相模湾ブリシーズンイン! 水深100m台から開幕!!


今期も相模湾のブリ釣りシーズンに突入中だ。
11月から本格的に釣れ始めている。
ポイントの水深もさまざまだが、瀬の海周辺の水深120〜200mの広範囲にブリが回遊している模様。
以前はビシアジ釣りのハモノ狙いのプレミアムターゲットであったが、キハダが相模湾に定期回遊するようになってから、ポイントとなる大磯沖の瀬の海にはワラサはもちろん、10㎏を越すブリが回遊するようになった。
「いまはサバをエサにしてますが、水深200m前後の深場のカマスの群れが固まれば、その群れにつくブリを釣るようになります。だから、ブリを釣るには、カマスがいるとまずエサのカマスを釣らなくてはいけません。まあ、今シーズンは状況次第ですね。昨シーズンはカマスのスタートが遅れて年明け2月ごろでしたから、このブリ釣りは3月ごろまで楽しめます」と話すのは、漁師でもありルアー船からマニアックな深場釣り、泳がせ釣りなどあらゆる釣りを案内する大磯港「六熊丸」の小島拓船長。
今期はエサのサバがなかなか 釣れない。だから専門に釣る

「今期は晩秋の瀬の海のアジが全般的に釣れなくて、ブリの生きエサはサバを使うんですけど、そのサバも少ないですよ」と小島船長はいう。
聞くとそのサバを釣るのもなかなか難しく、アミコマセを使って細ハリスの吹き流し仕掛けでないと釣れないという。
普段は仕掛けの投入を邪魔するようなサバだが、個体数そのものがなぜか今期は少ないために、アジを釣るように細ハリスの繊細な仕掛けと釣り方でしか、サバが釣れないというのだ。
エサ釣りで用意するのは、プラビシ60号とそれに合わせたテンビン、ハリス2号前後全長2〜3mのウイリーまたは空バリ仕掛け。
付けエサはオキアミもしくはイカタンを使用。
つまり、ビシアジで釣るように五目ポイントで底付近をコマセをまきながらサバを釣るのである。
タックルはそれに合わせたものならなんでもよい。
イサキ用やLT用が適合する。
通常のコマセ釣りをして、まずはエサのサバを確保
さて、エサがなくては泳がせ釣りは始まらない。
まずは、十分な数の生きエサ確保を目的として、サバ釣りに集中しよう。
釣り方は、アミコマセ使用のウイリーシャクリ釣りが基本。
ポイントはさまざまだが水深40〜50mのベイト反応を狙うことが多い。
プラカゴのコマセの穴調整をウイリーシャクリの基本にのっとり下窓全閉、上窓は2分の1開けとしよう。ふだんは邪魔もの扱いするサバだが、ここでは本命なので、コマセは多めに出してもオーケーだ。
まずは、ウイリーシャクリの要領である50〜70㎝ほどシャクリ上げたあと1〜2秒静止し、シャクリあげた分竿を下げるときに巻き取り(リールのハンドル1〜2回転)、シャクリ上げるを繰り返す。
探るタナは底から5〜10m上まで。
ヒットしない場合は2往復後に回収して、コマセを入れなおして再投入しよう。

ビシ60号のアミコマセ使用のシャクリ釣りでサバを狙う!サバはこのサイズ。ブリのエサにはちょうどよい。サバの群れに当たればサビキ釣りもオーケー。一気に数を稼げるぞ
サバの活性が高いときは、サビキ仕掛けで釣ろう
サバの群れが濃く、活性が高いときは、枝スが4号以上の太目のサビキ仕掛けを投入しよう。
通常はこの釣り方でエサのサバを確保する。
サビキはなんでもよい。
サビキで釣れるときはコマセはほとんど不要。
だいたい、落とし込み中にサバがヒットしてフォールが止められる。
サバをハリから外すときは、必ずハリ外しを使おう。直に素手でサバをつかむとサバは火傷してしまう。
手元の桶に数匹たまったら、大きなイケスに入れなおすようにしよう。
サバは少なくとも一人10匹はほしい。
エサの確保を終えたら いざブリポイントへ!

手ごわいサバエサを確保できたら、さあ、泳がせ釣り開始だ。
ブリのポイントは水深があるのでそこへ移動してから釣ることとなる。
「ブリは反応をほとんど出しませんね。実績のある場所でベイト反応を探しそこにサバを投下しています」と小島船長。
エサのサバは、ヒラメ同様、イワシの扱いと同じく親バリと孫バリの2本バリをさす。
親バリは鼻掛けが基本。
だが、口の中から上アゴに刺し抜くのもよい。
孫バリは腹側で背側でもよいが、サバの激しい泳ぎで外れないように付けよう。
船長の合図でさあ投入。
まずはエサを先に海中に入れ次にオモリを投入。
一気に海底まで落とそう。
素早く糸フケをとりゆっくりと底上5mまで巻き上げる。
そこで置き竿で待つ。
活性が高いときは オモリ着底直後にアタル
泳がせ釣りでは、魚の活性が高いとオモリの着底とともにヒット、もしくはアタリが出ることが多い。
しかし、ここではそんな好状況は少なく、底上5mのタナでじっとブリのアタリを待つのがほとんどだ。
サバをタナで泳がしブリの回遊を待つ、というのが基本スタイルだ。
竿先にアタリが出たら早アワセは禁物だ。
ヒラメ釣りと同じく、じっくりとサバを食わせよう。
ブリは意外なほど捕食下手。もちろん、生きエサを一気に丸のみすることもあるが、たいていはなかなか飲み込まない。
だが、一度ロックしたエサはなかなか逃さない。
アワせ損ねてもしつこくエサを食おうとする習性もある。
十分にエサを食い込んでいるだろうと予測し竿先が2度3度海中に引き込まれるようなら、スーぅっと竿を聞き上げよう。
そこで、さらに突っ込むようなら、このタイミングで強くアワセを入れる。
これでフッキングが完成だ。
その後は竿を立てたまま、電動のパワーをかりて巻き上げてこよう。
誘うなら底から10mの間をゆっくりと巻き続ける
潮が動いているときに限るが、誘うならカンパチ同様、底から10mの間をひたすらゆっくりとリールを巻き上げる。
こうすることで、ブリに高アピールすることになり、やる気あるブリがバイトすることが多い。
潮が動いていないときは、逆にあまり動かさないほうがいい。
泳がせ仕掛けは自作しよう!カンタン強力結び法を学ぶ


泳がせ仕掛けを用意するとなると、意外と多くの釣り人たちが市販の完成品や船長任せが多い。
ここでは、船上でもカンタンにできて強力な結び法があるので学んでほしい。
サルカンとハリスの結束は、漁師結び、ハリ結びは南方ハエナワ結びがそれだ。
相模湾・大磯沖 泳がせブリ 釣行レポート
サバを泳がせブリを釣ろう!

波穏やかな相模湾。大磯沖は凪ぎ日も多い。当日は雨あがりに虹が出た

ビシ60号のアミコマセ使用のシャクリ釣りでサバを狙う

エサはサバ。今期はこのサバがなかなか釣れない。アジも不調なのでサバを釣るしかない

釣ったサバは船の中央部にある生けすに入れて溜めておく

サバの群れが濃ければ、太目のハリスのサビキを使うと効率がいい

水深140mでヒット!エサのサバがなかなか食い込まなかった

取り込みは船長におまかせ。ネットインまで気を抜かないように

久保出さんは6㎏オーバーをキャッチ

エサのサバは親孫の2本バリ仕掛けが基本

中村さんはまずまずの6㎏

青物の暴力的な引きがアングラーを急襲する。ハイパワーの電動リールでグイグイと上げてこよう
ナイスボディ! ブリゲット!

タナは底から5m。時間をかけてエサのサバをじっくり食わせてフッキングに持ち込んだ中村さん。見事なブリだった

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・大磯港「六熊丸」
相模湾に今期もブリの季節が到来。
年末年始に重宝される出世魚のブリだが、相模湾では毎年10月ごろから回遊スタート。
大磯沖水深100〜200mの瀬の海がポ イントで、ブリたちはベイトのサバやアジ、カマスなどを追う。
「相模湾にキハダが回遊してきたくらいのときから、瀬の海で毎年ブリが釣れるようになりました。昔はビシアジ船のハモノ狙いでぼちぼち釣れていたのですが、カマスを泳がすようになってからは、10㎏クラスのでっぷりとしたナイスボディの寒ブリがコンスタントに釣れるようになりました。サバでも釣れることも分かって落とし込み釣りをしたり、アジを泳がせたりしてましたが、近年は特エサのカマスがなかなか釣れないので、サバを先に釣ってイケスにためてから、それを泳がせて専門に狙うことが主流になってますね」とは、大磯港「六熊丸」の小島拓船長の弁。
しかし、今期はそのサバがなかなか簡単に釣れなくて苦戦を強いられる展開で、まずはアミコマセ使用のシャクリ釣りなどでエサのサバを釣ってからの展開となっている。
エサさえ確保できれば、泳がせ釣りといえどもあとは簡単。各ポ イントでは、底から5mのタナで置き竿でじっくりとアタリを待つのみ。意外と捕食下手なブリ族なので、アタリが出たら早アワセは禁物だ。
ブリのベイトは季節によって変わる。
小島船長によると、例年なら3月いっぱいまでブリは狙えるというので、その時々の特エサをまず確保して、本命ブリを釣ろう。
以上の記事は「つり丸」2021年1月1日号の掲載記事です。
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