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釣る前に、食べる前に、カガミダイという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、カガミダイという魚を知ろう!

カガミダイ(マトウダイ目マトウダイ科ガガミダイ属)非常に生息域の広い魚だ。北海道から九州、琉球列島にはいないものの、赤道をすぎてニュージーランドやオーストラリア沿岸にもいる。

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カガミダイ(マトウダイ目マトウダイ科ガガミダイ属)の生態

非常に生息域の広い魚だ。北海道から九州、琉球列島にはいないものの、赤道をすぎてニュージーランドやオーストラリア沿岸にもいる。

全長60cm近くになる魚だが、体高があり真横から見ると正円に近いので大型魚は思った以上に大きい。

20cm前後のマアジですら丸呑みにする典型的なフィッシュイーターである。
 
東京・神奈川では、マトウダイと一緒に「かがみだい」と呼ばれていたとある。

漢字は想像でしかないが「鑑鯛」で、鑑は江戸時代などに金属で作られた姿見、すなわち現在の鏡にあたる。

とってのついた鑑の形に似ていたからだと考えている。

形だけを考えると両種とも同じである。

愛知県や和歌山県では「ぎんまと」でこれは明らかにマトウダイと区別するための呼び名だ。

カガミダイの値段は?

釣り、刺し網、底曳き網などでとれる。本種の多くが非常に安く取引されている。

また、マトウダイとは違い鮮魚で入荷してくることはあまりない。

本種がそれなりに値段をつけるのは釣りで揚げたもので、全長30cm以上だ。

このサイズなら1kgあたり卸値で2000円前後はする。

今回の500gサイズで卸値1000円は安いが、おいしい魚なので大切にお持ち帰り願いたい。

カガミダイの寿司…カガミダイのにぎりもうまいが、隠し玉はコレ!

十日以上、故郷徳島に帰っていた。久しぶりに『市場寿司』のれんをくぐった。

故郷の銘菓、「ぶどう饅頭」と大量の魚を手渡し、たかさんに、「下ろしてくれるかな?」
 
船釣りでもしない限り手に入らないヒイラギ、ヒメジなども混ざっているので、きっと嫌な顔をするだろうと思ったら、いきなりの微笑み返しは、大いに気持ち悪い。
 
翌日、市場の釣り名人、クマゴロウにも「ぶどう饅頭」をあげたらお返しにイナダをくれた。

午後、『市場寿司』に行き、イナダを渡したら、ネタケースに白身が溢れた。

ほどなく、全十かんが大皿で出てきた。

「こっちからヒイラギ、ヒメジ、シロギス、クマさんのイナダと」

「こんなにいっぱいつけたら味がわかんないよ。どうかしたの?たかさん。この頃、ハイでへんよ♪」
 
最近、困っているのは全国にいる水産関係の知り合いからの「新種発見報告」だ。

相手は真剣そのものなのに、画像を送ってもらうと、至って普通の魚であることが多い。

「あのな、昔~し流行ったサイケななー、モン(紋)した魚がおるねん」
 
サイケ、すなわちサイケデリックな模様とは、一九六〇年代にヒッピーと呼ばれていた集団が着ていた、服の不定形の不思議な模様だ。
 
八十路の本人自体がサイケな和歌山のオッさんが送って来たのは、ただのウスバハギで、若い個体にはよくこんな模様が出ると説明した。
 
京都府丹後の若い漁師さんは、「赤い髪の有名な、オバチャンの芸術家の、なんていうたらええんかな。そや、水玉模様や、魚送ります」
 
翌日、たかさんに転送してもらって、受け取ってもらったら、こんどはたかさんが大いに騒ぎ出した。

「こんな魚は見たことねーぞ」
 
それもただのカガミダイの若魚だった。

小型には小さな斑紋があって、たくさん散らばっているものがある。

同じ箱に水玉模様の親にあたる大きなカガミダイも入っていた。
 
とりわけカガミダイが素晴らしかった。マトウダイと比べてまずい、と言う人がいるが、冗談ではない。

ここ数ヶ月でダントツのうまさだと、たかさんが太鼓判を押した。
 
お茶を飲んでいた近所のすし屋のKさんにもつまんでもらったら、仕入れてみたいと真顔で言う。
 
皮目をあぶってつけて、その香りと身の甘さに驚き。単に皮を引いてつけた素直な味わいに感動する。
 
ついでにちらし丼を作ってもらい夕食にした。

軽く醤油で洗ってすし飯に乗せたもので、徳島の名残の黄色いスダチの香りがして、酒も飲めるし飯にもなる。一石二鳥の丼だ。
 
新種ではないとていねいに説明したものの、なかなか納得しない

「たかさん、点々のあるヤツと、ないのは親子だからね」

「新種だと思ったのに残念」

「世紀の大発見が、そんなにいっぱいいたら困るでしょ」

「あってもいいじゃん」

「いいですよね」
 
常連さんがじゃまで見えなかった向こう側にいた、若くて可愛い女子があいづちをうった。

たかさんの、ご機嫌の元はこれだったようだ。
 
さて数日後、卵焼きと茅ヶ崎沖のイナダの刺身でビールを飲んでいたら、たかさんがニヤニヤしながら、「あのね、隠し球あんだけど」
 
出て来たのは一見アンコウの肝の軍艦巻きだけど、それでは隠し球にならない。

一気に口に入れたら、濃厚なうま味と甘味が口いっぱいに広がった。

その後のすし飯の酸味がくると、さらりと濃厚さが消える。
 
カガミダイの肝だった。

立派な肝が入っていたので、血抜きして蒸し上げて、冷凍保存していたらしい。

「どうだい味の方は?」

「おそれいりました」

以上の記事は「つり丸」2021年12月15日号の掲載記事です。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

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