近場で高級魚! 極上の味を堪能せよ!


ポイントは沖ノ瀬水深350〜400mほど。

食べ応えのあるまずまずのサイズが主体だ。

タモは、魚を入れる用というよりは、落下したときにアシストする感じで使用する。

この日は、朝イチにバタバタと食って、お土産に。

キンメのアタリは竿先に明確に出る。目でも楽しめる。

オマツリも多いが、お互い様と協力し合って上げよう。

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・小坪港「太郎丸」。
相模湾・沖ノ瀬のキンメダイが好機を迎えている。「太郎丸」が出る小坪港からは約1時間ほどでポイントに到着するが、それほど遠くには感じず、良型のキンメが狙えると思えばむしろ近場と言ってもいいだろう。
そして、ここのキンメダイは味がいいことでも知られ、通いつめる人も多い。深場の釣りと言えばビギナーには敷居の高い釣りだと思いがちだが、高橋良至船長によれば、「誰にでも楽しめる」釣りだという。フルレンタルも可能で、クーラーボックスひとつで乗船する人も多いのだという。
「せっかく近場でおいしい魚が釣れるんだからできるだけ多くの人にこの楽しさを味わって欲しいですね。難しそうなイメージですが、意外に簡単ですよ」
「太郎丸」のキンメは11月ごろから開幕。春まではキンメメインの釣りで、春からはアコウも増えてくるという。そして7月いっぱいまでとかなりロングランで楽しめる。キンメはこのところいい人で20枚前後といったところか。
「アコウもいますが冬場は水深が600mとか700mあたりにいます。これが春になるとキンメと同じ300〜400mぐらいで釣れるようになります」
現在はキンメメインに、クロムツや深場で脂の乗った大サバもよくまじる。
今年はずいぶんと寒い日が続くが、キンメなら刺身、鍋、さらにしゃぶしゃぶと、身も心もあっためてくれる。そんな魅力がたっぷりの釣りなのだ。
キハダタックル流用OK。レンタルも充実だ

この日は400m前後道糸が出ることが多かった。PE6〜8号を600m巻いてあれば安心だ。

オモリは250号使用。

バッテリーはハイパワーのものがおすすめ。

「太郎丸」のキンメはオモリ250号で水深350〜400mほどを狙うことが多い。これに対応したタックルが必要だ。
竿は1.7〜2m前後の深場竿、またはキハダに使っていた竿がそのまま使える。
リールは道糸6〜8号が600m以上巻ける電動リールがベスト。500mでも対応できるが、できたら600mあると安心だ。こちらもキハダに使用していた電動リールがそのまま使える。
「うちは一年でキハダ&カツオと深場の2つの釣り物で回しています。1つのタックルをそろえればどちらの釣りも楽しめるんです」
キハダ&カツオファンでキンメをやる人が少ないというが、せっかくタックルがあるのだったらぜひ挑戦してみよう。
また、深場用の電動付きタックルは2000円(ロッドキーパーも込み)で借りられるので、試しにやってみたいという人や、ビギナーの人はぜひ利用したい。
ロッドキーパーは、高負荷がかかるので、足が2本あるものがおすすめだ。足1本のタイプだと、巻き上げ中にずれたり不安定なためだ。2本のタイプを用いる場合も尻手ロープを付けておきたい。
仕掛けは胴付き8〜10本。幹糸は18号、ハリスは8号80㎝、枝間は170㎝。ハリはムツの17〜18号を使用する。接続は親子クレンサルカンを使用。ビギナーは6本バリの船宿仕掛けがおすすめだ。ヨリトリリングを付けるのもいいだろう。オモリは250号使用。
「ウチは全員分、船べりに付けるマグネットの板を用意しています。投入や回収が楽になるので使ってください」
こちらはロッドキーパーに挟んで船べりにセットする。
沖ノ瀬のキンメはこうして釣るのだっ!

投入はミヨシ側から順番に。

船で借りられるマグネット板を装着し、エサを付けたハリを等間隔に並べておき投入に備える。

船宿支給のエサはサバ。ていねいにカットされている。


エサはサバの切り身を使用する。端っこの真ん中にハリを刺し、回らないようにする。エサをすべてのハリに刺したらハリを船べりのマグネット板の上に等間隔に置いていく。左右一杯まで並べ手前に垂れ下がっているハリスと幹糸が絡まないようにしておく。
投入は船長の合図で行うが、ミヨシから順番に投入する。
「はいどうぞ!」で、ミヨシ1番の左右、「はい、次」でミヨシ2番の左右というように順番で投入していく。これはオマツリを防ぐためで、もし投入に間に合わなかったら、その回は残念ながらお休み。
そうならないためにも、潮回り中、反応を探しているときはいつでも投入できる態勢を整えておく。絡まった仕掛けを時間をかけて直すのなら、新しいものに素早く交換したほうがいいだろう。直すのは仕掛けの落下中や巻き上げ中にもできる。
「水深は400mぐらいのことが多いですが、メーターが水深の50mくらい前まで落ちたら軽くサミングして、糸フケをなるべく出さないようにしましょう。これでオマツリも防げます」
そろそろ着底だな、と思ったら竿先をしっかりと見ておこう。ふわっとしたら着底の合図。着いたらすぐに糸フケを取って素早く5m巻き上げる。これが基本のタナとなる。だが、これだけの水深があると5m巻き上げたつもりでもほとんど上がっていないこともある。マメに底を取り直して再度5m上げていくのが、アタリを出すコツだ。
「掛け上がりや落ち込んでいく場所など根のヘリを狙うことが多いです。こういった場所はすぐに水深が変わります。なるべくアナウンスしますが、底を取り直していってください」
底を取り直すことで誘いにもつながる。アタリは竿先に比較的ハッキリと出る。ツンツンとかキュンキュンといった意外にシャープな感じだ。この時期、サバも多いがサバの場合は食い上げてふわふわと浮きあがるようなものも多い。
アタリがあってもすぐに上げてはいけない。ここからさらに追い食いを狙う。基本はそのまま待つだけでOK。少し待って1m巻き、再び少し待って1m巻いて探っていくのもいいだろう。
「頃合を見て巻き上げの指示を出します。潮の流れもありますが、右舷から、左舷からと片舷ずつ巻き上げの指示を出しますので、聞いていてください」
巻き上げのスピードは魚がいないと思っても同じスピードで巻き上げる。いないからとひとりだけ高速で巻き上げるとオマツリしてしまう。
「巻き上げはだいたい14ぐらいのスピードですが、リールによっても違いますから中速で調整してください」
海が悪いときなどは船が持ち上がったときに回転が止まるぐらいにドラグ調整しておくのもいいだろう。巻き上げ時にあまり負荷が掛かるとハリ穴が拡がりバラシにつながってしまうのだ。
仕掛けが上がってきたら、最初に仕掛けをロッドキーパーのストッパーに糸をかけておき、確実に回収していく。魚がいない場合はマグネット板に置いていく。タモは魚が落ちたときにキャッチするためのアシスト用だ。
すべて回収して、仕掛けがそのまま使えるようならすぐにエサを付けて投入できるようにしておく。もし、ぐちゃぐちゃになっているなら新しいものに交換する。
深場の釣りのため周りの人とオマツリも多くなる。魚が付いた状態でぐちゃぐちゃになることもあるが、こんなときはお互い協力して気持ちよく過ごせるようにしよう。
以上の記事は「つり丸」2018年1月15日号の掲載情報です。
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この日は食いがあまりよい状況ではなかったが、タイミングよく食わせいきなり7枚掛けでスタート。