手強い面もあるけれど、それがおもしろく つい熱くなってしまう!!

メインの釣り場は中ノ瀬の水深20m台

取材時は中ノ瀬の水深21m前後を狙った
金沢八景「荒川屋」では、この時期、釣り時間が長めの日中シロギス船と釣り時間が短めの午前午後シロギスで出船している。
日中船ではいい日でトップ40匹台や50匹台を記録することもある。
午前、午後船では、トップ20匹前後の釣果が記録されている。
今回の取材では1月末に、「荒川屋」の午前シロギス船に乗船。
前半は北風が強く、ウネリもあって釣りづらかったが、トップは14匹。
二番手は13匹が複数人いた。
取材当日の釣り場は、中ノ瀬の水深21m。
取材前には水深24、25mの場所も狙っていたという。
この時期は水温が下がったり、海がシケるなどすると食いが渋くなることもしばしば。
基本を押さえていないと難しくなるので、このあとに解説した釣り方をしっかり読んでチャレンジしよう!
スピニングタックルでもベイトタックルでもOK

基本的なタックルは、シロギス専用竿に小型スピニングリールの組み合わせ。
「荒川屋」での使用オモリは15号。
竿は15号オモリに対応できるものを選ぶこと。
そして、リールには道糸として、PEラインの0.6~1号を150m以上巻いておこう。
スピニングリールがなければ、手巻きの小型両軸(ベイト)リールでもOKだ。
仕掛けをキャストしなくても、船下で十分釣れるので、両軸リールでも問題はない。
また、少しぐらいなら両軸リールでもキャストは可能だ。
オススメ仕掛けは胴付き仕掛け

「荒川屋」で用意している胴付き仕掛け
シロギス釣りの仕掛けは、大まかに分けると2種類。
一つは小型の片テンビンを介した吹き流し仕掛け。
そして、もう一つは胴付き仕掛けだ。
テンビン式は、古くから使用されてきた仕掛け。
一方、胴付き仕掛けは、テンビン式に比べれば新しく登場した仕掛けだが、近年の東京湾ではこちらのほうがよく使われている。
その理由は、扱いやすいからだろう。
胴付き仕掛けは、仕掛けの構造上、絡みにくく、またアタリがわかりやすいのが大きな特徴。
そのため慣れないビギナーでもトラブルが少なく釣りを楽しめるのだ。
「荒川屋」の和田雄太船長もオススメの仕掛けは胴付き式。
上の写真が「荒川屋」で用意している仕掛け。
1本バリと2本バリの2種類を用意。オモリは「荒川屋」では15号を使用している。
もちろんテンビン仕掛けを使ってもOK。
好みで胴付き仕掛けかテンビン仕掛けを使うといいだろう。
ハリスの太さや長さ、ハリの種類と大きさなどは仕掛け図を参考に。
「荒川屋」で配られる付けエサはアオイソメ。
頭から2~3㎝ぐらいのところをカットし、その切り口からハリ先を刺し入れ、ハリの軸に対して真っすぐになるように付ける。
そしてイソメの長さは5㎝ぐらいにする。


付けエサはアオイソメ

アオイソメは頭部を切り、ハリの軸に対して真っすぐになるように刺す。イソメの長さは5cmぐらい
オモリを底にキープして10秒に一度オモリを浮かす

和田船長に教えてもらった胴付き仕掛けの釣り方を示したのが上のイラストだ。
まず仕掛けを投入。
投入の際は仕掛けはキャストするのではなく、船下(自分の目前)に投入する。
船下で十分釣れるからだ。これに関しては後で解説する。
オモリが着底したら糸フケを取る。
そしてオモリを海底に着けたまま、道糸を張らず緩めずの状態にしてアタリを待つ。
この時、オモリが底に着いていても、オモリの重さを感じて竿先が海面に向かって曲がるようではダメだ。
カワハギ釣りやマルイカ釣りのときのゼロテンの状態で待つようにする。
10秒待ってアタリがなければ、竿を起こしてオモリを浮かせてから、再度着底させてゼロテンでアタリを待つ。
これを繰り返していく。
アタリがあったら、とにかくアワせること。
アワせ方は、竿を起こして聞き上げるようにするのが基本。
状況次第では、ピシッとシャープにアワせるほうがハリ掛かりしやすいときがある。
聞き上げるアワセで掛かりが悪い時は、シャープにアワせたり、大きくアワせるなどいろいろ試してみよう。
ハリ掛かりしたら、シロギスは小気味よい引きで抵抗する。
その引きを楽しみながら、一定の速度で巻き上げてくる。
巻き上げを途中で止めたり、糸を弛めるとバラシにつながるので注意しよう。
船下狙いで釣れる理由

前述したように、仕掛けをキャストしなくても船下狙いで十分に釣れる。
その理由を解説しよう。
船上で釣りをしていると船は一カ所に止まっているように思えるが、実際にはそうではないことが多い。
潮が流れ、また風が吹いていれば、船は流されていく。つまり船下に仕掛けを下ろしていても、船は移動していくので違う場所を探って釣っていることになるのだ。
これがキャストしなくても船下狙いで十分に釣れる理由なのだ。
仕掛けをキャストした方が広範囲を探ることができるように思えるが、キャストする方向によってはあまり探ることができていない場合もある。
また、うまくキャストできないと、オマツリをするなど周囲に迷惑をかけることもある。
そのため、慣れない人は船下を狙うのが手堅く釣果が期待できるだろう。
潮が流れず、風も吹いていない状況であれば船は動かないので、キャストしたほうが広範囲を探ることができる。
そんなときは船長から指示やアドバイスがあるだろう。
【東京湾・中ノ瀬】シロギス 釣行レポート
手強い時もあるけれど それがムズおもしろくて つい熱くなってしまう!! 食べても美味しいよ!!

シロギスは小気味良い引きが楽しい!

まずは1匹!

阪本智子さんも本命をゲット!

慣れた人はコンスタントに食わせていった

冬場のシロギスは手ごわいときもあるが、それがおもしろい

良型をゲット!

親子でチャレンジ!

こちらも親子で挑戦

「パパ釣れたよ~!」

キッズアングラーもこのとおり!

胴付き1本バリ仕掛けで数を伸ばした!

当日は渋いながらも、全員が型を見た!

この時期のシロギスは、とても美味だという!

当日のシロギスは気難しく、「ムズおも」の状況

イシモチもまじった

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・金沢八景「荒川屋」
「アタリを出して、掛ける」という釣りを手軽に楽しむなら、東京湾のシロギスがオススメだ。「水温が低いこの時期は、気難しいときもありますが、それがおもしろいですよ」と話すのは、今回取材した金沢八景「荒川屋」の和田雄太船長。
金沢八景「荒川屋」のシロギスは釣り時間が長めの日中船のほか、午前&午後の半日船でも出船している。
今回は午前シロギス船に乗船した。
当日のシロギスは気難しく、アタリはあれど、ハリ掛かりが悪かった。
アワせても掛からなかったり、巻いている途中に外れるなど、難しくておもしろい「ムズおも」の状況であった。
それでも、貸し竿のビギナーを含め全員が本命のシロギスをゲットした!
「荒川屋」ではレンタルタックルを完備しているので、ビギナーでも気軽にチャレンジできる。
ファミ リーや友人との釣行にもオススメだ!
以上の記事は「つり丸」2021年3月1日号の掲載記事です。
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厳寒期のシロギスは食べても美味!