産卵前の荒食い期に突入!浅場で釣りやすくなる
初夏に向かってグングン釣果を上げていくターゲットのひとつに南房のイサキがある。
多点掛けが楽しめて味もバツグン。
さっそくその釣り方を紹介して行こう。
南房のイサキは3月から8月初旬までロングランで楽しめる。
シーズンを通して味が良いと評判だが、これからの時期に狙う〝梅雨イサキ〟は、中でも脂の乗りがピカイチと言われ、足繫く通うファンもいるほど美味なのが特徴だ。
ちなみに去年の同時期に西川名港「竜一丸」で取材したメモには「産卵のために荒食いをしだすので活性も高く、30㎝前後の良型主体で楽しめるようになる。
そんな激うまイサキが浅場にどんどん乗っ込んでくるので釣りやすい。
ゆえにビギナーや入門者にも最適」とあった。
つまり、誰もが楽しめるターゲットになるのだ。
ポイントは通常のイサキ釣り同様、根周りとなる。
南房はどのエリアでも港からすぐ近くにポイントがあるので、半日船でも実釣時間が十分ある。
攻める水深は30m未満が多く、根をピンポイントで狙ったり、連なる根の間を流したりもする。
ひとたび活性のスイッチが入ると入れ食いが続き、あっというまにクーラー満タンなんてこともある梅雨イサキ。
資源保護のため上限50匹という規定数を設けているところが多い。
バケツに泳がせておけば比較的元気な魚なので、ある程度数が釣れたら小さい魚をリリースするなどして規定数内で楽しもう!
ゲームロッドと小型両軸リールの組合せが一般的

南房のイサキ釣りは、アミコマセ使用したコマセ釣り。
ゆえにロッドは、しっかりコマセを振り出せる先調子気味が好ましい。
具体的には、使用するプラビシの重さが60号のため、その重さを背負える7対3~6対4調子がオススメで、食い渋り時のイサキの繊細なアタリを逃さずキャッチできる穂先感度の優れたものを各船長は推奨している。
なお、長さは190㎝前後が扱いやすく、近年ではそれらの要素を兼ね揃えている細身で軽いゲームロッドを用いる釣り人が主流となっている。
水深の浅い場所を攻める梅雨イサキは小型両軸リールで事足りるが、最近は浅ダナでも〝手返しが楽〟と電動リールを組み合わせて挑む人も増えている。
ちなみに道糸はPE2~3号で、それを100m以上巻いておくこと。

ゲームロッドと小型両軸リールで挑む
ビシはFL60号、仕掛けは全長3~3.5m
続いては、道糸以下の仕掛け類について。
テンビンは、一般的な中、小型片テンビンでOK。
ただしベテラン勢などこだわる釣り人には、仕掛けと道糸が絡まりにくく絶妙なバランスでタナまで落下するとの理由よりチドリテンビンなども人気だ。
クッションゴムは、太さ1.5㎜×長さ30~50㎝が標準で、ビシは黄色のFL60号で統一されているので厳守すること。
仕掛けは、ハリス1.5号×3~3.5mの空バリ3本仕様が一般的。長さは船宿によって微妙に違うので、釣行前に確認しよう。
ハリはチヌバリ2~3号がポピュラー。
中にはムツバリを推奨する船宿もあり、その場合は9~10号となっている。
なお、これからの時期は乗っ込んでくる良型イサキが相手。
1.5号では心もとないこともあるので1.75号、さらに2号まで用意しておくのが無難といえる。
付けエサは、イカタンを出船時に配る船宿が多い。
オキアミの方が食いが良い場合もあるので準備しておくのもいいだろう。
エサ取りが多い場合はバイオベイトを使用したり、ハリの色をシルバーに変えるなどで対応。
ちなみに高活性時は、付エサなしでも挑めるカラーバリを使い、手返し良く釣るのが最近のセオリーとなっている。

付けエサはイカタンかバイオベイトが一般的。オキアミも用意しておくと有利
プラカゴの窓調節が大切。上窓からコマセを出す
コマセに良く反応するイサキ。
プラカゴの窓調節を誤ってコマセを出し過ぎると潮に流されたコマセに群れが付いて行ってしまったさり、お腹一杯になるいまで食べさせて付けエサに反応しなくなったりするので注意が必要だ。
予めビシの窓調節をして挑もう。
最初は下窓全閉で、上窓のみ3分の1程度開けて試し、その後は状況で調整して行こう。

コマセカゴはFL60号サイズで統一。
コマセをソフトに振り出し、仕掛けと同調させて釣る

梅雨イサキだからといっても、他の季節と釣り方が変わることはない。
上のイラストにもある通り、船長が指示したタナより仕掛けの長さ分ビシを沈め、付けエサと同調するようにコマセを2~3回に分けて振り出し、指示ダナにセットしてアタリを待つだけでOKだ。
まれに「25m~20m」と幅を持たせたタナを指示する船長もいるが、この場合もやることは変わらない。
下のタナでコマセを振ってしばらく待ち、アタリがなければ50㎝~1m刻みで同様に探り、指示された範囲を探れば良いのだ。
注意点は、ガチャガチャと乱暴にビシをシャクって、コマセを振り出さないこと。
いくら活性が上向いている梅雨イサキとはいえ、それでは警戒してしまう。
ソフトに行おう。
醍醐味は多点掛け!追い食い法もマスター

イサキ釣りの醍醐味はヒットした後、いかに追い食いさせて数を伸ばすかにもある。
追い食い法は以下の通り。
掛けた魚の引きが強ければ上バリ。
比較的おとなしい時は下バリと判断。
上バリなら仕掛けを巻く、下バリなら穂先を下げるなどして多点掛けを狙う。
しかし、ビギナーは上記イラストにあるように1匹掛けたらそのまま待っているだけもOKだ。
掛かったイサキが群れに戻ろうと暴れるのでコマセが出る。
つまり魚を寄せてくれるワケだ。
ちなみに、10秒くらい待って追い食いしてこない場合は、ゆっくり2mくらい仕掛けを巻き上げてみよう。
こうすることでコマセが出て付けエサも動き、周囲にいるイサキを誘えるのでお試しあれ!!
今期もスパーク!南房 梅雨イサキ釣行レポート

シャープな引きで釣り人を魅了。このファイトもイサキ釣りの魅力!

この抜き上げが決まると実に爽快! ダブルやトリプルの時は、ためらわずイッキに船内に入れよう

ダブル、トリプル当たり前!

追い食いさせて数を伸ばそう!!

気分爽快の抜き上げは、ためらわずに一気に船内に入れるのがコツ

アベレージは30㎝前後の良型が主体。南房の梅雨イサキは体高があってお腹もパンパンなのが特徴

梅雨イサキの本番もこれから

ハリが上アゴにかかる。活性が高い証だ

40㎝クラスの大型も浮上!これが南房のポテンシャルだ

産卵を控えた良型イサキが浅場の根周りに乗っ込んで集結してくる!

「抱卵中のこの時期は、釣り味も良いが食べるのも楽しみ」とファンは通う

掛かった魚の引きが強ければテンビン寄りのハリ。

比較的おとなしい時は下バリと覚え、仕掛けを巻く、または穂先を下げるなどして多点掛けを狙おう

アタリ活発で入門するにも最適

タナが20m前後と浅いので子供でも楽しめる
初夏に向かって期待が持てるターゲットは、まだまだある!
南房・江見沖周辺から館山沖周辺までの各地で展開される梅雨イサキも本番はこれから。
釣果がグーンとアップするので要注目と言えるのだ。
ちなみに、ここまでの各地の釣果の推移は順調そのもの。
3月の解禁よ りどのエリアも上昇カーブを描いていて今後の見通しも明るいうえ、何よ り去年の取材のノートには「産卵前の荒食い期に入りプロポーション抜群で脂もノリノリ激うま。
連日、規定の50匹まで数を伸ばす釣り人が続出」と心強いメモも残っていた。
つまり期待大ってワケ。
攻めるポイン トは通常のイサキ釣り同様、根周りとなる。
そこをピンポイ ントで狙うか、根続きを流すかはケ ースバイケ ースで船長判断。
なお、水深は30m前後が中心となっている。
釣り方はアミコマセを使うコマセ釣りで、コマセと仕掛けを同調させてイサキを仕留めるスタイルだ。
イサキ釣りの楽しさは、ジャンボサイズを狙うこともあるが、いかに手返し良く釣って数を伸ばすかという部分が大きい。
今回は、その基本となる攻略法から追い食いのテクニックまでを詳しく解説したので、しっかり読んでイメージトレーニング。
自粛が終っらた、バッチリ釣行できるように準備しておこう!!
以上の記事は「つり丸」2020年6月15日号の掲載記事です。
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