ターゲットは大ビラメのみ!
マッチ・ザ・ベイト現地調達の アジを泳がせて釣るナイトゲーム
エサのアジはコマセシャクリ釣りで!
ゴールデンウイークから開幕 狙いは乗っ込み大ビラメ
間瀬港「光海丸」の小林聡船長が上越沖のカカリ釣りの夜ヒラメ釣りからヒントを得て、手探り状態からスタートしたのが5年前。今期で6シーズン目を迎える。
雪代の影響もある間瀬沖では、大雪が降った今期の開幕は、いつか? と危ぶまれたが、昨年同様、4月28日に今期初の乗っ込み大ビラメたちが取り込まれた。
「試し釣りで撃沈続きだったのでいつ始まるか、今期は予想がつかない状況でしたが、昨年と同じ日、同じ天候のなかでシーズン初ヒラメをゲットできました。1枚釣れれば、もう安心。デカイのが釣れますよ」と小林船長は今期の様子を話す。
船長は「デカイのが釣れます」と言うが、実際、初日も最小が3.4㎏。最大が7.3㎏。ほとんどが5㎏オーバー。
この事実だけでも、大ビラメのみが釣れることが分かる。
まずはエサのアジ釣り。暗く なり始めてから泳がせ開始

出船は16時ごろ。まだ明るいころに出船するのは、エサのアジを釣るためだ。
アジは以前はサビキで釣っていたが、より確実に釣るため、小林船長は数年前からコマセシャクリ釣りに切り替えた。どうしてかというと、
「間瀬沖のアジはかなり手ごわくて、雪代が出て水温が低いシーズン初期はタナが狭いんですよ。その限定したタナに仕掛けを入れることができれば、アジは食います。だから、コマセシャクリ釣りにしたんです。それが狙い通り当たって、アジはコンスタントに釣れるようになりました。エサの確保はもちろん、お土産にもなります」とのこと。
最低でもアジは10匹以上はほしい。生け簀に20匹以上確保したらOKだ。
夕マヅメにアジの反応がなくなりかけるころまでたっぷりとアジを狙い、暗くなり始めたころから、ヒラメ狙いのポイントへ移動して泳がせ釣りを始める、というのがナイト泳がせのスケジュールだ。
シーズン初期はマダイ竿など 胴調子のものがベスト
さて、ナイト泳がせのタックルだが、雪代が出て水温が低いシーズン初期は、竿はコマセマダイ用など胴調子のものがよい。
水温が上がり高活性状態になったときは、通常のタックル、7対3調子もしくは8対2調子のものにする。使用オモリは80号。
これに適合するさまざまなものが使える。とはいえ、相手は大ビラメ。
ときにはワラサやブリなどの青物ヒットすることもあるのでトルクフルな魚たちの疾走を止めるバット部がしっかりしたものをチョイスしたい。
リールは小~中型電動リール。パワーのあるものが望ましい。
これに道糸はPE6号使用する。どうしてPE6号なのか。
それは大ビラメや青物がヒットするとオマツリは必至。
これより細いとその際に道糸が高切れを起こすからと船長はいう。
まずはエサ釣り。ウイリー シャクリ釣りの要領で釣る

エサ釣りはアミコマセ使用のシャクリ釣りだ

仕掛けは片貝や飯岡のハナダイ用のカラーバリ。船で購入する
前述したとおり、エサのアジはアミコマセ使用のシャクリ釣りで確保する。
釣り方は関東周辺で行われているウイリーシャクリ釣りやコマセのハナダイ、イサキ釣りとほぼ同じ。
だから、タックルは、専用を用意するなら、ハナダイ用やイサキ用などを選択する。
この際、泳がせのタックルでアジ釣りをしてもよい。
そうすれば、用意するタックルは1セットで済む。
このことを踏まえて、PE6号が前提なので使用するビシはオモリ80号のFLのビシカゴを使う。
仕掛けは船長が独自に仕入れているカラーバリのハナダイ仕掛け。
これに敵う仕掛けはないので、迷わず船の仕掛けを購入して使おう。
テンビンと仕掛けを介するクッションゴムの使用はここでは禁止だ。
コマセの振り出し調整は下窓 全閉め、上窓3分の1開け

さて、アジの釣り方だが、まずは、プラカゴのコマセの振り出し量の調整をする。
これは、ハナダイやイサキと同じく、下窓が全閉め、上窓が3分の1開けでよい。
下窓を開けるをコマセが出すぎてしまうので注意したい。
プラカゴには7分目くらいまでアミコマセを入れ、船長の合図で投入。
指示ダナでビタ止めして置き竿でアタリを待つのみ。
これは狭いタナに仕掛けを確実に入れるための船長テクニックによるもの。
群れが船下に入ると、船中あちこちでアジが釣れだす。
1匹掛けたら、イサキと同じくデッドスローで5mほど巻き上げると追い食いが期待できる。
魚の活性がよく入れ食い状態になったときは、指示ダナより上へ誘いながら上げてきてもよい。
エサにするアジは中アジがベスト。大アジもよく釣れるが生け簀のなかが魚でいっぱいになってきたら、魚の元気を保つために、大きなアジから食用にする。
それを絞めてクーラーのなかへ入れよう。
アジの数は全部で20匹もあれば十分だ。
ヒラメの仕掛けはハリス14号 以上。3本チラシがオススメ
泳がせの仕掛けは、ハリスナイロン18号長さ100㎝、17~18号ソイバリを3本チラシにしているのが船長の仕掛け。
通常の仕掛けでもよいが、孫バリにトレブル4番5番という頑丈なもの使おう。
ハリスはヒラメには太すぎるのではないか、と思う人もいるだろうが夜釣りではハリスの太さはほとんど関係なし。
10~12号では大ビラメがヒットしてもいとも簡単に切っていってしまう。
だから、最低でも14号が必要と船長は言う。捨て糸はなくてもよい。
泳がせのタナは底から3m 早アワセは厳禁

さあ、生きエサを十分に確保し、時間になったら本番の泳がせ釣りスタート。
エサは親バリを鼻掛けもしくは上アゴ掛けして、2番目の孫バリ、もしくはトレブルフックは腹側で尻尾のほうに刺す。
3本チラシ仕掛けは、3本目はフリーにしておく。
タナは底から3m上が基本。しかし、潮が濁っているときなどは、底上2mでもよいがその判断は常に船長に従うようにしよう。
気になるアタリはさまざまだ。いきなり竿が海中に引きずりこまれるように曲がるときもあれば、モゾモゾモゾとしか動かないこともある。
シーズン初期など、今期のように雪代が多く海へ流入しているときは、ヒラメの活性も低いことが多いので、後者のアタリがほとんど。
このアタリがでたら、竿先を送りこみたくなる、だろうがそれはこらえて、その場で我慢して待つほうがいい。
「竿は触らず完全に突っ込むまで放置」と船長は断言する。
「うちの3本チラシ仕掛けでは絶対放置に限ります。そうこうしているうちにハリ掛かりしますから」
とはいうものの、アタリがでたら手持ち竿にして、うまくアワセを入れたくなるのが釣り人の性。
そんな人は、仕掛けを孫バリトレブルのものを使おう。
手持ち竿で竿先を下げず常にテンションを保つようにしてじっと待つようにしよう。
アジエサのときはとくに、この待ちが大切。早アワセは厳禁だ。
これでもか、これでもか、と余計に待つくらいでいい。
しっかりと重さを感じたところで、アワセを入れよう。
対して、3本チラシの場合は、アタリが出てから置き竿で放置し、もぞもぞとかグイグイと下へ引っ張り続けているようなら、それはすでにフッキング済み。アワセは入れずにリールをゆっくりと巻き上げよう。
いずれの仕掛けの場合も、やり取り中はポンピングは厳禁。
竿を立てたまま、ひたすら同じテンションでリールを巻き続けよう。
明らかに青物の場合、中層で何度も突っ走るので多少強引なやり取りをしなくてはいけない。
ドラグを強めにしめて強引に巻き上げよう。
そして、海面では必ず慣れた人にタモ入れしてもらう。
大型であるほど、船長にタモ入れしてもらわなくてはいけない。
釣り人は、ヒラメの頭をタモの中へ遊動し、タモのなかに収まったら、引っ張らずに逆に緩めるようにしよう。

難しいヒラメのタモ入れは慣れた人におまかせ。船長に頼もう
【新潟県・間瀬沖】夜ヒラメ 釣行レポート
乗っ込み大ビラメが ターゲット!!

釣り座はくじ引きで決める

ポイントは霊峰弥彦山の真沖

アジの群れはソナーでみつけて狙い撃つ

︎エサ釣りのアジは爆釣モード。お土産にもなる

4点掛け達成

中アジくらいがエサにいい

アジ仕掛けにヒットしたアジに食いついたクロソイ。デカイ!

夜ヒラメは軟らかめの竿がよい。マダイ竿を流用する人も多い

これが当日の最小サイズで3.4㎏

底上3mでバイトした大物は一気に竿を曲げた。こういう食いのヒラメは大型だ

大ビラメは取り込みがクライマックスで難しい。可能な限り船長に任せよう
7.3㎏浮上!

地元アングラーの原田さんが仕留めたのは今期最大7.3㎏。さすがだ

エサのアジは多少大きくても大丈夫だ

6㎏級だ。超ショートロッドでキャッチ
親子でキャッチ!!

親子でヒラメ釣りに乗船。二人とも本命キャッチに成功

今期初日はこの通りの釣果
間瀬沖ヒラメはおいしいぞ!

ヒラメのお造り。エンガワは脂がのっていて絶品。身もプリプリで甘い

ちょっと寝かしたヒラメでも中華蒸しにするとかなりおいしい
新潟県間瀬沖の夜ヒラメ釣りシーズンが始まった。
例年、ゴールデンウイーク前後に浅場に乗っ込んでくる大ビラメたち。
それをベイトである中~大アジを釣ってから泳がせて狙う。
「昨年も4月28日の夜中の10時30分から釣れ出したんですよ。今日も同じ日で昨年と同じ環境、ちょっとシケ気味で昇り潮だから釣れますよ」と、出船後、エサ釣り中に話すのは、間瀬「光海丸」の小林聡船長。
今期はまだヒラメは1枚も釣れていない。取材乗船は賭けだった。
午後4時ごろ出船。まずはエサのアジをカラーバリ仕掛けでコマセ釣りをする。
順調にアジは釣れた。
エサを一人20匹以上確保し、辺りが暗くなり始めたころにパラアンカー流し釣りでヒラメ釣りスタート。
ファーストコンタクトは午後8時半にあった。
なんと今期第1号は5㎏オーバー。
「大ビラメしか釣れないよ」というのは、まさにこのこと。
それから午後11時の沖揚がりまでに3.4~7.3㎏の大ビラメたちが5枚キャッチされたのだ。
まさに、今シーズン初の快進撃である。
「ここのヒラメですが、大きくても食べておいしいですからね。5月いっぱいがシーズンですから早めに来てください」と船長。
昼は沖でメタボアカムツが釣れたり、大アラが来たり、しかも、6月はマグロも開幕。
初夏の新潟・間瀬沖は魅力的な激うま高級魚ばかりがターゲットだ。

今回、取材にご協力いただいたのは、新潟・間瀬港「光海丸」
以上の記事は「つり丸」2022年6月1日号の掲載記事です。
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