朝イチに寒サバを狙い その後ヤリイカに移行

今年の外房では、1月末ぐらいから脂が乗った寒サバが釣れ出した。
そして時を同じくして、ヤリイカも盛り上がってきた。
寒サバもヤリイカもポイントが近いということもあって、この時期の外房では、朝イチに寒サバを狙い、その後ヤリイカを狙うリレー釣りで出船する船が多い。
今回取材した御宿岩和田港「太平丸」では、2月に入るると寒サバ&ヤリイカリレーを開始。
2月後半の時点では、どちらもまずまず好釣果が記録されている。
朝イチに狙う寒サバは、マサバがメイン。
大型が多く、なかには丸々太った1~1.5㎏の特大サイズもまじる。
この時期のマサバは脂が良く乗り、とても美味。
とくに大型は極上物で、このサバを目当てに来る釣り人も多い。
寒サバは3月前半ぐらいまでがシーズン。
ヤリイカはトップ30杯台や40杯台を記録する日もある。
この時期は、パラソル級の大型の多点掛けが期待できる。
ロングランで続き、5月ぐらいまで狙えるだろう。
◆寒サバ編
寒サバ狙いのタックルと仕掛け

「太平丸」では、寒サバを狙う時は200号のオモリを使用する。
そのため竿は、オモリ200号に対応した7対3調子の2~2.4mぐらいがベスト。
取材当日は鈴木新太郎さんに同行していただいたが、新太郎さんはシマノ「ディープチェイサー200ー200」を使用していた。
オモリ100~300号に対応した、全長2mの中深場用ロッドだ。寒サバ釣りにピッタリの調子だった。
リールはPEラインの4~5号が300m以上巻ける小型電動リール。
大型のサバが7、8匹掛かっても難なく巻き上げられるパワフルなモデルがオススメ。
ちなみに新太郎さんは、シマノ「ビーストマスター3000XS」を使用していた。
仕掛けはフラッシャーサビキ。
ハリに巻くフラッシャーのカラーは、紅白、またはピンクや赤だけでもOK。
サイズのいいサバが掛かるので、枝スは8号、幹糸は12号以上にすること。
枝ス6号、幹糸8号の仕掛けでは切れることもある。
新太郎さんは枝ス12号、幹糸30号という極太仕掛けを使用していた。
枝スや幹糸が太い方が切られづらく、また仕掛けをさばきやすくなり、絡むなどのトラブルが少ないのが利点だ。
ハリはムツの16~17号、ハリ数は7~8本ぐらい。

寒サバはフラッシャーサビキで狙う
タナの範囲を探り、アタったら追い食い狙い

釣り方は上のイラストのとおり。
船長から「120~130m」のようにタナが指示されるので、指示ダナへと仕掛けを落としていく。
指示ダナの上限の数m手前からはリールのスプールをサミングしてゆっくり落としていく。
仕掛けが指示ダナに入ってアタリがあったら、そのまま待って追い食いさせる。
数が付いたら巻き上げる。
ここで新太郎さんの追い食いテクニックを紹介しよう。
アタリがあったら仕掛けの落下を止め、グイグイ下に引き込むときはマサバが掛かっているという。
この場合は仕掛けの長さ分糸を送り込んでいくと追い食いしてくる。
逆に上へと引いて糸が弛むときは、ゴマサバが掛かっている可能性大。
この場合は即座にリールを巻いて糸フケを取ろう。
その後も糸が弛むようなら、電動で巻き上げて回収する。
取り込みは一度船内に仕掛け入れる。
そしてオモリを海中に入れ、下のハリから魚を外しながら仕掛けを海中に入れていくと絡みづらい。
掛かった魚を全て外し、リールのクラッチを切ればすぐに再投入できる。
◆ヤリイカ編
ヤリイカのタックルについて

「太平丸」ではヤリイカ狙いの時は150号のオモリを使用する。
そのため竿は、150号のオモリに対応したイカ専用竿がオススメだ。
この時期は大型が多くアタリがわかりやすいが、二枚潮など状況次第ではアタリがわかりにくくなることもある。
そんなときのために、高感度穂先を搭載した専用竿があるといいだろう。
長さは1.5~2mぐらいが扱いやすい。
リールは何といっても小型電動。
この時期はパラソル級の大型ヤリイカの多点掛けが連発することも珍しくない。
多点掛けでも余裕で巻き上げられるパワフルなモデルがオススメだ。
道糸はPEラインの3号前後を必ず300m以上巻いておくこと。
仕掛けはブランコと直結を使い分ける!

仕掛けは状況によってブランコと直結を使い分ける
ヤリイカ仕掛けは、ブランコ式と直結式を状況によって使い分けよう。
基本はブランコ仕掛け。
11㎝のプラヅノを5~8本で組んだもの。
枝スは3号、10~15㎝。
幹糸は5~6号で、幹間は1.2~1.3mぐらいのバランスが標準だ。
ブランコ仕掛けでは、下から2~3番目に赤白のウキスッテを配置すると有効な場合がある。
ウキスッテばかりに乗ることも珍しくない。
ブランコ仕掛けは直結に比べると、バラシにくいのが最大の利点。
しかしサバが多く邪魔する時には、サバが掛かることで仕掛けの落下が止められてしまうことも珍しくない。
何回トライしてもサバが掛かってしまい釣りにならないときは、直結仕掛けに変えるといいだろう。
ただしタイミングを見図れば仕掛けが底まで落ちる、または同船者の何人かが海底まで落ちている状況なら、ブランコ仕掛けで粘っていた方がいい場合もある。
直結式はプラヅノ11~14㎝を7、8本で組んだもの。幹糸は8~12号、幹間は1.3~1.5mが標準だ。
直結仕掛けはサバが多い時に威力を発揮するが、糸を弛ませるとイカがバレやすい。
巻き上げ中はもちろんのこと、取り込み時にも仕掛けを弛ませないようにすることが大事だ。
基本は底付近を狙うが、浮いていればタナを探る

相模湾や東京湾口部のヤリイカ釣りは、反応を探しあてたら、投入合図を出して釣りがスタートする。
そして反応が消えると、すぐに回収の合図が出る。
つまりヤリイカ反応をピンポイントで狙い、ひと流しの時間が短いのが特徴だ。
これに対して外房のヤリイカ釣りでは、イカがいるエリアを広範囲に流すのが特徴。
このスタイルは「ぶん流し」とも呼ばれる。
そのため投入を急ぐ必要はなく、またひと流しに何回も仕掛けを上げ下げできるので、自分のペースで釣りをするといいだろう。
釣り方は上のイラストのとおり。
底付近を重点的に狙うのが基本。
仕掛けを投入し、オモリが着底したら、糸フケを取ってアタリを見る。
竿先がフワフワ動いていれば乗っているので、10mぐらいゆっくり巻いて追い乗りを狙う。
その後は中速で巻き上げる。
着底で乗っていなければ、オモリを海底から少し上げ、大きく誘い上げてから戻す。
これを繰り返して誘う。それでも乗らなければ巻き落としをしよう。
船長から反応が浮いているというアナウンスがあったり、海底より上で乗っているという情報があるなら、海底から10mぐらい上までを探るといいだろう。
【外房・御宿沖】早春限定!寒サバ&ヤリイカリレー 釣行レポート
朝イチは脂ノリノリの寒サバを狙って、その後は大型ヤリイカのノリノリを楽しむ!

寒サバは辺りがまだ暗いころからスタート

何匹掛かっているのか、取り込み前はワクワクする

新太郎さんは1投目から多点掛け

大野利広船長は1.5㎏級の特大マサバをゲット

こんな極太サイズがまじる

こちらも大型!

新太郎さんが乗せた!アタリを取るときは竿先の動きに注意しよう

2杯いる!

外房のヤリイカはこれからが本格シーズン!

外房のヤリイカ釣りを得意とする鈴木新太郎さんもこのとおり!

こちらは中型ヤリイカの一荷

ハイシーズンになると、こんな光景が船内のあちこちで見られる

この時期の小型ヤリイカは、ほとんどが卵を持ったメスだ

当日は全員が型を見た

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・御宿岩和田港「太平丸」
今年の外房エリアでは、2月に入ると寒サバが釣れ出した。
釣れるサバはマサバが主体。
良型が多く、1~1.5㎏の特大サイズもまじる。
この時期のマサバは脂がよく乗り、とても美味。
このサバを楽しみにしている釣り人も多い。
そして今年は、時を同じくしてヤリイカも上向いてきた。
サバは朝イチに食いが立つので、この時期は朝イチにサバを狙い、その後ヤリイカを狙うリレー船を出す船が多い。
そんな贅沢なリレー船を出すのが御宿岩和田港「太平丸」。
朝イチの寒サバは開始から入れ食いで、みなクーラー満タン。
大野利広船長自身も竿を出すほど、寒サバは美味しく魅力的なターゲットなのだ。
ヤリイカはサバの邪魔もあったが良型多く、3杯掛けもありまずまず。
取材後にはトップで30杯台を記録する日もあり、今後が楽しみだ。
寒サバは3月前半まで狙え、ヤリイカは5月ぐらいまで狙える見込みだ。
以上の記事は「つり丸」2021年3月15日号の掲載記事です。
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