激うま超高級の大型オキメバルを釣るならいま! 誘わない静かな釣り方で 遠征が無理なら近場でマダイも
なぜいまオキメバル釣りなのか? 近場ではマダイが好調!

なぜ、この時期にオキメバル釣りをすすめるのか?
この魚といえば、早春のイメージの魚。
新潟の遊漁船ではとくに3月から7月、関東の太平洋でも年明けから3月くらいまで行われる釣りものだ。
基本的にオキメバルは周年釣れる。
そのなかでもうまいとされているのは春。アミを飽食し脂がのっているからだという。
しかし、その季節だけではない。
実はいまが、そして大型がうまいのはいまなのだ。
「これからの季節は時化の合間をみてのオキメバル釣りがおススメです。小さいメバルの数釣りではないですよ。あくまで30㎝オーバーの大型狙いです。魚市場では35㎝を超えるオキメバルは下田のキンメダイと同じくらいの浜値がついてるくらい高級魚です」とは、新潟県に新潟市間瀬港から出船する「光海丸」の小林聡船長。
11月中は白子入りのマダラ釣りに積極的に出船。
一人の釣果でも大型クーラー満タンが当たり前。
産卵もしくは潮の流れの影響で小休止する期間もあったが、12月には再び釣れだした。
そのマダラと同じくらい人気でプチ遠征の佐渡沖の中深海のターゲットとして名乗りをあげるのがこのオキメバルなのだ。
釣れるのはオキメバルだけではない。
なぜかハナダイが今期多い。
そして、全国的に少なくなってしまったホッケ、貴重なマゾイやアラ、ヤリイカなどもまじりいわば、五目釣りで楽しめる。
とはいうものの、ポイントは佐渡沖、メインとするのは小木の瀬だが、片道行程約1時間半を要するプチ遠征。
冬将軍が到来する季節は、気候の変動も激しく前日まで大丈夫だった天候も当日朝になるとかわり、沖はダメでも陸近くは大丈夫というときもある。
そんなときにおすすめなのがコマセマダイ釣りだ。
間瀬沖の根周りは冬季にマダイの群れが越冬するところで、水温が下がると群れ固まり、イサキのようにマダイが釣れるようになる。
この状況は11月にも始まっており、例年のパターンからすればこれからがシーズン。
サイズは1~2㎏前後が多いがときおり大ダイがまじる、まさに、寒さを吹き飛ばすような内容で釣り人を楽しませてくれる。
つまり、これからの季節、間瀬沖の佐渡プチ遠征を企画するなら、天候の都合で保険の意味あいでも近場のマダイも視野に入れておくといいということだ。
オモリは200号。それにあった 竿とリールを選択する
まずは、使用オモリについて。佐渡沖のポイントの水深は100~130mほどだがオモリは200号使用する。
地元では古くからタックルは長さ3.5~4mの日本海仕様オキメバル専用のロングロッドでPE5~6号を巻いた中型電動リールの組み合わせが主流。
だが、2~2.7mの200号を背負える7対3調子の竿ならなんでもオーケー。
竿先が硬いものは避けたい。
リールもPE4~5号を300~400m収納しハイパワーのものならオーケー。
シマノ社製なら3000番、ダイワ社製なら500番、ミヤマエ社製ならAC3などが使える。
ハイパワーの電動を持ち込む場合は、必ずリチウムバッテリーを持参しよう。
仕掛けは最低でも ハリス5号の専用サビキを使用
さて、仕掛けだがこの海域で一般的なものは、ハリス3号ムツバリ10本の胴付き仕掛けだが、「光海丸」ではまず、ハリスは最低でもハリス5号以上、ハリ数は10本と同様。
なぜ、目がよいとされるオキメバルなのにハリス5号以上なのか。
「うちはハリスは最低でも5号以上です。はじめから小さいメバルは狙わず大型狙いですから。さらに、この釣りをしているとゲストがさまざま。ワラサやブリなどの青物やアラ、マダラでしょ、マゾイ…。せっかくいい魚が掛かったのなら、きちんと釣り上げないといけませんよね。本当、ハリス5号以上に仕掛けを統一してからさまざまなゲストが釣れるようになりましたよ。ハリスが太くて食いが悪くなるんじゃないかって?そんなことはありませんよ。その証拠に今日の竿頭の常連さんの仕掛けはハリスは7号ですよ。大事なことは、釣れる仕掛けとエサの選択、あとは誘い方です」とのこと。
張りのある太目のハリスを使うことによりメバルが吸い込みやすいハリスの角度となり、細いハリスと比べ長い時間その吸い込みやすい角度を保つのも食いがいい理由のひとつだろう。
では次にエサについて解説しよう。

船で配られるホタルイカの鮮度は抜群/小林船長がイチ押しする仕掛けがコレ。船上で購入できるが事前に確認を
エサは新鮮なホタルイカゲソもしくはサバの切り身

エサは、船長に事前に頼めば鮮度抜群のホタルイカを用意してくれる。
そうエサのメインはホタルイカゲソ。
小林船長はこのエサについて、こう話す。
「メバルのエサは潮の色によて決めます。潮が濁っているときはホタルイカ、澄んでいるときはサバも切り身。冬場は潮が濁っていることが多いのでほとんどの場合、ホタルイカ使用になりますね」
用意してくれたホタルイカにも鮮度のこだわりがあるが、付け方にもコツがあるという。
「まず、ゲソを短くハサミでカットしてください。その次につぼ抜きして肝からぶら下がっている白い綿みたいなものもハサミでカット。ハリは口から刺し入れハリ先を目と目の間から出します。これで完成です」
どうしてこのようなひと手間をかけるのかというと、こうすることでエサそのものがハリにからまず集魚効果がある肝と目玉をきちんとメバルにアピールできるからだという。
当然、仕掛けを入れかえるたびにエサは付け替えたほうがよい。
少なくとも目玉が取れているものは必ず交換する。
一方、潮が澄んだときのサバエサだが、これはできるだけ身をそぎ落し皮だけにして、水中でナチュラルにフォールするようにする。
吸い込みやすいように幅は5㎜と細めで長さは3~5cmほどがベターだ。
底から1mオモリをあげたら誘わない。そのまま待つ

釣り方だが、大型メバルの釣り方はちょっと独特だ。
「オモリが底に着いたらすぐに1mあげてください。そこからそのまま静かに待ってください。けして、竿を動かす誘いをしないでください。そのまま、置き竿でいいです」とのこと。
そう、誘い動作はナシでいいという。この釣り方が最も大型メバルの釣果があがっているという。
「そもそも、小型のメバルは大きな反応を根周りにだしますが、狙いの大型メバルは反応が小さく警戒心も強い。だから、ピンポイントに仕掛けを落としてしばらく待つと誰かしらから順番にメバルがガクガクガクとアタります。アタリが出てもそのままにして待ってください。追い食いしますから。1匹がヒットするとそれにつられて他のメバルたちも活性があがります。よくあることですが、小さな反応だったのが、誰かしらにヒットすると反応が大きく出ることがあります。これってヒットしてからメバルの活性があがった証拠ですよね」とのこと。
小林船長のアドバイスどおりに竿を動かしたくなるのをじっとこらえて、静かに待つのがこの大型オキメバルの釣り方なのだ。
佐渡島沖 最高級のオキメバル 釣行レポート

正面の陸地が佐渡島

冬の日本海のシケの合間の貴重な凪ぎを利用して沖へ出る。静かな海が心地よい

地元アングラーは3m前後のロングロッドを使う。ショートロッドもオーケーで釣果の差はない

30㎝を超える大型メバルが連なって上がりそれを取り込む様子は圧巻だ

このでっぷりとした魚体はビューティフル

じっくりと追い食いさせれば、こんな良型の多点掛けが可能だ。いまの季節は1匹の価値があるので多点掛けは大変うれしい

釣果はこの通り!!

30㎝オーバー

大型浮上中!

水深120mでなんとハナダイがよくまじる

「光海丸」では、ジギング同船もオーケー。ジグの本命はアラだが、メバルもヒットする。なんとヤリイカも。イカヅノも用意したい

今回、取材にご協力いただいたのは、新潟・間瀬港「光海丸」
新潟県民にとっては馴染み深い魚であるオキメバル(ウスメバル)。
市場では刺し網漁でとれたもの以外はほとんどが釣りものだ。
どちらかといえば、クロメバルと同じく早春の魚のイメージがあるが、実はこの年末から年明けにかけてのオキメバルは激うまといえるほど絶品なのだ。
時化が多い冬の日本海ではこの季節は大変貴重な魚だ。
「11月中は白子入りのマダラを狙ってました。もちろんマダラもまだまだ釣れるのですが、いまのおススメは実はオキメバルです。35㎝を超える大型は下田のキンメダイと同じ値段ぐらいですよ。この季節は体高があり身厚、なにせ味がいいのでぜひいまの季節のオキメバルを味わってほしいですね。出船できるかどうかは天候次第ですが」とは、魚の価値にもとびきり詳しい間瀬港「光海丸」の小林聡船長。
しかも、船長は大型メバルの反応を見つけ出し、ピンポイントで釣っているという。
「アラもそうですけどポイントはもちろんですが、反応に合わせて仕掛けを落としてます。メバルもその経験上、大型の反応はだいたい分かります」と小林船長。
気難しいという大型オキメバル釣りのコツは“誘わない”ことだという。
プレミアオキメバル求めて冬の佐渡島沖へチャレンジ!!
以上の記事は「つり丸」2020年1月1日号の掲載記事です。
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