今年も例年通り、5月4日にマダイ爆釣開始!!
マダイの好漁場で全国的に有名な上越沖。
乗っ込み期の爆釣デイに当たると、なんと水深5mのタナで2kgオーバーのマダイたちが釣り掘りのように釣れる、まさに沖釣り師の夢のようなフィールド。
そんな状況が今年もゴールデンウイーク真っ只中の5月4日から始まった。
「4月の後半から直江津沖の浅場にマダイたちが入ってきてましたから、Xデイは近いかと思ってましたが、昨年同様、やはりゴールデンウイークにマダイの乗っ込みが本番になりました。5月4日の午前には船にマダイの群れが付いて食いっぱなしでしたよ」とは、上越№1の人気船、直江津「里輝丸」の小林智船長。
爆釣Xデイが実際どんな様子かというと、指示ダナ5mで置き竿でアタリを待っていると、いきなり魚が横走りをして竿がしなり、リールから道糸がシューっと出される状況。
それが船上あちこちで同時発生することも。
竿でのやり取りの時間は大変短い。
それもそのはず、ポイントの水深は浅いうえにタナは5m。
魚が横に走った分だけ回収するのみだからだ。勝負はこれで終わらない。
ハリスをつかんでからがさらにエキサイティング。
ハリスの手さばきで一進一退の攻防が繰り広げられるのだ。
大ダイだとビシをコマセバケツに入れようものなら、青物のように再び元気に突っ走るのでハリス切れを起こすこともしばしば。
海面では深場のマダイとはとても比較にはならない状況が展開される。
とはいえ、爆釣デイは毎日ではない。
多少の日ムラがあるが、例年のパターンから推測すると、第1陣、第2陣、第3陣と群れが入ってくるので5月6月いっぱいはこの乗っ込みパターンで楽しめる。
シーズンが進むにつれて、ポイントは直江津沖から水族館沖、有間川沖、名立沖へと移行していく。
マダイとヒラメの乗っ込みはほぼ同時期

マダイの乗っ込みが本番になる約1ヵ月前からこの海域のヒラメの乗っ込みが始まる。
例年5月は両魚の乗っ込みが重なっていることから、同時期にマダイとヒラメ釣りを楽しめる。
え? マダイとヒラメ同時に狙えるの? という問いも聞こえてきそうだが、そうではない。昼にコマセ釣りでマダイ、夜に小アジの泳がせでヒラメを狙うのだ。
夜にヒラメというのは、太平洋側では想像もつかない釣りだが、この上越エリアでは古くから行われており、アンカーを打ってのカカリ釣りで楽しめる。
そんな海域なので、昼にマダイ、夜にヒラメの両方の魚を丸一日使って狙う釣り人も多い。
ただし、ヒラメは開幕がマダイより早い分、終了も早い。シーズンは例年5月いっぱいだ。
普段の仕掛けでタナは5mで 乗っ込みマダイを狙う

乗っ込み期ではない通常期は、タナは海面から水深30~50mほどだが、乗っ込み期はポイントの水深が浅いこともあり、指示ダナが5~10mであることが多い。
ハイシーズンは水深25~30mのポイントでタナが5mであることがほとんど。
ハリスの長さは通常と同じ12mでよい。
船宿によってはさらに短く7~10mを採用するところもある。
ハリスが短くなる理由は、浮いて群れて回遊しているマダイたちを狙うから。
「ポイントでマダイの群れを見つけたらまずは船にマダイの群れを付けるようにします。このマダイの群れが船に付くと不思議と新しい群れが次々と船の周りに入ってきます。こうなると、船はポイントに関係なく流れっぱなしで、ずっと釣れ続くんですよ。だから、最盛期はいかに初めにマダイの群れを船に付けるかが大事になります。そのためにある程度のハリスの長さが必要なんです。でも、通常期のようなロングハリスは必要ないですよ」という小林船長。
このやり方により、船中100枚越えという爆釣劇が可能になっているのだ。
仕掛けは“軽め”が定番 肝の下ハリスはガン玉で調整
浮いて移動中の魚をターゲットにしている。
だから、ゆっくりとしたエサの落下がマダイの摂食欲をそそる。これを演出するのは、軽い仕掛けが有効だ。
具体的には、上ハリス6~8号6m、小~中型のサルカン、ウエイトスイベルなどを介して下ハリス5~6号6m。
ハリはマダイ10~11号1本バリが基本。
下ハリスの潮なびきとエサの姿勢が重要なのでそのエサの姿勢を整えるためにハリのチモトにB以下のガン玉を付けるとよい。
これを付けることで浮いたマダイがオキアミを捕食しやすくなるようだ。
ガン玉の位置は潮の流れによって動き方が変わる。
ハリから1m以内はどこでもよいので、打つ場所を変えて効果があるかどうか試すのもよい。
そして最も大事なのはマダイが食う付けエサ。
このエサのアピール度をあげることも念頭に入れておこう。
一般的には、オキアミ1匹掛けよりも2匹抱き合わせのほうがアピール力がある。
だから、このシーズンの付けエサは後者の2匹掛けが正解だ。
指示ダナで静かにアタリ待つ のみ。動かさず静かに釣る

さて、乗っ込み期のマダイの基本的な釣り方はこうだ。
ビシのなかには、コマセのオキアミを一掴みから二掴みほど入れ、指示ダナから5~10m下(※近年はオマツリ防止のために10m下におろす船宿が多い。
ここは各船長の指示に従う)にビシをおろし、軽くコマセを振り出しながらもしくは振り出さずただ巻きであげてきて指示ダナで置き竿にしてアタリを待つ、というもの。
ここから先は、指示ダナより5m下にはビシを下ろしてはいけない。
指示ダナよりビシを下げてしまうと、とくにこの時期は全員が釣れなくなる顕著な原因となってしまう。
船長たちはソナーと魚探を駆使して魚たちの動きを常に注視。船下の射程圏内に群れが入ってきたときにアナウンスするが、通常期とは異なり基本的に誘わず置き竿のままでよい。
誘い動作が全く通用しないことはない。
誘うのであれば、指示ダナ前後1m以内を動かすだけでよい。
落とし込みも誘い上げも有効だ。
ただし、静かにゆっくりと動かすことを大前提にして行おう。
ハリスを掴んでからが勝負!大型ヒットはビシのぶら下げ
ヒットしたら魚の引きは強引に止めない。
大型ほど横方向に突っ走るので、ファーストランが収まってからやり取りを開始する。
とはいいつつもタナが浅いのであっと言う間にビシをつかむことになるが、ここからが勝負どころ。
青物の引きのような大ダイの可能性がある場合は、ビシを竿にぶら下げたまま、ハリスをつかみやり取りする。
この際、手繰ったハリスも船内に取り込まず、海の上へリリース。強く引いたら手を放してやる。
そう、この時期は手でのやり取りが最も重要になってくるのだ。
魚は浅い水深で底から浮いて群れているため、体内にエアを持たず最後まで元気いっぱいなのだ。
無理なくやり取りすれば、どんな大物でも手繰りよせることができる。
慌てずに周りの人の協力を得ながら魚をタモのなかに誘導しよう。

浅場の乗っ込みマダイは水面近くまで青物のようによく泳ぐのでハリスをつかんでからが勝負。油断しないように
夜にカカリ釣りで狙う大ビラメ!エサは事前購入の小アジ

上越沖の乗っ込みビラメは夜にアンカーをうってのカカリ釣りで狙う。
エサは生きアジで事前に用意(1匹200円ぐらいで購入。
だいたい一人8匹用意。船長に必要な匹数を伝えれば用意してくれる)された生き小アジを使う。現場で釣る必要はない。
さて、夜ヒラメのタックルだが、マダイタックルの流用ができる。
当地では、一人2本竿出しまでオーケーのため、自分の仕掛けのオマツリを防ぐために1~2mのショートロッドと3m以上のロングロッドを使う人が多い。
リールは手巻きでも電動でもどちらでもオーケー。
仕掛けは関東周辺で行われている親・孫バリ式のイワシエサの泳がせ仕掛けとほぼ同じだが、ハリスは10号以上と太いのが特徴。
夜釣りであるため、細ハリスは必要なく、最大8㎏以上のモンスターヒラメがメインターゲットで3、4㎏はザラ。カカリ釣りのため、捨て糸なしかもしくは短いものでオーケー。
オモリは80号を使用する。

夜は一人竿2本出しOKだ。長短のロッドを持参しよう
タナはベタ底ではない 低めと高めの2つのタナを設定
船はカカリ釣りのため、タナはベタ底ではない。
船に付いたベイトに誘われて、ヒラメたちは船に近づいてくる、という目論みのため、指示ダナは底から2~5mと高めだ。
ときには7~10mと高ダナがよいときもある。
タナは、低めの底から2~3mと高めの5mに設定するのが一般的。
だが、ベイトが船の灯りに付かないときもある。
そんなときは、タナはベタ底1~2m以内でよい。
このようにタナはベイトがいるかいないかで分けて設定しよう。
アタリが出てからは早アワセは絶対禁物だ。
最初にガツガツと強めのアタリが出ても、ひとまずそのままにして我慢。
2度目、3度目の強い引き込みで竿を大きく持ち上げるようにアワセを入れる。
ハリ掛かりしたら、重量感をたっぷりと感じとりながらポンピングはけしてしないで静かにリールを巻き上げてこよう。
ポンピングなどして魚に意図的に違和感を感じさせてはいけない。
海面にヒラメが浮上したら、大きなネットで頭からすくいあげてもらおう。
ヒラメの頭がネットの柄に当たるとヒラメはバックして泳ぐ特技を持つ。
このタモ入れ時は慎重にかつ素早く魚をタモのなかに回収することを心がけよう。
【新潟上越・直江津沖】乗っ込みマダイ&夜ヒラメ 釣行レポート
浅場に続々マダイの大群が回遊中!
タナは10m以浅。乗っ込みマダイの横走りを楽しもう

席は出船前にくじ引きで決める

タナは5~10mがハイシーズンの指示ダナ

ヒットしてから大型になるほど横走りするマダイ

底から浮いている個体を釣る
大ダイ 5.2㎏浮上!

ビギナーチャレンジOK! いまが入門チャンスだ!!

沖釣りビギナーチームもこのとおり。初夏の上越沖は誰にでも本命高確率ヒットだ
日本海の美形マダイをゲット!



慣れたやり取りで良型をキャッチする「里輝丸」の常連さんたち

このサイズがアベレージの日も多い

2人、3人同時ヒットはよくあること

この1枚がうれしい

この個体も乗っ込み中だった

4㎏級のきれいな魚体だった
タイミング合うと クーラー満タン必至!!

群れの回遊、仕掛けのバランスや投入のタイミングが合うとこのようにクーラー満タン必至だ

今期はゲストにクロダイが多い
夜はカカリ釣りで大ビラメ狙い

夜ヒラメのポイントは直江津沖。アンカーを打ってのカカリ釣りだ

肉厚の大ビラメが竿を絞る。やり取りはポンピングはダメ

太目のハリスでも食いは落ちないので、ハリスは最低でも10号はほしい。細ハリスは厳禁だ

生き小アジをエサにした夜ヒラメはこのサイズはザラ

今回、取材にご協力いただいたのは、新潟・直江津港「里輝丸
マダイの好漁場として全国的に知られる上越沖が乗っ込み本番を迎えている。
一年のなかで一番熱いシーズンといっても過言ではないほど、毎年5月は昼夜問わず盛り上がる。
それもそのハズ、昼間の浅場のマダイのほか、ほぼ同じ海域で、夜に乗っ込みのヒラメも釣れるからだ。
「今年も例年通りに乗っ込みマダイが回遊してきました。ピークを迎えるのは5月半ば以降ですからね。誰にでも大ダイキャッチができますよ。ヒラメは今期は例年よ り早い開幕となってますが、まずまずの釣果ですからロングランに期待したいですね」とは、上越エリア№1の人気船、直江津「里輝丸」の小林智船長の言葉。
直江津沖水深30m以浅に入ってきたマダイ釣りのコツは、置き竿にしてじっと静かにアタリを待つこと。
そして、早アワセはしないこと。
乗っ込み期ならではの釣り方をきちんと理解していれば、誰にでも大ダイゲットの機会はある。
夜のヒラメは小アジの泳がせ釣り。カカリ釣りなので高ダナ設定が特徴。
一人2本竿までOKなので異なるタナを設定してアタリを待つのがコツだ。
5㎏を越える大ビラメも珍しくない。
上越の初夏は昼も夜もエキサイティング。この機会を逃す手はないぞ!
以上の記事は「つり丸」2021年6月1日号の掲載記事です。
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直江津沖のシーズン初期のポイントはマダイ、ヒラメともに港内から柿崎沖にかけての水深30m前後。シーズンが進むにつれ水族館沖や有間川沖、名立沖を攻めるようになる