現在のヒットパターンは シェイクからのチョイ巻き! 人気爆発のテンヤでドラゴン退治!

夏から好調をキープ! テンヤでは大型が狙える

ドラゴンサイズが釣れると東京湾でも大人気ターゲットのタチウオ!
近年では、ほぼ1年を通して楽しめるようになったが、やっぱり秋から冬にかけては大型の期待大。
今期は浅場に大挙してやってくる夏から好調をキープしているだけに、秋本番に向けても視界良好。
去年ブレイクしたテンヤ釣りでは、メーターオーバーの大型が高確率で取り込まれているので大注目されている。
「全長120㎝以上で指5本以上の大型をドラゴンと呼ぶ人が多いけど、そのサイズも頻繁にまじりますからね。大型は食味も抜群ですし、秋が本当に楽しみです」とは、川崎「つり幸」で仲乗りをする中村忍さん。
ちなみにこの中村さん、テンヤ船を操船する新海雅也船長が絶大な信頼を置くタチウオハンターで、取材対応も任かされているスーパー仲乗りなのだ。
現状は、トップ平均18本前後で、ビギナーでも誘いの手が合えば7~8本くらいまで数を伸ばしているという。
なお、攻めているポイントは、観音崎から走水沖にかけての水深50~70mダチで、今後は徐々に深くなっていく。
「釣れるタチウオはドラゴン級が主体ですから2~3本でも、釣った感はかなりありますし、お土産も十分です。スタンダードなテンビン仕掛けでも大型は釣れますが、テンヤのほうが大型の確率が高いのでファンもどんどん増えていますよ」と中村さん。
ということで、ここではテンヤでの攻略法を紹介したい。
専用タックルも充実 道糸はPE2号!

最近はテンヤ専用竿が充実。水深が50m以上のため電動リールと組み合わせる人が多い
タックルは、スタンダードなテンビン釣り用を流用することも可能だが、より楽しく、そして確実に釣りあげるにはテンヤ専用をオススメすると中村さんはいう。
「専用竿はドラゴン以上の特大サイズも視野に入れて設計されていますからね。テンヤを思いのまま誘える操作性や食い渋り時でもアタリ(大型はかなり微細)を捉えることができる感度、そして特大サイズに負けないバッドパワーを兼ね揃えているので心強いです」。
専用竿は、東京湾でのテンヤ人気の上昇に比例するように各メーカーからいろいろなタイプが発売されている。
それを大まかに分類すると3タイプとなる。
感度優先の〝掛け調子(9対1調子)〟。
電動スローの誘いに適した〝乗せ調子(7対3調子)〟。
その中間となる8対2調子で、最近の主流は〝掛け調子〟
だが、最初の1本にオススメするのは8対2調子で、長さは2m前後とのこと。
リールは電動、手巻きのどちらでも良いが、電動を使うなら、小型を推奨する。
「巻き上げパワーだけを考えれば、中型電動が適していますが、とにかく誘い続ける釣りですからね。ゴツくて重めの中型より、軽量でパーミング(手で包むように持てる)しやすい小型のほうが操作性に優れますから。最近の小型電動はパワーもそれなりにありますし」と中村さん。
道糸はPE2号。
タチウオの鋭い歯で高切れすることものあるので200mは巻いておこう。
テンヤのサイズは50号 ヒットカラーもある

テンヤは50号。高切れもあるので3つ以上は用意したい。ヒットカラーは、本文で紹介した4色に、ゼブラ柄や紫ラメなども食いが良い
テンヤの重さは、攻める水深や潮の速さで決まる。ちなみに現在は、水深50~70mのため50号を使用している。
テンヤには道糸のPEを直接結ぶのではなく、タチウオの鋭い歯から道糸を守るためにリーダーを付けるのがセオリー。
フロロカーボン8~10号を2mほど直結するのが「つり幸」のスタイルだ。
リーダーとテンヤの結束にはスナップスイベルを用いるが、テンヤによってはスナップをセットする穴がテンヤのヘッド部に2つ、または3つ付いているものもある。
さて、どの部分にセットするのが良いのだろうか?
「タチウオは最初に、テンヤに付けたエサのイワシの腹を狙って食いにきますからね。私は、誘いを止めたとき(食わせの間)に平行姿勢となる位置にセットして、エサを食いやすくしています」と中村さん。
2つの場合はハリ側に、3つの場合はセンター部とのことだ。
テンヤのヘッドカラーにも注目したい。
タックル同様、こちらもバリエーションが多くなり、どれにするか悩んでしまう。
「ビギナーが最初に用意するなら、実績が高い紫、金赤、グロー系の3タイプですね。これなら潮色に関係なく食っていますから」。
ちなみに取材日は、後半に緑金が大当たりだった。
エサの付け方と用意する数

エサは冷凍イワシを使用する。
テンヤ釣りが盛んな関西エリアではエサを用意している船宿が多いが、関東ではあまりなく各自で用意するのが一般的なスタイルになっている。
ちなみに「つり幸」では、エサの販売も行っているが、数に限りがあるとのことなので、予約の際、在庫の確認を必ずしよう。
「エサは、鮮魚店で売っている生イワシでも構いませんが、痛みが早いですからね。テンヤファンの方たちは、添加剤で締めたものを凍らせて持参している方がほとんどです」と中村さんが教えてくれた。
付け方は、上のイラストを参考にしてもらいたい。
イワシの大きさがテンヤのサイズにマッチしたものは一匹掛け。大きいものは頭を落としてセットするのが基本だ。
「用意するエサの数は、最低でも20匹は欲しいですね。タチウオの歯は鋭く、軽くかじられた程度でもズタボロになって即交換となります。30匹くらい用意して余裕を持って釣って下さい」とのことだ。

コツは、頭(落とした場合は切り口)がズレないようにしっかり巻くこと

いくつか作っておいて手返し良く釣ろう
今期は指示ダナ内を細かく探るのが二重マル

タチウオ釣りは、テンヤ釣りでもテンビン釣りでも、アタリダナを見つけることからゲームがスタートする。
「船長は、タチウオの群れの濃い範囲の水深をアナウンスしますが、そのすべでアタリが出るわけではないですからね。まずはその中で、もっとも食い気のある魚がいる層〝アタリダナ〟を見つけ出して下さい」と中村さん。
アタリダナを見つければ、その周辺をダイレクトに攻めることが可能となり、結果、効率良くタチウオが釣れるわけだ。
食い気のある魚は、往々にしてリアクションバイト(反射食い)してくるので、テンヤをタチウオの目の前で動かして誘い、口を使わせよう。
具体的には上のイラストのように、船長の指示ダナの下から誘い上げてくるのが一番だと中村さんはいう。
「現状は、テンヤを跳ね上げるように大きく動かして誘い上げていくより、シェイキングで細かくテンヤをアピールしては止め(食わせの間)を入れ、アタリがなければ、リール1/2回転以下のチョイ巻きを基準にタナを刻んで同様に探っていくのが効果的です」とのこと。
タチウオはご存知の通り、食いのパターンやタナをコロコロ変える。
その他、「電動スローの巻き上げ」や「ストップ&ゴー」などの実績があるテンヤの誘いを次項にイラストで紹介しているのでアタリが遠のいたら実践して続くようにしよう。
アタリがあっても強く引き込まれるまで誘う


アタリを捉えたら、今度はどう食わせるかに神経を集中させよう。
落とし込みの途中でテンヤを止められたり、誘っている途中でいきなりギュイーンと竿を持っていかれたときは、即アワセの電撃フッキング。
食わせの間を入れた瞬間、急にテンヤの負荷がなくなる〝食い上げ〟をしてきたときは、巻きアワセを入れながらの即アワで対応しよう。
ちなみに、それ以外のコツコツやモゾモゾといったアタリは、ほとんどがイワシの腹を軽く噛んで、弱らせているだけの前アタリなので、そのまま誘い続けて強く引き込まれるのを待つこと。
「タチウオはイワシを弱らせてから食うという姑息な手を使いますので、そのまま誘い続けてイワシが逃げる演出で本アタリを出させます」。
その後、グググッと魚の重みが乗ったら、テンヤバリに引っ掛けるつもりでガッツリアワせてフッキングに持ち込もう。
タチウオのほっぺにハリが刺さってたらアワセはバッチリ。
この掛かりどころで、タイミングを調整しよう。
自己記録更新アングラーが続出中のテンヤ釣り。
紹介してきた釣り方を覚えて、ドラゴン退治に出撃だ!!
【東京湾・観音崎~走水沖】テンヤタチウオ 釣行レポート1
釣れるサイズは圧巻のドラゴン級主体!人気爆発のテンヤタチウオ
今期は細かい誘い&チョイ巻きが効果的!

大人気のタチウオ釣り。ポイントの観音崎沖には平日にも関わらず40隻近くのタチウオ船団ができていた

重量感ある骨太ファイトが楽しめる!

最大サイズを釣って竿頭にもなった常連さん。128㎝、126㎝のドラゴンを含む18本を取り込んだ

取材日最大は、この132㎝。指7本のシェンロンサイズ。出船ごとに1本は必ず出現していると中村さんはいう

『つり丸』お馴染み〝なおちん〟こと井上直美さんは終盤にドラゴンを2本ゲット。「時合を逃さずチャンスをモノにして下さい」とのことだ

小柄ななおちんの手で指9本。こんなのがテンヤでは頻繁に釣れるのだ

こちらがこの日のアベレージ。指5本のメーターオーバーが当たり前に食ってきた
アグレッシブな引き味がこの釣りの醍醐味!

掛けた瞬間から竿先をグイグイ引き込んで激しく抵抗するドラゴンクラスのタチウオ。このバトルが病みつきになる!! リーダー8号以上で挑もう!

テンヤ初の釣りマダムは、中村さんのレクチャーで見事メーターオーバーをキャッチした!

奥方を釣れてきた旦那さんもドラゴン級を釣り上げ威厳を保った

取り込みは抜き上げ。竿の反発力ではなく、必ずリーダーを持って行おう

このサイズが3本あれば、十分お土産になる。定番の塩焼きの他、刺身の炙りやホイル包み、イタリアンなど多彩なメニューでお楽しみ下さい

一度テンヤで釣って病みつきになったという初心者の釣りガール。この日も無事に釣れました

「ドラゴンクラスは脂の乗りもバツグンで激うま。食べたいのもあって通ってます」とのこと。ちなみに船長の指示ダナは上からで、群れの濃い層をアナウンスする

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・川崎「つり幸」
過去最高の金メダル獲得に沸いた東京2020オリンピックは大盛況で幕を閉じたが、ここ東京湾では〝銀〟争奪戦が連日、激アツモードで展開されている。
銀とは、みなさんご存知の人気ターゲット、タチウオ。
夏から好調で、とりわけ大人気のテンヤ釣りではドラゴン(全長120㎝以上で指5本以上の大型をこう呼ぶ人が多い)が高確率で取り込まれているのだ。
「トップ平均18本前後で、ビギナーでも誘いの手が合えば7~8本くらいまで数を伸ばす人もいます。釣れるタチウオの大半がドラゴン級で、引きが強烈ですので2~3本でも釣った感はかなりありますよ」とは、川崎「つり幸」で仲乗りをする中村忍さん。
ちなみにこの中村さん、テンヤ船を操船する新海雅也船長(顔出しNGのため写真はありません)が絶大な信頼を置くタチウオハンターで、取材も任せているとのこと。
現在攻めているポイントは、観音崎から走水沖の水深50~70mダチで、今後は徐々に深くなっていくという。
タチウオ釣りは、いかに食いダナを見つけて、どう掛けるかがキモになるが、「今は細かい誘いを入れながらのチョイ巻きが効果的です」と中村さん。
自己記録更新アングラーが続出中のテンヤのタチウオ。
さっそく出掛けてそのポテンシャルを楽しもう!!
以上の記事は「つり丸」2021年10月1日号の掲載記事です。
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