鍋ネタの代表選手キンメダイが、網代沖で好調に上がっている


ウハウハである。

基本となるタナは、底から5m。まずは、ここでアタリを待とう!

最初の投入がイチバン良く食ってくるので、万全の態勢を整えて落ち着いて行おう!

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・網代港「水弘丸」。
冬場の釣りは、鍋ネタにもってこいの魚を釣ることが多くなるが、そんな鍋ネタの代表選手キンメダイが、網代沖で好調に上がっているとの情報をキャッチ! しかも誰もがエントリーしやすいライトタックルで釣れると言うので、さっそくチェックしてきた。
「期間限定の初島周り(3月いっぱいまでで毎週木曜は禁漁)が解禁してバリバリ食ってくれてるからね。通常狙う南沖もまずまずで、休みなくキンメに出られているのも好釣果をキープしている要因になってるよね」とは、当地のライトキンメのパイオニア・網代港「水弘丸」の水野克行船長の声で、状況を見てどちらに行くかを決めていると言う。
取材日に出掛けたのは、初島周り。水深220〜350mまでにある急な落ち込みを狙って、ご覧のような好釣果を得た。
「投入さえ上手くできれば、この釣りは難しいことはないからね」と船長。その言葉通り、この日もビギナーさんがゴキゲン顔で下船して行った。
「水弘丸」は、キンメの食いが渋り出すと、釣りモノを変えるリレースタイルをとっている。狙う魚種は、こちらも高級魚のアカムツやクロムツなどで、今回はオニカサゴを狙い、首尾良く結果を出した。
いま、まさに絶好調の網代沖。2ヶ所でできる激うまキンメの数釣りと+αの釣りで今年を締めくくりましょう!!
エントリーしやすいライトタックルで挑める

マグロ用のタックルで流用が効くと船長。

市販の深場五目仕掛けでOK。ビギナーはハリ数7〜10本を目安に。

マグネット板を用意してくれる「水弘丸」。エサをチョン掛けにして並べておこう。

キンメダイと言えば、一般的には深場の釣り(それなりの設備投資が掛かり、重装備)を代表する魚と認識されているが、「水弘丸」では、これを浅場で狙い、それに伴いタックルもライト(細糸仕様で軽量、細身の道具立て)で挑んでいる。
「美味しい魚だし、人気もある。もっと手軽に釣れないか? もっとたくさんの人・つまりエントリークラスでも楽しめないか? と、あれこれ模索している時に、仲間の漁師が、キンメとしては比較的場所を浅場になる水深で獲ったぞと教えてくれてね。キンメは水深500〜700mの深場に生息している魚だけど、エサを求めて浅場に移動する魚でもあるんだよね。で、ウチは、その場所を徹底調査。そして、さらに開拓。ライトタックルで事足りる浅場に上がってくる朝いちのタイミングに合わせて仕掛けを落とすようにしたんだよね」とライトに至る経緯を解説してくれた。
具体的なタックルを述べると、竿は、中深場用またはマグロ用。もしくは2m前後で、300号オモリを背負える6対4or7対3調子で、リールが、こちらもマグロ用。または750番クラスの中型電動リール。これに道糸、PE6〜8号を目一杯(最低500m)巻いて挑んでいる。
仕掛けは、全長が10m程度。幹糸にフロロ12号を用い、幹間は130㎝。枝スは、フロロまたはナイロン8号60 ㎝。ハリにムツ17〜18号を使い、ハリ数は10本を目安に結んでおくこと。ちなみに、オモリは300号で、市販の深場五目仕掛け(船内でも購入可)でもOKと船長は言う。
「ウチでは300号の鉄筋オモリ、ロッドキーパー、バッテリーを人数分用意しているので、極論、タックルと仕掛け、そして大量の魚を持ち帰るクーラーがあれば楽しめるからね。クーラーは、40ℓクラスが多いかな」とのコトだ。
大前提は手前マツリのないスムーズな投入!!

高級魚のキンメ。取り込みはタモ網のサポートを付けて行おう。

キンメ釣りとしては浅場を狙う「水弘丸」だが、実際には300m前後の水深まで仕掛けを落としている。当然ながら2枚潮や3枚潮などの影響を受け、オマツリが起きる。そんなワケで、仕掛けを多目に持参することを最初に話して解説に行こう。
「この釣りは、投入さえ気を付けて行えば、難しいことは一切ないからね。誰もがキンメのズラズラズラ〜が味わえて、笑顔で下船できるから」と船長が話すように、取材時に乗船したビギナーさんのクーラーにもキンメがたくさん収められていた。
「投入合図が出る前に、エサ付けしたハリをマグネットにセット。落ち着いてオモリを前方にフィード。リールのクラッチを切って仕掛けを落としていくことに徹しました。また取り込んで、仕掛けが絡んだりした場合は、一回、投入をお休みするくらいの気持ちで、しっかり解き、再度、マグネットにセット。要は、落ち着いて仕掛けさばきができるかが重要でしたね」とはビギナーの声だ。
まずは慌てずに投入準備をして、イラストを参考に仕掛けを海底に送り込もう!
基本のタナは底から5m、食いが立つと上ずってくる

キンメダイは群れで行動をする魚で、その群れの密集度は、その時の潮状態で変わり、広がる時は20m以上の距離で散ることもあるそうだ。
ただし通常は海底付近に群れを成すので、「水弘丸」では、底から5mを基本のタナにして、
「とにかく、オモリが海底に着いたら、糸フケをしっかり取って欲しいよね。最低でも3〜4回は、リールを巻いては底を確認する動作を行い、糸を立てて、
そこから道糸のマーカーで5m巻き上げてアタリを待つ感じだよね」。
その後の動きは、解説図の通りで、たまに底を取り直すだけで良いと言う。
「やたらと誘う人がいるけど、あまり意味がないからね。むしろじっくりアタリを待った方が好結果になることがあるからさ」と船長。
キンメは誘ってすぐ反応が出るようなリアクション系の魚ではないそうだ。
ただし、周りでアタリがあった時は、動かすこと。群れの中に仕掛けがあるので、この時はアピールさせて食わせてしまうとのことだ。
食いが立つとキンメは、上ずってくる。追い食いさせるには、1mずつタナを上げて、アタリを確認。最終的に15mほど巻き上げた時点で回収するのが「水弘丸」流のキンメ攻略法となるので、実践して爆釣させよう!!
以上の記事は「つり丸」2018年1月1日号の掲載情報です。
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