トップ10杯も!今シーズンも順調な出だし!年末年始の刺身用にも最適な高級イカ!

鴨居港の「きよし丸」でアオリイカ乗合が始まった。
かつて東京湾はイカ釣り天国で、鴨居から久里浜沖にはムギイカ、ヤリイカ、マルイカなど季節ごとに様々なイカが集まってきて、ほぼ周年イカ船が出ていた場所だ。
しかし、温暖化の影響か、それとも潮流の関係か、最近ムギイカ、ヤリイカはほとんど釣れなくなり、マルイカもここ数年不調が続く。
そんな現在、主役を張っているのがアオリイカとスミイカで、東京湾のイカと言えば、この2種を指すようになってきた。
いずれも晩秋から冬がハイシーズンになり、毎年コンスタントな釣果が出ている。
船中10~20杯、爆乗りはまだ?

「きよし丸」のアオリイカ釣りは、中オモリを使ったシャクリ釣りだ。
近年流行のティップランと比べると、深場を攻められるのがメリット。
特に鴨居沖や竹岡沖の50~60mダチは、冬場に大型のアオリイカが釣れるポイントだ。
キロオーバーの大型が乗ったときの重量感が、アオリイカファンを夢中にさせる。
取材に伺ったのは10月8日。
前日の土曜日がシケで出船中止だったこともあり、釣り客は日曜に集中したので、私はカメラだけを持って乗船することにした。
「今年はなかなか良い乗りの日がないんですよね」と小田淳(きよし)船長。
2年前のシーズンは秋の開幕から春まで数よし型よしの当たり年だったが、今年はそれほどの乗りっぷりはまだ見られない。
船で10~20杯くらいの日が多いが、もともとアオリイカはそれほど数が釣れるイカではないので、例年並みの湧き具合といったところだろうか。
水温が下がってからが東京湾アオリイカの季節、もちろん本番はこれからだ。
この日は単発が多い これは本調子じゃない…
まずは鴨居前から開始する。
港を出てすぐの場所にはアオリイカの着く根が点在し、ここから様子をみるパターンは多い。.
しかしこの日は鴨居前では乗らず、航路を横断して竹岡沖へと向かった。
釣り方はシンプルだ。
タナは20m前後、海面から中オモリまでの長さが20mになるよう、道糸のマークで正確に合わせる。
あとは5~8秒ごとに鋭く竿をシャクるのを繰り返して乗りを待つ。
初めての人は、タナが正確に取れているかが一番大事な点なので注意しよう。
竹岡沖に移動するとすぐにトモで竿が曲がった。
上がってきたのは400gほどのアオリイカ。
反対側でも竿が曲がったが、こちらは600gはありそうな大型スミイカだった。
その後にはモンゴウイカも釣れ、3種類のイカが揃った。
潮はほとんど動いていないが、イカのいる場所になるとぽつんぽつんと乗りがある。
秋にしては良型の800g級も顔を見せた。
「あまりイカの元気が無いです、続かない」と船長。
アオリイカは小さな群れになっていることが多いので、誰かが乗せたら続いて何人かの竿が曲がることは珍しくない。
しかし、この日は同時に2人の竿が曲がったのが一度だけで、あとは1杯釣れたらその流しではおしまいという状況が続く。
これは、イカの活性が低い(=元気が無い)ときの特徴でもある。
船長は竹岡沖から大貫沖、タナ10mの浅場から30mの水深まで広く探り、この日は0~2杯、船中13杯の釣果で終了した。
再取材でトップ7杯!その翌日は10杯と尻上がり!
一日置いて再訪、今度は私も竿を出す。
北風がけっこう強く海は悪いが、今日は朝の鴨居前で型が出る。
ミヨシの両側が2杯ずつ上げ、好調なスタートだ。
鴨居前から観音崎前と、10mから19mのタナがこの日のポイント。
私に乗りがきたのは10時くらい。
まるで根掛かりのように竿が止められた後、グイングインと軟調の長竿が引っ張られた。
これは型が良さそうだ、浮いてきたのは800gのアオリイカだった。
この後にも追加して2杯で終了。
トップは7杯と上々の日だった。
さらにその翌日はキロ級もまじってトップが10杯と、調子は上向き。
年末年始は大型アオリイカのシーズンなので、この調子が続けば大いに期待ができそうだ。
釣ったアオリイカは締めて持って帰る。
「きよし丸」にはゴムハンマーが用意されているので、これでイカの眉間に一撃を加えてやると、皮の色がさっと消えて透明になる。
こうして締めて持ち帰れば墨で汚れることもなく、家でさばいたときにも透き通った身のままになる。
締め方がわからなければ船長に教えてもらおう。
食味抜群のアオリイカはもちろん刺身でいただく。
ゲソやエンペラは八宝菜の具にしたりイカたらこパスタにしたり、イカが美味しいとどんな料理も美味しくなる。
来月は正月用のイカを確保しにまた出かけようと思っている。

餌木のカラーセレクトもこの釣りの楽しみのひとつ。当たりカラーを見つけて一人勝ちしたときは快感だ
東京湾・鴨居沖のアオリイカ釣行レポート
ロングロッドで手軽に強烈な引きを楽しもう!

この日のポイントは水深20m前後。船中みなロングロッドだ

ロングロッドが主流になってきた餌木シャクリのアオリイカ。ロングロッドのメリットは軽い力でシャクれること、そしてグイングイン竿を曲げる、このやり取りが楽しい!!

まだ大型は少ないが、この時期にはしては大きい800g級もまじった

イカが乗って満月にしなるロングロッド。グインー!グイーン!と力強い引きが快感だ

このサイズなら引き味満点!食べ応えも十分。今後さらにサイズアップしていく

食べごろサイズ。刺身が最高に美味しい!

まだカワイイ小型サイズもまじる季節

こちらはグッドサイズが触腕2本で

スミイカもまじった

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・鴨居港「きよし丸」
引きの強さと食味の良さで人気のアオリイカ。
東京湾では秋ごろから始まり、年明けまでがメインの釣期となる。
鴨居港「きよし丸」でも10月の終わりから乗合を開始し、順調なスタートを切っているようだ。
アオリイカはスルメイカやヤリイカのように広く回遊するようなイカではなく、根周りや海底のかけ上がりなどの場所に固まり、居着く性質がある。
その居着き場所は季節と潮具合によって変化する。
「きよし丸」小田淳船長は長年のアオリイカ釣りの経験から、その時どき、アオリの固まっている場所を見つけ、釣らせてくれる。
「きよし丸」のアオリイカ釣りは、中オモリ式の餌木シャクリ釣りで、現在はロングロッドが主流になっている。シャクり続けていると突然に竿がガツン!と止められ、大きく竿を曲げる引き込みの良さは、一度味わえばやみつきになる面白さだ。
取材日は鴨居沖から竹岡沖、大貫沖と広く探った。
どこのポイントでも型がでるものの潮の流れが悪く、アオリイカ特有の何人も同時に竿を曲げるような乗りは少なく、トップで2杯の釣果だった。
しかし、翌々日にはトップ7杯、その次の日は10杯と、尻上がりに調子が上がっている。
水温が下がって40mから50mの深場を狙う頃には、イカはキロオーバーに成長しスリリングな釣趣が味わえるだろう。
高級食材のアオリイカは正月料理にもうってつけだ。
師走に釣ったものを冷凍しておけば、紅白食材の白は準備完了。
マダイ等で赤を加えれば、釣り師の紅白膳で新年を迎えられるぞ!
以上の記事は「つり丸」2020年12月15日号の掲載記事です。
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東京湾のアオリイカが好スタートを切っている。良型まじりでトップ10杯の日もある!