アカイカの好漁場で釣る 激うまカンパチ!
今期も当たり年の予感!アカイカ泳がせをマスター
アカイカ漁盛況=カンパチ絶好調となる予想

伊豆七島のひとつである神津島。
黒潮洗う島周辺では、たくさんの魚たちが釣れる。
そのなかでも人気の頂点に君臨するのがカンパチだ。
島では4月からアカイカ漁が盛んに行われている。そう、ブランドのアカイカ(ケンサキイカ)の好漁場なのだ。
釣り人に人気のカンパチたちもアカイカは大好物。
栄養豊富なこのイカを飽食することにより、身に脂を蓄え激うまになるのだ。
アカイカが大好物であるカンパチを釣るには、エサは生きたアカイカがベスト。
だから、アカイカ漁がさかんな季節は、漁師さんたちから生きたアカイカを買って、それをエサにしてカンパチを狙うこととなる。
この島周りで泳がせ釣りに一番力を入れている老舗の遊漁船が、神津島「重郎平丸」。
神津の海を知り尽くす大船長の小林直也さんが舵を握り、若船長で次男の城(きずく)さんが船上を切り盛りしている。
ゴールデンウイーク明けからは、長年活躍した17トン船と19トンの大型JG(近海限定許可船)船の2隻体制となり、次男の城さんが新船の船長、三男の大志さん、さらには長男の優星さん、四男の弘毅もスタッフに加わり家族総出の最強布陣で、釣り人を迎え入れてくれる。
「今年もアカイカが豊漁なので、カンパチもそれに比例していいハズですよ。のっけから入れ食いを期待したいところですが、潮の流れによって魚の活性も異なりますから、釣果に多少の日ムラもありますが、昨年と同じく当たり年になると思います。アカイカを食べている魚たちは本当にうまいですからね。むろん、釣れるカンパチは激うまですよ」と、城(きづく)さんは話す。
アカイカ泳がせは開幕したばかり。
ベテランはもちろん、これからやってみたいと思う人もバッチリのシーズン。
ここで城さんが自身で学んだ、最強のカンパチ釣法を伝授してくれたので紹介しよう。
19トンJG船就航

最終整備中の「第38重郎平丸」。19トンで全長25m、幅は5.7m。最新航海機器フル装備。JG(限定近海許可船)船なので銭洲やイナンバへも行ける。5月中旬以降はこの船がメインだ

温水シャワー室完備

トイレはウォシュレット
タックルは神津島周りは〝根がきつい〟ことを前提とする

遠征大物釣りは、大物釣りの聖地である銭洲の泳がせタックルを基本としている。
だが、神津島周りでは、ポイントの海底が激しいことを前提にタックルセッティングをしてほしいと城さんはいう。
「とにかく島周りのカンパチポイントは根がきつく根掛かりしたときにできるだけ高切れしない道糸を使わなくてはいけません」
理想をいうと通常の泳がせタックルのリールにPE15号を巻き込んでほしいという。
銭洲では通常PE10〜12号を使うので、比べるとかなり太く感じるだろうが、根切り棒に道糸を巻きつけて根掛かりを外すとき、このPE15号設定だとかなりの確率で高切れは防げる。
とはいうものの、手持ちの泳がせ専用リールの巻き替えは難しいもの。
できるだけPE12号以上で新品のものをリールに巻くようにしよう。
オモリは200号。親子サルカンとの接続はダブルスナップサルカンでよい。
ハリスは50〜60号だが、城さんオススメは60号。
イカエサでは思わぬ大物との出会いが高確率であるからだ。
イカエサ専用仕掛けを若船長とプロショップが共同開発
城さんが絶対オススメのアカイカエサ用の仕掛けというのがプロショップ『FSS』と『アリーズ』の2種。
城さんとそれぞれプロショップスタッフが神津島専用のアカイカエサ仕掛けとして共同開発したものだから。
FSSは孫バリが遊動式になっていてハリも最新のものを採用。
アリーズはマギールバリでカンパチに最適のハリとの評価得ている。
軸が長めでハリ先が鋭いので刺さりが抜群。
強化チューブを使うなどして結びの強度にもこだわって作っている。
エサのアカイカは朝に島の漁師さんから直接購入

下田港を夜中に出港しまずは神津島に立ち寄る。ここで漁師さんが取ったアカイカを各自、直接購入する

アカイカは漁師さんから個別に購入する

買ったイカは釣り座の生け簀へ入れる。管理が大事だ
エサの生きたアカイカは、朝、神津島の港に到着したときに島の漁師さんから各自、直接購入する。
1パイ130円で一人だいたい10パイ〜15ハイが目安だ。
買った生きイカは、各釣り座にある生け簀にタルで運び入れ管理する。
管理とは、生け簀に差し込んである海水ホースが抜けていないか、ホースを物でつぶしていないかをきちんと確認すること。
イカが死んでしまっては、死にエサでも釣れないわけではないが、もともこもない。
そして、イカが入っている生け簀のなかにはけして魚を入れてはいけない。
魚を入れるとイカが墨を吐き、次々とイカが死んでしまうことがある。
このように、生かしたイカは最大限、元気に生かすことを心がけよう。
城船長流アカイカエサのハリ付け法を学ぶ

これが理想のアカイカのハリ付け方法
城さんは、とことん研究を重ね、ようやく納得のいく付け方が見つかったという。
そのやり方はまず、親バリ(※ヒラメでは孫バリ)を利き手(右利きなら右に持つ。画像の船長は左利き)に持つ。
生け簀からすくったイカを台の上へ“表にして”置き、まずは、親バリを目と目の間に刺し抜く。
この際、深く刺し込んでしまうと神経に当たり死んでしまうのでできるだけ、浅く刺すのがコツ。
次にイカの向きを上下入れ替えて置き、孫バリをエンペラの先端に刺す。
このとき手で皮をつまみその弛みに刺すのがコツ。
けしてイカの中心部にグサっと刺してはいけない。
ここにはイカの神経が集中しているので、深く刺してしまうと神経締めすることとなってしまうからだ。
これらの動作すばやく行うことが大事。
遊動式の孫バリを使う場合、かなり大事な注意点がある。
それは親と孫の長さについて。
これはイカの大きさに応じて、長めにとることが必要という。
短いとイカが泳がなくなるばかりか、早死にしてしまうというので気をつけよう。
爆釣シーズンを征する アカイカエサの泳がせの誘い方

城さんに聞いたアカイカ泳がせの釣り方はこうだ。
一通りを解説しよう。
まずは、船長の合図で素早く仕掛けを投入。
オモリ着底後、一気に底から7〜10m上げる。
そこで30秒から1分静止させてアタリを待つ。
アタリがなければ、そこからゆっくりと3〜5m巻き上げ。
巻き上げ後30秒ほど待ち、アタらなければ一気にオモリを底へ落す。
底ダチをとったら、根掛かりを防ぐため素早く下から2m上げてそこで15〜30秒静止。
アタリがなければ、さきほどの底から7〜10mのタナまでゆっくりと巻き上げていく。
これから先の動作は一連の動作の繰り返しだ。
この誘いの特徴は、タナが底から7〜10mで高めであることと底上2mで短時間静止させることのふたつ。
底から7〜10mのタナは、最大の難関でもある根がきついから。
下から2mでアタリを待つのは、上方からフォールしていくエサを追いかけたカンパチがバイトするきっかけをつくる目論みだから。
この誘い法はむろん、神津島だけでなく、アカイカエサでカンパチを釣る銭洲や三宅島でも通用する。
ぜひ、動作だけでなく、水中イメージまで覚えて使ってみてはいかがだろう。
アワセの基本は電撃アワセ アタリ後早すぎず遅すぎずに
イカエサの場合、魚と比べて、はるかにフッキング率が高い。
その理由はイカの身の柔らかさ。
だから、十分にエサを食わせてその後、アワせるという、泳がせ釣りの基本アワセ法に則るが、気持ち早めでもいい。
こういう理由でイカエサ使用の場合、釣れる確率が魚エサよりも高い。
まずはドラグはきつめでOK。
基本的にやり取りで道糸は出さないことが前提だ。
アタリが出たら、まずはじっと竿を動かさず様子をみる。
さまざまなアタリが出るが、アワセのタイミングはグイグイグイと強く真下に竿先を引き込まれたとき。
このときに大きく強いアワセを入れよう。いわゆる電撃アワセでよいという。
アワセのあとは、とにかくテンションを緩めないように竿を斜め上方向に立てたまま、もしくはポンピングしながら巻き取りに入る。
【伊豆七島・神津島周り】カンパチ 釣行レポート
マッチ・ザ・ベイトのアカイカエサで 激うまカンパチをゲット!!

船長の指示にきちんとしたがって釣れば高確率で激うまカンパチが釣れる

でっぷりとした激うまカンパチがそろう。脂ノリノリだ

乗船日は後半、爆釣タイムに突入。十分すぎる釣果をゲット
うれしい、 最高の1本に感謝!

キーズこと城さんは「第38号船」の舵をにぎる
ダブル、トリプル 同時ヒット中!

活性が上がるとダブル、トリプル同時ヒットはザラとなる

丸々としたナイスボディの個体が揃う。これがアカイカシーズンのカンパチ。脂がのっていて激うまぞろいなのだ

スタンディングファイトで一進一退の攻防を征する

激うまの1本!

ナイスボディ!!

待望のカンパチが来たぁー

取り込みは仲乗りしている若船長たちにおまかせ

大型アカイカを丸のみするカンパチ。それだけ、アカイカが大好物なのだ

五目の常連、ヒメダイ

こちらも五目釣りでオキアジ

アカイカエサにメダイがきた

これが新投入された19トンのJG船「第38重郎平丸」

17トン船もまだまだ現役。2隻体制で遠征を行う
今回、取材にご協力いただいたのは、 東京・神津島「重郎平丸」
カンパチアイランドの伊豆諸島神津島周りでアカイカ泳がせによるカンパチ釣りが開幕。
4月半ばから爆釣シーズンを期待させる、カンパチラッシュでスタートした。
「今年も神津島周りのアカイカは絶好調なので、カンパチもバッチリですよ」とは、神津島「重郎平丸」の若船長、小林城さん。
今期は良型が多い、という漁で獲れるアカイカだが、神津島の北西に鎮座するオンバセ島の沖にその生きたアカイカを投入。
潮が動き出したタイミングで入れ食いモードに突入。
そう、カンパチの大好物でマッチ・ザ・ベイトのこのエサで狙うと高確率で本命カンパチをゲットできるのだ。
「島周りのカンパチは3年前から爆釣してます。今期も好調ですから、泳がせ釣り初めての人もぜひ、気軽に遊びに来てください。19ト ンの大型船が就航してますから、よ り快適な環境で釣りができます。私と兄、弟2人、親父船長と5人体制でしっかりとみなさんをフォローしていきます。よろしくお願いします!」とのこと。
イカエサはムロアジエサとは異なり、アタリが出てからのフッキングが早い。
だから、早すぎず遅すぎずのアワセのタイミングで勝負が決まる。
さあ、アカイカを飽食した全身脂ノリノリの絶品カンパチ求めて、いざ、神津島へ!
以上の記事は「つり丸」2022年6月1日号の掲載記事です。
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メインポイントはオンバセ島沖。海底はごつごつとした起伏が激しい岩礁帯が広範囲にある