シーズン開始直前の試し釣りに参加! 終始入れ食いで早揚がりでも満足釣果

春先の南房総を皮切りに、釣果の声を聞くイサキ。
気温の上昇とともにエリアを徐々に北に進める様は、桜前線ならぬ「イサキ前線」。
梅雨を最盛期に、これから房総半島がイサキラッシュに沸く。
しかし、今シーズンはどういうわけか目立ったイサキの釣果が聞こえてこない。
いったいどうしたのだ? 南房地域で唯一、LT(ライトタックル)でイサキを楽しめる乙浜港「信栄丸」の安田仁船長に聞くと、まったく拍子抜けの答えが返ってきた。
「イサキは反応もあるし、もういつでも行けるよ。ただ、今年はヤリイカが好調に続いているから、ヤリイカに行きたいお客さんが多くてイサキ船を出せていないだけ。GWくらいまでヤリイカやって、それからイサキに交代だね。今日は様子見で行ってみましょう」と、まったく心配ご無用のようだ。
開始から好調にアタる!

「信栄丸」はLTで狙う。ビシは「スリムビシ」などの40号を使

付けエサはイカタン
今シーズン最初の、試し釣り目的の釣行にお邪魔することになったのは4月24日の午後船。
12時前に乙浜港で待っていると、連日好調が続く午前のヤリイカを終えて「信栄丸」が帰ってきた。トップは65杯と、来週にGWが来るとは思えない釣果が続いている。
まぎれもなく今シーズンのヤリイカは当たり年。
それゆえにイサキが遅れたのも頷ける。
午前船からのリレーの方は満タンになったイカのクーラーと午後のイサキ用のクーラーを交換して出船。
今シーズン最初の試し釣りポイントに選んだのは白浜沖。
房総半島最南端の野島埼灯台の沖。
名実ともに房総最南端での開幕となった。
「信栄丸」のイサキ釣りの最大の特徴は、FL40号と軽く小さなビシカゴを使用するLTイサキだ。
竿も軽くて軟らかいLT用ロッド(「信栄丸」ではレンタル無料)。
小型両軸リールに道糸もPE2号と細い。
LTの最大の恩恵はイサキのアタリが明確になり、引きの強さも数段アップで楽しめること。
自身も大の釣り好きの安田船長が「これは楽しい!」と南房地域では唯一、先駆けて取り入れた。
今シーズン初とはいえ、例年の実績からポイントの目星は付いていた。
ほどなくして反応を発見。安田船長の指示ダナは20~22m。
「コマセは半分ぐらいね~。カゴの上は1/3開けて、下は閉めてやってみて。タナは22mだから、25mまで落として1mごとにコマセをまいてね」と非常にわかりやすい説明で今シーズンの幕が開けた。
悪い予報が当たって、正午過ぎから降りだした小雨のなかでも、白浜沖のイサキは元気に応えてくれた。
3本バリに3点掛けの連続ヒット。
「イサキはタナを釣れ」の格言どおりに、タナさえ間違わなければほぼ入れ食い状態。
LTだから 引きが強い!
しかし、サイズが安田船長の期待するものではなく、首をかしげる。
「ここはサイズが良いのがいるはずなんだけどなー」と船安田長。
これは私の仮説だが、そもそもコマセに使っているアミコマセは、このエリアの魚はまず自然には目にすることのないエサ。
白浜沖のイサキは魚影も濃くて、いきなりでもコマセに反応したが、他のエリアではアミコマセは美味しいエサであると慣れさせるために、シーズン前にわざわざコマセだけまくこともある。
さすがの白浜沖でも大きく育った用心深い良型は、最初に様子見をしているのではないだろうか?
実際、ソナーには真っ赤なイサキの群れの反応もあり、中盤からはポツポツと良型も口を使っていた。
開始30分ほどで、私以外の皆さんのオケは大量のイサキで褐色に染まっていた。
ここで私も今シーズンのイサキ釣り開幕。指示ダナから3m落としてコマセをまく。
1m上げてまたまく。すると指示ダナに達する前に、イサキがガツッと仕掛けをひったくった。
「あれ? しかもドラグが出そうな強い引き。これは小さくないな!」と上げてくると、この日のアベレージサイズの3点掛け。イサキの強烈な引きとはいえ、こんな勘違いをするのはLTならではだ!
入れ食いが続くが 土砂降りで早揚がり
2投目からも毎回、「今度こそ大きいのでは?」と思わされるほど存分にイサキの強い引きを堪能した。
気づくとあっという間にツ抜けしていた。
今度は少しでもいいサイズを狙おうと、指示ダナの上限(20m)で一回止めてコマセをまく。
そして50cm落とし込んでアタリを待つ。
来た! またまた強烈な引き。
大きなイサキはタナの上目を回遊しているので、サイズ狙いの作戦が見事に成功したかと思ったら、心持ちサイズアップの中サイズ3点掛けだった。
船長も反応の濃さやサイズを確かめるべく数ケ所のポイントを周ったが、ここで天気予報どおりに雨が強さを増して土砂降りモード。
本日の最大の目的である「イサキのポイント確認とご機嫌うかがい」は達成できたということもあって、これにて納竿。
実質2時間ほどの釣りとなった。
開幕初戦から色濃い反応があり、終始入れ食いモードで数が出た。
残念ながらサイズは本来のこのエリアのものではなかったが、心配はご無用。
ヤリイカ船が終了してイサキ船が始まれば、コマセに慣れた白浜沖名物のジャンボイサキのお目見えは必至だ。
今シーズンはあまりのヤリイカの好調に少し遅くなったが、いよいよ南房の海の主役はヤリイカからイサキへとバトンタッチする。
【南房総・乙浜沖】LTイサキ 釣行レポート

「信栄丸」はレンタルタックルは無料で借りられる

「信栄丸」はライトタックルで狙うので、アタリが明確に出て、引きも強く感じられる

良型の一荷!

慣れた人は着実に数を伸ばす!

3匹いる!

トリプル連発もある!

あちこちでダブルやトリプルで釣れた

これからの時期のイサキは、脂も乗ってとても美味しい!

釣趣抜群!!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・乙浜港「信栄丸」
春から梅雨にかけて、房総半島で熱く盛り上がるターゲットがイサキだ。
春先に房総半島最南端で最初の釣果の声を聞くと、桜前線のように徐々に北へエリアを拡大。そして「梅雨イサキ」で最盛期を迎える。
しかし、今年は最初のイサキの報が少し遅く、4月中旬になってもあまり声を聞かない。
南房地域で唯一、LT(ライトタックル)で楽しむことができる乙浜港「信栄丸」の安田仁船長にうかがうと「反応もあるし、もういつでも行けるよ。ただ、今年はヤリイカが好調に続いていたから、ヤリイカに行きたいお客さんが多くてイサキを狙っていないだけ。GWでイサキに交代だね。今日は様子見で行ってみましょう」と話す。
房総半島最南端の野島埼灯台は、まさに房総半島最南端。
当日はその沖を狙った。ポイントの水深は、20m前後と既に最盛期の水深だ。
指示ダナでコマセを振ると、間髪おかずにイサキの元気なアタリ。
ビシカゴ40号と軽いうえに、軟らかなライトタックル用ロッドを使っているので、魚の引きが数段アップして手に伝わる。
今シーズン最初の試し釣りは、ポイントの様子見半分。反応は色濃く、いきなり数釣りが楽しめた。
これから数多いポイントを一つ一つ探りながら、名物のジャンボイサキも顔を出すだろう。
南房の主役はヤリイカからイサキへと交代だ!
以上の記事は「つり丸」2022年6月1日号の掲載記事です。
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