GWから始まる乗っ込み本番と、プレ&通常期のコマセマダイ釣りの違いを理解して上越沖を満喫しよう!
上越沖のマダイ乗っ込みは 例年、5月から開幕!

良型マダイがまるで釣り掘りのように釣れる! そんな夢のような釣り場が上越沖だ。
上越沖はマダイの好漁場であるほか、国内でも有数の産卵場。
条件が整っている海域なので毎年ものすごい量のマダイたちが回遊してくる。
それが、5月6月だ。
「今年は雪が多いので雪代がたくさん海に流れ出ます。これはマダイたちのみならず、海に生きる魚たちには、とてもいい栄養となりますし、シーズンのオンオフを告げるスイッチともなっています。だから、今年の乗っ込みも例年どおりの開幕を期待できるのではないでしょうか」と話すのは、上越の遊漁船の老舗、直江津港「第二八坂丸」の竹内敏幸船長の言葉。
この5月6月は大変多くの釣り人が上越沖に集結するが、マダイシーズンはこの乗っ込みだけではない。
近年は周年、魅力的な釣りが可能だ。
乗っ込み期以外が通常期、そのなかでも乗っ込み前は“プレ乗っ込み”と呼ばれ、数年前までは乗っ込み以上に数釣りができかなり盛り上がっていたが、近年は温暖化の影響もありそのような環境はない。
だが、直江津沖には超大型マダイが回遊しており、それを狙って釣ることが可能だ。
つまり、一発大物釣りができるのだ。
「3月4月のプレ乗っ込み期は以前のような爆釣はなくなりましたが、ナイスボディで食べておいしいマダイが釣れてます。うちでは一発大物狙いが多いので、数は上がりませんでしたが、ヒットすれば3㎏以上。その個体は厳寒期というのに青物のように元気に引っ張ります。シビアな日もありますが、マダイファンにはたまらない条件が整っているのでしょうね」と竹内船長が言うように、この季節を狙い撃ちしてくるマダイフリークたちは少なくない。
乗っ込み期と 通常期の違いとは!?
乗っ込み期以外は通常期と述べたが、その違いは何か?
ズバリ、タナとハリスの長さだ。
通常では、タナは海面から水深30~50mほどだが、乗っ込み期はポイントの水深が浅いこともあり、指示ダナが5~10mであることが多い。
ハリスの長さは通常は12m前後だが、乗っ込み期は8~10mを採用する船宿が多く、通常期と比べてかなり短い。
理由は、乗っ込み期は浮いて回遊してくるマダイたちを狙うから。
タナが浅い分、ヒット後ハリスをつかんでからも元気に泳ぐ個体が多く独特な雰囲気の釣りを楽しむことができる。
これだけ釣り方に違いがあるとはいえ、使用するタックルは通常期も乗っ込み期も同じだ。
4月はプレ乗っ込み期だが、 激渋日も。夜ヒラメ開幕!
4月の上越沖だが、海の中は目まぐるしく変化しているのでマダイが激渋のときもある。
そんななか、開幕するのが夜ヒラメ釣りだ。
マダイとヒラメに何の関係があるのか? と思っている人もいるだろうが、上越沖ではマダイとヒラメの乗っ込み期がほぼ重なっているのだ。
ヒラメの乗っ込みのほうが約半月~1ヵ月ほど早く始まり、その分早く終了する。
つまり上越沖の4月中は、ヒラメの乗っ込みとプレ乗っ込みのマダイを同時に楽しめるということ。
マダイフリークたちもこの4月は昼にマダイ、夜ヒラメ狙いのリレーで楽しむ人も多いのだ。
上越沖をフルに満喫したいのならマダイだけでなく夜釣りでヒラメも狙ってみよう!
タックルはコマセマダイ専用 通常期はハリス5号長さ12m

さて、タックルだが、一般的なコマセマダイタックルでよい。
竿は長さ2~3mだが、2m前後のショートロッドが操作性がよくオススメ。
リールは小~中型電動。
道糸はPE4号を200mあれば十分。
指示ダナは水深50mより上なのでいま流行りのハイギアタイプの両軸リールでもよい。
ビシは、プラビシもしくはステンカン。オモリは80号を使用。
ここでビシのサイズはLサイズが基準だがFLでもOK。
ハリスはテンビンを介して2㎜径長さ1mのクッションゴムを付け、その先に2段もしくは3段テーパーのハリスを全長12m接続。
ハリス長の基本は12mだが、15mくらいまでは伸ばしてよい。
ハリはマダイバリの10号前後。
ハリ数は1本~2本。
ロングハリスの扱いに慣れない人は1本バリにする。
指示ダナより5mより下には ビシを下ろさないのがルール
さて、釣り方だが、非常にシンプルだ。
船長の指示ダナを基準にして釣るのが上越沖の定番ルール。
具体的には指示ダナよりプラス5m下までビシを下ろし、そこからゆっくりと指示ダナまでビシを巻き上げ、そのタナでアタリを待つのみ。
ここではオキアミコマセを振り出すというシャクリ動作はほとんどいらない。
上越沖ではマダイたちにオキアミの味を覚えさすだけ、という考えなのでコマセは少量でよいのだ。
フグやウマヅラなどのエサ取り魚たちが活発なときはなおさらコマセのまきすぎはよくない。
タナにビシを合わせたあとは、置き竿でアタリを静かに待とう。
タイミングを見計らって 落とし込みの誘いを行う
上越エリアの最大の武器、誘いは“落とし込み”だ。
そのタイミングは魚が浮いたとき。
これは、船長のアナウンスや手元の探見丸の画像で確認できる。
この際、船長の指示ダナより5m下にはけしてビシを落とさないようにする。
落としてしまうと、せっかく活性があがり浮いたマダイたちが下へ沈んでしまうからだ。
この落とし込みはさまざまな方法があるが、ここでは、指示ダナから1~3mの範囲で十分。
そして、エサ取り魚が今期も多いと理解しておこう。
置き竿で長時間の放置は、エサなしのハリをただ、漂わせているだけでマダイは釣れない。
誘い動作のあと、または3~5分に一度は仕掛けを回収してエサチェックをすることを忘れずに行う。

海面に浮上した美しいボディのマダイ
乗っ込み期のハリスは ウエイトバランスを変えよう

乗っ込み期のタックルは普段使用しているものと変わりはない。
仕掛けはテンビンの先に2㎜径・長さ1mのクッションゴムを介し、ハリス5~6号7~10m1本バリが標準だ。
ハリスは2段テーパーもしくはストレートを状況によって使い分けるが、2段テーパーが実績高いが、下ハリスを上ハリスより長くする逆テーパー(仕掛け図参照)もオススメだ。
ハリのサイズはマダイ11~12号とやや大き目でよい。
付けエサはアピール重視のため、大きめのオキアミを2匹抱き合わせにする。
食い渋り時に1匹掛けにするとよい。
タナより5mビシをおろして コマセを軽くまきタナでまつ
乗っ込み期も基本的な釣り方は上越沖で普段行われる釣り方とほぼ同じ。
ビシのカゴのなかには、オキアミコマセをひとつかみのみいれ、ビシを投入。
指示ダナより5mおろしたら、ハリスを潮になじませるため10秒ほど待ち、その後、指示ダナまでゆっくりとビシを巻き上げ、アタリをまつのみ。
このときタナが浅いとビシから投入したハリスの先の付けエサがすぐ目の前の海面から潮にながされていくことがある。
その際、自分の道糸や隣の人の道糸にエサが絡まないように注意しよう。
誘いを行うなら、指示ダナより2~3mゆっくりとデッドスローでビシをあげて、そこからゆっくりと静かに落とし込む。
指示ダナからビシを下げないようにしよう。
ドラグは緩めに設定。大型は 最初は一気に走らせてから
ヒットしたら魚の引きは強引に止めない。
大型ほど横方向に突っ走るので、ファーストランが収まってからやり取りを開始する。
とはいいつつもタナが浅いのであっと言う間にビシをつかむことになるが、ここからが大事。
大型の可能性がある場合は、ビシを竿にぶら下げたまま、ハリスをつかみやり取りする。
強く引いたら手を放してやる。
そう、この時期はこの手でのやり取りが最も重要になってくるのだ。
魚は浅い水深で底から浮いて群れているため、体内にエアを持たず最後まで元気いっぱいなのだ。
夜釣りで狙う上越沖のヒラメ エサは生きアジ

上越沖で4月5月に釣るヒラメはマダイと同じ乗っ込みビラメ。
夜にアンカーをうっての掛かり釣りで狙う。
エサは生きアジで事前に用意(1匹200円ぐらいで購入。だいたい一人8匹用意)された生き小アジを使う。現場で釣る必要はない。
さて、夜ヒラメのタックルだが、マダイタックルの流用ができる。
当地では、一人2本竿出しまでオーケーのため、自分の仕掛けのオマツリを防ぐために1~2mのショートロッドと3m以上のロングロッドを使う人が多い。
リールは手巻きでも電動でもどちらでもオーケー。
仕掛けは関東周辺で行われている親バリ孫バリ式のイワシエサの泳がせ仕掛けとほぼ同じだが、ハリスは10号以上と太いのが特徴。
夜釣りであるため、細ハリスは必要なく、最大8㎏以上のモンスターヒラメがメインターゲットで3、4㎏はザラ。
掛かり釣りのため、ステ糸なしかもしくは短いものでオーケー。
オモリは80号を使用する。
タナはベタ底ではない。 低めと高めの2つのタナを設定
船はカカリ釣りのため、タナはベタ底ではない。
船に着いたベイトに誘されて、ヒラメたちは船に近づいてくる、というのが目論みのため、指示ダナは底から2~5mと高めだ。
ときには7m~10mと高ダナがよいときもある。
タナは、低めの底から2~3mと高めの5mに設定するのが一般的だ。
アタリが出たら 早アワセは絶対禁物
アタリが出てからは早アワセは絶対禁物だ。
最初にガツガツと強めのアタリが出ても、ひとまずそのままにして我慢。
2度目、3度目の強い引き込みで竿を大きく持ち上げるようにアワセを入れる。
重量感をたっぷりと感じとりながらポンピングはけしてしないで静かにリールを巻き上げてこよう。
大型ほど重量感たっぷりで静かだ。
「寝た子は起こすな」のことわざのようにポンピングなどして魚に意図的に違和感を感じさせてはいけない。
海面にヒラメが浮上したら、大きなネットで頭からすくいあげてもらおう。
このタモ入れ時に一番バレやすいので気をつけよう。
【上越・直江津沖】プレ乗っ込みマダイ 釣行レポート
5月開幕の乗っ込み 本番前は、魚礁周りで 一発大ダイパターンのプレ乗っ込みを 楽しもう!

潮流計はこのとおり。ほとんど潮が動かない。こんな環境下で釣れる

八海山から朝陽が上る

カタクチイワシの大群がやってきた。もちろんマダイもそれを追う

釣り座が広ければ、2本竿出しもOKだ
すべて3㎏オーバー! これが直江津沖の実力だ
春のマダイの突進力は半端ないぞ!!

春のマダイはヒットすると青物のように一気に突っ走る。このトルクフルな引きに圧倒されないように

会心の1枚にこの笑顔!おめでとうございます!

やったぁー!一発大物狙いで仕留めた大ダイは、喜びはひとしお

ちょっとした潮変わりや潮目などで魚の活性があがる。そのときがチャンスだ

これも3㎏オーバー。見事なボディだ

イワシの群れが活性を上げた、そのときにヒット

ショートロッドでダイレクトな引きを楽しむ

タイ釣り名人の燕市の原田さんはこの日最大の6㎏をキャッチ。落とし込みの誘いで掛けた!

原田さんはこれで大ダイのみで4枚目。お見事

こんな大ダイばかりの釣果が魅力の直江津沖

原田さんの釣果。3.7㎏~ 6㎏を4枚

今期のプレ乗っ込み中の大ダイたち
ゲストもおいしい

イシダイ

クロソイ
夜ヒラメも開幕! 昼夜リレーもOK

「八坂丸」HPより昨年の釣果

今回、取材にご協力いただいたのは、新潟・直江津港「第二八坂丸」
上 越沖のマダイ釣りでは、ゴールデンウイークから始まる浅場の乗っ込みマダイが全国的に知られているが、その前のプレ乗っ込み期もなかなかおもしろい。
っ込み本番中ほどマダイの数は上がらないが、直江津沖の魚礁周りでは、ヒットすれば大ダイが高確率で期待できる。
「以前ほどの数釣りは近年期待できませんが、3月4月は直江津沖の魚礁周りで一発大ダイ狙いができます。魚の状態がいいですから、ヒットしてからかなり引きますし、食べてもおいしいですよ」とは、直江津港の老舗「第二八坂丸」の竹内敏幸船長の弁。
プレ乗っ込み期のポ イントは直江津沖だけではない。名立沖の魚礁周りも好漁場だ。
一発大物の直江津沖、1~3㎏サイズの安定した数釣り可能な名立沖というのが、例年のパターン。
今期もこれが当てはまる。
そして、4月になると上越沖の風物詩となっている夜ヒラメ釣りも開幕。
夜にアンカーを打ってのカカリ釣りでヒラメを釣る、という関東では想像もつかない釣り方で大ビラメを狙う。
ヒラメの乗っ込み期がマダイと比較すると約10日ほど早く始まり、その期間がほぼ重なることから、昼のコマセマダイ釣りと夜ヒラメをリレーで乗船する人も多い。
4月は昼マダイ、夜ヒラメのよくばりフィッシングにチャレンジしてみてはいかが。
以上の記事は「つり丸」2021年4月15日号の掲載記事です。
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4月の妙高の山々はまだ雪化粧中。今期は雪代が多いので乗っ込みも期待できそうだ