くになるだろう。まさかと思いながら、

「ちょっと切ってみてよ」
 
切り身がほんの少し舌に触れたとたんに、うま味成分からくる甘味がきた。

小さいのにうまみたっぷり。
 
即、たかさんがつけてくれる。

「コクハンアラに愛を感じる」

「オレは妻に愛を感じる」

「昼間っからのろけるじゃねー!」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。

店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。

ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。

本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。

どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。

目標は1000種類の寿司を食べること。

HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2019年12月15日号の掲載記事です。

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