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釣る前に、食べる前に、シノビテングハギという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、シノビテングハギという魚を知ろう!

シノビテングハギ(スズキ目ニザダイ科テングハギ属)北限は伊豆諸島利島沖。三重県志摩市でも見つかっているが、鹿児島県屋久島以南では珍しい魚ではないだろう。

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シノビテングハギ(スズキ目ニザダイ科テングハギ属)の生態

おいしい魚だ。温暖化でいずれ流通するようになる?

北限は伊豆諸島利島沖。

三重県志摩市でも見つかっているが、鹿児島県屋久島以南では珍しい魚ではないだろう。

国外では今のところ台湾で見つかっているだけだけど、研究が進むと西太平洋、インド洋に広く生息するのだと思われる。

ちなみに利島以北で釣れたら北限を書き改める必要がある。
 
漢字にすると「忍天狗剥」となる。

新種記載されたのが2011年、和名がついたのが2013年だ。

たぶん、変わった姿をしているものばかりのテングハギの仲間の中でも際だった特徴がないための和名だ。

それがために沖縄では決して珍しくないのに、新種だと気づく人がいなかった。
 
本種のテングハギの仲間は国内に15種、国内にいない種は6種類だ。

シノビテングハギの値段は?

温暖化で、将来国内の種も増える可能性が高い。

この仲間は熱帯では非常に人気が高い。

熱帯のマーケットなどでもいい値段で売られていたりする。

国内ではテングハギや伊豆諸島に多いゴマテングハギが有名だが、すべてとても味がいい。

テングハギなどは沖縄でもそれなりに高い魚であったりする。
 
本種は一度も国内で流通したことはないが、その内、高値がつくかも。

ただし1尾あたりの値段はまだわからない。

シノビテングハギの寿司…邦初公開!新種の握りです!!

「鮹さん〜やっ、蛸さん、ごんが、ヒマンタラ…♪蛸さん、蛸さん」
 
思わず、歌ってしまった。

メロディは「モスラの歌」、声はザ・ピーナッツで、といっても若い人にはわからないかも知れぬが、ご近所の釣り名人、蛸さんを讃える歌だ。
 
ときを六月初旬にもどす。

近所の釣り名人、我が故郷、日本各地の漁師さん、釣り師の方達から頂く魚がやたら増えたのである。

まさに殺人的な量だ、といっても過言ではない。
 
特にカツオは量も、質もすごい。どうやら今年は、日本列島中がカツオの当たり年のようなのだ。
 
学生の頃から優秀で、国内でもっともお堅い仕事の役職に就いている同級生まで、日曜毎に伊豆に通うくらいだから、カツオ釣りは楽しいのだろう。

そんな堅物まで一本送りつけてきて、自慢話に花を咲かせた。
 
そしてイサキだ。

最初に愛を献げたのは、たかさんだ。

毎日たくさんのイサキを、お客に提供しているのだけど、新メニューも出し始めたのだ。

「なめろう」を作り、軍艦巻きにしてマヨネーズというものだが、これがやたらにうまいのだ。

「よくこんなもん考えたね」

「違うよ。テレビでやってたの」
 
ベテランすし職人がテレビをパクっていいのか? とは思うが、これはうまい。追加をお願いすると、ネタケースを指さして、「ないよ」
 
毎回、本コラムの主役決めは簡単なのだけど、今回は選びかねている。

あまりにもつけた魚の種類が多すぎるのだ。たかさんは今、イサキ愛が強すぎて他の魚に目もくれない。

「イサキのなめろうにしようよ」
 
さて、ある日、我らが蛸さんから「利島沖で釣れました」と言って黒く地味な魚の画像が送られてきた。
 
な〜んだ、テングハギの仲間だし、利島沖ならゴマテングハギモドキだろうと思ったら、そのゴマ模様がない。

テングハギの仲間の多くには天狗の鼻のように額から突起が出ているのだけど、それもない。

「なんじゃこれは?」
 
昼下がりの『市場寿司』でカツオのたたき丼を食べていたので、たかさんにもその画像を見せた。

「どう見てもただの魚じゃん」

「たかさん、ボクのお魚人生、四十年以上だけど、こんな魚は見たことない。なんじゃこれは?」
 
あまりにもうますぎる利島沖の、カツオのたたき丼を一気食いして帰宅。

資料を漁っても、わからない。
 
それは新種記載して十年、和名がついて十年足らずのシノビテングハギだったのだ。

しかも生息域の北限を更新する記念すべき固体だ。
 
その日、押っ取り刀で蛸さんのお家まで取りに行った。

「カツオに行ったんだと思ってた」

「その前に五目釣りするんです」
 
クーラーにはカツオがいっぱいで、「いりませんか?」といわれて、いらないと言ったら、涙を流して見送ってくれた。

その涙を見て思わず歌ったのが蛸さんを讃える歌だ。
 
大急ぎで撮影して、あまりにも貴重な魚なので背の部分だけを持ち込んでつけてもらったのだ。

「つけちゃっていいのかな?」

「いいとも」
 
実に美しい握りが並んだ。ニザダイ科なのに臭みはまったくない。
 
二人で食べたら見た目以上にうまい。

思った以上に脂があるし、うま味がとても豊かなのだ。

すし飯との一体化も抜群で、完成度の高い一かんである。

あと二、三かんと思っても、望めないのが、悲しい。
 
温暖化で釣れるようになった魚だが、これならまた食べてみたい。

「この魚の握りを食べたのは、ボクたち、日本で初めてなんだよね」

「それで、なんかいいことある?」

「ないけど……。盛り下がるなー」

以上の記事は「つり丸」2021年8月1日号の掲載記事です。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

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