※この記事は「つり丸」の過去の取材で撮影、公開した写真を使用し、記事を再編集して作成したものです。
ズラズラズラッとハリ数分の満艦飾!!絶品!美味魚の数釣りが魅力
今年はコロナ禍で延期を余儀なくされたが、20年近く続く筆者春~初夏の「恒例行事」が秋田県平沢港「飛龍」でのウスメバル釣り。
首の付け根がグッと盛り上がった幅広肉厚のグラマラスボディは釣り上げた際に腹腔内に蓄えた脂肪塊を噴き出す程に脂が乗った「レェェェェベルが違う」極上品。
「オキメバルはちょっと…」と思っている関東のアナタも、一度日本海の恵みを口にすれば「見る目が変わる」こと請け合いの釣りなのだ。
好調時は80リッター クーラー満タン!

秋田と山形の県境近く、鳥海山麓の秋田県平沢港に係留する「飛龍」。
筆者が全幅の信頼を寄せる佐藤登咲船長は秋田県~山形県沖に3000以上のポイントを把握し、状況に応じて臨機応変に攻め分ける、人呼んで「オキメバルの神様」。
例年3月にスタート、4月下旬から本格シーズンに突入しサメ禍が多くなる盛夏に一服、9月から後半の山場を迎え、海況悪化で出船日が極端に減る10月後半にクローズがシーズンの流れとなる。
ウスメバルのサイズは25~35㎝中心に、それ以上の大型もまじるが、極上品の「脂噴きメバル(筆者が勝手に命名)」は25~30㎝の中型に多い傾向だ。
ポイントにより2㎏を超すマゾイやクロソイ、マダラ、エゾメバル、ホッケなどの「日本海の恵み」が華を添えてくれる。
ポイントは水深100~150mを中心に、数十メートルの浅場もある。
魚探には小山の如き真っ赤な反応が映し出され、好調時は「80リッタークーラー満タン」も珍しくない。
同地では満艦飾に代表される「数釣りの魅力」が少なからぬ部分を占めるのは歴然たる事実。
これを否定する気はさらさらないが、視点を切り替え「アタリを楽しむロッド」と「オール疑似」のセッティングで「1匹の価値を徹底追求」のスタンスで臨むのが筆者の現在進行形だ。
エサは各種用意を筆者はオール疑似餌で
2.3~2.7mのオキメバル専用、もしくは青物用ワンピースロッドに、PE6号を巻いた中型電動の組み合わせが基本形。
仕掛はハリス3~4号、ハリは細地ムツ14号の胴付き10~15本バリ。
250号オモリは後述する「船で仕掛けを曳く」際の「横方向の潮当たり」と「ほぼ根掛りの無い釣場」を踏まえ、鉄製より体積の小さい鉛製の「スカリー」をセレクトする。
秋田県では4年前からコマセ使用が解禁となり(佐藤船長は必ずしも必要ではないとするが)この釣りでも「保険的意味合い」でコマセカゴを配し、オキアミやアミを各自持参するスタイルが主流になっている。
各自持参の付けエサはホタルイカを壺抜きした肝付ゲソとイカタンザクがメイン。
ただしポイントや時期で身エサや小魚が優位となる場合があり、サバタンザクや小魚(ワカサギやシラウオ、ハゼ、モツゴ)など複数を持参する釣り師も多い。
ちなみに「オール疑似」の筆者は藤井商会「フジッシャーオキメバル仕掛・丸鉛入」を各色持参し当日の状況と過去のデータを踏まえてバケカラーをセレクトする。
ベイトはニッコー化成「マイクロイカタン1.8inch」をメインに「ダッピーホタルイカ」「ダッピーイソメ」「スーパータコベイト1.5inch」他、各種各色を持参している。
小型水中灯「輝泡」も有効なギミックだが、ホッケ大量回遊時には「地獄」を回避すべく、速やかに取り外す。
しっかり追い食いを待ち、満艦飾を狙おう!
船ベリの磁石板に仕掛けを並べ合図のブザーでトモから順にテンポよく投入。着底後2m底を切ったらタナの取り直しをせずに待つ。これは魚群を散らさぬように反応の手前で仕掛を着底させ、仕掛を船で曳いて反応に入れるため。
この際の「底立ちの取り直し」はオマツリの原因となるためNGだ。ただし、仕掛けが反応に入ってからアタリが遅い場合は、タナの取り直しがアピールになるので、状況を把握する事が重要だ。
アタリは明確だが慌てて巻かず追い食いを待ち、促すのがセオリー。明らかな食い上げやカケ上がりでは幹糸間隔分、もしくは糸フケ分を順次巻き上げて「上へ、上へ」と誘い上げる。逆に反応が低く下バリしか食わない状況ならそのままで待つ。
1匹目のハリ掛かりは鋭いアタリとして現れるが、魚が連なるに従い鈍重な感覚に変化し、重量感も増していく。
一流し一投の場合、巻き上げの合図まで目一杯待っても構わないが、追い食いの状況次第で頃合を見て巻き上げることも必要。既に「満艦飾」になっていたら、待ち過ぎは外れのリスクでしかない。
ロッド硬軟にもよるが、巻き上げはドラグを調整した中速程度。
負荷に応じて調整し「一定のペースで」を心掛ける。
リールのパワーに任せた高速巻きは口切れやハリス撚れ~切れを誘発するが、極端な低速も巻き上げ時間が長くなることでハリ穴を広げて「外れ」の要因に。
緩急のある巻き上げも「弛み」が出やすくなりNGだ。
最後は体内のガスが膨脹して海面に浮かぶウスメバル。
ズラリ連なっても取り込みを慌てる必要はない。
魚をハリから外さず船べりに並べて行くのが「ご当地流」だが、もちろん「外しながら」でも、「一旦足元に全て取り込んで」でも一向に構わない。
慣れた方法で「次回投入に支障が生じない」を最優先しよう。
男鹿半島~飛島沖!脂乗り乗りのオキメバル釣行レポート

これは昨年の取材の様子。ゾロゾロゾロと多点掛けで連なる

その食味に感動し、筆者が通い続ける秋田沖のオキメバル釣り。今回、脂乗り乗りのメバル釣りはコロナ自粛で叶わなかったが、まだまだこれからチャンスはある!

筆者は10本バリ仕掛けに9点掛けも!!

みな大型まじりで多点掛け連発

オキメバルにまじってソイも釣れる

良型マダラがゲストに

激ウマオキメバルでお土産タップリ

こちらも9点掛け。みなさんもぜひ挑戦を
秋田と山形の県境近く、鳥海山麓の秋田県平沢港にその船はある。
名は「飛龍」。
舵を握るのは秋田県男鹿半島~山形県飛島沖に3000以上のポイントを把握する「オキメバルの神様」こと佐藤登咲船長。
「こちらのオキメバルはあなたが知るのとは全く別物。一度来てみれば解る」と胸を張った「フジッシャー毛鈎」の藤井商会専務(当時・現社長)に背中を押されて幕を開けた「飛龍詣」も今年で早17年
「わざわざ秋田までオキメバル釣りに!?」。
今も鳥海山を目にする度に蘇るのは、あの日仲間達が見せた呆れ顔。
まだ関東で日本海ウスメバルの真価が認知されない時代、最早遠い昔の出来事。
4年前の「コマセ解禁」を筆頭に、タックル、仕掛け、ベイト…この釣りを取り巻く環境は歳月と共にわずかずつだが移り変わる。
けれど、釣り上げた際に口から脂肪塊を噴き出すことから、勝手に命名した「脂噴きメバル」の輝きが色褪せることは微塵もない。
6月上旬に予定した釣行はコロナ禍で中止を余儀なくされたが、「飛龍」のオキメバル釣期は10月まで続く。
まだ佐藤船長と東北の釣り仲間、極上美味のオキメバルとの「再会」を諦めてはいない筆者なのだ。
以上の記事は「つり丸」2020年7月1日号の掲載記事です。
つり丸の最新号 2020年6/15号 (2020年06月01日発売)、電子書籍(デジタル版)は税込み600円。今なら初回500円割引やレビュー500円割引もあります!また、定期購読なら割引や送料無料!