幕府献上の由緒ある超美味鯛を新しい釣法タイラバで初ゲット!
金沢八景の「野毛屋」では、潮が大きい日にはマダイ、小さい日にはアオリイカというのが、秋から冬のメニュー。
水温が低下しマダイの越冬時期に入ってから、横須賀沖のマダイが好調に釣れている。
5.6㎏、4.2㎏の大ダイも登場し、数ではトップ10枚の日もあり、春秋のハイシーズン並みの釣果が出ている。
かつてはエビタイ専門も、今回はタイラバで挑戦

私は「野毛屋」には、エビタイ乗合を始めた頃から通っているが、近年はエビエサの釣り人は徐々に減っていき、今はほとんどがタイラバの釣り人となった。
時代の波には逆らえない、私もエサ釣りからタイラバに宗旨替えすることに決めた。
取材前日に釣り具屋へ駆け込みタイラバを購入し、LTアジ用の竿とリールを持って、「野毛屋」へと向かった。
マダイ船の舵を握るのは黒川勇治船長。
「タイラバでは本命を釣ったことないので釣り方を教えて!」と頼んでおいた。
隣に行橋眞生船長に入ってもらい、竿を出しながら教えてもらう。
ドラグ調整は緩め、巻くスピードはこんな具合、竿の角度はこう、とアドバイスをもらったり質問をしたりで、なんとか格好は付いて、あとはマダイを釣るだけだ。
水深は70mが中心、オモリは80g(潮が速いと100g)。
底から10mの範囲を巻いては落とす。
私のリールだと18回ハンドルを回せば約10m巻けるので、底に着いて糸ふけを取ったら頭の中で、1、2、3…と18回転まで数えながら巻いては、また底まで落とすの繰り返し。

人気急上昇のタイラバのほか、エビエサのひとつテンヤで狙うのもOKだ
初挑戦初ボウズ… リベンジだあ~!
結論から書くと、この日私はボウズ。
船では2.3㎏を含め9枚のマダイにトラフグ、ホウボウなどが上がってまずまずの釣果だったが、私はアタリ無しで終わってしまった。
マダイ狙いにボウズは仕方ないが、今だにタイラバで釣ったことのないマダイ、せめてどんなアタリが来るのかだけでも経験したい。
もうひと頑張りしようと3日後に再チャレンジを決めた。
そのひと流しめ、ラッキーなことに船中最初のアタリが私にきた!
底から5回ほどリールを巻いたところで、コツ! と明確なアタリ。
おお? これがタイラバのアタリか? とそのまま巻き続けるとハリ掛かりしたようで、穂先が断続的にグッ、グッと押さえ込まれた。
竿先をシャープに叩く感触が気持ち良い。
ドラグから糸を出すほど大きくはないが、典型的なマダイの引き方だ。
この魚の引きは何度味わっても、どんな釣り方でも、心がときめく。
バレないで、と思いながらリールを巻き続けた。
勇治船長がタモを出してくれた、800gの綺麗なマダイだった。
タイラバで釣った記念の1枚目。
初めての釣法で釣った魚に、新鮮な嬉しさが込み上げた。
他の釣り人も好調だ。潮が効いている時間帯は流すたびにマダイが釣れ上がる。
キロ前後を主体に2㎏級がまじる。
私も2枚を追加して満足釣果。
そしてハイライトは沖揚がり間際にやや深場のポイントを狙った流しだった。
3人の竿に同時にアタリ、どれも型が良さそうだ。
一人はバラしてしまったが、3.7㎏、2.2㎏の良型マダイが浮上した。
船中50枚に迫る大釣りも! こりゃあ乗っ込みも楽しみ
この日は船中21枚、1~4枚でボウズ無し。
マダイ釣りでは相当な好釣果、と思っていたら翌日は船中40枚、翌々日は船中49枚と厳寒期には珍しい大釣りが続いている状況。
今年は横須賀沖の越冬マダイの魚影はかなり濃いようで、落ちマダイのみならず、その後の乗っ込みシーズンも好釣果が期待できそうだ。
さて、無事にタイラバ初体験を済ませることができた。この釣り、想像以上に敷居が低いと感じた。
LTアジやマルイカ釣りをやっている人なら、新たに竿やリールを揃えなくとも手持ちの道具で流用できるし、タイラバの仕掛けセットを購入するだけで準備はOK。
仕掛けを落としては巻いての繰り返しで、単調ではあるが誰にでも簡単にできるという易しさがある。大型とのやり取りも、ドラグ調整さえちゃんとしておけば、難しい竿操作は不要という。
タイラバにのめりこむと、専用タックル、色とりどりのオモリやラバーを揃えたくなると思うが、ちょっと試しにやってみよう、という人でも手軽に始められる釣りだと言える。
そしてもうひとつ、横須賀沖のマダイは食味が抜群なのも忘れてはならない。
江戸時代には幕府への献上品とされていたブランドマダイ。
久しぶりに食べたが、旨味の強いその身はまたすぐ釣りに行きたくなるほど美味だったことを付け加えておきたい。
東京湾 横須賀沖 タイラバマダイ 釣行レポート
東京湾のマダイは寒くても元気いっぱい!! タイラバで船中40枚! 49枚!!

タイラバの釣り方は一定速度でタイラバを巻いてくるだけ。ビギナーにも入門しやすい釣りと言える
3.7㎏の グッドサイズも!!

取材日には3.7㎏の良型含みで船中21枚。寒い時期だけど、東京湾のマダイは元気いっぱいだ!!

取材翌日は船中40枚!翌々日は49枚!! 秋の数釣りシーズン以上?の食いの良さだ

トップ2桁釣果もあり

見るからに美味しそうなグッドサイズ。かつては幕府への献上鯛ともなった横須賀沖のマダイは食味もバツグン!

大ダイのほか青物も食ってくる。ドラグ調整だけはしっかりと!

ゲストで良型のトラフグ!

美味しい寒ビラメもゲットだ

タイラバを食ってきたアジ、さすがにデカい!

ホウボウなども。ゲストは多彩でアタリもけっこうある

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・金沢八景「野毛屋」
東京湾の横須賀沖で、落ちのマダイが絶好調の釣れっぷりだ。
金沢八景の「野毛屋」では取材日に3.7㎏の良型含みで船中21枚、翌日は40枚、翌々日は49枚と、まるで秋の数釣りハイシーズンのような好釣果が続いている。
「野毛屋」が攻める場所はコマセ釣り禁止の海域なので、釣り方はエビエサのひとつテンヤかタイラバになる。
近年はタイラバで狙う人の割合が圧倒的に多くなり、釣果もタイラバがエサ釣りを凌駕する状況が続いているという。
水深は60~70m、タイラバは80gと100gを潮の速さによって使い分け、海底から10mまでを探る。
コツコツとアタリが来たらそのまま巻き上げるとハリ掛かり。
マダイ特有の首を振る引きが伝わり、良型だとドラグから糸が引き出される。
ドラグ調整がバラしを防ぐキーポイントだ。
初めての人は船長に調整を見てもらおう。
ゲストにはヒラメ、トラフグ、ワラサ、ホウボウなど多彩な高級魚がまじるのも東京湾の特徴だ。
落ちダイ狙いは3月まで続き、その後は春の乗っ込みダイ狙いとなる。
冬場は潮の具合が良い日が多く釣りやすく、タイラバ入門にもうってつけだ。
マダイ船の舵を握るのは、ベテランの黒川勇治船長と新進気鋭の行橋眞生船長。
今年から船を増やし、状況に応じてマダイ乗合やフグ乗合を2隻出しで対応する。
以上の記事は「つり丸」2021年3月1日号の掲載記事です。
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