食わせサビキをメインに、ビシアジも楽しめる
小坪港「洋征丸」は、キハダ&カツオが終了すると、アジ&マダイ五目で出船している。
イワシミンチをコマセにアジを狙い、それとともにマダイや根魚も狙う釣りだったが、ここ数年で様子が変わってきている。
イナダやワラサといった青物が多くなり、アジがそれらに追われて釣りづらくなったのだ。
そこで、アジを追う青物を釣ってしまおうということで、食わせサビキでイナダ、ワラサを狙い、状況を見て一般的なビシアジスタイルでアジを狙っている。
取材当日は最初に食わせサビキ、その後アジ狙い、そして最後に再度食わせサビキという流れだった。
イナダ、ワラサ狙いでは食わせサビキのほか、泳がせ釣り、ヒイカやサバの切り身をエサにした
コマセシャクリで狙ってもOKだ。
またアジ狙いではマダイやクロムツなども期待できる。
食わせサビキとビシアジのタックル
食わせサビキのタックルは、ベストは落とし込み専用ロッド。
サビキに掛かったアジがバレにくく、青物がアタったときの食い込みもいい。
ほかにはオモリ150号に対応したゲームロッド、ライト泳がせ用、キハダ用、ビシアジ用などを使っている人が多かった。
リールはドラグ性能がいい小型電動。
掛かったあとは強引に巻き上げるのではなく、ドラグを効かせてゆっくり巻き上げてくるからだ。
ビシアジのタックルは、専用竿に小型電動の組み合わせ。
専用竿以外には、オモリ130号に対応したゲームロッドなどもオススメ。
150号のオモリに対応できる7対3調子のゲームロッド(長さ2m前後)があれば、食わせサビキもビシアジもこのワンタックルで楽しめるだろう。
食わせサビキは、まずアジを掛けよう!

12月の時点でメインとなっている食わせサビキから解説しよう。
道糸の先にオモリが付いていないプラビシを繋ぎ、その先に仕掛け、オモリの順でつなぐ。
ビシはLサイズを使う。
仕掛けは、船で用意している食わせサビキを使うのがオススメ。
サビキが合わないと、エサのアジがまったく掛からないこともあるからだ。
下の写真で示したものが「洋征丸」で用意している食わせサビキ。
2種類あるが、取材時に高木洋征船長は、とくに左の仕掛けをススメていた。
仕様を紹介すると、ハリは喰わせ胴打ち7号、枝ス7号、幹糸8号。
枝スは10㎝、仕掛け全長2.7m。
ハリ数は8本。
ハリにはサバ皮とハゲ皮が交互に巻かれている。
オモリは150号、コマセはイワシミンチを使用する。
ビシにコマセを8分目くらい詰め、合図が出たら仕掛けを投入。
根の上を狙う場合は、「オモリを海底まで落とさないで×mで止めて、コマセをまいてください」と高木船長からアナウンスがあるので、それに従うこと。
根の上ではない場所では、オモリを一度着底させてからアジのタナへと巻き上げる。
その場合の釣り方が上のイラストだ。
アジの反応が海底から5mぐらいの位置にある場合は、その前後1~2mの範囲でコマセをまききり、コマセが漂っている範囲に仕掛けを通すようにゆっくりと誘い上げていく。
ブルブルッとアタリがあったら、そのまま待つか、ゆっくりと巻き上げてアジを追い食いさせよう。
まずはアジをサビキに掛けないとスタートラインに立てないので、一生懸命アジを掛けるように努力しよう。
アジが掛かったら、いよいよ青物狙い。
仕掛けをゆっくりと2mぐらい巻き上げる。
これはアジの群れのなかからサビキに掛かったアジを出して、周囲の青物に見せてアピールするためだ。
そして、ゆっくりとオモリを海底まで落とし、海底から2m巻き上げた位置でアタリを待つ。
取材当日は活性が高く、海底まで落としていく間にアタったり、アジが掛かるとすぐにアタることもあった。
アタったら早アワセは厳禁。
十分食い込むまで待ち、食い込んだら竿をゆっくり起こしてハリ掛かりさせる。
掛かってからのやり取りも注意が必要だ。
サビキのハリが小さめなので、強引に巻き上げると外れやすいからだ。
魚が引いたら少しドラグが滑るぐらいに調整して、電動の中低速で巻き上げてくる。


「洋征丸」で使用している食わせサビキ
アジ狙いではマダイの期待も!

130号ビシとイワシミンチコマセでアジを狙う場合は、マダイが掛かることもある。
マダイも釣りたいのであれば、マダイや根魚にも対応した「洋征丸」オリジナル仕掛けがオススメ。
上のイラストの左側に示したのがオリジナル仕掛けの詳細だ。
枝スは2号で、こちらのハリにはアカタンを付けてアジ狙い。
先バリにはサバの切り身を1㎝角に切ったものを付けて狙う。
アジだけを狙うなら、ハリス1.5~2号の一般的なビシアジ仕掛けでOK。
これからの時期は潮が澄む日が多くなるので、澄み潮時は細いハリスが有効だ。
釣り方は下のイラストのとおり。
取材当日のタナは海底から5m。
東京湾に比べるとタナが高いのが特徴だ。
ビシが着底したら糸フケを取り、すぐに3m巻き上げる。そして、その位置でコマセをまく。
さらに1m巻き上げてコマセをまき、もう1m巻き上げてコマセをまいてアタリを待つ。
1~2分待ってアタらなければ、仕掛けを回収して再投入する。
タナを取ったあとは、マダイがアタった時のために必ずドラグ調整をしておくこと。
ハリ掛かりした魚がアジとは違って引きが強い場合は、糸を出し入れしながら慎重に巻き上げるようにしよう。


ビシアジの時のエサはアカタン

マダイや根魚に対応した「洋征丸」オリジナルのビシアジ仕掛けエサになる

ヒイカやサバも用意しておこう(受付時に購入できる)!イナダ、マダイ、根魚に有効
相模湾 小坪沖 アジ・マダイ五目 釣行レポート
食わせサビキの青物狙いから、ビシアジへのおもしろメニュー!カンパチ、マダイもまじる!!

食わせサビキは水深50m台、アジは水深100m前後を狙った

食わせサビキにヒット! サビキ仕掛けのハリは小さいので、強引な巻き上げはNG! ドラグを効かせてゆっくりと巻き上げよう

食わせサビキに掛かったワラサやイナダは、必ずタモで取り込もう!

状況にもよるが、この時期は前半に食わせサビキでワラサ、イナダを狙う。取材当日は全員がワラサかイナダを手にした!

食わせサビキに掛かるアジは、このサイズ。これが青物のエサになる

鈴木新太郎さんは食わせサビキでカンパチをゲット!

新太郎さんの釣果はイナダ&ワラサ、カンパチ、アジ!「おもしろかった〜」と新太郎さん

イナダは太った個体が多く、とても美味しい

サビキにアジが掛かると、すぐにアタることが多かった

食わせサビキにワラサが一荷で掛かった

カンパチも掛かった

イナダは全員が型を見た

食わせサビキでイナダ&ワラサ狙いをメインに、130号ビシでアジも狙う!

後半は130号ビシにイワシミンチのコマセでアジを狙うと、大アジがヒットしてきた!

ビシアジで掛かるアジは、大型主体だった

後半のアジ狙いでマダイがヒット!付けエサは細かく切ったサバ

マハタもアタった

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・小坪「洋征丸」
小 坪港「洋征丸」のアジ・マダイ五目は、一般的に「ビシアジ」と呼ばれるスタイルでアジとマダイを狙うが、この時期はさらに食わせサビキや泳がせ釣りで青物も狙っている。
取材当日は食わせサビキからスタート。
メインターゲットはイナダ、ワラサ。
そしてカンパチやヒラメ、ハタなどがまじることもある。
当日は一日の釣り時間のうち7割ぐらいをこの釣りに当て、全員がイナダかワラサのどちらかを釣り上げた。
そして残りの3割りぐらいはビシアジスタイルでアジ、マダイ狙い。
アジは35cm以上の良型主体に掛かり、サバの切り身をエサにしていた人には1kg級のマダイも掛かった。
このようにいろいろ楽しめるのが「洋征丸」のアジ・マダイ五目の魅力。
取材後はブリクラスも取り込まれているので今後も楽しみ。
年末年始の釣行にオススメだ!
以上の記事は「つり丸」2021年1月1日号の掲載記事です。
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