正真正銘のデブッチョアカムツが釣りたくて皆春本番の犬吠沖へ足を運ぶ

春の訪れを待っていたかのように、立春の頃より犬吠埼沖のアカムツが食い出した。
今年は解禁当初食いがイマイチで心配されたのだが、ここに来て規定数(今年から8匹)に達する日も出だし50㎝級のメタボアカムツも増えて来た。
このチャンス逃すべからずということで今シーズン3度目のアカムツ釣行を決めた。
2時間ほどウトウト。エンジンがスローになったころ到着

お世話になったのは波崎新港の「ひろの丸」。
この日の相客は6人。皆気合の表れか集まりが早く、4時過ぎには全員の準備が整い出船となった。
2時間ほどウトウトとしエンジンがスローになったところでキャビンから這い出ると辺りはすでに明るい。
さすがは本州の平地で一番日の出の早い犬吠埼、のさらに20マイル東方だ。
「準備が出来た人から始めるよー。水深238m」と声が掛かるが、エサのホタルイカの解凍が間に合わない。やむなく持参のサバ短だけでまずは第一投となった。
仕掛けはリールのカウンター250m少々で着底した。昨日は潮が速く苦戦したと聞いていたが、この日はそれほどでもないようでまずは一安心。
そして糸フケをとりオモリトントン状態をキープしていると、クックッ! と小さいながらもハッキリとしたアタリ。
軽く聞きアワセを入れ再度竿先を水平に戻し様子を見ると、またクックッ!と竿先がおじぎする。
しめしめハリ掛かりしたな、で巻き上げを開始。巻き上げ途中も50~70m置き位に、それほど強くはないがハッキリとした引き込みを見せ、本命確信率は上昇。
巻き上げが止まり仕掛けを手繰ると案の上、金オレンジに輝く魚体が浮上。
上っ針に掛かっていたのは35cmと中型ではあったが、一投目からの本命に気分が悪かろうはずはない、というか口には出さずとも気分は上々絶好調だ。

船で配られるエサは真空パックされたホタルイカ

身エサとホタルイカの抱き合わせ、いわゆるエサ付けの基本形で十分
小サバやサメなどゲストからのアタックも多くなって来た
2投目は小サバが多く早々に流し替え、3投目には右トモ、右胴の間と本命が上がり、それらしき引きで慎重に巻いていた左トモ師には良型のクロムツが上がった。
まずまずの滑り出しだったのだが、その後はややアタリが遠くなる。というのも上っ潮が速くなりオマツリが多くなり、また小サバやサメなどゲストからのアタックも多くなって来たのだ。
昨日は掛かったアカムツをウバ食いするサメだったようだが、今日のサメはハリに掛かって来る小型のサメ。
これが時に本命か!というアタリを出すので悩ましい。
巻き上げ途中での竿を叩く回数が多く「多分…」となるのだが、サメだサメだと思っていたら特大アカムツなんてこともなくはないので仕掛けを手繰るまでは期待する。
そしてやっぱり「あ~あ」となるのである。
無事40㎝超えの良型が上がったのまでは良かったが…
船長はポイントを小移動。すると小サバ、サメからは逃れられたが、本命からのアタリも少なくなった。
ただし時々アタるのは良型だから油断は出来ないし集中力も切らしてはいけない。
自分は左舷のミヨシという釣り座の優位性もあってここまでオマツリはゼロ。
なのでアタリが少ないならばと仕掛けを少しいじった。赤LEDのライトを仕掛け上部に付け、ハリスを90㎝と長くした。
この流しは良い所に入ったようで、着底後即アタリの方も2、3人いて、早くも巻き上げに入っている。
自分にもやや時間をおいて今日一の良いアタリ。
しめしめと思っていると、こんな時に限って反対舷の方が上げた仕掛けとオマツリ。
取り込みを優先してもらい無事40㎝超えの良型が上がったのまでは良かったのだが、その方以外他2人のオマツリにも巻き込まれた。
ようやく解き終わり「まだ付いているかな?」と巻き上げを開始するとなんと高切れ。
船底とこすったのか道糸300mごと仕掛けをロストしてしまった。
道糸、オモリも痛いが、それよりもこのタイミングで上がっていたアカムツが皆40㎝を超える良型揃いだったので「多分自分のも…」が一番痛かった。
こんなこともあろうかと道糸の予備は持参していたので次の流しには間に合ったが、この時が当日の一番の食い時間帯だった模様。
次の流しからは単発でポツポツの展開。
しかし自分の2匹目はやや小型だったが、それ以外は45cm級の大型含め良型揃いだったから文句はない釣れ具合だった。
この日の釣果は1~4匹。数的には良い日に比べれば今一つではあったが7人でボウズなし。
型は良型主体に40㎝超え連発、しかも全てが体高のあるメタボアカムツだ。
この時期のアカムツには真子は入っていないから正真正銘のデブッチョアカムツ。
このサイズが釣りたくて皆犬吠沖へ足を運ぶのである。
犬吠沖のアカムツは春が本番。
人気の釣り物だけに予約はお早めに。
【犬吠埼沖】アカムツ 釣行レポート
デカイアカムツ求めて! いざ、犬吠埼沖へ!
水深250m前後、この時期が 一番と推すグルメファンも多い

船上はいつもきれいな「ひろの丸」

正真正銘のメタボアカムツがコレだ

しっかりとフッキングしていればまずバレることはない

朝のチャンスタイムはあちこちで多点掛けが当日の竿頭は高橋さん。釣りはほぼアカムツしかやらないというフリークだ

食い渋り時例外ではなくサイズも若干小ぶりだった
このメタボ1本がうれしい!!

来ました!40㎝級。まずはこの1本で一安心

贅沢にも規定数は一人8本となっている

しかし、こんなメタボアカムツを1本でもキャッチできれば、本来なら十分すぎるくらいなのだ

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・波崎「ひろの丸」
でかいアカムツが釣りたければここ!犬吠埼沖のアカムツが絶好モードに入って来た。
「今年は解禁当初食いが良くなかったのですが、2月頃より食い出してその後は順調ですよ」とは波崎新港「ひろの丸」の廣野正船長。
ただ釣り場は犬吠埼の沖合約20マイル、航程2時間ほどの外洋ゆえシケで出られない日も多く、また黒潮の分流など沖の潮流の影響も受けやすい。
「潮が速かったり二枚潮だったりすると釣りづらいです。潮加減でアカムツの群れも入ったり出たりで、日によって釣果に波もありますよ」が難点といえば難点。
だがそれを補って余りあるのが犬吠沖。
40㎝級の良型から50㎝超の特大メタボアカムツも狙え、良い日には規定数の8匹をクリアするなんて釣り場はそうざらにはないからで、土日などは予約が取りづらいほどの人気だ。
アカムツは夏から秋にかけて産卵するため、この時期の個体には真子が入っておらず(入っていても極小さい)腹パンボディは正味のメタボ体形。
一年を通してうまい魚だが「この時季が一番」と推すグルメファンも多い。
釣り場の水深は250m前後と深いが、規定でハリ数は2本に押さえられているから、投入やオマツリ時の対処もそう苦にはならない。
深場ビギナーも臆することなく超美味魚を釣りに行こう!
以上の記事は「つり丸」2022年4月1日号の掲載記事です。
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犬吠埼から約20マイルの大海原に船団が形成されるほど人気ターゲット