ビギナーでも楽しめて奥深い!根掛かり覚悟のベタ底狙い!数釣りの中から良型をゲット!
好調な滑り出し!今後は 水深浅くなり楽しさ倍増!

アジやメバル同様、手軽に狙える東京湾の人気ターゲット・カサゴ。
釣り方も簡単でアタリも多く、引き味もバツグン。
そのうえ数がまとまるので、入門者はもちろん、ベテラン勢のファンも多い。
そんなカサゴが、満を持してシーズンイン。
いち早くスタートしたのは、神奈川県久比里「山下丸」。
ということで、さっそく今期の状況を確認に。爆釣法もお聞きしてきた。
「昨日(3月24日)開幕したばかりなので全体像は掴めていませんが、とりあえず数、型ともに例年通りのスタートを切ることができました」とは、カサゴ船を30年以上担当するベテランの山下克範船長。
シーズン初期は、中、小型がメイン。
例年20匹前後の釣果になることが多いそうだが、初日は27㎝の良型まじりでトップ18匹。
スタートとしては、まずまずだったという。
開幕時のポイントは、久里浜沖の水深30mダチが中心で、大小の根が連なる場所を流し釣りで探っているとのこと。
そして水温が上がるにつれて、浅場で釣れるようになり、それに伴いサイズアップ。アタリの数も増えていく。
ちなみに梅雨以降の最盛期に突入すれば、水深10mを切るような超浅場で1束近くの釣果を記録することもあるそう。
また水深が浅いことで引き味が倍増。
エキサイティングなやり取りが楽しめることもファンを魅了する要因となっている。
取材日以降も、うなぎ上りに釣果を上げている久里浜沖のカサゴ。
さっそく攻略法に入ろう。
しなやかに食わすゲームロッドがオススメ

胴調子のゲームロッドに小型両軸リール。PE2号が標準タックル
ゴツゴツした根の中に棲息し、落ちてくるエサや近くを通るベイトを虎視眈々と狙って捕食しているカサゴ。
終始手持ちで底を確認しながら釣ることになるので、タックルは軽量なものが断然有利となる。
「軽いゲームロッドが主流ですね。シーズン初期のカサゴは活性がそれほど高くないので、うちではゲームロッドの中でも、エサの食い込みが良い竿先がしなやかな胴調子タイプをオススメしています」と船長。
長さは、扱いやすい2m前後で、調子は6対4ぐらい。
「エサを捉えたカサゴは巣穴に戻り、根にへばりついてしまいます。そんなカサゴを根から引き離すことができる胴に張りとパワーを併せ持つ竿が理想ですね」という。
リールは手巻きの小型両軸。
巻き上げ力の強いタイプだと、より安心してやり取りができる。
道糸はPEラインの2号が基準。
ちなみに感度重視で、2号より細い糸を巻いて挑む人もいるが、根掛かりしたときにハリスより先に高切れすることがあるので「山下丸」では推奨していない。
仕掛けは船宿オリジナルの胴付き2本バリを!

「山下丸」特製の釣れるカサゴ仕掛け。幹間、枝スの長さなどは実績からはじきだされている。/使用オモリは25号。一般的な小田原型で良いが、〝根掛かりしにくい〟と、棒オモリを使用する常連さんも多い
仕掛けは、胴付きの2本、または3本バリで挑むカサゴ釣り。
市販されている仕掛けでも十分釣れるが、カサゴにこだわる「山下丸」では、オリジナルの仕掛けを用意。〝間違いなく釣れる〟と絶大なる信頼をお客さんから得ている。
「長年カサゴ釣りをやっていますからね。いろいろな仕掛けを試し、良いとこ取りをして、さらに改良。現在に至ったわけですので、それなりには釣れると思いますよ。ちなみに、この仕掛けでこれから始まるドジョウエサでのカサゴ釣りも問題なく楽しめます」と船長。
仕掛けを自作する方もいるので、簡単に紹介しておこう。
仕掛けの全長は85㎝で、2本バリ仕様。
上から30㎝と70㎝の位置で枝スを出している。
幹糸のハリスは3号。
枝スは2号で、長さは25㎝。枝スの接続は直結で、ハリはセイゴバリの13号だ。
枝スの接続に親子サルカンや回転ビーズを使うとヨリがつきにくく、よりナチュラルにエサを漂わせて誘えるが、その分、仕掛けの単価が上がる。
この釣りは根を攻めるので、根掛かりによる仕掛けのロストが激しい。
船宿では、仕掛けは消耗品と考え、「それなら安く提供しよう」と枝スを直結にしている。
エサはサバの切り身 薄く加工するのもアリ


エサはサバの切り身

チョン掛けで使う
エサは、長さ7㎝程度に揃えてカットしたサバの切り身が乗船時に配られる。
付け方は、チョン掛け。皮側の端2㎜程度の中央部にハリ先を刺して使用する。
エサがクルクル回っていると食いが悪くなるので、回収時に水面をチェック。
回転して上がってくるようなら微調整すること。
取材時は時期が早く出番がなかったが、水温が上がってくると久比里地区限定の特エサ〝生きたドジョウ〟を併用して使うようになる。
ドジョウエサは、エサ取りに強く、アピール力も高いため大型カサゴに効果があるとのこと。
こちらの付け方は、下アゴからハリを刺し、上アゴに貫通させる。
ヌルヌルして付けにくいので、床にバチンと叩きつけて仮死状態にしてからハリに刺すのがセオリーとなっている。
根掛かり覚悟のベタ底狙い 仕掛けの安定を心がける

さぁ、ここからは具体的な釣り方に入ろう。
前述した通り、カサゴは起伏のある根の中に潜み、エサが近くに来るのを待っている。
「カサゴは悪食で何でも食いますが、それほどエサに執着するタイプでもなく、巣穴から飛び出して何メートルもエサを追うことをしません。だから、こちらから海底にエサを運んで食わせてやるのが大切です」と船長。
理想的な釣り方は、エサが海底から離れないようにオモリを底に着けた状態でアタリを待ちたいが(枝スが潮に乗り底付近にちょうどエサが漂う)、船は潮で流されながら起伏のあるポイントを攻めて行く。
オモリを底に着けたままにしておくと、たちまち根掛かってしまう。
わずかにオモリを浮かせてアタリを待つようにしよう。
近年は、カサゴの鼻っ面にエサを漂わせないと食ってこない傾向にあり、シーズン初期は、それが顕著になるという。
オモリを浮かせる高さは5㎝を意識。
そして10~15秒に1回底ダチを取り直して海底をトレースしながらアタリを待とう。
「経験上、激しい誘いは逆効果になります。むしろ仕掛け(エサ)を安定させた方が食いますので、時化気味のときは、船の揺れを吸収するように竿先を上下して、仕掛けの安定に努めて釣って下さい」とのことだ。
早アワせは禁物 向こうアワせで釣る
カサゴは、チョン掛けしたサバの切り身を一気に食うこともあるが、通常はいったん咥えてからゆっくり噛み直して捕食する。
アタリは、ガンガンガンと竿先を叩く感じで明確に出て、ロッドを持つ手にも伝わるが、ここでビシッ! とアワセを入れると、たいていスッポ抜けるか、エサがボロボロになった状態で上がってくる…。
「いきなり力強い明確なアタリを出すので、みんな本アタリと勘違いしてアワせてバラしますが、これを阻止する方法はひとつしかなく、しっかりエサを食わせることしかありません」と船長。
その見極めは、前項のイラストで紹介している通り、竿先が海面に持って行かれるくらいの強い引き込みがあるまで待つことになる。
勝手にハリ掛かりして反転して逃げる状態(向こうアワせ)になったら、掛かりを確認するようにロッドを立てていき、最後にハリに乗せるイメージで〝よいしょ〟と持ち上げてフッキングさせよう。
慣れてきたらゼロテンで 攻めの釣りを展開


多少やり込んでいくと、オモリやハリが根に食われる感覚がわかってきて、根掛かる前に仕掛けを持ち上げて、ある程度回避できるようになってくる。
こうなると釣りの幅が一気に広がり、攻めの釣りが楽しめるようになって釣果も倍増する。
「遠投して広く探れるようにもなりますし、違和感なく食わすことができる〝ゼロテンの釣り〟もできるようになります」と船長。
ゼロテンの釣りとは、オモリが底に着いたら糸フケを取り、仕掛けを張らず緩めずのゼロテンション状態で待つ釣法だ。
「枝スに抵抗がかからないので、よりナチュラルにエサを漂わせることができます。カサゴがよく食ってきますよ」。
具体的なやり方は上のイラストで紹介しているので、よくチェックして数釣りに役立てて下さい。
久里浜沖のカサゴは食べても激うま。
エサが豊富で早潮にもまれているので、甘みが違うと常連さん。
「定番の煮付けだけでなく、大型は刺身でも行けるし、洋風のアクアパッツァやアヒージョなんかもうまい」とのこと。
今後は活性がグングン上がり、釣りやすくなるので、たくさん釣っていろいろなメニューを楽しみましょう!!
【東京湾・久里浜沖】カサゴ 釣行レポート
活性は上々!今後も期待大!!

開幕2日目で様子見の雰囲気があったが、ポイントにいたカサゴたちの食いはまずまず。同時ヒットに一荷と、気持ち良く口を使ってくれたので、今後も期待できると船長

比較的、アタリを明確に出す魚だが、そこで早アワせをするとスッポ抜ける。要注意だ

根掛かり覚悟の攻めのゼロテンで、良型を一荷で仕留めた

この日のトップは29匹まで数を伸ばした。小型はリリースして、食べられる分だけ持ち帰るとのこと

ポイントは久里浜沖をメインに北は観音崎沖。南は下浦沖までと広範囲に渡る/近年では、軽いゲームロッドを使う人が圧倒的に多い

今回は、〝なおちん〟こと井上直美さんもカサゴ釣りに挑戦。

アワセのタイミングをマスターしたなおちんは、後半、絶好調に!

「例年ゴールデンウィーク頃から活性が上がり出すので楽しみだ」とベテランカサゴファン

シーズン初期は、それほど根がキツイ場所を攻めないが、それでも根掛かりはする。仕掛けやオモリを多めに持参して挑もう

後半は23㎝前後の中型メインで釣れた

オニカサゴもまじるので注意しよう

ムシガレイは定番ゲスト

高級魚のオニオコゼも顔を出した。トゲに注意!

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・久比里「山下丸」
春の魚はメバルやマダイだけではない!とばかりに開幕した東京湾のカサゴ釣り。
いち早くスタートしたのは、神奈川県久比里「山下丸」。
ということで、さっそく状況確認に出かけてみた。
「昨日(3月24日)初出船だったので、まだ何ともいえませんが、とりあえず数、型ともに例年通りの釣果でスタートを切ることができました」とは山下克範船長。
シーズン初期は、中、小型がメインで、20匹程度の釣果になることが多いが、初日は27㎝の良型まじりでトップ18匹。
スタートとしては、まずまずだったそうだ。
開幕時のポイントは、久里浜沖の水深30mダチが中心で、大小の根が連なる場所を流し釣りで探っていく。
「この釣りは、タックルも軽く、釣り方も簡単です。オモリを底スレスレにキープして、仕掛けを安定させて待つだけで釣れますので、ビギナーや子供でも楽しめます。ただし、人より多く釣るとなると、それなりに奥が深いですからね」と微笑む船長。
根掛かりをいかに回避するか? どうエサを食い込ますか? など、それなりの技術が必要でアツくなるという。
取材日以降、うなぎ上りに釣果を上げているので、数釣りを楽しみながら良型を狙いに行きましょう!!
以上の記事は「つり丸」2022年5月1日号の掲載記事です。
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