はじめに
おうち時間を有効活用!アシストフックの作り方を覚えておきたい!ストックを増やしておきたい!そんな前向きなアングラーに向けにアシストフックの作り方を紹介。
講師担当 大石直也さん

浅場から超深海、小物から大物、淡水から海水まで何でも釣りまくるマスターアングラー。
某メーカー社員時代は、アシストフック作成講習会を多数開催。現在は湖のジギングに熱くなっている!
アシストフック(シングル)の作り方

青物や大物狙いでの定番、シングルアシスト(袋刺し)の作り方を紹介。
フックを2つセットしたツインタイプのアシストフックに比べ、シングルタイプはどちらかといえば大型向き。
スレ掛かりなどが少なく掛かり方もガッチリ。掛けたあとも魚の動きをコントロールしやすいのが特徴だ。
アシストフックを作るときに重視するのは強度、水の抵抗、見た目、という大石さん。
なかでも袋刺しパターンのアシストフックは、すべてに満足できるバランスの取れた作り方とのこと。
「なにがあって抜けない、ということを重視した作り方が袋刺しで作ったアシストフックです。使用するフックやアシストライン、対象魚にもよりますが、目安としては20Kgくらいまでは問題なし。誰が作っても安定した強度を発揮できる点も高く評価できると思いますよ」
アシストラインの太さや長さ、フックなどを変えれば、さまざまなバリエーションで作ることができる。
フィールドや対象魚などによって作り分けておくとよいだろう。
必要な材料

アシストライン、フック、溶接リングなど。スレッド、瞬間接着剤は不要。
必要な道具

バイス、プライヤー、ニッパ、ライター、カッター、定規、専用ニードル、千枚通し(ニードル)、マジック、締め用治具、ボビンなど。
作り方

①完成形を想定し、アシストラインの長さを決める。今回は完成形約3cmで約9cmを使用。
②ニッパを使ってアシストラインをカットする。

③完成形と使用するアシストラインの長さのイメージ。
④ニッパを使ってアシストラインをカットする。
ココがポイント!

2つ折りにして長い方のアシストラインを内側に抜いたとき、内側のアシストラインが3mmほど長く飛び出しているのが理想形。
これが段差を防いで、綺麗に仕上げるポイント。

⑤折り返すところにマジックで印をつける。
⑥中に入っている芯を抜き取る。

⑦折り返した短い方から専用ニードルを差し込む。
⑧印をつけた折り返し部分でニードルを抜く。

⑨長い方のアシストラインの方に溶接リングを通す。
⑩長い方のアシストラインの先端をニードルの先端に通す。

⑪短い方のアシストラインの中に、長い方のアシストラインを入れていく。
⑫ピタッと収まるように引っ張り、ニードルを外す。

⑬指で軽くしごいて馴染ませる。
⑭穴あけ用の千枚通し(ニードル)をアシストラインの内側に通す。

⑮5~7mmを目安に外側に抜く。
⑯フックが通る大きさの穴になるよう、千枚通しはしっかり根元まで抜く。

⑰フックをハリ先から穴に通していく。
⑱軸の内側からアシストラインが伸びるように位置を決める。

シングルタイプのアシストフックの作り方を紹介しているが、目的や対象魚に応じていくつかのパターンを用意しておくと万全だ。

⑲フックに被っているアシストラインを綺麗に整える。
⑳フックをバイスに固定する。

㉑フックの軸が水平になるようセットすると以降の作業がやりやすい。
㉒3cmを目安にアシストラインが軸に落ち着くよう、指で軽くしごいて整える。

㉓フックの耳の方から巻き始める。
㉔最初は6周ほど巻き、まっすぐ引っ張ってしっかり締める。
ココがポイント!

PEラインで巻く場合、3周巻いて1回締めるが基本。
巻くより締めることが大切!
締めるときはボビンをまっすぐにしてキチッと締める。
角度をつけるとPEラインが切れてしまうので注意。

㉕3回巻いて締めるという動作をワンセットで繰り返し、巻き進めていく。
㉖半分くらい巻いたら、PEラインの端を切り落とす。

㉗以降も3回巻いて締める、を繰り返し巻き進めてから戻り、耳まで巻く。
㉘耳まで行ったら少し戻る。耳ギリギリだと、最後にPEが耳に当たって切れやすい。

㉙ハーフヒッチを2回やって1回締める。これを3回繰り返し、計6回施す。
㉚PEラインを3mmくらい残してカットする。

㉛バイスからフックを外し、ヒゲをライターで焼き留める。
㉜治具にセットし引き締める。
ココがポイント!

瞬間接着剤は直接塗ると量が入り過ぎて、メインのアシストラインに浸透して硬くなり、動きが鈍くなってしまう。
容器に移してから塗るのがベスト、と大石さん。専用道具もある。

㉝巻きつけたPEラインに、瞬間接着剤を染み込ませる。
㉞完成!

アシストフック(ツイン・袋刺し)の作り方

"ツインタイプのアシストフックの作り方を紹介。
「強度十分、仕上がりも綺麗な袋刺しのパターンがおすすめです。フックの強度さえ十分なら20kgクラスまでには余裕で対応できるでしょう」と大石直也さん。
抜けにくさに定評がある、中空形状のアシストラインにフックを差し入れる作成方法だ。
ツインタイプのフックはフックアップ率が向上するのが最大の長所。
スロー系のジギングでは定番のスタイルでもある。
今回はアシストラインに30号、フックに青技23号(スタジオ・オーシャンマーク製)を使用した青物用を作ってもらった。
アカムツやキンメ狙いならアシストラインは10~15号、フックもよりライトなものを使用するとよいだろう。
10kg以下のターゲットが中心の場合は、袋刺しではなくカンタンバージョンの焼きコブタイプもおすすめ。フックの固定方法の違いだけで、ほかの手順は袋刺しパターンと同様だ。
ちなみに大石さんは20kg以上のターゲットには、シングルタイプのテーパーアシストフックを使用する。
いずれのパターンでも対象魚の数字は余裕を持っているのでご安心を。"
必要な材料

アシストライン、スレッド(おすすめはPEライン。セキ糸もOK)、フック、溶接リング、瞬間接着剤など。
必要な道具

バイス、プライヤー、ニッパ、ライター、カッター、定規、専用ニードル、千枚通し(ニードル)、マジック、締め用治具、ボビンなど。
作り方

①使用するアシストラインの長さを決める。
②今回は完成形で3cmが目安。この場合は約9cmを目安にマジックで印をつける。

③ハリ先を抜く目安として、両端から1cmくらいのところに印をつけておく。
④中芯を抜き取る。
焼きコブパターン

基本形の袋刺し以外にもアシストラインの先端を焼き、コブ状にしてPEラインで巻き付けるパターンもあり。
ライトジギングでは十分に活躍する、お手軽パターンとしておすすめだ。

⑤中空状のアシストラインのなかに専用のニードルを刺して抜く。
⑥4号のフロロカーボンラインを専用ニードルでつまみ、引き込む。

⑥4号のフロロカーボンラインを専用ニードルでつまみ、引き込む。
⑦すべてに通したあと、両端から1cm程度出してカットする。

⑨目印のところで千枚通しの根元までしっかり抜き、必要な大きさの穴を空けておく。
⑩穴の中にハリを通す。ハリ先から入れ、クルッと回して抜く。

⑪軸の内側からアシストラインが伸びるよう、調整する。
⑫バイスにセットしてチモト部分から巻き始める。最初に6周ほど巻いて締める。

⑬3回巻いて1回締める、を繰り返し、真ん中まで来たら余分なPEとフロロカーボンラインをカットする。
⑭端まで巻いたら折り返し、チモトまで戻ったら少し巻き戻す。

⑮ハーフヒッチを施す。2回巻いてしっかり締め込む動作を3回施す。
⑯PEラインをカットして端を軽く焼き留める。
締めるときは まっすぐに

PEラインを巻く場合、3周巻いて1回締めるのが基本。
PEラインの色が変わるくらいまで締めること。
PEラインが切れないよう、ボビンをまっすぐにして締めることも大切。

⑰もう一方のアシストラインの先端近くにフックを通す穴を空ける。
⑱溶接リングを通す。

⑲反対側と同様にフックを入れ込む。
⑳手に刺さないように、目玉クリップを使って写真のように反対側のフックを掛けておく。

㉑最初は6回巻いて締め込む。3回巻いて締め込む、という動作を繰り返しフトコロに向かって巻く。
㉒真ん中くらいまで巻き進めたらPEライン、フロロカーボンラインをカットする。

㉓端まで巻き終えたらチモトの方に戻り、チモトまで行ったら少し戻して巻き締める。
㉔この段階で目玉クリップを外す。
ボビンを使い分けよう!

大石さんはボビンを使い分けている。
通常は負荷がネジで調整できるもの、本体をクルクル回して使うときは足に巻き付けて負荷が安定しているものを使っている。

㉕2回巻き付けて締めるハーフヒッチを3回施して巻き留め、余分なPEラインをカットする。
㉖余分なPEラインを軽くライターで焼き留める。2本のフックを巻き終えたところ。

㉗アシストラインが同じ長さになるところで溶接リングを固定し、締め具を使って締める。
㉘溶接リングを固定するための巻き付けを始める。最初は3~4回巻き付けて締める。

㉙ボビンを回して巻き付けていく。5mmほど巻き、2~3往復する。
㉚2回巻き付けて締めるハーフヒッチを3回施し、巻き留める。

㉛PEラインの余分をカットする。
㉜PEラインのヒゲを軽く炙って焼き留める。

㉝締め具を使って引き締め、全体の形を整える。
㉞ハリのチモト部分に瞬間接着剤を適量、染み込ませる。

㉟溶接リングを留めている部分にも同様に、瞬間接着剤を適量、染み込ませる。
㊱完成!

アシストフック(ツイン・外掛け)の作り方

"簡単に自作できるツインアシストフックを紹介。
アシストラインの両端でフックを外掛けで結び、溶接リングをセットしたシンプルなパターン。
慣れてくればかなりスピーディに製作できるし、強度も実はかなり高い。
巻き留める必要がないので、バイスやボビンなどの道具が不要なことも魅力だ。
「ハリを結んだことがある人ならだれでもできるパターンです。しっかり締め込めれば袋刺しパターンに匹敵する強度が出ますが、不安な方はライトゲーム用として使うのがおすすめですね」と大石さん。
アカムツやキンメ狙いのスロー系ジギングでは、使用するフックの強度がそれほどないので、アシストラインが切れる前にフックが伸びてしまうから問題は生じにくい。
前後2本ずつセットするのが基本であり、消耗が激しいため、素早くできるこの方法は重宝する。
自作するときに一番注意したいのはしっかり締め込む意識を持つこと。アシストラインは意外に締まりにくい。
芯にフロロカーボンラインが入っているものはより締め込むことが難しい。
締め込みが甘いとスッポ抜けの原因となるし、大物がヒットしたときは急に締め込まれることで切れてしまうこともある。
外掛けの回数は2回で十分。
それでも1回1回の作業を丁寧に行い、確実に締め込むことが大切だ。"
必要な材料

アシストライン、フック、溶接リングなど。スレッド、瞬間接着剤は不要。
必要な道具

プライヤー、ニッパ、ライター、バイス、締め用治具など。カッター、定規、専用ニードル、千枚通し、マジック、ボビンは不要。
作り方

①引っ張るときのきっかけにするため、PEラインの端をライターで焼き、コブを作る。
②しごいて爪が引っかかるくらいの大きさの焼きコブにする。

③外掛け結びを始める。巻き付ける長さは4cmくらいが目安。軸の外側にアシストラインを置く。
④アシストラインの端を軸の下から反対側へと引っ張りながら1周巻く。
巻き付けは2回でOK

外掛け結びでアシストラインを巻き付ける回数は2回で十分。
これ以上巻き付けても締め込めず、スッポ抜けする原因となってしまうので要注意。

⑤左手の親指と人差し指で1周巻いた部分を押さえながら2周めを巻き付ける。
⑥左手の指の中に作っておいた輪の中に、アシストラインの先端を通す。

⑦軸の外側で、両手を使って左右から引っ張って軽く締める。
⑧端を左手のペンチでつまみ、長いアシストラインを右手でつまんで強く締め込む。

⑨ペンチでフックのふところをつまみ、さらに締め込む。
⑩巻き付けた部分を密に寄せ、アシストラインが軸の内側から伸びるよう回転させる。

⑪治具にセットしフックの軸に対して垂直方向にしっかり締め込む。
⑫結び目をチモトまでズラす。

⑬ズラしたところ。
⑭念には念を入れて、先端をペンチでつまみ両手でしっかり増し締めする。

⑮完璧に締め込んだ状態。
⑯3mmほど残し、余分をペンチでカットする。

⑰バラけないように余分な部分をライターで焼き留める。
⑱片側は完成。
締め込みが大切

フックを結んだあと、しっかり締め込むことがポイント。いろいろな角度から、何回も締め込むこと。
写真のような治具がない場合、机の縁にフックの耳を当てて締め込んでもよい。

⑲抜けないように、しっかり締まっていることを確認する。
⑳作りたい長さに合わせてアシストラインをカットし、先端を焼き留める。

㉑同様の手順で外掛け結びをスタートする。
㉒左手人差し指と親指の中に小さな輪を作り、押さえながら1周巻き付ける。

㉓2周めを巻いて、先端を輪の中に通す。
㉔先端と反対側のアシストラインを持って軽く締める。

㉕ペンチで先端をつまみ、長いアシストラインを手で持ってしっかり締め込む。
㉖粗く締め込んだところ。

㉗治具を使って垂直方向に締め込む。
㉘もう一度ペンチでアシストラインの先端をつまんで締め込んでから、余分をカットする。

㉙3mmくらい残しておいた余分をライターで焼き留める。
㉚両方のフックをセットしたところ。

㉛治具に写真の状態のようにフック2本を掛けて固定する。
㉜ダブルで同じ長さにし、折り目をつけたアシストラインの先端に溶接リングを通す。

㉝溶接リングを通した部分で輪を作り、1回ひねってから溶接リングをくぐらせる。
㉞形を指で整えてから、溶接リングに治具を引っ掛け、ゆっくり締め込む。

㉟しっかり形が整った状態で、力を込めて締め込み、溶接リングを固定する。
㊱完成!


3種、異なるタイプのアシストフックの作り方を紹介した。
目的や効率を考えて作り分け、ストックしておくと安心だ。
以上の記事は「つり丸」2020年6月15日号~2020年7月1日号の掲載記事です。
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