誰もが簡単に釣れるLT! 現状はコマセを濃くまくのが得策!美味ハマアジを釣りに行こう!!
水深20m前後で中型主体に釣れている
誰もが手軽に扱え、アタリも明確に出て簡単に魚が釣れる! LT(ライトタックル)でのアジが、低水温下の中でも安定して釣れている。
取材に出掛けた横浜新山下「渡辺釣船店」では、午前、午後の1日2便のLTアジ乗合で出船しているが、いずれもトップ35匹前後を推移。
ビギナーでも15匹近くまで数を伸ばしている。
「日によっては低水温期特有の食い渋りや、突然食いが止まることもあって数が伸びないときもありますが、みなさん寒さに負けず一生懸命釣ってくれているのでこの釣果をキープしています」とは、アジ船を担当する杉村裕二船長の言葉だ。
ポイントは、行程15分程度の横浜沖。
ベイブリッジ下などをメインに本牧までの水深20m前後を攻めている。
「浅場のフラットな場所にアジが溜まっています。糸フケがそれほど出ませんし、LT効果もあって釣りやすいですよ。ビギナーやお子さんでもアタリが取れますので楽しく遊べますしね」。
釣れるサイズは、最近グルメ派のアングラーたちが注目している大きさで23㎝前後の中アジが主体。
脂の乗りがバツグンで食べてメチャうまなことから彼らはこのアジを〝ハマアジ〟と呼んでいるとのことだ。
なお取材日もこのサイズがメインだった。
ではさっそく、その絶品アジの釣り方に迫っていこう!
誰もが楽しめるLTを使用 竿の調子は7対3が基準

通常の道具立てより、軽いタックルで挑めるLTの釣り。
ビシアジ釣りというとノーマルでは130号前後を使うところ、LTなら40号で済むのでかなり楽に釣ることができる。
「軽い道具は、操作性がアップしますし、何より感度が上がります。先程、ビギナーやお子さんでもアタリが取れますと話したのは、まさにこのことで、LTとは誰にでも扱えて、良く釣れる道具ってことになるんです」と船長。
使用する具体的なロッドは、「LT用」とか「ライトゲーム用」が理想的となる。
ビシをシャクってコマセをまいて、魚を寄せて釣るので、竿の硬さはシャクリに適した7対3調子がビギナーには使いやすいとのこと。
「好みで6対4調子、また8対2調子を使用する人もいます。ちなみに6対4調子を選ぶ方は比較的、腰が強めの竿を選び、8対2調子を使う方は、クッションゴムを用いてアジのアタリを弾かないように釣る人が多いですね」と教えてくれた。
リールは水深が浅いので小型両軸で十分楽しめるが、小型電動リールで回収を素早く行い、手返し良く釣る人も少なくない。
道糸はPE2号が基準。
LTだけに、1号以下の細糸を用いる人もいるが、オマツリなどで切れることがあるので「渡辺釣船店」では、細くても1.5号までとしている。

専用竿に小型両軸リールの組合せが一般的。竿の長さは1.6mから1.8mまでが主流
仕掛けはハリス2号2m ハリは銀バリを使用

仕掛けはフロロの2号通しの2m2本バリ。銀バリを使うことで、サバ除け効果を狙っている/小型テンビンにアンドンビシの40号を使用。念のためにクッションゴムを付けておこう
ビシのオモリは前述の通り40号。
放出がスムーズなアンドンビシタイプを船宿では推奨している。
なおビシを持っていないビギナーは、船宿にレンタル(テンビン付き)があるので、それを借りるといいだろう。
テンビンは、腕長30㎝前後でOKだ。
船長はクッションゴムを付けることを推奨している。
「中型が主体なので付けなくても構いませんが、クロダイなど不意の大物も釣れますからね。念のために1~1.5㎜、20~30㎝を付けておくことをオススメしています」と船長。
仕掛けは一般的なフロロの2号通しの2m2本バリ仕様だが、「渡辺釣船店」ではハリのカラーにこだわっている。
「3本バリでも構いませんが、ビギナーの方はハリ数が1つ増えただけで、いきなりさばきにくくなりますからね。うちは入門者も多いですし。銀バリを使うのは、サバ避け効果が多少あるからです。サバが掛かると走りが速すぎて入門者やビギナーは対処ができず、結果、オマツリとなりますからね」と、その理由を教えてくれた。
エサはアオイソメ タラシ2㎝以内で挑む


エサはアオイソメ。2㎝程度に切って使う
エサは匂い効果の他、海中で艶めかしく光ってアピールするアオイソメが出船前に配られるのでそれを使用する。
「使い切った場合は、コマセ同様、おかわりできますので声かけして下さい」。
付け方は、上で紹介している方法をオススメする。
滑りにくく、付けやすいので実践してみよう。
ちなみにアジはエサを吸い込んで捕食する魚なので、吸い込みやすさを考えてエサ付けするのがセオリーとなる。
通常は口からハリを刺したチョン掛けで付けて、タラシが2㎝以内になるようにカットするのが基本だ。
なおハサミでカットした方が、匂いの元となる体液が飛び散らず、エサ持ちも良い。
密度の濃いコマセワークを行い仕掛けと同調させる


ジャンルを問わず、すべての釣りは仕掛けを絡ませずに投入することから始まる。
まずは上の上段イラストで紹介しているLTアジ用の『仕掛け絡みのない投入法』をマスターしたい。
また〝アジ釣りはタナを釣れ〟の格言があるように、しっかり道糸を立てる『底ダチ取り』も重要となるので、同時に紹介しているイラストをチェックして覚えておこう。
LTアジは、ビシアジ同様のイワシミンチのコマセを使ったコマセ釣法で、仕掛け(付けエサ)とコマセを同調させて魚を寄せて釣る。
この同調法は、各船宿で微妙に違うが「渡辺釣船店」では、船長が指示したタナの1m下で、ビシをシャクってコマセをまいて、その後タナまで巻き上げるスタイルをとっている。
「うちの仕掛けは、全長2mで1.2mと2mの位置にハリがあります。本来なら、タナ止めしたときのハリの位置に、コマセがきちんとまかれているのが理想的ですが、仕掛けは潮に流されて斜めに漂いますからね。これで問題ありません」とのことだ。
なおこの時期は澄み潮で海水の透明度が高いので、コマセを2~3回まいて密度の濃いコマセをまくのが釣果を上げるコツだと船長はいう。
「アジは意外と臆病で濁っている方が、警戒心が薄れてエサを食ってきます。コマセを濃くまいて、その濁りを演出して下さい」。
具体的なやり方は上の下段イラストの通りで、重要なのは竿でビシをシャクリ上げたときに一度止めを入れること。
コマセは、ビシを動かして止めた時にフワッと出る。
つまり曲がった竿先が跳ね上がって戻るのを待ってから次の作業を行わないとコマセが出ないので要注意なのだ。
待ち過ぎは負のスパイラル アタリが遠くても同様に!

指示ダナでアタリを待つ時間は30秒程度。
それでアタリがこない場合は、再度底までビシを落として同様にコマセをまいて探ってみること。
それでもアタリがこない場合はビシを回収して(ビシの容量が少ないので2度探ったらコマセはない)、入れ替えよう。
低水温期の今は、食いが渋く、アタリが遠くなることが多々あるが、そこで手を止めてしまうのは得策ではないので注意したい。
「アタリが無いと、置き竿にして群れが来るのを待ちたくなりますが、それが負のスパイラルの入り口です。手を止めるとコマセが切れ、コマセが切れると、魚が寄らなくなり、さらにアタリが遠くなります。アジ釣りは魚をコマセで寄せて釣ります。食いが渋いときこそマメにコマセをまいて、誘って食わせて下さい。ちなみに、あまりにも食わない場合は、移動しますから」と船長。
アジは向こうアワせの釣りだが、この時期は軽くアワせを入れた方が、しっかりフッキングする傾向にあることも覚えておこう。
アジ釣りの醍醐味は、ダブル、トリプルと、追い食いさせていく楽しみもある。
そのやり方や速潮時のコマセワークを下のイラストで解説してあるので、ここまで紹介した基本の釣り方と共にしっかり覚えて、美味しい〝ハマアジ〟を釣りに出掛けよう!!
【東京湾・横浜沖】LTアジ 釣行レポート
低水温もなんのその!春に向けて視界良好!!
澄潮対策でコマセを濃くまくのがコツ!誰もがカンタンに釣れるLTで楽しもう!!

ポイントは行程15分のベイブリッジ下から本牧沖の水深20m前後。比較的フラットな場所が多いので、根掛かりもなく楽しめる

『つり丸』おなじみのJKアングラー・モモこと千葉百々絵ちゃんも乗船してハマアジ釣りを満喫。

「初めての船釣りでしたが、完全にハマりました。この引き味、病みつきになりますね」とのこと

取材日は女子率高めで船上は華やかムード。初挑戦の彼女(右)は先輩に教わりながら7匹を釣り上げ「食べるのが楽しみです」とニッコリ
LTだから引き味もバツグン!

LTは、道具が軽く感度が良いので魚の引き味が倍増する。子供でも扱えてエキサイティングな釣りが楽しめる

この日は反応の割に食い渋ったが、一荷も何度かあった

アジ釣り5回目という小学5年生の釣りキッズは、15匹をゲット。自分でさばいて家族にふるまうそう。あっぱれです!!

最大サイズはこの28㎝。体高があっていかにも美味しそうだ

ハマアジと呼ばれる23㎝前後の中型がメインで釣れる。親子で仲良く同時に釣り上げた

渡辺釣船店」では、ジグヘッドとソフトルアーを使うバチコンアジングも楽しめる!

この日はグローピンクのワームにアタリが集中した

ルアーとエサの二刀流。エサでも首尾良く食わせた

イシモチは定番ゲストだ

最近はサバも回遊。これもうまい!

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・横浜新山下「渡辺釣船店」
年間を通して最も海水温が下がる3月初旬だが、横浜沖のアジたちは元気いっぱいだ。
取材にうかがった横浜新山下「渡辺釣船店」は、午前午後の半日船で出船しているが、いずれもトップ35匹前後を推移。ビギナーでも15匹ちかくまで数を伸ばしている。
「みなさん寒さに負けずに頑張って釣ってくれるのでこの釣果をキープしていますが、低水温期特有の食い渋りやいきなり食いが止まることもあります。時合いを逃さずに手返し良く釣って数を伸ばしてくださいね」とは、アジ船を担当する杉村裕二船長。
ちなみに釣れるサイズは、最近グルメ派の釣り人たちが〝ハマアジ〟と呼ぶ23㎝前後の食べてメチャうまの中アジが中心で、取材日もこのサイズの数釣りを楽しめた。
さて、そんな絶品アジを釣るには、コマセと仕掛けの同調が肝心となる。
「この時期は、潮が澄んで透明度が高くなりますので、密度の濃いコマセワークを心掛けてください」と船長。
近年は低水温期でもアジが深場に落ちにくく、水深20m前後の浅場で狙えて釣りやすい。
それに加えて「渡辺釣船店」では、アタリが明確に出るLTを使用するのでビギナーでも簡単に釣れて楽しめる。
さぁ、みんなで激うま〝ハマアジ”を釣りに行こう!!
以上の記事は「つり丸」2022年3月15日号の掲載記事です。
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