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釣る前に、食べる前に、クロサバフグという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、クロサバフグという魚を知ろう!

クロサバフグはフグ目フグ科サバフグ属。北海道から九州の太平洋沿岸、東シナ海、福岡県津屋崎、瀬戸内海。台湾から南シナ海に広く生息域をもつ。

クロサバフグ(フグ目フグ科サバフグ属)の生態

市場ではクロとシロは区別せず、ともに安い魚だ

北海道から九州の太平洋沿岸、東シナ海、福岡県津屋崎、瀬戸内海。

台湾から南シナ海に広く生息域をもつ。

サバフグは古くは1種だけだった。

シロサバフグとクロサバフグに分かれたのは1983年だ。

この2種類は非常に似ている。

ここにドクサバフグという筋肉にも毒のあるやっかいなものがいる。

気をつけないといけないのは、相模湾や駿河湾でもこれがとれはじめていることだ。

3種とも背中に棘がある。
前2種は背中の棘が背鰭に達しないが、ドクサバフグだけが背鰭まで達する。

サバフグ類がとれたら船宿やフグ調理師さんなどに聞くといい。

クロサバフグの値段は?

標準和名サバフグは和歌山県、長崎県での呼び名だ。

福井県ではゴマフグのことを「さばふぐ」と呼ぶ。

サバのように群れを作って沖合で見られるからだと思う。

東京など関東の市場ではクロサバフグとシロサバフグは区別しないで流通している。

残念なことに2種類とも安い。
これは日本各地の定置網、巻き網などでまとまってとれるからだ。

今回のものは、釣人自己計測で全長30cm前後。500gくらいあったという。

キロあたり卸値で1000円前後なので、1尾で500円くらいである。

クロサバフグの寿司…うまい!サバフグもフグの内

新年は、正月休みも、成人の日の三連休も、釣り三昧という人多し。
 
新年早々、伊豆半島でご近所の釣り名人が釣り上げたイカブリが、若狭湾からは定置網もののワラサが、ついでに鳥取境港からは十四キロの大ブリまでが送られて来た。ブリだらけで、てんやわんやである。
 
すしの世界では見た目が白いので白身だ。

すし屋であるたかさんも、白身ばかりあっても仕方がないと、一本だけで後は受け取りを拒否。
 
ある晴れた朝に、市場の釣り名人・クマゴロウの店をのぞいたら、なんとここにもブリがある。

「あのー、まさか釣ったヤツ」

「イカブリね。十キロ近くあるからね。ひょっとして欲しい?」
 
豊漁なのだろう。
年明けから市場中がブリだらけ。

それなのにブリを釣りに行く。

クマゴロウの釣り根性がすごい。

奥で妻が呆れております。
 
またまた、ある晴れた朝に、市場の釣り名人・クマゴロウの店で、「サバの中に混じっているむき身は、フグじゃないのかな?」

「(尾を見せて)どっちだと思う?」

「どう見ても黒だね」
 
相模湾のマダイ釣りにきたものだ。

喜んで三本いただく。
三本合わせて手計で一キロくらいある。

「エサ上げてくるといっぱい追いかけてきて、パクリ。半分くらい返しても、クーラー満杯ってね」
 
個人的意見ではあるが、寒い時期ならブリよりもこっちの方がいい。
 
フグ調理師、クマゴロウがむき身にしたものなので、渡された時点で余分な水分は抜いてある。
 
これをさらに和歌山の漁師さんに教わった塩じめにする。

なんのことはない、塩をまぶして二時間くらい置き、塩を洗い流して、ペーパータオルにくるみ保存するだけだ。
 
午前中に仕込んでおけば、夕方には食べ頃になる。

締めて翌々日くらいまで、刺身にしておいしい。
 
これを『市場寿司』に持ち込んで楽しんだ。

正月休みは石和温泉で、妻と何をやっていたのかは知れないが、顔が変につやつやしている。
 
塩締めしたものを、ただ切りつけて、つけてもらっただけで実にうまい。

柑橘類を振ると、しょうゆをつける必要はまったくない。

「こんなにうまくなるなんて思わなかった。やっぱり塩ってすごい」

「塩締めは、すし職人もやるよね。漁師さんも同じこと考えるんだ」

「魚がわかってる人の、やることが同じなんだね。水っぽいはずがこんなに豊かな味に変身するなんて」
 
さて、今度はある晴れた昼。
『市場寿司』でお茶を飲んでいたら、サバフグあぶり二かんが目の前に。

「あのさ。これどうかな?」

「これもクマゴロウかな?」

「そう。あれから何度か持って来てくれてね。ちょっと目先を変えて、あぶってつけら好評なのよ」

フグ調理師&すし職人のコラボだ。
塩で締めただけで十二分にうまいと思ったが、あぶった方がもっとうまい。

サバフグ類は嫌みのない味だけど、味にアクセントがない。あぶると段違いに味わい深くなる。

「たかさん、これを名物にすればいいんじゃない。あと五かんかな」

「何かん食っても飽きの来ない味だろ。サバフグもフグの内」

「そろそろ福は内だね。(市場に)豆撒きセットが並んでる」
 
考えてみると、あっと言う間の一月で、あっと言う間の二月かも。そんな中、猛烈釣り師・クマゴロウは、休日は全部釣りで生き生きしている。

そろそろクマゴロウ先生指導で、釣り師に返り咲きたくなってきた。
 
さて、ある寒い朝。
クマゴロウが『市場寿司』ののれんをくぐり、

「そろそろショウサイに行くから」
 
それを聞いていた、たかさん、

「クマちゃん、トラさんがいい」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。

店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。

ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。

本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。

どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。

目標は1000種類の寿司を食べること。

HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2020年2月15日号の掲載記事です。

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