LTだから手軽に楽しめる! コマセと仕掛けの同調をイメージ 東京湾の絶品ブランド金アジを攻略

水深25m前後で釣りやすく 中型主体で楽しめる!
寒さを忘れるホットな釣果をお約束!
誰もが手軽に扱える軽い道具を使い、簡単に魚が釣れる東京湾のLT(ライトタックル)アジが厳寒期に入っても絶好調だ。
今回取材した金沢八景「黒川丸」では、午前、午後の一日2便でLTアジ乗合を出しているが、いずれも25㎝前後の中型を中心にトップ40~50匹。
ビギナーでも15匹前後の釣果をキープしている。
「この時期特有の食い渋りもありますが、ポイントはたくさんあります。釣れる場所を探して楽しんでもらっています」とは、年間を通してアジを狙う金沢八景「黒川丸」の貝塚英明船長。
ちなみに釣れるアジは、脂ノリノリの東京湾ブランド金アジ。
メインで釣れている中アジは、身厚で体高もあるので食べ応えもあり、刺身やナメロウ、フライなど、どんな調理でも激うまだ。
ポイントは、行程15分程度の金沢八景沖の近場。
水深25m前後の根周りやカケアガリなど地形が変化している場所を攻めているという。
「浅場で糸フケがそれほど出ませんし、LT効果もあって、ビギナーやお子さんでもアタリが取れますからね。入門するにももってこいの時期といえますよ」と船長。
ちょっと寒さが厳しくなってきたが、そこは防寒対策をしっかりして対応。
もっともコマセに反応して釣れ出せば、夢中になって体もポカポカになると船長はいう。
それでは釣って楽しく、食べて美味しい金アジの釣り方に迫っていこう。
ライト専用竿と小型両軸リールで挑む


道糸はPE2~3号が標準。40号のビシが背負える先調子気味のゲームロッドと小型両軸リールの組合せがポピュラー
LTアジと呼ばれる釣りだけに、道具はすべて軽量、細身のライトタイプを使用することになる。
「道具の軽さは感度に直結しますし、操作性も上がります。つまり、誰にでも扱えて良く釣れる道具ということです」と船長がLTのメリットを最初に解説してくれた。
「黒川丸」で使用するビシの重さは40号。
そのため竿はこの40号ビシに対応するライトロッド、またはゲームロッドを用意しよう。
「以前は8体2調子が主流でしたが、最近はより引き味が楽しめる7対3から6対4調子の竿を使う人が増えましたね。それと長さも1.6mから1.8mまでの短めの竿が圧倒的に多くなりました」と船長。
リールは水深が浅いので小型両軸で問題ないが、小型電動リールで回収を素早くして手返し良く釣る人も多い。
道糸はPE2~3号が基本。
LTだけに、2号以下の細糸を用いる人もいるが、オマツリなどで切れることがあるので「黒川丸」では細くても2号までを推奨している。
テンビンやクッション 仕掛けなどについて

ビシは40号。それを小型片テンビンにセット。船宿の仕掛けは、全長2mでハリス2号2本バリ仕様
ビシのオモリは前述の通り40号。
コマセにイワシミンチを使用するので放出がスムーズなアンドンビシタイプを船宿では推奨している。
ビシを装着する片テンビンは、腕長30㎝前後の小型を使用する。
テンビンに仕掛け繋ぐ際はクッションゴムを用いる人もいるが、船長はケースバイケースで使うのが良いという。
「今は竿の性能が本当に良くなっていて、クッション性が抜群ですからね。現状のように中~小型のアジが多い展開なら必要ないです。ただし、日によっては30㎝オーバーの大型が多いこともあり、まれに良型のクロダイやスズキなどが食いつくこともあります。アジの口切れ防止とそれらのゲストのハリス切れに備えて太さ1㎜で長さ20~30㎝(5㎜幅の輪ゴムでも代用化)のクッションゴムを用意しておくと万全です」
仕掛けは、幹糸、枝スともにフロロ2号。全長2m前後で枝スの長さは25㎝。
ハリはムツバリの10号2~3本バリを「黒川丸」では使用している。
「慣れた方なら3本バリでも構いませんが、ビギナーの方たちはハリ数が1つ増えるだけで、一気に扱いにくくなりますので2本バリがオススメです」とのことだ。
エサは船宿がアカタンとアオイソメを用意


エサはアカタンとアオイソメが配られる。

いずれもチョン掛け(イソメのタラシは1.5㎝でカット)で使用する
「黒川丸」で用意される付けエサは、アカタンとアオイソメの2種類があり出港前に配られる。
ちなみにこれは、どちらが良いということではなく、虫エサが苦手な入門者やビギナー、女性がいるので両方を用意しているそうだ。
「あえていうなら、アオイソメの方がエサとしては万能ですかね。匂いで誘えるうえ、海中で艶めかしく光るアピール力があり、濁り潮のときは特に効果を発揮しますからね。ゲストも多くなりますし」と船長。
ただしアカタンにも強みがある。
エサ持ちが良く、何度も使いまわせて手返しアップに役立つ。
アジの活性が高いときにはこちらがオススメとなる。
これを参考に状況で使い分けよう。
なお使い切ったら、コマセ同様おかわりできるシステムになっている。
エサの付け方は、いずれもチョン掛け。
アカタンは一つのハリに1粒。
アオイソメは上記イラストに付け方のコツを紹介してあるので参考にしよう。
指示ダナまでにコマセを2度まいて仕掛けと同調

LTアジに限らず、すべての船釣りは、仕掛けを絡ませずに投入することから始まる。
まずはこの上段イラストで紹介しているLTアジ用の『仕掛け絡みのない投入法』をマスターしよう。
「〝アジ釣りはタナを釣れ〟の格言があるように、タナ取りが重要となります。最初の投入は、潮の抵抗を受けて仕掛けが斜めに入りがちですので、底ダチ取りをしっかり行って道糸を立ててからタナを取るようにしてください」と船長。
そのやり方も上のイラストにあるので覚えておくこと。
LTアジは、イワシミンチのコマセを使ったコマセ釣法で、仕掛け(付けエサ)とコマセを同調させて魚を寄せて釣る。
では、どう同調させるか?になるが、それは船長が指示するタナ(通常は底から2~3m)の範囲内でコマセを2回まけば、同調ができると船長はいう。
「うちの仕掛けは全長2mで、1.2mの位置と2mの位置にハリがあります。タナが3mの場合なら底から1mと2mでコマセをまけば、だいたいハリとコマセが同調しますよ」。
イメージは下のイラストで紹介しているとおり。
本来なら、タナ止めしたときのハリの位置にコマセがきちんとまかれているのが理想的だが、仕掛けは潮に流されて斜めに漂う。
1mと2mの位置でコマセをまけばOKとなるのだ。
ちなみにタナを取る際は、リールのカウンターを見るのではなく、道糸に付けられている1m刻みのマークを見て正確に巻き上げること。
リールのカウンターは誤差が生じやすいので要注意なのだ。

ハリ掛かりが悪いときは 追わせて食わせよう

指示ダナでアタリを待つ時間は30秒程度。それでアタリがこない場合は、再度底までビシを落として同様にコマセをまいて探ってみること。
それでもアタリがこない場合はビシを回収して入れ替えよう。
アジは向こうアワセの釣り(エサをくわえたら反転して勝手にハリ掛かりする)になるが、最近は軽くアワセを入れた方が、しっかりフッキングする傾向にあるので覚えておこう。
厳寒期のこの時期は、食いが渋ったり、食ってもハリ掛かりが浅く、巻き上げ途中にバレてしまうことがある。
「水温が下がり魚の活性が落ちていることがその理由とされていますが、潮流れや潮向きが気に入らないときにもそうなります」と船長。
そこでアドバイスだ。「そんなときは、アタリがあってもすぐにアワせず、少し聞き上げて魚を上向き状態(エサを追わせる形)にして次のアタリを待ちます。そしてアタリが出たらそこで軽くアワセを入れてください。仕掛けが張った状態になっていますので、しっかり掛かりますよ」。
アジ釣りの醍醐味は、ダブル、トリプルと、追い食いさせていく楽しみもある。
そのやり方や多点掛けの取り込み法を上のイラストで紹介しているので参考にして、美味しい金アジをバッチリ釣ってください!!
【東京湾・金沢八景沖】LTアジ 釣行レポート
新春のスタートダッシュを決めるならコレ!
狙うは東京湾の絶品ブランドアジ!誰もが手軽に楽しめるLTで釣ろう!!

追い食いさせて、こんな引き味を楽しもう!

お馴染み〝なおちん〟こと井上直美さんも25㎝オーバーの良型ダブルを決め「LTは感度も良く、魚本来の力強い引きも体感できますよね。超楽しいです!!」とご満悦でした

「黒川丸」のLTアジは午前と午後の一日2便制。都合に合わせてセレクトを!

脂の乗りは天下一品だ

抜き上げが決まると気分爽快!25㎝までの中型は抜き上げで取り込んで、手返し良く釣ろう

「たまに食い渋ることがあるので、ハリス1.5号も準備しておくと万全ですよ」と竿頭の方が教えてくれた

この日は少々食い渋ったが、ご覧の釣果。「型が良いので大満足です」とのこと

ビギナーでも数を伸ばすことができる。ちなみに「黒川丸」ではタックルはもちろん、ウエアから長靴までのオールレンタルが可能。手ぶら釣行で楽しめます
船中同時ヒット連発!

群れで回遊するアジ。誰かがアタったときはチャンス。素早くタナを取り直してコマセをまいて食わせよう

LTだから子供でも楽しめる。LTアジ3回目の小学5年生は、良型を釣り上げて決めポーズ

冬休み中に楽しみに来た釣りブラザーズ。この日の釣果は、型は中1年のお兄ちゃん、数は弟に軍配があがりました

18~20㎝程度の小型もまじるが、これも美味

引き味が強く美味しいイシモチやカサゴが定番ゲストだ

最近はゲストに良型のクロダイが良くまじるとのこと

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・金沢八景「黒川丸」
冬将軍の到来で船上はかなり冷えるが、そんな寒さを吹き飛ばす超ホットな釣りがある。
シャープで小気味良い引き味はもちろん、食べれば超絶品!
黄金色に輝く魚体がトレードマークの東京湾のブランドアジ・金沢八景沖のLTアジが、型揃いで好調に釣れているのだ。
「このところ食べて本当に美味しい25㎝前後の中アジが中心です。この時期特有の食い渋る日もありますが、トップで40~50匹。ビギナーでも15匹くらい釣って帰るので十分楽しめると思いますよ」と笑顔で語るのは、年間を通してアジを狙う金沢八景「黒川丸」の貝塚英明船長。
ちなみに、初心者でもこれだけ釣れるには理由があるとのこと。
「LTでアジを狙っていますからね。LTの特徴は、道具が軽いのでビギナーや女性、子供でも扱えること。操作性が抜群でアタリも明確に出るので釣れますし、引き味も強く感じるので楽しいですよ」
なお探る水深が25m前後と攻めやすいのも嬉しいポイントだ。
釣り方は、海底から2~3mの指示ダナまでにコマセを2回程度振り出してアタリを待つだけと超簡単。
「アタリが遠い時は移動しますので、安心して遊びにて下さいね」と船長。
さぁ、型が揃うメチャうまの金アジを思う存分釣って、新年のスタートダッシュを決めよう!!
以上の記事は「つり丸」2022年2月1日号の掲載記事です。
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