今期当たり年!近場の根掛かり少ない水深30m前後のゴロタ& ジャリ場に沸くマダコは餌木で攻略!コツは小突き方にあり!!

タコの湧き具合はバッチリ!近場のジャリ場で楽しめる
今年も10月に開幕した鹿島沖のマダコ。
近年はブームに乗って釣り方はすっかり昔ながらのテンヤではなく餌木釣法に様変わりした。
関東周辺では、東京湾の餌木タコがよく話題にされるが、実は関東の餌木タコブームの火付け役になったのは、「幸栄丸」に端を発している。
「うちでは2017年も年末から一気に餌木タコブームになりましたね」と話すのは、鹿島「幸栄丸」の松丸健一船長。
毎年、鹿島沖では年末年始のマダコを求める釣り人でごった返しているのだが、2017年に関西で流行っていた餌木タコ釣法を導入したところ、一気に釣果がアップ。
根掛かりが少ないポイントを中心に攻めていたこともあって、瞬く間に餌木タコ釣法が人気になったという。
その冬のマダコフィーバーの翌年、初夏に東京湾に餌木タコブームが沸き上がったという。
鹿島沖で餌木タコ釣りを覚えて東京湾へ参戦した釣り人も少なくない。
さて、今期の様子とはいうと、高水温の影響もあり地ダコがいたるところで沸いている模様。
絶対安パイポイントである大洗沖は鹿島からは行程約1時間と距離があるが、11月末に攻めているのは、大洗と鹿島のちょうど中間あたりの水深30m前後。つまり、鹿島港からは行程約30分の範囲で釣れているのだ。
一般的には岩礁帯がマダコのポイントだが、鹿島沖はジャリ場やゴロタ石場を攻める。これが釣り人にとっては最大のメリットとなっている。
つまり、根掛かりが少ないのだ。
タコ餌木はけして安価なものではない。
根掛かりするとオモリだけでなく、餌木やリーダー、もしくは道糸の高切れをおこしてしまうこともある。
そんなリスクが少ないだけでも快適に釣りが可能なのだ。
タコのサイズはというと、ポイントによりけりだが、小ぶりが多いところは数釣り傾向に、そして2㎏超えの大型が多いところは、拾い釣りになる。
なにせ、タコポイントが広いので小〜大サイズまでまちまちだが、トータルでは良型が大半を占めるのがこのエリアの魅力でもある。
さらに、12月以降は毎年ア渡りダコのシーズン。
豊富なベイトの南下と同時に大型ダコたちが群れて北から南下してくる。
この海域のタコつぼ漁も盛んになるのはこのためだ。
遊漁船でも渡りダコが狙えるのでサイズアップが期待できるのだ。
まずはタコ専用餌木を用意、カラーは白を必ず入れる

タコ釣りに使う餌木は、岩や石にへばりついたタコを強引に引きはがすパワーのある専用のカンナがついもの。
大きさはさまざまだが、アオリイカ用でいうと3.5号〜4号サイズが標準。
この餌木をひとつの仕掛けに2個使うのが一般的だ。
カラーは、ひとつは白がベース。
もうひとつはアピールカラーでよく、好みのものでよい。
よく使われているのは、ピンクやチャート、グリーン、グローカラーなど。パープルなどもよい。
オモリは、水深30m前後ときには40m台も攻めることがあるので60号以上を使用する。
潮が流れないときは、ヒラメ釣り同様の横流し釣りをするので、80号を使うときもある。
タコは光るものや派手なものに興味を示すのでカラーオモリもアピール効果を発揮する。

両軸はハイギア&パワーハンドルタイプがベスト。遠投がきくスピニングタックルも活用したい
餌木に脂身または鶏皮を付けリーダーに集器を装着

オモリは60号。グローや白のカラーがよい。餌木は2個付けが基本/餌木の背に脂身を輪ゴムで付けるとアピール効果がアップする。マルキユーのノリノリタコライダーを餌木に吹きかけるのも実績がある
タコ釣りでは餌木だけでも十分に釣れるが、さらにアピールさせるアイテムとのセットが一般的だ。
そのひとつが匂いで寄せる豚の脂身や鶏皮を餌木に装着するというもの。
一般的にはヤリイカやケンサキイカで使う餌木のように脂身を餌木の背に固定するのみでオーケー(「幸栄丸」ではこの脂身は船上でもらえる)。
また、よく見かけるのが、脂身や鶏皮を餌木の腹部にすっぽりと着せて針金や輪ゴムで固定する方法。
これはたしかにタコへのアピール効果があるが餌木そのものの動きを損なわせることとなるので、使用は好みでようだろう。
餌木の動きを最大限に活かしたいならマルキユーの「ノリノリタコライダー」を活用。
これはタコが好む匂いを含んだ液体を餌木にスプレーするというもの。
また、リーダーにはカワハギで使う集寄やタコベイト、プラテープなどがタコにアピールする。
昔からスーパーの袋を細長く切って束ねたものがマダコの興味を引くといわれており、ケイムラシートやゴールド、シルバーのシートを集寄として付けるのもよい。
タコはなにせ派手なものが好きらしく、ジャラジャラしたものに寄ってくるのだ。
根掛かりにも負けない頑丈なタックルが必須

さて、餌木タコ釣法のタックルだが、“頑丈な”ものが必要だ。
鹿島沖のタコポイントは、海底がゴロタ石かジャリ場で根掛かりがほとんどないところ。
船長が意図的にこの地形の釣り場を選んでいることもあるが、これが今期の鹿島沖の大きなメリットだ。
タコはヒットするとその場所から離れまいと石や岩盤などに吸盤をつかってはりつき地面に這いつくばる。
タコがゴロタ石につかまっているとタコだけでなくその石も同時にあげてくる。
小さなタコであっても大きな漬物石みたいはものを抱いてあがってくることも珍しくなく、想像以上の重量と抵抗となるので竿とリールに“パワー”が必須となるのだ。
竿は餌木を海底で躍らせるためにカレイ釣りと同様の小突き釣りをするので先調子のものがベター。
操作性を考えて竿の長さは短め、2m前後のものがよい。
リールは水深が30〜40mとなると小型両軸リールを想像するだろうが、なにせヒット時の巻き上げは前述のとおり“重い”。
だから、ある程度の大きさがありパワーがあるもの必要だ。
両軸リールであれば、ハイギアタイプ。
もしくは軽量の小型電動リールでOK。
道糸は根掛かりが少ないのでPE2〜3号でオーケー。
理想はPE3号だ。
4号でも使用可能だが、横流し時に道糸がかなり抵抗になってしまう。
PE1号以下は根掛かりと間違うようなヒット時に高切れするので使用は厳禁。
これらのことを踏まえ、鹿島沖で理想の餌木タコタックルは、エサ用ならカレイ用やフグ用。
餌木タコ専用竿ならオモリ負荷があっていればオーケー(一般的に専用ロッドのオモリ負荷は30〜40号以下)。
意外にも鹿島沖で活躍するのが青物ジギングタックル。
リールはむろんスピニングでオーケー。
つまり普段使っているジギングタックルをそのまま使えるのだ。
これを使うとヒットしてからの回収の楽さを実感できるハズだ。
餌木が底から浮き過ぎないようにオモリをひたすら小突く
釣り方はカンタンに言うとカレイの小突き釣法と同じだ。
このカレイ釣りをやったことがない人にとってはイメージしにくいだろうが、オモリを海底で浮き上がらないよう動かすだけ。
つまりオモリを寝起きさせるくらいのつもりで、もしくは数センチ浮かすくらいの気持ちで1秒に1回から2回、小突き動作をする。
具体的には20回ほど小突いたら、オモリを50㎝ほど上げて仕掛けを移動させ再び底ダチを取り小突きを繰り返す。
こんな単純な誘い動作でタコは乗ってくる。
「なかなかタコが釣れない人は、オモリを浮かせ過ぎか、動かしすぎが原因ですよ」とは、松丸船長の言葉。
船長が話すように悪い例は、小突いているが、激しくシャクリすぎている場合や横流し時や潮が速いときにオモリが底から離れ宙に浮いてしまっている状態。
こうならないようにきちんと、“底をとろう”。
根掛かりか?と感じたら それがアタリ!! そして…

オモリをひたすら小突いていると、急に押さえされるように動きを止められる。
その直後、根掛かりか?と感じたときがタコのアタリだ。
まずはゆっくりと聞き上げてみよう。重量感を感じたまま、浮けばタコの確率アップ。即、リールの巻き上げに入る。
しかし、根掛かりと同じ状態でオモリがなかなか底から離れないときは要注意。
つまり、タコが乗っている場合と根掛かりと2分されるから。
タコが乗っているのなら石を抱いているか、大きな石にへばりついている。
竿が折れない程度にこびりついたものをはがすつもりで竿を起こそう。
それが無理なら根掛かりを外す要領で引っ張る。
そして無事に重いものが浮上してきたら、本命マダコである可能性が非常に高い。
だが、この方法でにっちもさっちもいかないときは、残念ながら根掛かりだ。
いったん道糸をフリーにしてみて再び引っ張る。
それで取れなければ、強引に引っ張るしかない。
タコがフッキングしたあとのやり取りは、ポンピングは厳禁。
これを行うとバラシの原因となる。重くてもリールのみで巻き上げるようにする。
取り込みは、必ずタモ入れで。
餌木のみを抱いてあがってくることも珍しくないばかりか、水面でまごまごしていると船べりにタコがへばりついて回収不能になることもあるからだ。
そして、船上に回収できたら、タコはタモのなかに入れっぱなしにして、まずは餌木のカンナを外す。
そして用意したタコを入れるネットにタコを入れ、ネットの口を絞り縛っておこう。
そのネットの口はしっかりと結んでおかないと、いとも簡単にタコは脱走してしまうからだ。
ネットに入れたタコは、海水が入った生け簀に入れておき下船まで生かしておこう。

狭い隙間も通り抜けるマダコは逃げ足も速いので注意しよう

茨城・鹿島沖 餌木タコ 釣行レポート
12月は渡りダコシーズン。 大型を乗せよう!!

19トンの大型船で連日マダコ狙いで出船中の「幸栄丸」

ポイントの水深は30m前後のジャリ場が多い

根掛かりか?と思ったら要注意。大ダコである確率大だ

竿を根元近くまで曲げて重量感たっぷりで上がってきたのは見事なサイズ
良型高確率! 12月は渡りの大ダコ 回遊予定でさらにチャンス!!

ガッツリと2つの餌木に掛かってあがってきた大ダコ。タモ入れは必須だぞ

海面に浮上したタコは大きな口のタモでさっと抜き上げるのがコツ

タコの湧き具合はバッチリ。良型を連発!

鹿島ダコと呼ばれるブランドダコ
吸盤 キョウレツーっ!

タコの足の吸盤はとにかくパワフル。吸いつかれたらなかなか外れないぞ
今日も大漁ですね

女性アングラーにもお手軽にエントリーできる餌木タコ釣り

見事なテクニックで良型タコを掛けまくる

女性アングラーたち
これだけ釣れれば大満足

ネットに入れたタコで緑の桶が満タンになることもザラだ

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・鹿島「幸栄丸」
師走の必釣ターゲット、マダコ。
年末年始の祝いの食材としてなじみあるタコだが、茨城県鹿島沖では昨年に引き続きタコは当たり年。
10月1日から出船している鹿島「幸栄丸」では、流行りの餌木の小突き釣りで2㎏オーバーの大型を含め、連日好調だ。
「今期は広範囲にマダコがいるって感じですね。北は大洗沖から鹿島港の真沖、神栖沖まで狙うことができます。ゴロタ石やジャリ場などほとんど根掛かりしないところがポイントですからタックルも軽めのものが使えます。12月からは渡りダコのシーズンですから、大ダコが期待できますよ。ここのタコは鹿島ダコと呼ばれるブランドダコですから、ぜひ気軽に釣りに来てください」とは、マダコ船を担当する松丸健一船長。
ポイントの水深は30〜40m。東京湾で釣り慣れている人にとっては深いと感じられるだろう。使用するオモリも60号以上だ。
「餌木の種類はとくにこだわりはありませんが、2つの餌木のうち、ベースカラーは白。もうひとつはアピールカラーで赤やピンク、チャート、グリーンなどを組み合わせてください。とにかく、オモリを底に着けて餌木を浮かせすぎないことです。これさえ守れれば、誰にでもタコは釣れますよ」と船長は話す。
この師走に根掛かり少ないところで快適にそして確実に激うまマダコを釣りたいなら鹿島沖はベストフィールドといえる。
以上の記事は「つり丸」2020年12月15日号の掲載記事です。
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