冬場は近場の水深40m前後で 五目釣り!メイチダイに注目 ハリス全長8m 2本バリで釣ろう

冬場は近場で大流し釣り。五目釣りを楽しむ

広々とした船上で冬の五目釣りを満喫しよう
御前崎沖は近場ながら遠征釣りと同じような魚が釣れるのが魅力だ。
老舗船宿の「博栄丸」では、近年、12月~2月は石花海のヤリイカ、3月~5月は乗っ込みマダイ、6月~9月金洲、10月~11月マダイ五目というのがおおざっぱな年間釣りものだったが、今年の冬は石花海のヤリイカが絶不調。
なので、昔と同じく近場でマダイ五目釣りを行っている。
「1月中は数えるほどしか出船できませんでしたが、出るたびに五目釣りを楽しめました。本命はマダイですが、水温が高いこともあって、海のなかはまだ秋ですね。いろんな魚たちが活発です」と、若船長の大澤洋輔さんが話す。
「近年この海域に顕著に増えているのがメイチダイです。以前は数枚まじるくらいでしたけど」と、どちらかといえば南方系の底魚であるこの魚が、連日たくさん釣れている。
この魚はまとまって釣れることは少なく、ゲスト扱いの魚だが、実は食べておいしい。魚市場では高値で取り引きされているほど。
「これからいつもメイチダイが釣れるとは限りませんが、この魚の認知度も高めていこうと思ってます。水温が下がれば、マダイがまとまって来ることもあります。今後は乗っ込み終了までマダイ釣りメインにやって行きます」とのこと。
例年乗っ込み前の2月3月に記録的な大ダイがキャッチされているのも事実だ。

高水温が継続する御前崎沖。ハリス全長8m・2本バリで

2月になったというのに例年より高水温が続く御前崎沖。
黒潮による影響が大きいという。そのため、ポイントとなる御前崎沖水深40m前後も水温は高めだ。
「海のなかは温かく魚たちの活性が高いので、通常より短い仕掛けで釣ってもらってます。マダイもコマセをまくと突っ込んでくる傾向があるんですよね」とは大澤船長。
御前崎沖では、ポイントが広大なため船は大流しが可能だ。
釣り方はとくに変わらず、通常のオキアミコマセ釣り。
マダイがメインターゲットなので通常シーズンはハリス長10mが主流。
乗っ込みポイントのオモリではハリス長は15~20mとロングになるが、近場では乗っ込み期でもハリス長10mが基本。
8mというのはそれよりも短いことになる。
これを2本バリ仕掛けにすることで、さらに五目釣り要素が増すのだ。
なかなかアタリが出ないとき、どうしてもハリスを長くしたくなるが、この環境下ではあまり意味がない。
エサがボトム付近を漂うこととなり、根魚がヒットしたり根掛かりの原因となることが多い。
タックルは通常のコマセマダイタックル
タックルは普段使い慣れたコマセマダイタックルでOK。
五目釣り要素が強いので、頻繁に仕掛けの上げ下げをすることから、竿は2~2.3mほどのショートロッドが扱いやすい。
ポイントの水深が40m前後なので、リールは手巻き両軸でも可能だが、手返しのことを考慮すれば、電動リールがベターだ。
道糸はPE4~5号を300mほど収納してあればよい。
仕掛けはシンプルに! エサ取り魚対策で目立つものはNG
乗っ込みではないので仕掛けはシンプルでOKだ。
中型テンビンに2㎜径1mのクッションゴムを接続。
そこからハリスとなるが、上ハリス6~8号4m、小型サルカンを介し下ハリス4~5号4m2本バリが基本仕掛けとなる。
枝バリは30㎝以内が扱いやすく、枝バリは下ハリスの中間か下バリから1.5mくらいのところから出すのがよい。
夜光ビーズやシェルビーズ、パイプなどハリのチモトにアピールアイテムを付けたいところだが、ウマヅラやフグなどエサ取り魚が非常に多いのでそれらは付けないほうがいい。
水温が下がったり、魚の活性が低いときやエサ取り魚がいないときは、逆にアピールアイテムを付けてみよう。
つまり、状況に応じてビーズ類は付けるか否かを判断する。
付けエサはオキアミ 1匹掛けが基本
付けエサはオキアミだ。
基本的にはコマセのなかから目が2つあり身がしっかりとしたものをチョイスし、尾羽根を斜めにカットしてハリに付ける。
エサ取り魚が多いときは、2匹抱き合わせにするとシルエットが大きくなり目立ち、すぐにエサを盗られてしまう。
こちらもビーズと同じ考えでエサ取り魚が少ないときに抱き合わせにする。
コマセのドバまきは必要なし 指示ダナ付近で誘い動作を

さて、釣り方だが、一般的なコマセマダイとほぼ同じだ。
コマセのドバまきは必要なく、マダイたちにオキアミの味を覚えさす程度、つまりパラパラまきでOK。
だから、ビシカゴのなかにはコマセのオキアミは入れても半分もしくは7分目までよい。
ビシを投入したら船長の指示ダナの7m下までビシをおろし、2~3回ほどに分け軽くコマセをシャクリだして、指示ダナでアタリを待つ。
基本は置き竿だ。
しかし、置き竿で待つのは3分以内。
3分経過したら仕掛けを回収し付けエサをチェックする。
船は大流しなのでこの動作を繰り返そう。
誘いは落とし込みがメイン 指示ダナより上から行う
誘いをするならやはり御前崎沖でも落とし込みが有効。
船長の指示ダナは底から10mほど上であることが多く、基本的にはベタ底狙いの釣りなので、指示ダナからの落とし込みではなく、指示ダナより3~5m上からの行うことが有効だ。
この誘いを行ったあと、1分ほど待ってアタリがないときは仕掛けを回収して付けエサを確認しよう。
誘いは本命マダイにアピールになるが、エサ取り魚たちにもアピールするからだ。
枝ス結びを覚えて 2本バリ仕掛けを作ろう!

乗っ込み大ダイの仕掛けの基本は1本バリだが、御前崎エリアでは、五目釣り要素が強いので2本バリ仕掛けが主流となっている。
船上でも枝スを作れるようにここで枝バリハリスの作り方を学ぼう。
編み込みをきちんとすることで、不意の大物にも耐えうる強度を発揮可能だ。
【御前崎沖】マダイ五目 釣行レポート

冬場のメインポイントは御前崎灯台沖。北東風に強いところだ

綺麗なマダイがあがった。海は暖かくさまざまな魚たちが活発だ

朝いちにヒットしたマダイ。コマセのなかに突っ込んでくるくらい活発だ

このサイズは数釣りできる

水温が下がればこんな良型の連続ヒットも珍しくない。この季節は行ってみないと海の中の状況は分からないのだ(画像は大澤船長提供)

乗っ込み期よりも大ダイがあがる確率が実は高い? かもしれない厳寒期の御前崎沖(画像は大澤船長提供)
アタリは頻繁! マダイロッドで気持ちいい 引きを楽しもう!!

アタリは頻繁だ。気持ちいい引きをめいっぱい楽しめる

本命はマダイだが、ちょっと小ぶりでもうれしいもの。今期はメイチダイ(左)が多い
新たな メインターゲット!? メイチダイ!!

これが今後新たなターゲットになりうるメイチダイ。白身で味が濃くかなりおいしい

これが今期の第2本命!? メイチダイ。良型が多い

コイのような口をしているのでバス持ちができる

生け簀のなかはメイチダイ水族館

このサイズはなかなかのもの

なんとメイチダイだけでこの釣果

高級魚のオオモンハタがまじった

イサキは常連ゲスト。寒イサキは身厚でおいしい

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・御前崎港「博栄丸」
「黒潮が近いせいか例年よ りかなり水温が高い状態が続いているので、いろんな魚たちが活発ですよ。だから、仕掛けはハリスの全長8m、2本バリでやってます」とは、御前崎港の老舗「博栄丸」の大澤洋輔船長の言葉。
“風の通りみち”ともいわれる御前崎沖は、その言葉のとおりシケのため冬場の出船回数は少ない。
だが、出船可能な日は近海ではなかなか味わえないような体験をできるのが魅力のひとつ。
例年ならこの時期は石花海のヤリイカ釣りが盛んだが、今期は不調なので、昔のように御前崎沖の近場のマダイをコマセ釣りで狙っているのだ。
「前回は大ダイが活発でしたが、今日はメイチダイがメインでマダイまじりという展開になってますね」と船長が話すように乗船日は、伊豆諸島などのシマアジ釣りでよくまじるメイチダイが活発にヒット。
この魚はあまり知られていないだろうが、実は高級魚。
魚市場では高値で取引されている白身の魚なのだ。
「以前たまにしか釣れなかったメイチダイですが、最近かなり増えてきてますね。まあ、おいしい魚なのでウエルカムです。みなさんもぜひ釣ってください」とのこと。
そのほか、イサキはむろんカンパチやハタなどもまじり乗船者全員、クーラーのなかは賑やかでお土産は十分。
今期は今後、マダイ五目をメインにして春の大ダイ乗っ込みまで継続していくという。
お手軽感がいっそう増しえている冬の御前崎沖へは天気と相談して行こう!
以上の記事は「つり丸」2021年3月1日号の掲載記事です。
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