最終コーナーに入りつつある東京湾のシーバスゲーム。釣り足りない方は、急ぐべし!
ジギング好シーズン終盤戦!低活性時の攻略術とは?
シーバスの魚探反応はバッチリ!でも口を使ってくれない
近年のなかでは好調なシーズンとなった今年の東京湾ジギングシーバスゲーム。
シーズン初期はトップで100本を超える釣果が続いたときもあったが、さすがに2月に入ると少し落ち着いた。
それでもトップ30本、50本という数字はよく見かける、そんな状況が続いてきた。
反面でドンっと落ち込む日もある。
シーバスがいなくなっているわけではない。
多くの場合、シーバスはいる、つまり魚探反応はバッチリ。
でも口を使ってくれない、食わないという状況だ。
理由はよく分からない。
どんな釣りでも遭遇する、渋い日、活性が低い日、ということになる。
今回の実釣取材では、まさにそんな日に遭遇してしまった。
乗船したのは川崎「つり幸」。
スタートは羽田周辺、といっても、ここはチェックしたのみ。反応が薄かった。
以降は得意の千葉方面のストラクチャー周りを転戦。
魚探反応は真っ赤のポイントが多かったが拾い釣りに終始。
今期、好調の鉱石船周りも攻めたが不発。
唯一、連続ヒットが続いたのは定番ポイント、アクアラインの橋脚周りだった。
どんな好調な釣り物であってもこういう日はある。
そこで今回は乗船中に感じたもろもろを以降に列記してみたい。
激シブのときに頭に浮かべてもらえれば幸いだ。

基本的なタックルセッティングの確認
まず、基本的なタックルセッティングを簡単に整理しておこう。
ロッドは6ftクラスのライトジギング用。スーパーライトジギング、ベイジギング用とカテゴライズされるものでもよいし、とりあえずというのであれば、キス竿などのエサ釣り用やバスロッドでも流用は可能だ。
リールは小型のベイトリール。
ソルト用の堅牢なものなら、使用感はもちろん、リールを酷使する釣りのシーバスジギングでもトラブルが起こりにくい。
メインラインはシーバス専用なら1.5号前後が使いやすい。
ほかの釣りと併用するなら0.8号まで落としてもOK。
反対に2号でも問題はない。
リーダーは30 Lb前後を1.5m程度結節しておく。
ジグは80gを中心に60gも用意しておきたい。
深場の速潮対策に100gを用意する人もいるが、こちらはなくてもなんとかなる。
カラーはピンク系やアカキンなどのアピール系はマスト。
ブルー系、イワシカラーなどのナチュラル系も用意できると完璧だ。

ライトなベイトタックルと80g前後のメタルジグ数個。とりあえず、であればシンプルに始められる
低活性時にはどのようにして釣ればよいか?
ここからは低活性時の工夫あれこれを紹介していこう。
シーバスジギングではフォールでのアタリを取っていくことがキーワードになる。
最初の投入のフォールでアタるときもあるが、多くは巻いてジグを動かしアピール、落とし直すときにヒット、というパターンだ。
バイトを引き出すための前提として巻き上げでしっかりアピールすることが大切だ。
そのためには自分が使っているタックルの全体のバランスをよく考慮したい。
硬いロッドとハイギアタイプのリールのセットならジグはよく動く。
しかし、動きすぎるときもある。
反対に軟らかいロッドとローギアタイプのリールのセットではジグはあまり動かない。
普通にワンピッチアクションを加えているとき、ジグはどう動くのか、を想像してみたい。
そのうえで、もっと動かしたいというときはロッドの振り方を強く、大きくしたり、リールをハイギアタイプにしたり、よく動くタイプのジグにチェンジしたりするとよい。
反対にあまり動かしたくないときは逆の考え方をする。
どのような動きがベストかはそのときどきで変わる。
複数のロッド、リールを持っているときは組み合わせを考えてもよいだろう。
ジグもしかり。
ストレートな形状のものはナチュラルな動きになるし、フォールアクションはスッと大人しく落ちていく。
逆に扁平なタイプはブリブリとよく動き、ヒラヒラと落ちてアピールする。
これらを組み合わせ、うまく状況にあった動きが出せるよう調整するのだ。
慣れない方はハイギアタイプのリール、PE2号などの太めのラインを使用するのがよいと思う。
ハイギアタイプのリールならただ巻きでもジグにアクションをつけやすい。
太目のラインはさまざまなトラブルにも強いし、フォールスピードを遅くもしてくれる。
今回、実釣取材で強く感じたことはフックセッティングによるヒット率の違い。
近年はトレブルフックが見直され、フロントにシングルのアシスト、リアにトレブルというセッティングが人気だ。
活性の高い状況、上手な人は手返しも速く使いやすい。
しかし、活性が低いときや巻きで食ってくるとき、とりわけ横方向のスイミングアクションに食ってくるようなときはリアにチラシスタイルでセットするとフッキングさせやすい。
効果が顕著に出るときもあるので、ぜひ両タイプのフックを用意しておくことをおすすめする。
右記、簡単だが渋い状況攻略のヒントをいくつか紹介した。
釣れないときだからこそ丁寧に釣り、いろいろ考えてあの手この手を繰り出す必要がある。
でも、それも釣りのひとつの楽しさ。
前向きに捉えて1本を引き出す達成感を味わっていただきたい。

フックはトレブル、チラシスタイル、2つを用意しておくとよい
東京湾 シーバスジギング 釣行レポート

平日だけにゆったりと楽しめた

一発大物が期待できるポイントは、この日、不発に終わった

今年、好調だった鉱石船周りは完全沈黙。なぜ?

シーバース周りでのファーストヒットは、大ドモのアングラー

前半のシケ模様で潮だらけになりながら、仲良く楽しんでいたイギリス人カップル

レギュラーサイズだが、コンディションよく引きもなかなか

この日の最大魚。仕留めたのは本田さん。実は数もトップ。凄い!

慣れた手つきでセルフランディング!お見事!

釣るたびに本当に嬉しそうに自撮りを繰り返していた女性アングラー

リーダーを持って抜き上げ、が一番安全な方法だ

50㎝前後が取材時のレギュラーサイズだった

ナイスサイズ! ストラクチャーを果敢に攻めての一本だ

やっと釣れましたよ、と安堵の一本

人気の「つり幸」。シーバス船は完全予約制なので早めの予定を立てて挑戦したい

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・川崎「つり幸」
年明けから好調を持続してきた東京湾のシーバスジギング。
2月に入ってからはときおりかなり厳しい日もまじえながら、それでも全体的には好気配で推移してきた。
川崎「つり幸」のWEBサイトをチェックしても、苦戦する日もありながらトップ30本以上を記録する日は多く、サイズも70㎝オーバー、日によっては80㎝オーバーとジギングでの最大クラスも数字もあった。
シーズン終了までにあと1回!と同船取材を敢行した。
2月下旬の取材日は思いのほか北寄りの風が強い中でのスタート。
シケといってもいいほど荒れ模様に前半戦は大苦戦。
羽田周辺では気配なし。
一気に移動し千葉方面の水深17m前後に点在するストラクチャー周りを転戦したが、40~50㎝クラスがポツリ、ポツリと顔を出すだけ。
魚探の反応はバリバリ。
しかし、ジグを落とすと散っていく、とは担当の水野聡船長。
前日は数がまとまったという鉱石船周りも不発。
いよいよ、どうなってるの?と思うほどの不調に、乗船者全員が首をひねる展開。
最後の最後にアクアラインの橋脚周りでバタバタとヒットが得られ、胸をなでおろす展開で終了。
船長は今期で最低とおっしゃっていたが、釣りだけにこういう日はある。
なぜか前後の日は好調に数を記録しているのだから、シーズン終盤はイケる!と信じたい。
水温も上昇に転じ、高活性化する時期だけに期待したいところだ。
以上の記事は「つり丸」2021年4月1日号の掲載記事です。
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反応はこのようにある。だが、口を使わないときもあるのだ