つり丸23年間にわたる執筆の最後は 深海釣りではなくマダイでおめでたく!!
「右前に来ました!型が良さそうですね」との藤井伸一郎船長の声にミヨシを見やれば、沈黙を破り大きく弧を描くマダイ竿。
安良里港の真沖で仕切り直して約30分、「最後のひと山」が訪れる。
前週は7.1㎏頭に船中11枚キャッチ

4月13日は西伊豆安良里港「ふじなみ丸」から乗っ込みを迎えたコマセダイ。
当初16日を予定していたが天気予報を踏まえて3日間の前倒し。
この判断は吉と出るか、凶となるか。
この日は静岡県浜松に本部を持つ釣具チェーン「イシグロ」スタッフ5名(釣り研修会)に常連三井氏、我々2名の計8名。
向かうは前週8日に7.1kgのビッグワン頭に船中11枚キャッチと、乗っ込み本番突入を確信させる堂ヶ島沖。
期待膨らむ往路だが、早くも持病の頭痛と目眩が襲う。
6時、タナ65mでスタート。タナ取りは指示ダナプラス10mビシを落とし込み、コマセを振りながら巻き上げて合わせるオーソドックスなスタイル。
全員のタナ取りが終わった直後。2番の村上氏、前週7.1kgを仕留めたミヨシの三井氏の左舷前寄り二人に加え、右3番稲葉氏のロッドが立て続けに舞い込むトリプルヒット!
最初に手繰り始めたのは村上氏。
海面下に見えて来たのは銀色の魚体。
40cmに迫るビッグなカイワリに「タイよりも良いかも!?」と相好を崩す。
続く三井氏は本命もやや小ぶり。
「写真、撮るんですか?」と苦笑いも、再投入ですぐに食わせ、若干サイズアップ。
最後に取り込んだ稲葉氏はプックリ太った2kg級に笑顔を見せる。
釣り座に戻ると竿先がピクピク。一目で違うと知れた25cmイサキ。
隣席の井口氏はサバを取り込み「ミヨシ側と差が付いた」と渋い顔。
2流し目、またも三井氏のロッドが絞られるが半分ほど上げたところでハリ外れ。
3流し目に入った6時半、村上氏が落とし込みの誘いで2枚目を食わせると、船長から「リールから手で2m、ゆっくりラインを引き出す感じで落とし込んで」の指示が出る。
すると、直後筆者にアタったが…またもイサキ。
7時過ぎには右トモ稲村氏、右ミヨシ江幡氏、右2番前田氏と次々本命をタモ取り。
7時半の時点でマダイの顔を見ていないのは井口氏と筆者、左舷トモ側の二人だけに。
頭痛目眩も強くなり通常なら有り得ない手前マツリなど手際の悪さで自らチャンスを逃しているのが判る。
この後しばらく船中音沙汰なく、「反応はあるんだけど食わないなぁ」と首を傾げる伸一郎船長。
筆者はグダグダしている間に前半の好機を逸した感充満だ。
8時過ぎ、隣席の井口氏が小ぶりながら片目を開け、右トモ稲村氏にはカイワリ。
再び食い出すかと思わせたが、8時半に反応が出なくなり、小移動。
直後右ミヨシ側二人に同時ヒットも前田氏キャッチ、江幡氏バラシの悲喜こもごも。
ひやひやしたが ついに筆者も本命!

テル岡本が使った竿は「アルファタックル シブキF221」
ここでやっと服薬OKの時間となり鎮痛剤と目眩止めを追加し症状緩和したジャスト9時。
ウネリに身を委ね一定のリズムを刻んでいた「シブキF221」を一気に絞り込む本命のアタリ!
ほとんどラインが出なかったので小型だろうとロッドを起こしてスイッチON、した途端に突然のひと走り。
思ったより型が良いぞと即座に手巻きに切り替える。
やり取りで2kgくらいの獲り頃&食べ頃かな、と知れたが船内「ポロリ」も頻発していたので油断禁物と言い聞かせ、無事取り込んだのは50cm、1.8kg、全身黒みを帯び、白子で腹パン「これぞ乗っ込みダイ」の雄。
これで全員安打達成、船長共々安堵する。
ここから右舷中心にポツポツアタリが続き、9時半過ぎに稲葉氏が5枚目にして船中最大の3.3kgをタモ取り、トップに躍り出る。
その後アタリは遠のき、10時半前に港真沖への転進を告げる藤井船長。
10時45分、タナ55mで仕切り直し。
先のポイントと比べると正直期待薄の空気が船中に漂っていたが…。
3.5㎏など21枚と好釣! 今後イサキも有望
11時過ぎ、船長の声でカメラを握りミヨシに向かえば、江幡氏がやり取り真っ最中。
ロッドの絞られ具合とドラグの滑り具合、緊張の面持ちから「今日イチ」の大物と知れる。
観戦しばし、海面下に現れたのは額がグッと張り出した見事な雄ダイ。
隣席の前田氏が一発でタモ取りした当日最大更新の3.5kgに江幡氏の笑顔が弾ける。
「堂ヶ島じゃなく港前で大型が出たのは収穫。これからこっちも良くなる」と藤井船長。
この後ハリ掛かりしたソコイトヨリを襲ったアオリイカをキャッチするなど「賑やかし」も有り、昼過ぎまでに船中21枚と今季最高記録更新の一日に。
最後に試し釣りをしたイサキ場は反応有れど食い気なく、筆者と村上氏が肉厚個体各1匹で終了も5月中旬にはこちらもトップシーズン。
仕掛けのみ交換で2本立ても可能ゆえ、大いに楽しみだ。
【西伊豆・安良里沖】マダイ 釣行レポート

7.1㎏も上がっているという。大型の可能性は高いのでやり取りは油断せずに!

海面に大きな魚体が! 興奮の瞬間だ

ディープマスター・テル岡本の「つり丸」最後のターゲットは深海ならぬ、乗っ込みマダイ

3.3㎏のグッドサイズ!

乗っ込み本番で大型はもちろん数釣りも可能な状況だ

取材当日最大はこの3.5㎏。4㎏、5㎏クラスも期待十分だ

船中21枚の好釣果。

今後もしばらく活発な食いが楽しめるはず

まじりでカイワリなども。

今後イサキ狙いもおもしろい

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・西伊豆安良里港「ふじなみ丸」
4月の声を聞いても型程度だった西伊豆安良里港「ふじなみ丸」のコマセマダイに動きが出たのは8日。
堂ヶ島沖で今季最大7.1㎏の雄ダイを筆頭に11枚がタモ取りされ、いよいよ乗っ込み本番を実感させる。
今がチャンスと安良里に向かった5日後の13日。
ビッグワン浮上以降休めていたポイントは朝一投目から「待ってました」とばかりの高活性。
ひと段落付いた後半は安良里港前に転進、3.5㎏を頭にトップ6枚、船中21枚のマダイにカイワリ、イサキ、果ては良型アオリイカまでが舞い踊る今季一番の爆釣に遭遇。
全身が黒ずんだ雄、桜色のあでやかな雌ともども、思わず見惚れるほどのグラマラスなボディだ。
自身は持病の目眩と釣り座の不利に苦戦し雄ダイ1枚にとどまるも「次回」に夢が繋がる一日に。
また今後「もう一本の柱」となるのが港前のイサキ。
この日はご機嫌麗しくはなかったが、幅広肉厚でマダイと遜色ないグッドコンディションは確認できた。仕掛けのみチェンジで対応可能ゆえ、こちらも大いに楽しみ。
本稿執筆時は気配が無いが、カタクチイワシが回遊すれば西伊豆のご当地釣法「食わせサビキ」でヒラメ&根魚にも期待大。
何れ劣らず魅力的な初夏の安良里沖なのだ!
以上の記事は「つり丸」2022年6月1日号の掲載記事です。
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