実は美味しいアカイサキなどなど 五目で賑やか! 仲間と納竿釣行!
「何か白っぽいのがいる」と仕掛けを手繰る白柳賀子さん。
カメラ片手に覗き込めば、海中に揺れるフォルムは、一手繰り毎に明確になり、桜色となって紺碧の水面に浮かぶ。
「やったぁ!アマダイだ!!」待望の1匹に笑みが零れる。
毎年恒例となった 仲間との納竿釣行!

12月28日はTEAMメンバーと伊豆多賀の「千とせ丸」から納竿釣行。
昨年も同日同所を予定したが入院で参加叶わず。2年越しで藤間典郎船長と挨拶を交わす。
当初は昨年同様アマダイを予定していたが「網代沖は今季イマイチ」との情報。
12月上旬時点で好調の「コマセ五目」に変更した次第。
尾頭付き(良型ハナダイ)に脂の乗った冬イサキ、高級魚カイワリと「正月」を意識しまくりの「獲らぬ狸の何とやら」。
早々とメンバーにタックルチェンジの連絡を済ませて準備万端整えるが…。
思惑通りに進まないのが現実の辛い所。
釣行直前に水温が急降下、皮算用も見直さざるを得ない。
船長提案で「アカイサキメインのコマセ五目」に再変更。
アカイサキと聞くと「エキストラ」のイメージが強いかもしれない。
伊豆諸島回りなど、沖の個体は「型は良いが身が硬くて味が薄い」感は否めない。
しかし、網代沖などいわゆる「地先」の個体は同じ種類とは思えないほど、身がふっくらして旨味も濃い。
狙うに値するターゲットなのだ。
それでもどこか「尾頭付き」への未練を捨て切れない?我々の心を察し、ハナダイ&イサキからスタートしてくれた藤間船長。
「この活性だとウイリー仕掛けよりオール空バリに付けエサが有利」のコメントに全員空バリ仕掛けで臨む。
付けエサはオキアミ(千とせ丸はコマセから拾うスタイル。専用の付けエサを使いたい場合は各自持参)が基本だが、筆者は枝バリにニッコー化成「ロールイカタン」や「マイクロイカタン」を併用し手返しアップを図る。
ポイント到着間際、3日前のビデオ撮り釣行の疲れか、最近悩まされている頭痛と目眩が発症。
すぐに処方薬を飲んで事なきを得るが「釣りはメンバーに任せ今日はカメラメイン」と腹を括る。
予想外のマダイ登場後 「本命」アカイサキ狙い
8時スタート。指示ダナに仕掛けが入ると次々にアタるが皆ゴマサバで即移動、その後小1時間の鬼ごっこが続く。
何とかサバから逃れた9時15分、「この日のために」新調したロッドを大きく曲げた左ミヨシの秋山氏。船中注目の中現れたのは…まさかのツノザメ。
この場面でこれを釣ってしまう辺りが流石は深海釣師、それでこそTEAM OKAMOTOのメンバー!?
「ビミョー」な感じになった船上の空気だが、それを払拭したのもまた秋山氏。
直後の「いいアタリ」は当日唯一のマダイ。
サイズはさておき、沈みがちな雰囲気を一変してくれた「功労魚」に感謝。
その後はイサキがポツリ、ポツリ上がるが、どの個体も一様に体色が白っぽく「低水温&低活性」を物語る。
10時前。右舷ミヨシに陣取る松原氏のマダイロッドを気持ちよく絞ったのはグッドコンディションのメイチダイ。
「マダイだと思ったんですけど」と照れ笑いの松原氏だが、下手なマダイよりも遥かに美味な魚で羨ましい限り。
10時半。本日のメイン、アカイサキポイントへ。
海底から10mのタナに合わせてほどなく、左舷二人が「食ったけど小さい」と苦笑しつつ、共にド派手なシキシマハナダイを跳ね込む。
しばし魚体を眺めていた白柳さんだが「君とは…サヨナラだね」と海に返す。
「そうやって沢山の男を泣かせて来たんでしょうね」とキツ目の突っ込みで笑い合えるのも、親しい仲間の仕立ならでは。
続く投入で秋山氏が「本命」身の厚い良型のオスをキャッチして笑顔。
直後に同級を抜き上げた白柳さんはハリ外れでポチャン!
誰もが「浮くから大丈夫」と思ったが、まさかの海底帰還。
相当数のアカイサキと対面してきた筆者も初めて遭遇するシーンだった。
「あーっ、大きかったのになぁ」とボヤく白柳さん。
シキシマハナダイを無下に扱ったバチだ…などと落胆しつつ、すぐ2匹目のデカオスをモノにしてニッコリ。
「魔性の女」ぶりを如何なく発揮する!?
これからはカサゴやキンメもおすすめターゲット
左舷の筆者と松原氏にもアタリはあるが、潮向きもあるのか、二回りくらい小振りのメスやキントキダイ、トゴットメバル…結局「本命」大型オスはノーヒットと明暗分かれる。
出船から5時間が「千とせ丸」の基本スタンス。
「最後にアマダイポイントをやってみましょう」と藤間船長。
ここでも真っ先に巻き始めたのはこの日絶好調の白柳さん。
冒頭のシーンへと続き船中初のアマダイに破顔一笑。
直後、仕掛け長を詰め「アマダイ仕様」で臨んだ秋山氏が小振りながらダブル。
「もっと大きいのが出る場所なんですけどね」と藤間船長は苦笑するが、桜色との対面叶い何より。
釣況も体調も「万全」には遠かったが、メンバーの奮闘で多種多彩な釣果をカメラに収め、無事納竿釣行を終える事が叶って安堵する。
年明け以降は中深場のカサゴ(鬼&カンコ)や初島キンメが手堅いと藤間船長。
もちろんその他のリクエストにも応相談。
気の合う仲間で肩肘張らず、冬の1日を楽しんでみては如何か。
東伊豆のコマセ五目釣行レポート
いつもはディープ専門ですが 年末釣行は仲間とのんびり 五目釣りを楽しんできました~ by 岡本

魚種豊富な東伊豆。いつもは、その中でも深海のターゲットを狙っているディープマスター・テル岡本だが、今回の取材はちょうど年末の釣行。「たまにはいいでしょ?」と、浅場でコマセ五目を楽しんできた。意外と美味な大型のアカイサキはじめ多くの魚が釣れて賑やかに!!

食べて美味しい高級魚のメイチダイ!遠征五目ではよく釣れるが近海で釣れるのがウレシイ

年末釣行ということで、とくにうれしいマダイもまじった

筆者はキントキに苦笑い。いいんです、これで。のんびり楽しめるのがいいんです
何が食うかわからない!

引きもいろいろ楽しいね!

でっぷり太ったアカイサキ。煮付けやソテー、鍋ネタなど、美味しく食べられる

アマダイもゲット!状況次第では専門に狙ってもいいターゲットだ

キダイも数まじった。酢締めにしてお寿司にすると美味しい

小ぶりながらアマダイダブルも

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・伊豆多賀「千とせ丸」
東伊豆・伊豆多賀の国道135号線沿いの戸又(伊豆多賀)漁港はともすれば見落しかねない、こじんまりした港。
36フィートの「千とせ丸」はここで静かに釣り人達を待っている。
「好き」が嵩じて2012年仕立専門の釣り船を開業した藤間典郎船長は媒体執筆の経験もある元磯釣師。現在も釣り人の視線とハートを持ち続ける彼がエスコートする網代沖はカワハギ、カサゴ、タイやイサキ、青物のコマセ五目、夏のキハダ&カツオにヒラメの食わせサビキ、アマダイ、オニカサゴ、アカムツや冬場の初島キンメ…季節毎に浅場から深海まで多様な釣りと多彩なターゲットを有す、絶好のフィールドだ。
筆者が子供の頃「船釣り」の洗礼を受けたのも、初の深海釣りに挑んだのも同沖だ。
言わば「ディープマスター発祥の海」でもある。
そんな郷愁も相まり、近年は一年の締め括りをこの海と決めている筆者。
今回は釣況、体調共に今ひとつながら、天気に恵まれTEAMの仲間たちと和気あいあいのコマセ五目釣りで、満足のゆく納竿釣行が叶う。
「千とせ丸」は3人からの出船でMAX6名。
気の合う仲間達で1日を楽しむには絶好の船。
港の佇まいも相まった「隠れ家」イメージも魅力的だ。
以上の記事は「つり丸」2020年2月1日号の掲載記事です。
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