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釣る前に、食べる前に、ブリという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、ブリという魚を知ろう!

ブリはスズキ目アジ科ブリ属。北海道オホーツク海沿岸から九州南岸までの日本列島。朝鮮半島南岸・東岸を回遊している。

ブリ(スズキ目アジ科ブリ属)の生態

最近は春になっても脂が落ちない/5月は値段が安くなる時期だが、うまけりゃ超お買い得

北海道オホーツク海沿岸から九州南岸までの日本列島。朝鮮半島南岸・東岸を回遊、千島列島やロシア海域にも生息している。

琉球列島をのぞく日本列島と朝鮮半島の東岸・南岸にいる魚で非常に生息域が狭い。

国内にもいるカンパチやヒラマサ、ヒレナガカンパチなどが世界中広範囲を回遊しているのとは真逆である。

ある意味日本の特産魚といってもいい。
 
旧暦の正月は新暦1月25日だった。

旧暦12月1日は新暦12月26日だ。

ブリの大型は旧暦の師走からじょじょにとれはじめ、旧正月前くらいから漁が本格化する。

相模湾、熊野灘などでブリがまとまって揚がるのは新暦3月、4月だし、山陰でも同じ時期に大漁が続く。

今年の山陰ブリは新暦2月半ばに漁が本格化し、好調だそうだ。

また太平洋の熊野灘では新暦2月末に夢の25kgが揚がったとの知らせが入った。

10年くらい前までは、誰も想像もしなかったことだが、今や北海道オホーツク海側でも10kg以上のブリが揚がっている。

その頃、北海道紋別からケータイに画像が送られてきた。

なにも考えないで「いいブリですね」と応えて、そうだ紋別はオホーツク海なのだ、とビックリしたのを覚えている。

秋にオホーツク海でブリが大漁なのも不思議だが、4月中旬に相模湾、四国で成熟度合いの低い固体が大量に揚がっているのも不思議だ。

この成熟度からすると5月初旬あたりまでブリがとれそうである。

ブリの値段は?

少し前まではブリは1月までが高く、二月の声をきくと値下がりし始め、3月になると安くなってしまっていた。

それが近年、下がらなくなってきている。

春になっても脂が落ちないからだ。

山陰の釣り人が自分で計った9kgほどのもので、1kgあたり卸値で2000円前後している。

脂ののった山陰ブリが1尾卸値18000円もする。

ブリは相模湾ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと名前を変えながら成長する。

いちばん高値がつくのがブリだ。

今回のものは重さ7kgなのでワラサだが、味の点では10kg級のブリにひけを取らない。

4月は、ブリでも平均すると1kgあたり卸値700円前後だ。

安すぎでしょ、と思われるかもしれないが、ブリが高いのは1月、2月なので仕方がない。

ということで、7kg1尾で卸値6300円は超お買い得だ。

ブリの釣行レポート

11月末から東伊豆のイカブリが開幕。一時は船中100本以上の釣果も報告され、食いが良いときは船中数十本の釣果もあり、3〜4㎏級のワラサが多いが8㎏級のブリも期待できる。

相模湾のマダイと青物が非常に熱い!茅ケ崎港「沖右ヱ門丸」では、越冬場に落ちた大ダイと、その場所に回遊するブリ、ワラサを狙っての乗合船で好釣果が続いている。初釣りで一発大物を釣り上げよう!

ブリの寿司…うまい!細巻きではなく中巻きというところが憎い!

『市場寿司』の店内でたかさんがうたた寝していた。

車からでっかい荷物を下ろして、「起きろ」というと、

「昼寝のじゃまをするな」

「まだ二時前でしょ。暇なの?」

「バカ言ってんじゃない」
 
洗い場に器の山ができている。千客万来の後だったようだ。

「コロナの影響ないんだね」

「ないね。なぜだろう」
 
目覚めたたかさんが洗い物をするのを見ながら、箱から土産を出す。

「何もってきたの?」
 
土産にもらった桜の枝を渡すと、素直に花瓶に活けて、ノンアルコールビールと卵焼きを出してくれる。

「春だね。でもこれ桜かな?」

「ソメイヨシノじゃないね」
 
はるばる山口から来た花がかれんで美しくて、心が春爛漫になる。

「そろそろ女房が来るけど、持って帰ろうかな。ウチでも春爛漫しよ」

「先週のまだ残っているよね」

「もうないよ」
 
今回、もっと大きいのが来たことを告げると、たかさんが腕まくりをした。

最初の小ブリ一本は島根県益田市から、今回の大ブリ一本は山口県萩市からきたものだ。
 
最初の小ブリはジギングというのだろうか、ナウイ(?)若い衆がゲットしたもの。

彼はルアーのようなものでアジを釣るのをアジングという。

それじゃー、カサゴは?
 
でもひょいと沖に出て、六キロ級が釣れるなんて、すごい。
 
それを聞いていた市場の若手釣り師が、「相模湾でもアジングだし、ブリをジギングだ」といい、さっそくゴマサバとイナダを釣ってきた。

「次はワラサを釣ってこ~い」
 
毎年、山陰沖では二月から四月にかけてブリがとれる。

釣りでも定置網でもとれすぎて困るほどだ。
 
益田市からのは沖へ数十分という近場で釣れたものだし、山口県のものは見島というマグロやヒラマサ、ブリの名釣り場で釣れたものだ。
 
翌日、ここ数年でいちばん脂がのっているという、見島ブリの刺身でやる昼酒がやたらにうまし。

口の中で脂が溶けるのを吟醸酒で流す。

「今回の方が、脂があるね」

「山口県ってどのへん?」
 
東京育ちは地理に疎い。山口県は本州の西の端で、東隣に島根県があって、萩市と益田市は隣同士と説明すると、たかさんが目を回し始める。
 
さて、益田市のものは関東で言うところのワラサ、山陰のマルゴにあたる。

今回のものは九キロあるので、間違いなくブリだろう。

「小さくて悪いね」
 
知り合いの魚屋さんが言った。
この人、休みの日には必ず沖に出るという熱狂的な釣り師だ。

入る箱がなかったので、このサイズだけど、大きいのは十五キロを超えるという。
 
たかさんがつけた握りを室温で見ていると、表面がギラギラしてくる。

明らかに脂が溶けているのだ。
 
室温で溶ける脂が舌に触れると、さらさらと完全に液体化して軽い。

なおも溶けながら甘味を発散する。食感がほどよく、すし飯と馴染み、あっけなく口のなかからなくなる。

食べたのか、消えたのかわからない。
 
二日立て続けにつけてもらって食べて感動し、翌日朝、市場の釣り名人、クマゴロウの店に行くと、
「たかさんが渡してくれって」
 
帰り着いて見たら、ブリの中巻きだった。朝ご飯を食べたばかりなのに、中巻き二本が信じられないくらいにうまい。

細巻きではなく中巻きというところがやるね、憎いね。
 
ブリは握りよりも鉄火にした方がうまいのかもしれない?
 
お昼に『市場寿司』に行ったら、夫婦仲よく店の掃除をしている。

「早終わりだから朝鉄火なんだ」

「細巻きにしときゃよかったかな」
 
じろじろ腹を、見るんじゃない!

以上の記事は「つり丸」2020年4月1日号の掲載記事です。

ブリの寿司…春のブリ丼をテイクアウト!

ここにきて、コロナウイルス問題がますます深刻化している。
 
ある朝、市場の釣り名人、クマゴロウと立ち話をしていたら、市場の釣りグループが遠くから、
「明日はイサキね」と言ってそのまま帰って行った。

「船なら大丈夫だろ?」

「かな?まあ通勤よりも安全だよね。今でも朝夕の電車はすごいからね」
 
新しい本が出たので都心に出たのはいいが、帰りの電車は、ぎゅうぎゅう詰めだった。

それを考えると釣り船はオープンエアだ。

「釣りはダンミツじゃねーから」

「くだらねーの三兆倍!」
 
休み明け、クマゴロウのクーラーの中はイサキ、イナダで満杯だった。

「イサキ、一尾下ろしてみてよ」
 
脂ののりはイマイチだけど、今季初のイサキは最高にうまかった。

「どう?うまいだろ。これでサイズが上がったら言うことなしだね」
 
黙って見ていたら、イサキとイナダを一尾ずつくれた。
 
さっそく昼下がりの市場寿司で、お昼ご飯にイナダとイサキをつけてもらった。

小振りのイサキは爽やかな夏の味がして、ついつい二かん。

ただしイナダは、まずくはないが、「ブリになって戻っておいで♪」
 
閉店前で残っていたお客さんにも食べてもらってハッピーエンド。
 
飲食店が軒並み苦戦しているのに、市場寿司だけは盛況である。

ただし、営業時間はたったの四時間なので、これ以上の自粛は無理だ。
 
さて、ちょうどそこに小田原の漁師さんからケータイが入った。

ブリが二十年ぶりに大漁なのだという。

「すごいですね」
 
うまいリアクションが出来ずにいたら、ケータイがきれてしまった。
 
翌朝、荷物が届いた。細長くて大きいブリ専用の発泡箱だ。

「本当にイナダがブリになった」
 
きっとケータイの主からだと思ったら、伊勢原市の魚屋さんからであった。

築地でみっちり修業をした熟練の方なので、発泡の箱を開けたら、ため息が出るほどきれいだった。

「七キロなので、ブリと言うよりワラサかもです。ただ今日の中では、これがいちばんよかったんです」
 
話を聞くと、伊豆半島のつけ根、磯釣りで有名な米神沖の定置網のもので、船上で一本ずつしめて水揚げをしたものだという。

十キロ級が多いなか一回り小さいが、触った感じからすると、当日水揚げされたなかでもピカイチだと言う。
 
市場寿司に持ち込んだら、クマゴロウがのぞきに来て、「へえー、こんなのがとれてんだ。オレらが釣るのは秋とか暮れかな」

「去年は十二月だったね」

「今年も釣りに行くぞ」
 
たかさんが下ろし始めると、未成熟な真子が出て来た。

相模湾のブリはまだまだいけそうだ。

三枚下ろしにする包丁に脂がべっとりとつく。

「丸みがあるなとは思ったけど、ここまで脂がのっているとはね」
 
腹身を切り取ってふたりで食べてみる。舌に乗せた途端に溶ける。

そして甘い。
魚らしいうま味も豊かだ。酒が欲しくなる味だ。
 
握りがうまいのは当たり前。
表面が溶けたときに感じる甘さと、すし飯の甘酸っぱさが一体となったときの味は文字に出来ない。
 
脂が強いわりには後味がいいので、来たそばから手が伸びる。
 
翌日、早朝の市場寿司で丼を作ってもらって、持ち帰ってきた。
 
朝方まで仕事だったので、これを食べながら朝酒をやる。

一年に一回あるかないかの、徹夜明けのブリ丼がコロナの憂さを晴らしてくれる。
 
これが今季最後のブリだ。

重苦しい春にも別れを告げたい。

なんて、物思いにふけっていたら、今度はどどーんと十三キロがやってきた。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。

店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。

ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。

本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。

どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。

目標は1000種類の寿司を食べること。

HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2020年5月15日号の掲載記事です。

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