根掛かりの多さに苦戦するも 良型多点掛けでお土産バッチリ

東京の桜は完全にシーズン終了。
桜の花が散って葉が出始めた時と、日本シリーズの勝者が決まって野球シーズンの終わりを告げた時と、この2つは私にとっては年間の2大喪失感を感じるとき。
しかし桜の場合は桜前線北上とともに、自分も北上すれば追いかけることができる。
ちょうど東京の桜が峠を越えた頃、茨城は最盛期。しかも桜に負けずと日立沖名物のジャンボメバルが連日数釣りモードで最高潮と聞く。
「尺メバル」という表現があるように、30cmを超えるメバルはメバル釣り師にとっては一つのステータス。
日立沖では30cmオーバーは珍しくない。しかも数釣りを楽しむこともできるのだ。
日立久慈港「釣友丸」の若林一船長に聞くと「今シーズンも連日好調ですよ。いい人は50匹を超えています。このあたりのメバルはサイズもいいですから引きが楽しいですよ。やっと乗っ込みで浅場に集まり始めたから、これからしばらく楽しめると思います」と話す。
これは行かない手はない。
泣きの一回の桜と、そして船上に咲くメバルの大輪を拝みに4月9日に日立久慈港へと向かった。
一投目から根掛かりで筆者は出遅れてしまう

胴付き仕掛けで狙う

付けエサはサバの切り身
私にとっては数年ぶりの日立沖メバル。
適しているタックルを思い出しながら、ロッドには食い込みを重視して少し長めの胴調子を、そして使用するオモリ60号に合わせてヒラメ用のロッドを代用することにした。
水深は40~50mなので小型電動リールをチョイス。
仕掛けは手返し重視で、6本バリの胴付き仕掛け。
目の良いメバルだけに、ハリスは細めの2号。
準備は整い、計7名の釣り客でいざ出船。ポイントは港を出て30分ほどの日立真沖。
船で配られるエサはサバのタンザク。微かな記憶で以前はモエビなどでやったこともあったかと思うので、オキアミを持参してもいいかもしれない。
また、冷凍イワシを持参している人も多数いた。
フィッシュイーターの側面もあるメバルだが、基本的には雑食性なので多くのエサが有効になる。
ポイントに着き、サバの切り身をチョン掛けにして投入。
メバルは底から少し浮いて幅広い層を遊泳している。
そのため、ベタ底にする必要はない。
着底を確認して本来は50~100cmほど上げて待つ。
分かってはいるのだが、身に付いた根魚釣りの胴付き仕掛けの扱いと、数年ぶりのポイントの様子を確認してみたくて底をトレース。
「ガツッ」といきなりのヒットかと思ったら、それは大地なる地球。
痛恨のミスで、最初の一投からオモリと仕掛け半分をロストしてしまった。
多くの魚がそうであるように、朝イチの時間帯は一番のチャンス。
しかも目の良いメバルは、日が昇ると格段に食いが落ちる。
私が仕掛けの交換でもたついている間、周りではさっそく名物のジャンボメバルが顔を出し始めた。3点、4点掛けの人もいた!
すばやく仕掛けを交換して再投入するも時すでに遅し。
一定の場所に縦に長く反応が出るメバルだけに、その場所を過ぎるともうメバルはいない。
後悔しながら次の一投を待つ。
良型多点掛け連発! アタリも明確で楽しい
今度は着底してすぐに仕掛けを50cm上げて待つこと数秒。
竿先にアタリ。その後バタバタと猛烈に竿先が叩かれる。ガツガツとかという表現ではなく、本当にバタバタだ!
聞きアワセなどといった繊細な動作は一切不要。
タナに入れば、強引にひったくられるようなアタリ。
今度は無事に本命のオキメバルを3匹ゲット。
3投目も同じようにやってみたが、今度は2投目よりもさらに引きが強い。
周りで5点掛けとかもあったので、私も追い食いを待って少し様子を見た。
これが仇となり、軟らかめのヒラメロッドがきれいな反月面を描いて入り込むやいなや、またも大地なる地球の餌食。
本日2個目のオモリのロスト。
オモリは無くなったが、本命を4匹取れたのがせめてもの救い。
前半はこんな感じでブランクがそのままミスにつながり、いろいろと確かめながらの釣りとなった。
この時点で8本バリで臨む常連さんは、ハリ数パーフェクトもあって30匹を超えたそう。
しかもお腹がはちきれそうに膨れた腹パンメバル主体。
トップは66匹! ソイもまじった
私の釣ったメバルは、常連さんのと比べると少し小さい気がする。
もちろんメバルにしてはかなりの大きさではあるのだが…。
ヒントを得るべく聞いてみると、「デカいのは上のハリに食ってくるよ。底からかなり浮かせた方がいいよ」とのいい情報。
釣り座に戻って心持ち浮かせて待つも、さすがにピークの時間を過ぎているのか、アタリが少しずつ遠のいていてすぐには答えが出ない。
すると、また常連さんに強烈なアタリ。今度は見事なサイズのソイ。
「あれ、ソイが釣れるのはむしろ底目だよな?」と思いながら、我慢できず底に仕掛けを落とすとガツガツ。私にも一回り小さいサイズのソイ。
うれしいゲストではあるのだが、欲しいのは大型メバル。
しかし、この日は想像以上の根掛かりで準備していたオモリと仕掛けを使い果たしてしまった。
冒頭に「目の良いメバルは日が昇るとアタリが遠のく」と書いたが、それを凌駕する魚影の濃さと乗っ込み時期の食い気によって、この日はポイントが合うと後半でも多点掛けが見られた。
常連さんはさすがの腕前で、トップの菊地さんは66匹と大釣り。全員が40匹オーバー。
1匹のサイズが大きいので、全員クーラー満タンとなり笑顔満開で納竿となった。
船長に聞くと、「メバルは駆け上がりを攻めているから、根掛かりしないために結構浮かせたほうがいい。根掛かりすると仕掛けの交換で手返しが落ちるからね」と話す。
次回への宿題を頭に叩き込み、そして今度は十分な交換用仕掛けを準備して再訪したいと思う。
帰路には満開の桜も拝め、ノルマ達成の充実した日となった。
日立沖のオキメバル 釣行レポート
浅場に良型、大型が集結! 多点掛け連発で数釣りが楽しめる

当日は日立沖の水深50m前後を狙った

「これは数付いたよ~!」

あちこちでウスメバルが連なって上がってくる光景が見られた

取材当日は多点掛けが連発した

あちこちで多点掛けが見られた!

この時期、日立沖ではウスメバルの数釣りが楽しめる

一度にこれだけ掛かれば楽しい!


ソイもまじった

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・日立久慈「釣友丸」
今春も東京の桜はすでにシーズン終了。桜前線は北上していくが、桜に負けずと劣らず盛り上がっていたが日立沖のオキメバル(ウスメバル)だ。
産卵時期を迎えると、オキメバルが浅場に集結して釣りやすくなる。
しかも浅場の根周りに生息するクロメバルやソイなどもまじって、メバル五目として楽しむことができるのだ。
幅広いタナを遊泳するメバル。
ポイントに当たると3点掛けや4点掛けは当たり前。アタリも明確で、数釣りモードで楽しめる。
日立久慈港「釣友丸」の若林一船長に聞くと、「今シーズンも連日好調ですよ。いい人は50匹を超えています。このあたりのメバルはサイズもいいですから引きが楽しいですよ。やっと乗っ込みで浅場に集まり始めたから、これからしばらくの間は楽しめると思いますよ」と話してくれた。
釣行日の4月9日はまだ水温が下がりきらずに、狙う水深は50mと少し深め。
クロメバルこそ顔を出さなかったが、赤いウスメバルが船上で満開に咲き乱れる好釣果に恵まれた。
8本バリの胴付き仕掛けを使用した人には8点掛けもあった。
この日のトップはなんと66匹。
全員が40匹オーバーの大釣りでクーラーはもちろん満タン。
しかも、ジャンボメバルが多数。
桜が散っても、今シーズンのメバルはまだまだ楽しめそうだ!!
以上の記事は「つり丸」2022年5月15日号の掲載記事です。
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