バシっとアワせるとズシッ! という衝撃がくるのだ。この瞬間、これこそがこの釣りの最高のときだ


乗った瞬間の重量感は衝撃的だ。

「おっとっと」。墨を吐かれてもいいように、白い側を海に向けよう。

アタリを取って、乗りを確信してアワせて乗せる。ズシッ! と乗ったときは喜びもひとしおだ。

サイズは200〜400gくらい。このところ良型も多くなってきた。

ポイントは八景沖の近場主体。水深は10〜20mと浅い。
抜群の釣り応えと食味で人気の高い東京湾のスミイカ。中でもこの餌木による釣法はアタリを取って掛けることからゲーム性が高く、それでいて誰でも楽しめる手軽さもあって近年人気上昇中の釣りだ。
「今シーズンは特別多いというわけではないけど、まずまずじゃないですか。最近はサイズもうんとよくなってきましたよ」とは、金沢漁港「忠彦丸」の前川悟史船長。
ポイントは航程10分程度の八景沖主体。水深は10m前後と浅い。ここにオレンジかピンクの餌木を沈めると、竿先にかすかな乗りの兆候が現れる。すかさずバシっとアワせるとズシッ! という衝撃がやってくる。この瞬間こそがこの釣りの最高のときだ。
「餌木はオレンジとピンクだけでいいですよ。この2つがあれば十分です」
これからさらに大型化するスミイカ。深場に落ちるまで餌木で楽しめるぞ。
餌木のカラーはオレンジとピンク、この2色で十分

餌木はオレンジとピンクだけで大丈夫だ。サイズは2.5号メインに、中オモリは10号を使用。

竿は1.5m前後から1.8mほどのものが扱いやすい。マルイカ竿、ショウサイフグ竿、LTゲームロッドなど、穂先の感度の良いものがいい。さらに胴はしっかりとしたものを選ぶといいだろう。
リールは小型両軸。道糸はPE1号前後にリーダーをつけておく。ここに中オモリ10号を介し、ハリスはフロロ4号を1.5m。この長さは取り込みしやすい長さでもある。
「ハリスにスナップを付けて餌木を接続する人がいますが、スナップがないほうが乗りがいいです。直結するようにしてください」
餌木は2.5号をメインに、3号まで使用するが、2.5号だけでもいいだろう。
「餌木のカラーはオレンジとピンク、この2色で十分です。あれこれ迷うんだったら、この2つをローテーションすればいいですよ。ウチでは、この2つ以外は使っちゃダメ、って言うぐらいですから」
ちなみにこの日は、若干オレンジに分があったようだったが、ピンクにもしっかりと乗っていた。
餌木スミイカは、こうして釣るべし

釣り方は、まず餌木を投げ入れ、中オモリを落として底を取る。底を取ったら、アタリを待つ状態の竿の位置にして、正確に1m上げる。これが基本のタナだ。タナは潮の流れや乗りの状況によって多少上下させてやる。タナ1mだと、ちょうど餌木が海底から50㎝ぐらいのところにある。このレンジにキープできるようにイメージしよう。
イカのアタリじゃないのに、何かが触るように感じるとき、餌木が海底に触れている可能性が高い。こんなときは少し上げてみよう。また、自分だけアタリがないようなときは、高すぎる可能性もある。こんなときは少し下げてみよう。
タナでステイしたら、竿を平行よりも少し下げた状態にして、竿先を注視しよう。ここでもし、「ツン」とか「フワ」っとして動きがあったらすかさずアワせよう。アワセは、「ひょっとしたらいるかなあ?」などと半信半疑でアワせると、アワセが弱すぎてしっかりとハリ掛かりしないことがある。こうなると巻き上げ中にバラしたり、取り込み時に墨を食らう確率が増す。手を添えてもいいのでしっかりとアワせよう。
「アタリがなくても7〜10秒に1回は空アワセを入れてください。特に慣れない人はマメな空アワセが必要です。これを4、5回やったら底を取り直して、もう一度タナを取ります。これが誘いにもなるのです」
餌木を積極的に動かすわけではないが、空アワセとタナの取り直しが誘いとなるのだ。もっと積極的にタナを取り直すのもいいだろう。
また、水深が浅いので、いくらタナを取り直しても餌木はだいたい同じような場所に漂っている。しばらくやって乗りがない場合は、一度巻き上げて、再度入れ直すのも効果がある。
以上の記事は「つり丸」2017年11月15日号の掲載情報です。
つり丸最新号は、こちら↓
雑誌つり丸(マガジン・マガジン)を販売中!割引雑誌、プレゼント付雑誌、定期購読、バックナンバー、学割雑誌、シニア割雑誌などお得な雑誌情報満載!
この日は北東強風と大雨というかなり厳しいコンディションで苦戦したが良型ゲット! 「ようやくアタリがわかりました」と田中慎也さん。