名手に聞く 絶好調シーバスジギングの基本タクティクス
年明けの開幕から絶好調!平均で40~50本という日も

東京湾が誇る伝統のルアーゲーム、シーバスジギングが好調だ。
ここ数年、いまひとつ盛り上がりにかけていたせいか、様子見を決め込んだ船宿が多いなか、本牧「長崎屋」では、年明け早々から出船をスタート。
以降、2月初旬現在まで、順調な釣果を記録しつづけている。
「とくにスタート直後はバリ食いって感じでした。ここにきて少し水温が低下してきたので、渋くなるときもありますが、それでも好調です。今年はベイトのイワシが多いですし、シーバスの数も多いと思いますよ」
釣れっぷりがよいせいだろう、シーバス船担当の長崎功船長の口調も軽快だ。
セイゴクラスを数釣るのならほかに場所があるが、これを避け良型が揃うポイントを転戦する余裕もあるようだ。
1月中は40~50㎝をアベレージに、トップ100本超という釣果が何回も記録されている。
トップだけでなく平均で40~50本という日もあり、釣れ過ぎて早揚がりという日もあったようだ。
1月下旬の取材日も、日ムラが出てきた状況下にあって順調な1日だった。
トップは62本、70㎝オーバーも数本キャッチされたうえ、良型のタチウオもまじった。
アベレージサイズでも元気いっぱいのシーバスを釣りまくり、「手首が痛いです」という声もあちこちで聞かれた1日だった。
ベイトもシーバスも数が多いということなので、2月中旬も好調持続が期待できるだろう。
まずは基本タックルを整理、メインラインはPE1号前後
好調と聞き、挑戦してみたい、久々にやってみたい、と思った方もいるだろう。まずは基本タックルを整理してみたい。
ロッドは6ftクラスのライトジギング用ロッドから選べばよい。
ガンガン釣りたい人は硬め、1本1本を楽しみたい人は軟らかめと硬軟は好みでOK。
とりあえずやってみたいという人はバスロッドやキス竿などでもなんとか楽しめる。
リールは小型ベイトリールを使用する。
試してみたい、という方ならどんなものでも使用は可能。
しかし、より快適な釣りを求めるなら、中級機以上の、剛性感があるものを選びたい。
巻いては落とす、という動作を繰り返すシーバスジギングでは、リールへの負担がとても大きいからだ。
メインラインはPE1号前後を使用する。
1mおきまでとはまで言わないが、10m程度の色分けがされたラインのほうが使いやすいだろう。
リーダーは30 Lb前後を1.5m程度結節しておく。
フロロカーボン製でもナイロン製でもよい。
メタルジグは80gを中心に揃えておく。
センターウエイトでヒラヒラと落ち、よく泳ぐタイプと、スーッと落ち、スーッと上がってくるもの、2タイプが基本。
さまざまなタイプがあるので試してみるとよいだろう。
カラーは好みでよいが、派手&地味の両極端なものは必ず用意しておきたい。
水色は毎日のように変化する。
はっきりヒットカラーに傾向が出るときもある。
カラーローテーションでバイトを得るためにも、いくつかのバリエーションを用意しておくことをおすすめする。
名手・若林さんの タックルセレクトを紹介
ここからは、1月下旬までに100本超えの釣果を3回も記録、取材日も62本をキャッチしてトップ釣果を記録した常連さん、若林さんのタックルセレクトを紹介しよう。
若林さんはプロセレというメーカーのデザイナーも務めており、多くのジグのリリースに関わってもいるアングラーでもある。
とにかく数を釣る。
スイッチが入ったときの爆発力は圧巻。
ジグアクションなどの奥義秘技はちょっとやそっとでは真似することが出来ないが、タックルセレクトはおおいに参考になるはずだ。
全体的にはパワータックルと呼べるだろう。
ロッドはプロセレ製ロタシオン ベルサリオ59Bをメインに使用。
シーバスジギング用スペシャルロッドとして若林さんがデザインしたロッドだ。
リールはシマノ製バンタムMGL RIGHT。
ギア比が1対6.2のモデルで、小型ながら若林さんのように連日バリバリと釣ってもヘコたれない堅牢さが魅力という。
メインラインはPE2号、リーダーは40 Lbを使用。標準的なものよりメインライン、リーダーともに太目だが、耐久性を考慮しているほかに、ジグのフォールスピードが抑えられる、という利点があるという。
手練れならではのセレクトだ。
ジグはプロセレ製の各アイテムを使い分けている。
基準となるのは定番ジグのアンチョビット。
ゴビアス プチブルはフォールが速く、巻きでは強い波動を起こしてシーバスを誘う。
小さなベイトを捕食しているときにも有効だ。
アンチョビット アンセスターはベタ底に張り付いているようなときにスパイラルフォールでアピールする。
アンチョビット ナゲットはときに爆発するジグ。
とりわけ春に効果的とは若林さん。ゴビアス ダイルは長めのリトリーブからのスライドフォールを武器としたジグで万能選手でもある。
ウエイトはすべて80gを使用している。
以上、名手のタックルセレクトを紹介した。
ぜひ参考にしていただきたい。

若林さんのジグはプロセレ製の各アイテム。各ルアーの性能を状況に応じて使い分けるという。写真右上からゴビアス ダイル、ゴビアス プチブル、アンチョビット、アンチョビット アンセスター、アンチョビット ナゲット
東京湾 シーバスジギング 釣行レポート

ワクワクする出船前のひととき。準備を万端に整えておきたい

京浜運河内で大型狙い。浅場ではキャストし、横方向に幅広く探るのが有効だ

ボトム周辺に魚群が待ち構えている? 理想的な魚探反応だ

ベイトについて回遊しているシーバスはファイトも強烈

今年、100本超えの釣果を3回記録している若林さん。取材日も62本キャッチでトップ釣果を記録

レンタルタックルで良型を連発し男性陣の注目を集めていた紅一点

大型船周りで唯一の70cmオーバーをキャッチしたのは齊藤さん。お見事!

74cmを仕留めたのは若林さん。自身がデザインしたアンチョビット80gマットサッパカラーが効いた!?

「ヅケにすると一週間くらい持つし、本当に美味しいんですよ」と教えてくれた食味派アングラー

このサイズになれば引きは十分に強い!

常連さんは安全を確認して手際よく抜き上げるが、慣れない方はリーダーを掴んで船内に入れるのがおすすめ!

40本以上をキャッチしていた常連さん

良型のタチウオがまじった

指4.5本!? グッドサイズのタチウオ登場!

トラフグも2本キャッチされた

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・本牧「長崎屋」
「今年は凄くシーバスの数が多いと思います。1月にはトップで100本オーバーという日が何日もありました。少し水温が下がって数は落ちてきましたが、それでも好調といっていいと思いますよ」
東京湾のシーバスジギングは、ここ数年不調が続いた。
理由がコレ!とは分からないが、とにかくいまひとつだった。
しかし、今年は違う!これまでの鬱憤を吹き飛ばすような釣れっぷりなのだ。
1月下旬の取材ではスタートから好調な食いっぷり。
水深25m前後に停泊している大型船周りを攻めるパターンが炸裂。
セイゴサイズはまじらず、40~60㎝クラスがコンスタントに釣れ続き、これに70㎝クラスがポロッと出る展開。
確かに絶好調だ。
船上の誰もが楽しんだに違いない。
しかし、数の差が出るのも事実。
その日、その時のヒットパターンを探りつつ、探り続けた人はやはり数を伸ばしていた。
後半は京浜運河内の13m、15mといった浅場を攻めるビッグワン狙い。
これがピタリ的中。
惜しくもバラしてしまった方もいたが、キャッチされたのはこの日の最大サイズ74㎝!
数、型ともに満足できる一日となったはずだ。
2月中旬も期待は十分。
ぜひ釣りまくっていただきたい。
以上の記事は「つり丸」2021年3月1日号の掲載記事です。
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東京湾ならではのシーバスジギング船の光景だ。この大型タンカーの周りにシーバスが集結していた