夏場にオススメの釣りは東京湾のビシアジ!脂が乗った中型幅広の美味アジが釣れる!

暑い夏が来ると盛り上がってくるのがアジ。
アジを人気ターゲットに掲げる東京湾では通年でアジ乗合船が出ているが、初夏から秋にかけてが最も「旬」の時期。味も一年で一番脂が乗っていて美味しい。
午前は土砂降り予報で、午後船に乗船した!

東京湾内のアジといえば、「金アジ」がブランドアジとしての地位を不動のものとした。
一定の場所に居着きであまり動かず東京湾の豊富なエサを食べるので脂たっぷりで、じつに上品な味で人気。
しかし、東京湾と一口に言ってもそのエリアは広大。
当然、細かく見るとエリアごとに特徴が出てくる。
そのなかでも猿島周りで釣れるアジは「猿アジ」とも呼ばれ、特別な扱いだ。
猿島は横須賀沖に浮かぶ無人島。
横須賀の三笠桟橋から渡し船が出ており、週末ともなるとBBQや歴史遺産散策など多くの観光客で賑わう。
この島をちょっと北へ行くと小型の金アジ乗合船で賑わう横浜・本牧沖。
そしてちょっと南下すると激流に揉まれた特大アジで有名な走水沖~観音崎沖。
ちょうど中間に位置する猿島沖は、この小型の金アジ、特大アジはもちろん、中型の幅広アジといろいろなタイプのアジを同じポイントで釣ることができる。
なかでも、これからのシーズンに私が最もお勧めしたいのは中型の幅広アジ。
体長25㎝前後のアジだが、何しろ特徴的なのがその体高。
本来であれば大きいはずのアジの目や顔が、小さく見えるほどに体高がある。
当然お腹周りには脂肪タップリ。
太っていて見るからに美味しそうなのだ。
新安浦港「村上釣舟店」の村上敏宏船長に状況をうかがうと、「早くも脂はたっぷり乗っていて本当に美味しいアジが釣れています。猿島周りは水も綺麗だから脂も上質で美味しいですよ。日によって大アジが口を使う日、小型が数釣れる日と、まだ安定しない感じだけれど、水温が上がってくれば安定してくるでしょう」と良い話が聞けた。
「今年のアジは例年以上に脂の乗りが凄い」との情報も入っていたので、非常に楽しみに猿アジ釣行を迎えた。
「村上釣舟店」の取材は、梅雨真っ只中の6月最終日曜日。土曜日に予報を見るとなんと午前中は土砂降りの雨予報。
これではいくら楽しい釣りであっても堪らない。
しかし雨は12時には上がるという予報。
急遽、船宿に電話して、午後船への変更をお願いしてみた。
当宿では、土日祝日に限って午後船(要予約)も出船している。
東京湾内の多くのアジ船が一日を午前と午後に4時間ずつに分けた半日船を出している。
こういった予報の時に半日船があると、釣行を諦めることなく、良い時間帯を選択できるので本当に助かる。
同じことを考えた人が多かったのだろうか?午前船のお客様が軒並み予約を前日もしくは午後船に変えたそうで、午後船は10名での出船。
コマセがしっかり効くぐらいの丁度いい人数での出船となった。

仕掛けはハリス2~3号の2~3本バリ
慣れた人には中型幅広アジがコンスタントにアタる!
ポイントとなる猿島沖まではほんの15分程度なので、実釣時間の短さは全く感じない。
このエリアは協定により130号のビシカゴを使用する。
潮が速いポイントもあるので、ある程度の重さを必要とする。
最近のポイントの水深は30~40mほど。この水深であればなんとか手動の両軸リールでも対応できる。
50mを超えて深いポイントの場合には、電動リールをお勧めしたい。
ビシカゴにコマセとしてイワシのミンチを8分ほど詰めて海底まで落とす。
着底を確認したら、すぐに糸フケを取ってリールを1、2巻き。
糸の色で水深を判断できる人は海底から1mほど上げる。
ここでコマセをまいて、リール1巻き(50㎝)毎にコマセをまいて、海底から2~3mの場所でアジのアタリを待つ。
3分ほど待っても食わない場合は、また海底まで落として同じ動作を行う。
アタリが出るまではこまめにコマセを入れ替えよう。
コマセが効けば船中でアタリが出る。
この日も最初にアタリが出たのは船尾。
2連発で25㎝ほどの中型幅広アジを上げた。
コマセが効くと、俄然勢いが出たのが左舷胴の間の紅一点の加藤さん。
8名の元会社同僚グループでの参加。
加藤さんも毎年数回行われる釣りイベントに参加しているらしく、慣れた手さばき。
3本バリの一番下には、持ち込みの特エサ・アオイソメを付けて効果敵面。
順調に数上げていく。
この日のアジはサイズがいい。
竿先を力強く叩く様が横で見ていてもわかる。しかし左舷船首と船尾はなぜか本命の数が伸びない。
群れがさほど大きくないのか?
それとも周りの付けエサのアオイソメに取られてしまっているのか?
しかし、この2人には嬉しすぎる外道のクロダイがヒット。
しかもかなり良型。エサのアカタンに食いついたそう。
本命を上回る嬉しい外道に満足のお土産となった。
この日は手が慣れていると数が伸びたが、入れ食いとまではいかなかった。
やはりまだ活性にムラがあるようだ。
帰宅して捌いたアジのお腹には白いたっぷりの脂!捌いた包丁は脂でベットリ。
今後はこの脂たっぷりアジが安定していくことだろう。
今年もアジの暑い夏がやってきた!!

ビシは130号

コマセはイワシミンチ

付けエサはアカタン

特エサ・アオイソメ
最盛期!猿島沖ビシアジ 釣行レポート

当日は猿島沖の水深30~40mを狙った

慣れた人には、コンスタントにアタった

見るからに美味しそうな幅広の良型アジ!

新鮮なアジは刺身のほかフライ、塩焼きなど、どんな料理も美味しい

掛かり所が良ければ、抜き上げて取り込む

これも幅広の良型!

このサイズがとても美味しい

京湾のビシアジは、夏場のオススメターゲット!

脂が乗って美味しい時期だ

食いが立てば一荷もある

嬉しい一荷

この日はゲストにクロダイがまじった

サバも美味しい魚。血抜きして大事に持ち帰ろう!

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・新安浦港「村上釣舟店」
アジの夏到来!
気温の上昇とともに活性が上がるアジ。
白子、真子を持ち始める初夏から秋にかけては脂の乗りも最高潮で、釣って良し、食べて良しの「旬」のシーズン。
東京湾内のアジは「金アジ」とも称され、すでにブランドアジとして定着した感があるが、じつは金アジにもエリアごとに特徴に溢れる。
横須賀新安浦港から出る猿島周りのアジは「猿アジ」とも言われて、そのなかでも特別な扱い。
特徴は東京湾内で楽しめる様々なアジが顔を出すこと。
湾奥の居着きの小型のアジ、激流に揉まれた筋骨隆々の大アジ、そして私がこれからの季節で最もお勧めしたい中型の幅広アジだ。
中型の幅広アジは、体の全長に対して体高が非常にあるので幅広に見える。それゆえ、比較的目が大きいアジにあって、この中アジは目がつぶらで小さく見える。
パンパンに膨れた体を捌くと中はたっぷりの脂肪。
新安浦港「村上釣舟店」の村上敏宏船長にうかがうと、「今のアジすごい脂だよ! まだ日によってムラがあって、大アジが顔出す日もあれば小型アジが数釣れる日などバラバラ。でもどのアジもすごい脂だよ!」と話す。
6月最終日曜に釣行したアジを捌くと、脂で包丁はテカテカ。
早くもアジの夏は最盛期突入だ!
以上の記事は「つり丸」2020年8月1日号の掲載記事です。
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これが猿島沖のアジ!丸々太った体高があるアジは、とても美味しい!!