シーバスジギングの近年のタックルの傾向 最新の釣り方とは!
水温上昇に転じれば食いが上向くのがシーズナルパターン
年明けのスタート直後の怒涛の食いっぷりは少し落ち着いた感があるものの、それでもトップ50本超、という日も多い東京湾のジギングシーバスゲーム。
サイズに関しても70㎝オーバーのスズキクラスこそポツポツながら、50~60㎝クラスがアベレージ、という状況も多く、サイズ、数ともに十分に楽しめる状況が続いている。
実釣取材では、船酔いに見舞われたり、釣りの手を休める人が出るほどの荒れ模様からのスタートとなった。
そんななかでも沖に停泊している大型船周りを狙いポツリポツリと拾い釣りを展開できた。
途中で風裏に避難したりしながらも数を重ね、最後は改めて大型船にトライ。
海況が落ち着いたこともあって大型も連発。
アベレージクラスも50㎝前後とまとまり、トップは20本弱。
悪条件に関わらず好調を裏付けるような釣果に恵まれた。
2月は最低水温期。
これが上昇に転じれば食いが上向くのがシーズナルパターン。
今後も十分に期待できるだろう
熟成されたシーバスタックル 近年の傾向とは?
使用タックルについて触れてみよう。
歴史の長い東京湾のシーバスジギング用タックルは熟成されている。
それでも近年の傾向や釣り方に多少の変化はある。以前の釣りに比べ、近年はややスピード感のある、しっかりした動きや派手めのカラーでアピールする釣りに分があるように感じる。
そうした傾向がタックル、とりわけジグなどにも現れている。
ロッドは6ftクラスのライトジギング用が使いやすい。
80gのジグの使用を前提に選ぶことが大切だ。
リールは小型ベイトリール。
慣れない方でただ巻きを中心に釣りを展開する方は、ハイギアのほうが使いやすいだろう。
ラインはPE1.5号前後、リーダーは20~30 Lbを1.5mというのが船宿のおすすめだ。
ジグは60~80gを使用する。
どちらかといえば80gがメインウエイトとなることが多い。
引き抵抗が小さいスリムな形状のものと、引き抵抗が大きい平たい形状のもの、大きく2タイプを揃えておくと、シーバスからの反応を探りやすい。
カラーはピンクなどのアピール系カラーが強いようだが、ナチュラル系カラーも用意しておいたほうが安心だ。
フックセッティングはフロントにシングル1本、リアにトレブルフック、というのが船宿のおすすめ。
どうしても掛かりが悪い場合は、チラシスタイルのフックをリアにセットするのも一手だ。

釣り方はただ巻き&フォールが基本。状況次第で応用も
釣り方の基本は、底を取ってから7~10回リールのハンドルを回し、クラッチを切って落とし直す。
これを「状況に応じて」2~3回を目安に繰り返したら回収、また投入し直すというのが基本だ。
リーリングはただ巻きでよい。
「状況に応じて」という点は、慣れないうちは判断が難しいかも知れない。
アタリが出る、出ないということよりもまずは、周囲の方の迷惑にならないように、ということを優先したい。
潮が速い状況ではどんどんジグが流されてしまう。
そうなると潮下の人の目の前にラインが横たわることになってしまう。
そうなると潮下の人は釣りづらくなるし、オマツリの原因にもなってしまう。
とくに先にポイントに入る釣り座の人はどんどん進行方向に投入していくことが大切。
状況次第では1投ごとに回収するくらいがちょうどいいときもある。
ただ巻き&フォールでアタリが出れば問題はない。
しかし、活性が低い状況、食いが悪い状況では、どうしても分が悪いときもある。
できればワンピッチジャーク、つまりロッドを1回シャクるのと同時にリールのハンドルを1回回すアクションをマスターしておきたい。
「巻き上げはとても重要です。食ってくるのはフォールのときが多いですが、やはり魅力的な巻き上げの動きでシーバスにアピールしなければ、ほかの人のジグのほうに行ってしまいますから。巻きで食わなくても派手に動かしてフォールで食わせる、そんなアクションがいいときも多いですよ」とは金子船長。
自分だけアタらない、というときは巻き上げのジグアクションについてしっかり考えてみるとよいだろう。
その際に注意したいのはタックルバランス。
考慮する要素としてはロッドの硬軟、リールのギア比、ジグのタイプが挙げられる。
つまり軟らかいロッドとローギアのリール、抜けのよい形状のジグの組み合わせはジグの生み出す波動が小さく、アピール力も小さい。
潮の流れが速いときや活性が高い状況では使いやすいかも知れないが、潮の流れが緩いときや食いが悪いときは一考の余地がある。
反対に硬めのロッドとハイギアのリール、扁平でブリブリとよく動くタイプのジグの組み合わせでは動きが大きすぎたり、潮の抵抗が大きく使いづらいこともある。
反面で潮の流れが緩いときはアピール力を発揮して効果大ということもある。
ロッド、リール、ジグ、それぞれの特性を考慮して、ジグアクションを考えてみると、よりシーバスジギングを深く楽しむことができるに違いない。

荒れた海況では丁寧なやり取りを行わなければバラシが多発してしまう。要注意だ
東京湾 シーバスジギング 釣行レポート
シーバスジギング絶好調! 水温が上昇に転じれば活発に食い始める好シーズン到来!

羽田周辺も攻めたが、この日はいまひとつ

ちょっとサイズがいい一本。このくらいになればファイトも強烈

船長の読み通りに登場した71cmの大型。早巻きからのフォールでヒット、とは佐々木さん

人工ストラクチャー周りも格好のポイント

シケに見舞われた前半戦。バラシも目立った

スズキクラスまであと一歩。しかし、立派なナイスサイズだ

紅一点の美人常連さんもナイスサイズをキャッチ

シーバスは初めて、と言いながら快調に数を重ねていた釣り人

良型を狙い撃ちするように釣っていたアングラー

70㎝級も珍しくない

釣りあげたシーバスが吐いたカタクチイワシ。サイズは10cmくらい?

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・横浜新山下「渡辺釣船店」
東京湾のシーバスジギングが好調だ。
「去年は水温が下がり切らなかったせいか、いまひとつでしたが、今年は順調ですね。うちでは1月の半ばくらいから出船していますが、安定した感じで楽しめていますよ」とは横浜新山下「渡辺釣船店」でシーバス船を担当する金子大士船長。
取材日は連日のメインポイントという、入港待ちをしている大型船周りに向かった。
しかし、予想を上回るシケ模様に大苦戦。それでもレギュラーサイズはポツポツとヒットするものの、釣りづらいことこの上なし。
バラシも目立ち、船酔いする釣り人も現れるほどの海況に、一時、風を避けられる羽田方面に避難。
少し浅めのストラクチャー周りなどを丹念に探ったが、レギュラーサイズがポロッとヒットするのみ。
海況が落ち着き、下げ潮が効き始めるタイミングを見計らい大型船周りで再チャレンジ。
この船長の読みが見事に的中!
数が伸びたことはもちろん、スズキクラスも連発。
前半の苦戦をなんとか挽回できた釣り人も多かったはずだ。
「今日は少し苦戦しましたが、海が落ち着いていれば慣れない人でも十分に楽しんでもらえると思いますよ」と金子船長。
厳寒期のピークを過ぎ、水温が上昇に転じれば活発に食い始めるのもシーバスジギングのパターン。
3月は十分に期待できるはずだ。
以上の記事は「つり丸」2021年3月15日号の掲載記事です。
つり丸の最新号 2021年3/1号 (発売日2021年02月15日)、電子書籍(デジタル版)は税込み600円。今なら初回500円割引やレビュー500円割引もあります!また、定期購読なら割引や送料無料!
船宿で販売しているおすすめ実績ジグ。迷ったらこちらを使うと安心だ。ジグは60~80gを使用する。どちらかといえば80gがメインウエイトとなることが多い