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釣る前に、食べる前に、モミジザメという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、モミジザメという魚を知ろう!

相模湾、東京湾口などでも見つかっているが、生息域は不明な点が多い。表層でも見つかっているが、漁師さんは水深700mよりも深いところに多いという。

モミジザメ(ツノザメ目アイザメ科アイザメ属)の生態

市場ではほぼ見ないが、肝臓は高値が付くらしい

相模湾、東京湾口などでも見つかっているが、生息域は不明な点が多い。

東太平洋、マダガスカル諸島の北にあるアルダブラ諸島、オーストラリア、ニュージーランドと発見された海域が点々と散らばっている。

相模湾などはその最北にあたると思う。

表層でも見つかっているが、漁師さんは水深700mよりも深いところに多いという。
 
2019年は相模湾や駿河湾で比較的よく水揚げされている。

漁師さんは、こんなに釣れることは少ないという。

モミジザメの値段は?

まだ一度も流通にはのったことがないと思う。

当然市場的な価値はわからない。

ただし製薬会社などが、肝臓に含まれているスクワレンを求めて競って探している。
 
駿河湾では1尾あたり、数万円(はっきり言えないようだ)もするという。

ただし肝臓だけの値段で、本体は持って帰らないという。
 
まあ国内に釣り人多しといえども、本種を釣り上げたという人は数名だろう。

そのあたりを競って欲しいと思う。

「モミジザメ」の寿司…じっくり寝かせたら良さがでてきた!とてもうまい!

2019年後半は、ラブカ、ユメザメ、モミジザメと深海性のサメが連続して来た。

まだまだ深海ザメラッシュが続きそうな予感がする。
 
たかさんがボクの話を聞きながら、タピっている。

個人的意見だが、飲み物にプニュプニュは嫌いだ。

「深海ザメだけは多かったね」

「夜の深海ザメ♬昔流行ったね」
 
そんな話をしていたら、本当に深海ザメが、和歌山の漁師さんから市場経由のトラックで送られて来た。
 
今回のものは、全長一・四メートルもある。漁師さんには「大きすぎると撮影できないので、小さいのが釣れたら送ってください」と言ったはずだ。

なのになぜ?こんなにデカイのを送ってくるのだろう。

ときどきバラムツの夜釣りなどの船を出しているが、試しにもっと深場をエサ釣りで攻めてみたのだという。
 
お礼のケータイを入れると、

「新種かもよ」確かに新種の可能性はある。
 
尻鰭がないのを確認し、歯を見て、鱗を数個引っこ抜いてルーペでチェックしてアイザメ科だと判明。

もっと細かな点から二回連続のモミジザメだとわかりがっかり。
 
丸ごとたかさんに渡して、「ぜんぶあげちゃう」と言うと、がっかりしているボクの真横で大喜びしてジャンプ、ジャンプ。
 
平凡な江戸前すし職人であるはずのたかさんが、前回のモミジザメを食べて惚れ込んでしまったのだ。

「確かに生で食べるとおいしいとは思うよ。でも歌ったり踊ったりするのはおかしいでしょ」
 
たかさんが、店の前にまな板を出し、下ろし始める。

コバルトグリーンの目に冬の白い雲が浮んでいる。

「こいつウインクした」
 
あちこち触るので、瞼が動いたのだろう。

余談になるが深海性のアイザメ科、オンデンザメ科には瞼がある。

たぶん深海で敵と鉢合わせしたとき、光る目が敵の目標になるのを避けるため瞼を閉じるのだと思う。
 
さて、今回のものは、活け締めにして、神経も抜いているようだ。

来た日に食べたらゴリゴリした食感で、まるで味がなかった。
 
たかさんに命じて、三枚に下ろして皮を引き、保存してみた。
 
四日後は柔らかくなったものの、今ひとつうま味に欠ける。

「明日かな」
 
活け締めにして五日目なのに、血合いが赤く、切りつけた身がとてもきれいだ。

じょじょにうま味が感じられるようにもなってきている。
 
さて翌日は、まだ真っ暗闇の朝四時半に刺身にして味見。見た目、食感、うま味ともに申し分がない。
 
つけてもらって持ち帰って食べたら、とてもうまい。筋繊維が粗く、見た目的には大味かと思ったら、実に繊細な味なのだ。

ただ酸味がほとんどなく、味に特徴がない。
 
昼過ぎに出直したら、二、三人お客が残っていた。

鄙には希な美少女がいて、たかさんが紙に包んだものを手渡して説明している。
 
もう一度、つけてもらったら、白身魚とは違った意味でのよさがわかってきた。

噛みしめると染み出してくる肉汁にうま味があるのだ。

「やっとこの魚のよさがわかってきた。でもお客さんにわかる?」

「わかったみたいよ。ほら」
 
ネタケースに入っていた大きな冊がほとんどなくなっている。

「トロの後に食べてもらうといいんだ。嫌みがないし、うまいしね。これだけ追加する人もいるよ」

「さっき何を渡していたの?まさか、ひょっとしてあれ?」

「スクガラスでしょう」

「違う、スクワレン」
 
まあ体に害はないものの、肝をそのまま食べてお肌つるつるになるわけがない。

救われんオヤジだ。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。
ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。
本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。
どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。
目標は1000種類の寿司を食べること。
HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2020年2月1日号の掲載記事です。

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