行程20分の水深20m前後で爆釣モード全開

キュンキュン引き込むシャープな走りで釣り人をアツくさせることはもちろん、食べれば超絶品!
美味しさを象徴する良質な脂がボディ表面にまで染み出て黄金色に輝く東京湾の〝金アジ〟が、LT(ライトタックル)釣法で連日、好釣果を記録しているので要チェックだ。
釣れている激アツポイントは、湾奥の鶴見から横浜沖にかけてで、ビギナーからベテランまでがこぞってアジ釣りを楽しんでいる。
「冬場になるとアジは深場に移動するんですが、今年は海水温が温かく浅場の水深20m前後に定位しているので、本当に釣りやすいです。糸フケがそれほど出ないLT効果もあって、ビギナーでもアタリがバッチリ取れますしね。数も伸びるし、入門するにも持ってこいだと思いますよ」とは、年間を通してLTアジ船を出している川崎「つり幸」の大船長、幸田一夫さん。
取材日の釣果もお話の通り、トップ80匹オーバーの爆釣。
ビギナーでも40匹近く釣り上げていた。
「つり幸」からポイントまでは行程20分程度。広範囲にアジが棲息していて、どこでも安定して楽しめているとのことだ。
釣れるサイズは、食べ頃の15~25㎝の中、小型がメイン。
それに30㎝クラスの大型がまじるという。
「サイズは日ムラがありますが、冬場はこの小型が特に絶品でね」と大船長。
東京湾のアジは、いわずと知れた激うまの〝金アジ〟だが、この小型は脂の乗り加減が絶妙で、タタキやフライなどに持ってこいとのことなので、しっかり釣って食味も楽しもう!

︎ビギナーや入門者でも超安心。「つり幸」では出船前に釣り方を説明してくれる。しっかり聞いて爆釣を目指そう!
LTだから誰もが釣れる!その理由を知って挑もう
それでは激うまのアジを仕留めるLTの紹介から始めていこう。
通常の道具立てより、軽いタックルで挑めるLTの釣り。
ビシアジ釣りというとノーマルではオモリは130号前後を使うが、LTなら40号で済むので重さは三分の一以下。かなり楽に釣ることができる。
「LTの効果を〝ただ軽いだけ〟と思っている人がいますが、道具の軽さは、感度に直結して、操作性も向上します。つまり、誰にでも扱えて、良く釣れる道具ってことになるんです。ちなみに感度が上がれば、魚の引き味も強く感じます。LTの釣りがベテランにも人気なのは、そんな要素があるからなんですよ」と大船長がLTの魅力を紹介してくれた。
竿は、「LT用」とか「ライトゲーム用」といったものが理想的で、その中より40号のビシが背負えるタイプを用意しよう。
コマセをビシから振り出して釣るので竿の硬さは7対3調子がオススメとなる。
好みで6対4調子を使う人もいるが、長さは扱いやすい1.6mから2m前後がいいだろう。
リールは、小型両軸か小型電動を組み合わせ、道糸はPE2号が基準。
LTだけに、PE0.8号などの細糸を使う人もいるが、オマツリなどで切れることがあるので「つり幸」では細くてもPE2号までとしている。
使用するビシはアンドンビシの40号だが、その形状には注意してもらいたいと大船長はいう。
「同じ40号でもカゴが大きいタイプのビシを持参する方がいましてね。せっかく潮の抵抗を受けにくいLTを使っているのに、大きいカゴじゃ意味がありません。ちょっと潮が速くなれば、ビシがフケて隣とオマツリしますから。ビシを持ってない人は無理して買わず、うちの無料レンタルビシを使って下さい。そうすればみんな統一でトラブルも減りますしね」と説明してくれた。
ビギナーや入門のお客さんを歓迎している「つり幸」。
仕掛けはフロロの2号通しの2m2本バリ仕様を使っている。
「慣れた方なら3本バリでも構いませんが、ビギナーの方はハリ数が1つ増えるだけで、一気に扱いにくくなりますからね」。
クッションゴムは、中、小型のアジのみなら必要ないが、良型のサバやクロダイ、シーバス、ヒラメが小アジに食いつくことが結構ある。
1~1.5㎜×20~30㎝を念のために付けておこう。

リールは、水深が浅いので小型両軸でよいが、手返し重視の小型電動をチョイスする人もいる

船宿仕掛けはフロロの2号通しの2m2本バリだが、同様の市販品でもOK。ビシは40号。市販品は大きさがまちまちなので無料のレンタルを推奨する
エサのアオイソメのタラシは長過ぎ厳禁

エサは匂い効果の他、海中で艶めかしく光るアピール力抜群のアオイソメが出船前に配られるのでそれを使用する。
「苦手な人がいたら、伝えてください。イカの赤タンも用意していますのでね」。
ちなみにアオイソメはコマセ同様、使い切ったらおかわりできるシステムだ。
アオイソメの付け方は、上のイラストで紹介している方法だと滑りにくく、付けやすいので実践しよう。
「アジは吸い込んでエサを捕食する魚なので、吸い込みやすさを考えてエサ付けをして下さい。通常は頭からハリを刺し、タラシが1㎝くらい出るようにハサミや手でちぎって、長さ2㎝くらいに仕上げるのが基本です」と大船長がアドバイスをくれた。

エサは船で配られるアオイソメ。2㎝位に切って使おう。触れない人には赤タンを用意しているので船長にいってもらうこと
付けエサと同調するように、コマセをハリの位置でまく

具体的な攻略法に入る前に、アジ釣りでの最初の作業となる『仕掛けを絡ませずに投入する方法』や『底ダチ取りをしっかり行う』ことを上のイラストで紹介しているので、しっかり頭に入れておくこと。
LTアジは、ビシアジ同様のイワシミンチのコマセを使ったコマセ釣法である。
コマセ釣りは、振り出したコマセで魚を寄せて、付けエサまで食わそうというもので、コマセと仕掛けの同調が釣果を左右する決め手になってくる。
では、どうコマセをまくのが良いのか?になるが、それは船長が指示するタナ(通常は底から2~3m)の範囲内で2回コマセをまけば、同調ができると大船長はいう。
「うちの仕掛けは全長2mで、1.2mの位置と2mの位置にハリがありますので、タナが3mの場合なら底から1mと2mでコマセをまけば、だいたいハリとコマセが同調しますよ」。
イメージは下のイラストで紹介している通り。
指示ダナにビシを持ってきたときに、付けエサがある場所にコマセの煙幕ができていればOKとなるのだ。
「肝心なのは竿でビシをシャクリ上げた時に一度止めを入れることです。コマセは、ビシを動かして止めた時にフワッと出ます。つまり曲がった竿先が跳ね上がって戻るのを待ってから次の行動(巻き上げて、次のシャクリを行う)に入らないと意味がないので要注意ですよ」とやり方のコツを大船長が教えてくれた。

タナ探りは2回が基本!良型狙いはタナを上げる

タナでアタリを待つ時間は30秒から1分程度。
それでアタリがこない場合は、再度底までビシを落として、同様にコマセをまいて探ってみよう。
アジの活性が高いときは、多少タナがズレていてもアタリはくるが、活性が低いときは、タナが合わないとアタリが全くこない。
2度目のタナ取りは、最初のタナ取りよりも正確にタナを取ることができるので、必ず2回は探りを入れることと大船長はいう。
「最初の投入で底ダチ取りをしっかりやっていても、仕掛けは潮の流れを受けて斜めに入っていることが多ですからね。その状態でコマセをまいてタナを取るので、タナが合ってないことが多いんです。その証拠に、少し時間が経つと道糸が立っていきますしね。その点2回目は、すでに道糸が立っているので正確にタナを取ることができます」と大船長。
ちなみに、LT用のビシは小型でコマセの容積が少ない。
1度タナを取り直したら、通常はコマセがビシから出きってしまうので回収。
コマセを詰め直して再度投入しよう。
冬場は小型の食いが活発になる。
その小型が美味しいことは、先に述べたが、ダブルやトリプルと連チャンで掛かってくると、その処理にも困る…。
「そんなときは、タナを1m上げてみて下さい。比較的小型の層の上を中型以上の良型が泳いでいるケースがあり、大型の単発でアタリがきます」とのこと。
やり方は上記イラストの通り。
コマセのまき方は一緒で、下にまいたコマセに小型を集め、良型をタナの上で狙うといったイメージだ。
基本的にアジは向こうアワセで良いが、今の時期は、活性は高いものの掛かりが浅い傾向もある。
最初のアタリですぐに巻き上げず、次の引き込みを待ったうえで軽く聞き上げ、アワセを入れてから巻き上げること。
東京湾・鶴見~横浜沖 LT”金”アジ 釣行レポート

LTは感度が良いので明確にアタリを届けてくれる

これぞ東京湾ブランドの金アジ! 良質な脂がボディ表面にまで染み出て黄金色に輝いている

25㎝までの中型は、抜き上げで取り込んで手返し良く釣って数を伸ばそう

「湾奥のアジは格別ですからね。中型は、お腹周りがふっくらして美味しそうですよね」とご満悦

現在は中型と小型のアジが混在している状態。船長の指示ダナは底から2~3m。「小型が低めのタナにいる傾向があるよね」と船長

LTは軽く、アタリが明確に出るので子供でも楽しめる

この日は小学4年生が50匹以上を釣り上げた
ダブル連発!!

活性高し!この日はアタリの後、少し待つだけで追い食いさせることができた

ポイントまでの行程は20分。近場でこんな釣りが楽しめる

「LTはアジ本来の小気味良い引きが楽しめますよね」

最近はゲストにクロダイが良くまじる

サバも常連のゲスト。この時期の湾奥のマサバは激うまだ

シーバスが小アジに食いついてくることもある

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・川崎「つり幸」
誰もが扱え、アタリも明確に出て簡単に魚が釣れる!
そんな展開で楽しめるLT(ライトタックル)でのアジ釣りが鶴見沖から横浜沖にかけて絶好調だ。
「水深も20m前後と浅いので、より釣りやすくビギナーはもちろん、入門者や子供、女性も楽しんでいますよ」とは取材にうかがった川崎「つり幸」の大船長、幸田一夫さん。
現在釣れているサイズは、食べ頃の15~25㎝の中、小型がメイン。
それに30㎝クラスの大型がまじるという。
「サイズは日ムラがありますが、冬場はこの小型が特に絶品でね」と大船長。
東京湾のアジは泣く子も黙る激うまの〝金アジ〟だ。
この中、小型は脂の乗り加減が絶妙で、タタキやフライ、南蛮漬け、さらに朝食用の干物にも持ってこいとのことなので、しっかり釣って食味も楽しもう。
さて、そんな絶品アジを釣るには、振り出したコマセの煙幕に仕掛け(エサ)を同調させて食わせることがセオリーとなる。
攻略法をチェックすれば、誰もが簡単に釣れるのでぜひ実践してほしい。
ちなみに取材は午前船に乗船し、トップ80匹オーバーの爆釣を記録。
「海水温も温かく、反応は広範囲に出ています。どのポイントも活性が高いので、今後も間違いなく楽しめると思いますよ」
バッチリ釣れる東京湾のLTアジ。
2021年のスタートダッシュを決める初釣りにも超オススメだ!!
以上の記事は「つり丸」2021年1月15日号の掲載記事です。
つり丸の最新号 2021年1/1号 (発売日2020年12月15日)、電子書籍(デジタル版)は税込み600円。今なら初回500円割引やレビュー500円割引もあります!また、定期購読なら割引や送料無料!