7月末、ようやく始まった夜スルメイカ。どの釣り方を選ぶかは貴方次第です


ブランコ仕掛けは、乗りダナを集中的に探ろう。

ルメも確実に乗せる直結仕掛けの釣り。

今回、取材にご協力いただいたのは、茨城・鹿島港「第三幸栄丸」。
夜スルメイカ釣り。開幕を待ち焦がれた釣り人も多いが、7月27日(金)の夜、ようやくイカの群れがまとまり釣れだした。
「今年の夜スルメイカはどうなっちゃっているのか、よくわからないよ。7月末になってようやく乗りだしたよ」とは、鹿島港「第三幸栄丸」の小野和儀船長。茨城海域ではどこよりも先にイカ探索を始めるいわば、「幸栄丸」はフラッグシップ船だ。小野船長の釣果次第で他船が出船するか否かが決まるといっても過言ではない。
「夜のスルメだけは、よく分からないんだよね。基本的には、船の灯りに集まった魚を捕食しに集まるスルメイカがターゲット。鹿島沖はサバが多いからね。サバと付き合いながらのイカ釣りになりますよ」と、今期最初のイカ釣りの状況を話す小野船長。
ポイントは鹿島沖水深150m、パラシュートアンカーをうっての流し釣りだ。
周辺がすっかりと暗くなり、船の灯りが水面を煌々と照らすようになってから、イカは乗り出すという。
釣り方は直結仕掛け有利、ブランコ仕掛けもオッケー

ブランコ仕掛けはプラヅノ11〜14㎝。

ベテランは、やはり手釣りだ。

数を釣りたいならこの直結仕掛けの手釣りをマスターしよう。

「サバが多いときは、サバに捕まらない釣り方が有利になります。今期はサバの反応についたスルメを狙ってますから、サバはいると思ってください。だから、直結仕掛けがオススメですよ」
乗りがよくないときの定番として、ブランコ仕掛けが認知されているが、今期は乗りが悪くても、サバに捕まらず広範囲(広いレンジ)を効率よく探ることができる直結仕掛け使用の釣りが有利なようだ。当日も50杯以上100杯に迫る釣果をタタキだしていたのは、直結仕掛けの手釣りをしていた常連さん。
ポイントの水深は150m前後だが、狙うレンジは水深50mより上だ。
「多点掛けが少なく1点掛けが多いときは、イカが特定のタナに群れていない証拠。そんなときこそ、タナを探らなくてはいけません。やっぱり直結仕掛けなんだよね」と小野船長。
釣り方のコツは、水深50m以上道糸を出さないこと。常に水面まで50mの間を探り続けることが大事だという。
「ビギナーの方は、ブランコ仕掛けが扱いやすいかな。サバは覚悟して、周りの人の乗ったタナを集中的に探るのがこの仕掛けの釣りのコツですかね。タナさえ分かれば、逆に効率がいいこともありますよ」と決してブランコ仕掛けが釣れないわけではない。
鹿島沖でひとつスッテ初チャレンジ。その効果のほどは!?

ひとつスッテは乗れば、手返しが早い。ビギナーも簡単にトライできる。

活性が高いと海面でもヒットするこの釣法。表層攻略にはもってこいだ。

茨城海域で夜スルメイカ狙いで初めてひとつスッテ釣法を試した。
タナがなかなか定まらない状況では、スッテの数が少ないこの釣法ではなかなかスルメイカはヒットしないことが分かっている。
その対策として、タダ巻き釣法が有効だ。
その理由は直結が有利であるのと同じ、広いレンジを探りあてられるから。逆に、乗りダナが特定できれば、この釣法はかなり威力を発揮する。
実際、当日は前半戦こそ、単発乗りであったが、後半になってイカが灯り効果で浮いてくると、水深20m以浅で集中的に乗り出した。
しかも、ジギングで行うワンピッチジャークに反応がよかった。
考え方としては、夜スルメの場合、ロングフォールで乗せるか、巻き上げの動きで乗せるか、この二つを組み合わせて釣っていけば、釣果が伸びることが分かった。
巻き上げで乗せる場合、スピードがキモ。速すぎても遅すぎてもダメ。直結仕掛けで乗せている人の巻き上げスピードに合わせるのも一手。
試行錯誤しながら、イカを釣っていくこの新釣法をあなたも一度トライしてみてはいかがだろう。
以上の記事は「つり丸」2012年9月1日号の掲載情報です。
つり丸最新号は、こちら↓
雑誌つり丸(マガジン・マガジン)を販売中!割引雑誌、プレゼント付雑誌、定期購読、バックナンバー、学割雑誌、シニア割雑誌などお得な雑誌情報満載!
ナマリスッテの乗ったムギイカ。この赤帽子のスッテは定番だ。