【カワハギ釣り入門】
アタリを捉えて、ハリ掛かりさせて、1枚を釣るまでの 過程を楽しもう!
皆さん、今年の夏は本当に暑かったですね!
僕でも「つり丸」の実釣取材で暑さに負け、何度か休憩を挟んでしまったくらいですから!!
船の釣りは35年以上経験がありますが、暑さで釣りを中断したのは今年が初めてです。
その暑さの影響か分かりませんが、今年の夏はカワハギの釣果がパッとしない状況でした。
今年はどうなるのか心配でしたが、9月中旬ぐらいから急に気温が下がり、カワハギの気配が見え始めました。
この原稿を書いている10月中旬、朝晩は本当に冷えますが、カワハギの釣果は日にもよりますがトップで20枚超え。
熱くなってきましたよ!
今後ますます期待が膨らむカワハギ釣り。
僕が普段から思っていることをいくつか書いてみたいと思います。
これからフィールドへ向かう皆さんのお役に立ちますように!
カワハギ釣りの変遷と魅力
カワハギ釣りの歴史は、正確に調べたことがないので正直分かりませんが、カーボンやグラス竿などの専用竿が発売される以前から行われていた古い釣りのようです。
歴史の分だけ関わる人間も多く、その分の試行錯誤があります。
1枚釣り上げるための先人の努力は、今に伝わる竿の調子やハリの形状・サイズなどを見れば一目瞭然ではないでしょうか。
今から20年前くらいだと記憶していますが、(僕のなかで)第一次カワハギブームがありました。
この時、船釣り以外のクロダイヘチ釣りの人、バス釣りの人など、さまざまなジャンルの釣り人がカワハギ釣りになだれ込んできました。
お陰で釣り方やタックルも一気に進化したと思います。
ヘチ釣りの人はラインの変化や吸い込んだ時の僅かなオモリの重さが抜けるアタリを捉えたり、バスの人はバスタックルでそのまま釣りをしていました!
自分が見た時、バスロッドにはカワハギ竿のような穂先の繊細さはありませんでした。
それでも皆さん「アタリが良くわかる」と言っていたのが印象的でした。
今になって思えば、カワハギ竿のヒントがここにもあったのだと思えてなりません。
さまざまなジャンルの釣り人が、それぞれの釣り物で培ってきたテクニックを惜しみなく注いで進化したからこそ、今のカワハギ釣りがあるのだと思います。
釣り方も状況に合わせて様々な技を組み合わせることで、その数は無限に。
いつまでもトライ&エラーで、何十年たっても答えが見つからないように感じます。
だからこそ、挑戦のしがいがあるとても楽しく魅力的なものだと感じています。
しかし、「エサ取り名人」だとか、答えが見つからないからこそ「難しい釣り」のイメージが先走り、初心者には敷居の高い釣りとなっている事実もあるでしょう。
「難しい釣り」の言葉の中には、こだわりの強い釣り人の想いが隠れています。
例えば、「毎回竿頭になりたい!」とか「大会でテッペンを獲りたい!」となると難しい釣りになるのでしょうか?
逆に、そういう空気感を重たく感じてしまう人には取っつきにくい釣りになってしまうのかもしれません。
釣りを本業とする立場になって思うのは、「たくさん釣るイコール楽しい」ではないということことです。
最初の1匹を釣り上げた時の感動をいつまでも忘れずに楽しみたいと思っています。
たくさん釣りたいと思うのは、釣り人の心理で誰しも思うことでしょう。
しかし、釣った数だけ1匹の喜びが薄まってしまうのはとても残念です。
アタリを捉えてハリ掛かりさせて釣り上げるまでの過程を楽しみ、次に繋げる実績の大切さ。
夢中で忘れてしまうかもしれませんが、記憶の引き出しにしっかり仕舞いましょう。
◆準備編
釣りは趣味です。
そう、道楽なのです!
可能な範囲で自分を甘やかし、道具は思っているものからワンランク上の物を選んではいかがでしょうか?!
以前、入門者や初心者には上位機種をお薦めしないような風潮がありました。
けれどもが、自分の考えは違います。
ちょっといい竿を持って釣りをしている自分をイメージしてみてください。
なんだかワクワクして釣りが楽しくなりませんか?
持つことだけでもワクワクするタックルで、カワハギ独特のカンカンカンと竿先を叩く引きは 格別ですよ!
リールもそうです。
深場でも涼しい顔で巻き上げて優越感に浸りたいと思いませんか?
なんでもいいのです。持つことの喜びが最強の武器です!
専用竿がお薦め!買うなら最高スペック!?
まずは竿についてです。
カワハギ釣り用は、他の釣り魚種にない調子の竿なので専用竿がオススメです。
幸いなことに複数のメーカーから、たくさんの種類の竿が出ています。
予算に合わせても選択肢は十分あると思います。
ちなみに、この釣りは確実に「ハマる」釣りです。
どうせちかいうちに欲しくなって買ってしまうのだから、最初から最高スペックの竿を手にしませんか?
竿のスペックが釣り人を助けるだけでなく、さまざまなことを教えてくれ、成長させてくれることでしょう。
カワハギ釣りの場合、「スペック=ほぼ感度」です!
手感度、目感度の表現が明らかに違い、使った瞬間から体感できます。
今までは真ん中くらいの調子の竿をおススメしてましたが、最近硬めの竿から入ったほうが良いのかなと考え直しています。
そもそも硬さが信条のカワハギ竿であることもありますが、実釣時に不足感が出たとき、あとどのくらい軟らかさがあれば良いかを検討するだけでいいからです。
中間の竿だと、硬めが良いのか、軟らかめが良いのか、無駄な悩みが増えてしまうような気がします。
僕自身悩み抜いた結果、すべてのタイプを揃えてしまった経験があります。
リールは軽量の小型両軸がお薦め
リールは両軸リールです。
どんなに小さなカワハギのアタリを見逃さないよう、誘い続けて腕が疲れないように竿も軽量化されています。
それに合わせるリールも、軽量のシマノ「ステファーノ」や「スティーレ」などの小型リールが間違いありません。
とくに「ステファーノ」はカワハギ釣りに特化した小型 軽量リールです。
カワハギ釣りだけを考えるなら最強の武器です。
ただしドラグ力などは低いので、カワハギ以外の釣りにも使うことを考えるなら、「スティーレ」をお薦めします。
このリールはライトゲーム全般に使用可能です。
「ステファーノ」と比較すると重くなりますが、実釣で重いと感じたことは一度もありません。
マルイカやLTアジなども考えるなら、「スティーレ」がお薦めです。
道糸は1号前後のPEラインを使用
船のカワハギ釣りではPEラインの1号前後を使用します。
シマノ「タナトル8」はお求めやすい価格で、1mごとのマーキングも見やすくお薦めです。
釣れているタナで仕掛けを止めるときに間違いにくく、釣りが非常に効率的になります。
時合が短いとき、釣れるポイントが狭いとき、小さなチャンスをモノにできる大きな味方です。
200m巻いておけば、もしもの高切れでも十分釣りが続行できるでしょう。
何度かの釣りでオマツリや根擦れなどの傷が付く場合があります。
その場合は切り詰めて使用すれば、仕掛けロストの心配も減ります。
ただし、リールの糸巻き量を確認して、スプール一杯まで巻いてください!
糸巻量が少ないと、当然巻き上げ速度も落下速度も遅くなるからです。
道糸に先糸を結ぶ場合
集寄を使用した釣りでは、先糸としてフロロカーボンの4号を道糸の先につけることが多いです。
弛ませ釣りの時に細いPEラインを使っていると、仕掛けが立ち過ぎて弛ませにくくなってしまうからです。
4号ほどの先糸を1.5m結ぶことで、先糸が潮の抵抗を受けて仕掛けの幹糸を這わせやすくなります。
お薦め仕掛けは「ステファーノ」シリーズ

シマノの「ステファーノ」シリーズは仕掛け類も充実しています。
充実している分、迷います。
まずは必要なもの、予備として用意したいもの、バリエーションとして押さえておきたいものを頭の中で整理してみてください。
予定している釣り場の状況、ネットの情報、釣具店の店員さんのアドバイスなどが役に立つと思います。
まずは幹糸がなければ話になりませんので、幹糸2本にハリがセットされた「楽々セット」をお薦めします。
3セットも用意すれば十分だと思いますが、「もしも」を考えて5セットあれば安心です。
根掛かりが多いポイントを狙う可能性が高いときは、幹糸を太めにし、数も心持ち多めにします。
「ステファーノ幹糸仕掛けアピール」は、僕が自作していた物が商品化された仕掛けです!
シマノから出る前は、綺麗なお姉さんにまじって(笑)アクセサリーパーツ屋さんでカラフルなビーズを買っていました。
老眼で何度もばらまいたりしながら、仕掛けを自作していました。
「ハリスちかくにビーズがあれば、カワハギをエサに誘導できるかも?」という考えからでした。
結果、綺麗なお姉さんだけでなく、カワハギもキラキラビーズがお好きでした。
ハリの形状もいろいろありますが、僕は今までの実績から「吸わせ」一択、迷いはありません。
ハリは口に入った後、吐き出されるときやアワセでハリ先が立った時に刺さります。
口から出にくく、ハリ掛かりを良くするために、大きめの号数が好きです。
せっかく掛けたのに、やり取りや抜き上げでスッポ抜けは避けたいものです。
なぜ抜けるのでしょうか?
答えは魚がハリを噛み締めているだけで刺さっていないからです。
バレた時、ハリスが折れ曲がっていることはありませんか?
これはカワハギが噛んで折り曲げているのです!
これを改善するには、少し大きめのハリの使用とシッカリした聞きアワセです。
そして、もちろん換えバリも用意しましょう。
ワンパッケージに30本入りなので、1日の釣りでちょうどいいと思います。
集寄は集魚板と小型水中ライトが◎
カワハギの好奇心を利用して、仕掛けのちかくに寄せるための集寄。
他の魚種では考えられないほど大胆で、バリエーションも豊富です。
シーズンごとに流行り廃りはありますが、ウン十年に渡るカワハギ釣りを通して安定して効果を感じているのは集魚板です。
昔からステンレス板をカットして自作していました。
形を工夫したり厚みを変えてみたり、アワビシールを貼ってみたり、工夫を重ねるうちに次第に見えてきた完成形が「IidaStyle魔法の板」です。
「IidaStyle魔法の板」は適度な大きさで理想的に潮受けし、計算された厚みと重さでヒラめき落ちるスピードをコントロール、理想の仕上がりです。一番こだわったのは接続スナップの穴。
よくある市販品は上下に2つのみですが、これを上下左右に8つにしてみました。
どこの穴で接続するかにより、板の動きに変化が出て、カワハギの好奇心を飽きさせません。
この「IidaStyle魔法の板」をベースに商品化されたのが、シマノ「イチコロ板」です。
タックルボックスに入れておくと安心ですよ。
あっ、そうそう、「イチコロ板」はステンレスの鏡面仕上げですので、色を塗ったり、様々な シールを貼ってデコってみるといいでしょう!
そしてイチ押しのアイテムがあります!ケミホタルの「ビット」です。
濡れると通電して点滅する小型の水中ライトです。
これには確実にカワハギが集まります。
今、自分の釣りでなくてはならないアイテムです。
ただし、集魚灯扱いとなる場合があるので、禁止区域では使用できません。
オモリのカラーについて
東京湾、相模湾では25号または30号のオモリを使用しています。
オモリの役割はその名のとおり仕掛けを海底に沈めることですが、カラーによる集魚効果も見逃すことができません。
船中一定の人のみアタリがあり、その人たちは同じカラーのオモリを使用していたという話はよくあります。
シマノ「ドロップシンカー」は5色展開しています。
何種類か用意して、釣れるようにローテーションすることをお薦めします。
◆実釣編
出船前の準備について
さて、準備は万端です。次は実釣です。
船宿に殻付きアサリの用意があるなら、ぜひいつもより1時間以上早く受付をし、アサリの殻剥きをやってみましょう。
新鮮なエサは最大の武器ですし、常連さんと情報交換をしたり、今日の釣りに思いを馳せたりと有意義な時間になるはずです。
釣り座が決まったら、道具のセッティングです。
比較的仕掛け交換が多い釣りなので、釣り座周りは取り回ししやすいよう場所を決めておくようにしましょう。
釣れているときにハリを探してモタつくのはホントに時間の無駄使いです。
あらかじめ予備バリをマグネットなどに出しておけば、手返しが早くなります!
カワハギはどこにいる?

釣りを開始したら、まずカワハギのいるタナを探すことから始めます。
基本的な三本バリ仕掛けでスタートします。
集寄や中オモリなど付けずに海底まで下ろしたら、糸フケを巻き取り、オモリで海底を叩くように竿先を上下してアタリが出る層を探ります。
この釣り方でカワハギが釣れたら、底トントンがこの時に釣れるパターンになります。
しばらくは同じパターンで釣りましょう。
さて、底トントンでカワハギがアタらず、エサ取りだらけの時はどうするかです。
しばらくはエサ取りとの根くらべです。
そこにカワハギがまじっていないか、何度か挑戦してください。
このときエサ取りのアタリや引きをしっかり覚えておくと、巻き上げて確認することなく回避の対応に移れます。
回避の場合、着底したら糸フケを瞬時に巻き取り、オモリを1m海底から巻き上げたところから釣りを始めます。
まずは竿先を上にゆっくり上げていきます。
頭上高く探ったら、今度はゆっくり下げていきます。
1m巻き上げてから竿先を上げて探ると、竿の長さにもよりますが海底から3mぐらい上まで探ることができます。
この動作を繰り返して、カワハギが浮いている層を探ります。
アタリを感じなくても仕掛けを回収してエサの有無を見てください。
もしエサが無くなっていたらカワハギの可能性があります。
エサを付け直して再度同じ方法で探りましょう。
カワハギのアタリは、ラインをとおして何かに擦れるような感触が手元に伝わります。
伝わったら動作を止めて、竿先に伝わるアタリを目感度で確認しましょう。
小刻みな動きが出て、竿先から僅かにテンションが消える瞬間があります。
これが「ストップアタリ」で、アワセのタイミングです。大きく聞きアワせてください。
カワハギの口にハリが入った瞬間なので、竿先からテンションが消えます。
このストップアタリを覚えれば、「カワハギ釣りって難しくないんだ!」と思えるはずです。
自然条件で風や波、潮流があるので、なかなか上手くいかないんですけどね。

アタリが取れない場合
アタリを感じることなくエサがハリに残らない場合は、カワハギがいる可能性が高いです。
竿を上下する速度を調整したり、送り込む長さを変えてみたりしながらアタリを探ってください。
また、アタリを感じたがハリ掛かりしない時は、竿先を小刻みに動かす「叩き」をいれながらタナを探ったり、誘ってみましょう。
カワハギにアピールして、条件反射的に食わせるのです。
その他に枝スの長さを変えるのも効果があります。
一般的には6㎝ですが、これを3㎝にしてみたり、もっと短くして試すのもアリですよ!
さらに、10㎝の市販品もあるので、ロングハリスが有効な場合もあります。
そういえば12~13年前までは、自分でハリスを結んでいました。
長さは12㎝で、ハリス止めで止める位置を自由に変えて使用していました。
当時は、8~10㎝がメインでした。
この原稿を書いていて思い出しました。
今年はロングハリスでチャレンジしてみようと思います。
アワセのタイミングがわからない場合
アタリが凄くあるけれど、アワセのタイミングが分からない場合です。
まずは3本バリのうち2本を外して1本バリにしてみてください。
1本バリで釣りをすると雑音が減るんです!
3個のエサだと同時にアタっている場合、タイミングが難しくなります。
このひとつのエサで確実にアワセのタイミングを覚えると、カワハギのアタリと他魚のアタリが確実に違うことが分かります。
エサの保存と調整について
エサの鮮度がカワハギの食いに影響するので、エサのアサリは必ず日光などを遮断するエサ箱に入れて小出しにして使います。
残りはクーラーボックスで保存しましょう。
エサ箱に入れていても直射日光が当たる場所には置かないようにしてください。
アサリの剥き身は直射日光が当たると、乾燥して硬くなりカワハギの食いが悪くなってしまいます。
時々、すべてのエサを塩などで締める方がいますが、やめた方がよいでしょう!
とくに生の剥き身は、そのままが一番。
エサ持ちだけでなく、カワハギの食いがいいからです。
締めるときは、少しずつが鉄則です。
カワハギの活性が良い時のほか、冷凍エサなどですぐに取られる時に、初めて締めて調整します。
自分は塩3に対して、うま味調味料7の割合で自作したものを必ずバッグに入れています。
塩のみだと硬くなり過ぎますが、うま味調味料をメインにすることで適度に締まり、カワハギが食いやすい硬さになります。
アサリを締める理由は、カワハギの食いを良くすると勘違いされている方がいます。
一番の理由は、剥きたての状態でエサ持ちを良くしたい時に締めるのが正解なのです。
エサ付けは小じんまりと

アサリはハリに小じんまりと付けよう
カワハギがエサを吸い込みやすいように、ハリに小じんまりと付けます。
ハリにダラシなく垂れるように付けると、その部分を突っつかれてハリまで吸い込まず、エサだけを取られてしまいます。
この釣りのベテランほど、エサ付けはていねいに行っています。
剥き身が大きい時は、ハサミでカットするのもアリです。
カワハギが吸い込みやすいサイズなら、アタリからハリ掛かりまでが早くなります。
どうですか?カワハギ釣りのイメージが「難」から「楽」に思えてきませんか?
釣りは長年やると、楽しむために知らぬ間に難しくしてしまうんですよ!
でも、本来はもっと簡単に楽しめるものなのです。
次の連載テーマがカワハギなら、さらなる裏技を公開しますか(笑!?)それでは安全に楽しい釣りへGo!
難しくしないで、釣りを楽しむ! 今シーズン初の竹岡沖釣行は竿頭!!

取材当日は竹岡沖の水深10m台~20m台をメインに狙った
カワハギ釣りの有名ポイントの一つ竹岡沖は時化後、底荒れで隠れていたイソメやその他のエサとなる生物が舞い上がり、それを狙ってカワ ハギが集まります。
そして、それを知ってる釣り人も船宿に押し掛けるのです!
まるで食物連鎖のようですね。
今回の台風一過後も多くのカワハギ狙いの釣り人で賑わいました。
密にならないように釣り座は広々です。
向かった船宿は、都内から電車釣行も可能な久比里の「巳之助丸」さんです。
霧が深く釣り場は不明 そこで3枚ゲット!

今回は釣り友達の中村さんと並んでの釣りです。
ほかに顔見知りの常連さんも何名かいらっしゃったので、タックル準備が終わってからの情報交換や釣り談義も弾み、実 釣への期待が一気に膨らみました。
7時30分出港。 久比里の船は海に出るまでいくつかの橋をくぐります。
船ベリに竿を立てると、潮が高い時は橋にぶつかり折れてしまうので必ず寝かしておきましょう。
船長からもアナウンスがありますので、聞き逃さないでくださいね。
いくつかの橋をくぐり、運河を出るとどうしたことでしょう!!
真っ白で視界がほとんどありません。
つい昔のド派手な演出の歌謡番組を思い出してしまうのは年齢のせいでしょうか?
あちらこちらから衝突回避の船の警笛が鳴り響き、乗った船も超低速で移動です。
じきに釣り開始のブザーが鳴りましたが、どのくらい移動しているか分からないので、どこのポイントかわかりません。まるで闇鍋状態です。
今回は4タイプの竿を持ち込みました。
闇鍋状態のため竿のアタリを見ることもままならず、まずは手に馴染んだ「ステファーノリミテッ ドMH175A」からスタートです。
魚の活性を見るため、集寄や中オモリなどはなしで、今回の「カワハギ釣り入門」にも書いてますが、 オモリで海底トントンしながら探ります。
最初のポイントは正直、「霧が晴れるまでの時間潰しかな?」と思っていましたが、ところがどっこいカワハギの気配はあります!
オモリが着底すると細かいアタリがあるので、浮いてはいないようです。
それでは底狙い一本で行きましょう。
結果、エサを取るられたりしながら3枚釣れました。
仕掛けは「アピール」のノーマルにハリは「吸わせ」の7.5号。
上と下は10cmハリスで真ん中は6cmです。
釣れた3枚は全て下バリにヒットしました。
オモリやハリス止めのビーズでアピールし、まずはカワハギを仕掛けに寄せます。
ここではそれほど食い気を感じなかったので、エサの動きをゆっくりさせて、カワハギが食いやすいように10cmハリスを選択しました。
この狙いが的中したのです。

「今日のエサは、アサリのむき身を使います」と飯田さん
霧が晴れて竹岡沖に移動、いろいろ試してアタリを出す

この日、飯田さんは開始からコンスタントに掛けた!
正味1時間ほどで霧が晴れて、本命の竹岡沖に移動しました。
ここでも同じタックル&仕掛け、釣り方でスタートしました。
釣れるハリ、エサを取るハリはどちらも下バリが多いので、他のハリにもアタリを出せたらダブルも狙えるかなとついつい欲が出ます。
自作の「魔法の板」を入れて、さらに「ビット」の白でアピールして様子を見ます。
するとアタリを多く感じるようになり、他のハリもエ サを取るようになりました!
これで開けた引き出しは一つ成功!
けれど、吸い込みがイマイチでハリ掛かりさせるタイミングが難しかっ たです。
そうそう、狙いどおりダブルでも釣れました!
オモリを海底に置いて、「魔法の板」を大きく揺らして、穂先にテンション掛けながら「魔法の板」を落とし込んでいきました。
こうすると手感度と穂先にカワハギの存在を感じます。
ところがここで、聞きアワせると100%吐き出されてしまいます。
そこで、しっかり食い込ませるために、アタリを感じてから少し送り込んで待つことにしました。
穂先のアタリが倍増したところをすかさず聞きアワセ!
するとハリ掛かり率がぐんとアップ。
水深も17m前後で、カワハギの引きは強烈で楽しいです。
しばらくすると活性なのか潮なのか分からないのですが、「ステファーノリミテッドMH175A」の調子だとバラす率も高いので、持参した「ステファーノ攻SS175」にチェンジ。
この竿は「攻」に相応しい「ステファーノ」シリーズ初のグラスソリッドをカーボンテープで締め上げた調子です。
穂先は糸の延長みたいにしなやかで、吸い込みの悪い状況ではエサを啄ばむカワハギに違和感を与えず、さらに穂先の動きは誰もが分かる仕上げです。
このチェンジがピタリとハマって、「魔法の板」を大きく揺すり、幹糸のテンションを抜く感じで待つとアタリが出ました。
そのまま聞きアワせると一丁上がり!
でも、このまま続かないのがカワハギ釣りです。
「魔法の板」では重い感じがしたので、外してガン玉1.5号を上のハリス止め近くに付けてみました。
これまたピッタリでカワハギ連発!
このときの釣り方は、オモリを底に着け、潮の速さによって糸フケを出します。
そして、ガン玉を竿先で弾くように動かしてからゼロテンで待ちます。
穂先がしなやかなので、大きく引き込み始めてから聞きアワセでカンカンカン!
ここで一つ注意点です!
「魔法の板」もガン玉もオモリを海底に置くと説明しました。
これはあくまでもアタリを取る時で、置いたままに するのはNGです。
オマツリの原因になります。
アタリが出なければ、オモリを大きくシャクリ上げて移動させて釣ります。
このパターンを長い時は10回ほど行う場合も ありますが、仕掛けを回収して入れ直しも頻繁に行えば、カワハギに出会えるチャンスも増えます。
また、オマツリ回避にもなります。
後半は反応が浮き、タナ狙いでアタる
「探見丸」に浮いた反応が出始めたので、最初に使った「ステファーノリミテッドMH175A」に戻して、今度はゼロテンとタナ狙いの組み合わせです。
下で釣れないときは、タナに浮いたカワハギ調査です!
上も下も良い感じでしたが、段々タナに浮いたカワハギが多くなりました。
ここで「ステファーノ攻HHH173」に変えて、ガン玉も外して完全にタナ狙いです。
浮いてるカワハギはやはり楽しいです!
そうそう、同行の中村さんはというと、底狙いが苦手で苦戦してました。
ところが浮き始めたらエンジン全開で連釣開始!怒涛の追い上げです。
そして時間が過ぎて、最後の移動。
ここの海底はエサ盗りの嵐で、タナを探ると50cmから2mでアタリ連発!
海底に着いたら竿先を斜め45度から一気に2mほど上げてから、カワハギのアタリが出るまでゆっくりと落とし込みます。
どこかでアタリを感じたところで待つと、手感度から目感度へとアタリが大きくなり、僅かにテンションが抜けます。
テンションが抜けたところで聞きアワせるとハリ掛かりします。
「探見丸」に浮いた反応が出て、試した結果が今回の好釣果に繋がったと実感しました。
ますます、「探見丸」は手放せなくなりました。
釣果は22枚。
釣り座に助けられたのもありますが、竿の調子を変えることで、アタリの出方や掛け方が簡単になりました。
さらに「ビット」の白が明らかに効いていたと思います。
さて、同行の中村さんはというと、下の釣りが苦手でタナ釣りで前半戦は1枚。
後半の浮いたカワハギはバッチリ で、怒涛の追い上げで9枚はお見事でした。
今シーズンは下の釣りもマスターして、様々な状況に対応できるようにしてもらいたいです。
こんな感じで一日が終わりました。
港前で船長から「飯田君の釣りを見ていると、カワハギ釣りが簡単に見える」と言われました。
そうなんです!難しくしないで、釣りを楽しむのが「IidaStyle」です。
今シーズン初の竹岡沖でのカワハギ釣りは竿頭!嬉しい釣行となりました。
東京湾のカワハギはこれからが本番 です。
皆様もいろいろ妄想して、釣り場に足を運んでください。
東京湾・久里浜沖〜竹岡沖 カワハギ釣行レポート

「カワハギは引きがいいですね!」と飯田さん

飯田さんは29㎝を手にした!

ダブルもアル!!

こちらは28㎝

良型をまじえたダブル!

名手の松浦さん

良型を手にした

最初の1枚は嬉しい!

お腹が膨らんでいるのはキモが大きくなっている証

キモパン!

アタリが多くなって 右肩上がりに上向き傾向! キモも大きくなっている!!

最近では少なくなったウマヅラハギもまじった

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・久比里「巳之助丸」
陸上はすっかり秋が深まって、沖釣りではカワハギがおもしろくなってきた!
東京湾のカワハギもいよいよ本格シーズン突入。釣果も上向いてきた!!
好シーズンに突入し、カワハギ名手の飯田さんも本格始動。
今回は久比里「巳之助丸」に乗船して竹岡沖のカワハギ釣りを楽しんだ。
朝イチは深い霧に包まれ視界が悪く、久里浜沖でスタート。
1時間ほど久里浜沖で釣りをしたが、飯田さんは3枚釣り上げた。
ここで波に乗ったのか、竹岡沖に移動してもコンスタントに掛けた飯田さん。
変化する状況にうまく対応し、二番手とはダブルスコアの22枚で竿頭となった!
その時の釣り方は、飯田さんによると「基本的」な釣り方。
「カワハギ釣り入門」を参考にビギナーの方もどんどんカワハギ釣りにチャレンジしてほしい!
以上の記事は「つり丸」2020年11月15日号の掲載記事です。
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